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防衛省民意を無視し「馬毛島」環境アセス着手強行。馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。⑧

Ryukyuheiwaより:


関連記事:防衛省民意を無視し「馬毛島」環境アセス着手強行。馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。⑦
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-1062.html
関連記事:防衛省民意を無視し「馬毛島」環境アセス着手強行。馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。⑥
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-995.html
関連記事:馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。2022年度の着工・24年度末工事完了、25年度には米軍FCLP運用開始⑤
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-984.html
関連記事:馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。2022年度の着工・24年度末工事完了、25年度には米軍FCLP運用開始④ *防衛省「馬毛島における施設整備」掲載しています

DEMO RESE Radio#18
「今、無人島・馬毛島が熱い!!」
part1 https://youtu.be/2-vYJ2boge0
part2 https://youtu.be/DsTgUznQ79o
part3 https://youtu.be/PXWIlRCpgcA
part4 https://youtu.be/I5g3SWx_8vs



馬毛島への米軍施設を許さない市民・団体連絡会 HP
http://www.mageshimabeigunshisetsuhantai.com/wp/



2月25日 MBC NEWS
馬毛島問題 防衛省と西之表市が初の協議の場 鹿児島



馬毛島への自衛隊基地の整備を巡る問題で、防衛省は25日、地元・西之表市が求めていた協議の場を来週28日に設けると発表しました。

防衛省と西之表市によりますと、初めてとなる協議は今月28日の午後1時から西之表市役所で開かれます。西之表市から八板俊輔市長らが出席するということです。

協議の場は今月3日、八板市長が岸防衛大臣に、基地整備について住民の不安解消を要望した際に求めていたものです。

防衛省は「自衛隊施設の整備に対する市民の期待に応え、不安を解消する方策を議論し、より多くの理解と協力を得ていきたい」としています。


2月24日 MBC NEWS
西之表市3月議会開会 八板市長「馬毛島問題 最善の道を模索」



鹿児島県西之表市の八板俊輔市長は、24日に開会した市議会の3月定例会で、国が計画している馬毛島への自衛隊基地整備について「難しい局面にある」とした上で、「最善の道を模索したい」と述べました。

(八板俊輔市長)「私は馬毛島問題が新たな局面を迎えたと思っている」

国は、馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転を計画していて、基地工事の入札など整備に向けた手続きを進めています。

計画に反対の立場の八板市長は、24日の議会では計画への賛否については直接、言及しませんでしたが、「最善の道を模索したい」と述べました。

(八板俊輔市長)「難しい局面に至っている。今とるべき最善の道を市民の皆さまと引き続き模索していきます」

(記者)「Q.(賛否判断は)どんなタイミングをイメージ?」
(八板市長)「国との協議の場はこれから始まる。それを見ながら」

市長の発言を聞いた賛成派・反対派の市議は…。

(基地整備に賛成 杉為昭市議)「ある程度の方向性を早く示して(市民と)対話する努力をすることが一番大事」

(基地整備に反対 鮫島市憲市議)「満足いく表明が市長からあったかというと、ちょっと物足りない。国と改めて向き合ってほしい」

定例会は来月29日までで、来月9日からの一般質問では馬毛島関連の質問が取り上げられる見通しです。



2月24日 南日本新聞
馬毛島基地計画に「不同意」掲げ再選の西之表市長 防衛省に出した「配慮要望書」で支持者と溝 反対派市民「早々と白旗掲げた」

西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画で、八板俊輔市長が岸信夫防衛相に提出した要望書を巡り、八板市長と反対派市民団体との間に溝が生じている。双方の直接対話後も、市民団体側は「容認、黙認に転じた」との疑念を拭えなかった。「市長をこのまま信じていいのか」。足並みの乱れも目立ち、今後どう対応していくのか意見を集約できない状況が続く。

「市長が政府に早々と白旗を掲げた」「市長を信頼して運動を続けてきた。要望書を出す前に説明すべきだったのではないか」

市民会館で20日にあった市民団体と八板市長との面会。冒頭以外は非公開だったにもかかわらず、出席者の怒りを抑えたような声が会場外に響いた。

「市と防衛省の協議を見える形でやって最善の道を探る。そういう私の信念を全うしたい」と八板市長。1時間余りの質疑はかみ合ったとは言い難く、出席者約80人の多くが硬い表情で会場を後にした。

「納得いかない」

市民団体のよりどころは昨年1月の市長選挙前に結んだ政策協定だ。八板市長が2020年10月に示した計画不同意の立場を、当選後も引き継ぐことを書面で約束。メンバーを挙げての後押しが再選の原動力となった。こうした経緯から団体内では、整備に伴う米軍再編交付金や隊員居住への「特段の配慮」が要望書に明記されたことを“約束違反”と見る向きが多い。

八板市長は面会時に公約との矛盾を指摘され、「そうとは考えていない。国になし崩し的に(計画を)進められる懸念があり、安心安全なまちづくりを託された」と回答。出席者の一人は「納得いかない」と気色ばんだ。

別の出席者は、環境影響評価(アセス)次第で計画を容認するのかと質問。「アセスの結果と国との協議状況を踏まえ、一定の考えを示さなければ」。こうした受け答えに「逃げられた感じ。信念が伝わらない」と切り捨てた。

つなぐ期待

面会では八板市長への不信感が渦巻く中、すがるような思いで期待をつなぐ会員もいた。

50代男性は「国の『整備地決定』で敗北感はあるが、市民の理解なくして建設できない。諦めずに反対しましょう」と呼び掛けた。八板市長が馬毛島の市有地(小中学校跡地)売却や3市道の廃止を「考えていない」と明確に否定した発言を前向きに捉えるメンバーもいた。

八板市長と市民団体のやり取りを賛成派の市議会議員も傍聴していた。「反対派の前でも計画不同意を言わないとは。要望書や市長の説明では中立に歩み寄ったように見える。改めて問いただしたい」と話す。

日米間で馬毛島を「整備地」とすることで合意後、初めての市議会定例会が24日開会する。賛成、反対両派のいずれも八板市長の真意を測りかねており、要望書に関する議論で紛糾する可能性がある。




2月21日 MBC NEWS
馬毛島問題 八板市長 反対派住民と面会「基地受け入れ前提ではない」



鹿児島県西之表市の八板俊輔市長は20日、馬毛島への基地整備に反対する市民グループと面会しました。この中で八板市長は、防衛省に対し、再編交付金などで「特段の配慮を」求めたことについて、「基地受け入れが前提ではない」と釈明しました。

(八板市長)「基地建設を受け入れることを前提としているのか、とお尋ねがありました。そうではないと申し上げます」

国は、西之表市・馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍の訓練を移転させる計画です。

八板市長は今月3日、防衛省に要望書を提出し、住民の不安解消や安全対策のため、市と国と協議の場を設けるよう求めました。一方で、要望書の中には、アメリカ軍の訓練受け入れが前提となる再編交付金について「特段の配慮を要望する」などとし、受け入れを容認したとも受け取れる内容があり、波紋を呼んでいました。

20日の面会は、基地整備に反対する市民グループの要望で開かれ、およそ80人が参加しました。面会は非公開でしたが、MBCは録音データを独自に入手しました。

市民からは、波紋を呼んだ「再編交付金への特段の配慮」について質問が…。
(参加者)「再編交付金の交付や隊員の住居等というのが入っているが、これが入っている時点で(基地整備を)容認しているのかなと思った」

(八板市長)「協議の場を設けて、不安や影響がどうなるのか、それに対する措置はどうするのか、あるいは期待のところでもどういうことがあるのか、しっかり見える形にしてもらいたい、西之表市民に特にそうしてもらいたいということを申し上げたかった」

八板市長は、基地建設の受け入れを前提とした要望ではないと釈明しましたが、反対を表明しなかった姿勢に不満の声が上がりました。

(参加者)「このような状態を招いてきた要因は、もちろん全部とは言いませんが、少なからず市長自身の努力、力不足にあったんじゃないかと私は思っている」

(参加者)「市民が同意しないとできない、このことは民主主義国家として当たり前ということを、ちゃんと主張しないとだめなんじゃないか」

(八板市長)「この問題の解決、対処にあたっては、交付金のこととか基地の被害など、今、一生懸命勉強している。私もそうですが、外部の方の知恵、力もこれから得ていくことも検討してしっかりやっていきたい」

(馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会 山内光典事務局長)「今でも同意できないと考えている、という言葉がいただければ最高だったが、なかったということで、ちょっと不満です」

市民グループは、去年1月の市長選で基地整備に同意できないとする政策協定を八板市長と結んでいて、今後、要望書が協定に反していないか協議したいとしています。


2月23日 MBC NEWS
馬毛島問題巡り 専門家らがシンポジウム



鹿児島県西之表市・馬毛島での自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転計画を巡り地元が揺れ動くなか、23日、課題などについて考えるシンポジウムが鹿児島市で開かれました。

シンポジウムには、オンラインも含め170人ほどが参加しました。国は、西之表市・馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍の訓練を移転させる計画です。

23日は、地方自治や日米安保下の島しょ経済の専門家らが、「基地建設は地域振興になるのか?」「国が決めたことに県民は口を出せないのか?」などのテーマについて、意見を交わしました。

(鹿児島大学法文学部 平井一臣教授)「街づくりをやっている人たちの話をきくと、交付金頼みの街づくりはうまくいかない。自立の意識、自前でやるという意識が希薄になっていって、結局、自分たちで創意工夫を凝らした地域づくりには繋がっていかない」

(沖縄国際大学大学院 前泊博盛教授)「残念ながらこの国では、国が動き出したものを止める力は国民にはありません。国民のみなさんが選挙に行って、少数意見に対しても尊重するというような、この国の形を変えていかないかぎり、国が勝手に決めて暴走したときに止める力は、この国の主権者たちには残念ながらない」

参加した人たちは、基地整備が地域の生活にもたらす影響について、改めて考えていました。

(参加した人)「鹿児島県民だけの問題ではなくて、やはり国会の中で審議をしろという話があったが、そこに大変共感した」

(参加した人)「しっかり子や孫のために行動し発言し、こういう場に来て学ばないといけない」

主催した会は、今後も議論の場を設け、県民の関心を高めていきたいとしています。


2月20日 南日本新聞
馬毛島基地計画で防衛省に「特段の配慮」を求めた西之表市長 反対からの方針転換? その真意は

西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画に絡み、八板俊輔市長が岸信夫防衛相に提出した要望書が市民に波紋を広げている。整備に伴う米軍再編交付金の交付や隊員居住への「特段の配慮」を求めた上、従来の計画「不同意」の立場も明言しなくなり、事実上の“黙認”“容認”に転じたと受け取られたからだ。要望書に込めた思いや計画に対する考え方を改めて八板市長に聞いた。

-要望書の意図は。

「地元の関心はプラス、マイナス両面を含めた基地整備の影響にある。賛否の判断材料と見ていた環境影響評価(アセス)の結果を待つ中、政府は昨年12月に来年度予算案の閣議決定をもって『整備決定』とした。この言葉のインパクトは強く、これまでの状況を吹き飛ばす新たな局面と認識した。市民の計画に対する期待や不安をもう一度整理する必要があった」

「安心安全な暮らしがいかに担保されるかを目に見える形で示してもらうために、市民の今の声を防衛相に伝えた。不安や期待に応えるため、市と国との協議の場を設置することを求めたのが最大のポイントだ」

-交付金や隊員居住で「特段の配慮」を求めた理由は。賛成、反対両派ともに方針転換と捉えている。

「基地ができたとすればという仮定での話だ。昨年12月に種子島への関連施設配備案が示され、西之表市、中種子町と南種子町との間に差があった。賛成派も反対派も、市民の不満がものすごく強かった。馬毛島は西之表市に属するので、両町との取り扱いをしっかり見極めてくださいと伝えたかった」

-昨年の市長選挙で再選を後押しした反対派は後退と受け止めるのでは。

「新しい局面での対応を理解してもらうしかない」

-防衛相との面会後の会見などで「私の考えは変わらない」と繰り返した。

 「市民の安心安全な暮らしを守るため、国との透明性や信頼性の高い協議が必要という考えが変わらないということだ」

-計画「不同意」の考えは維持するのか。

「整備決定という新しい局面を迎え、賛否や同意不同意は言えない。判断材料をそろえることを優先させたい」

「2020年8月に当時の防衛副大臣が馬毛島の施設整備案を突然示した。その後の防衛省とのやり取りで疑問は拭払(ふっしょく)されず、同年10月に『失うものが大きく、現時点で計画に同意できない』との所見を発表した。それから判断材料に大きな変化はないが、新しい局面でさらに材料を集めなければいけなくなった」

-何を材料に、いつ賛否を判断するのか。

「最終的にはアセスの評価書を見てからだ。新たな国の動きも出たため、国との協議を通じて市民の安心安全な暮らしをどう守るかという点も判断材料に加わった。安心安全の担保が市民の混乱や地域社会の分断の回避につながると思う」

-中種子、南種子の両町長が計画への賛意を示し、岸防衛相は塩田康一知事との12日の面会で「1市2町と防衛省が同じ方向を向いて取り組む新たな段階に入った」と述べた。

「同じ方向とは、首長と防衛省が協議していくことで、われわれの要望に前向きに応えると伝えかったのではないか」


覚えておこう、、、

2月18日 MBC NEWS
馬毛島問題の行方は 西之表市・八板市長「なし崩しで進めさせない」



鹿児島県西之表市・馬毛島での自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転計画を巡って地元が揺れ動く中、西之表市の八板俊輔市長がMBCの単独インタビューに応じました。計画への賛否は明言しなかったものの、「国がなし崩しで整備を進めないようにする」と述べました。

(西之表市 八板俊輔市長)「西之表は西を向いているところは(馬毛島が)見える。私にとっては原風景のひとつ」

種子島から望む馬毛島を「原風景」と話す、西之表市の八板俊輔市長です。

(西之表市 八板俊輔市長)「子どものころから毎日見てきたし、夕陽が沈むときはぼーっとしながら眺めていた。日本人にとっての富士山、鹿児島県民にとっての桜島、西之表市民にとっての馬毛島」

国は、去年12月の新年度予算案の閣議決定をもって馬毛島を自衛隊基地の「整備地」に決め、基地本体を含む一部工事の入札手続きを進めるなど動きを加速させています。

(西之表市 八板俊輔市長)「新しい動きがあるたびにちょっとどうかなと思うことは(国に)抗議しているが、この問題が一番いい形になるようにしなくちゃいけない」

こうした中で八板市長は今月3日、岸防衛大臣に対して再編交付金について「特段の配慮」を求め、基地の容認ともとられると波紋を呼びました。

(西之表市 八板俊輔市長)「再編交付金をどうこうしてくれと言いたかったわけじゃない。市民が、再編交付金が市に来ないとか、関連施設もよそにばっかり行くという不安・不満が市民からたくさんあった。『特段の配慮』というのが、私の意図と違う風に解釈された。それは私の不徳の致すところ」

交付金への「特段の配慮」は、多くの市民から出た意見を伝えたもので、あくまで自身の考えではないと強調しました。

八板市長は去年の市長選で基地整備に反対を掲げて当選し、「今も立場は変わらない」とするものの、最近の発言では明確に賛否に触れていません。

(70代・自営業)「(市長は)何を考えているか分からない。もうちょっと抗議するなら抗議したほうがいい」

(50代・主婦)「(立場が)あいまい。国にはどうしても負けてしまうのか」

(西之表市 八板俊輔市長)「(国が)決定と言う言葉を用いたのは新しい局面。突然そうなったわけで、市民の不安ある。それを解消することをまず優先しないといけない。私の考えはありますよ。でも、今やるべきことはそういうことじゃない」

その上で賛否については、環境影響評価の結果などを踏まえて判断すると述べました。

(西之表市 八板俊輔市長)「防衛省と西之表市の協議の場を設けようとしていて、環境アセスメ
ント(環境影響評価)も材料になり得る。しかるべき時とは、そういう時を念頭に置いて考えている(Q.ゼロ(ベース)にして考え直す?)まあ、そういうことですね」

一方で、防衛や安全保障の問題は、「国の専管事項」で「地方自治体に決定権はない」ともいわれますが、八板市長は「国がなし崩しで整備を進めないようにする」と述べました。

(西之表市 八板俊輔市長)「『防衛は国の専管事項』ということに異論を差しはさむつもりはない。ただ、地方自治体の首長はより市民に近い立場なので、専管事項であるが政策について市民の立場で意見を国に言わないといけない。『なし崩し』にならないようにしないといけない」

馬毛島を国が整備地に決め、新たな局面を迎えたとする中で、市民の賛否は分かれています。どのように集約し、対応していくのか?難しいかじ取りが求められることになります。


2月15日の東京新聞「こちら特報部」

tokyo2022 02151
tokyo2022 02152

2月14日 MBC NEWS
馬毛島基地問題 整備急ぐ岸防衛相に塩田知事は…



岸防衛大臣は12日に鹿児島県庁を訪れ、西之表市・馬毛島への自衛隊基地の整備について、塩田知事と意見交換しました。整備を急ぐ考えを伝えた岸大臣に対し、塩田知事は…。馬毛島問題を巡る2人のやりとりをまとめました。

基地整備に反対する市民団体が抗議の声を上げる中、12日、県庁を訪れた岸防衛大臣。塩田知事との意見交換に初めて臨みました。

(岸防衛相)「我が国の防衛、日米同盟強化のための馬毛島の自衛隊施設整備は、一刻も早く進める必要がある」

国が自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転を計画する西之表市の馬毛島。岸大臣は、計画に反対の立場の地元・西之表市の八板俊輔市長が、再編交付金について「特段の配慮」を求めたことに触れ…。

(岸防衛相)「種子島1市2町と防衛省が『同じ方向』を向きながら、自衛隊施設整備に関する取り組みを相談していく新たな段階と考えている」

基地整備を巡る動きが「新たな段階に入った」と発言。さらに…。

(岸防衛相)「環境アセスメント(環境影響評価)の手続きに影響ない範囲で、手続きの終了以前でも入札公告など必要な準備進めたいので、ご理解をお願いしたい」

馬毛島で進める環境影響評価の途中でも、基地整備に必要な準備は進めると明言しました。これに対し、塩田知事は…。

(塩田知事)「本来は環境影響評価の結果を見た上で、皆さんに判断材料を提供して理解を得ながら進めるのが大事。地元への理解を進めたいのなら、判断材料を早く示すようお願いしたい」

基地整備への賛否は示さず、「環境影響評価の結果を待って進めるべき」と強調しました。さらに塩田知事は、地元に説明する前に日米間で馬毛島を「整備地」として確認し合ったことに不満を示し、今後の進め方に注文をつけました。

(塩田知事)「事前に地元への説明を行うべきではなかったかという思い。今後、いろんなことを進める際は、丁寧な説明をお願いしたい」

およそ30分間の意見交換のあと、報道陣から「地元への説明のあり方」ついて問われた岸大臣は…。

(岸防衛相)「地元には様々な声があることは、十分承知している。地元の皆さまの声をしっかりお聞きし、今後、丁寧にご説明したい」

一方、塩田知事は…。
(塩田知事)「『丁寧な説明を心がける』と毎回言われるが、防衛省の言う『丁寧』の意味と、我々の期待との間に少し差があるかもしれない。そこはこれからも防衛省に申し上げたい」

「国との考え方に差がある」としたものの、強い批判は避けました。

なお、12日は、岸大臣による馬毛島の視察や西之表市など地元の市町長との面会も予定されていましたが、天候不良で中止に。

基地整備を急ぎたい国。一方、丁寧な説明を求める県や西之表市。考え方の違いをどう埋めていくのか。防衛省は、新たに意見交換の場を設けたいとしています。


2月13日 南日本新聞
トーンダウン? 馬毛島基地計画で鹿児島県・塩田知事から消えた「遺憾」 防衛相との面談で使わず「省略した」

西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画を巡り12日、岸信夫防衛相と面談した塩田康一知事は、国の強行な進め方に対し発表コメントなどで使ってきた「甚だ遺憾」などの言葉を使わず、判断材料の提供と丁寧な説明を求めることに終始した。その後の会見では、“弱腰”にも映る対応に報道陣の指摘が相次いだが、「今まで既に言ってきた話なので省略した」と淡々と語った。

塩田知事は1月、地元への事前説明なしに馬毛島が計画の「整備地」と決定されたことを「丁寧さに欠ける」と批判。環境影響評価(アセス)の途中段階で、防衛省が本年度内に基地本体工事の入札を公告予定と発表した際には「国の進め方は甚だ遺憾」と反発するコメントを出していた。

面談で直接、遺憾の意を伝えなかったことについて「『県の考えを踏まえしっかりと対応して』との言葉に全て含まれる」と説明。一方、「防衛省が言う丁寧な説明は、われわれの期待との間に差がある」とも述べた。「先に判断材料を」と要請しているにもかかわらず、国の動きが止まらない状況に「県の考えを粘り強く言い続けるしかない」とした。

馬毛島計画に加え、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿屋市)への米軍無人機一時展開計画も持ち上がる。塩田知事は「厳しい安全保障環境への対処は国が考えること。住民の暮らしがどうなるのかということについて、しっかり国から説明いただきたい」と話した。


2月13日 南日本新聞
馬毛島基地計画は「新たな段階に入った」 防衛相、鹿児島県を訪問 塩田知事に国と地元の協力関係説明

岸信夫防衛相は12日、鹿児島県庁を訪れ、塩田康一知事と面談した。西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画を巡り「種子島1市2町と防衛省が同じ方向を向いて取り組む新たな段階に入った」とし、基地本体工事の入札公告を進める意向を示し、理解を求めた。塩田知事は丁寧な説明や、環境影響評価(アセス)を通して住民に判断材料を提供するよう要請したものの、進め方に強く反発しなかった。

面談は約30分間で、公開された。岸防衛相は3日、同市の八板俊輔市長から米軍再編交付金や自衛隊員の居住に「特段の配慮」を求める要望書を受け取った。内容について「整備において期待と不安の声を受け止め、多くの理解と協力を得る努力を続けてほしいというもの」と解釈し、基地整備が前提との認識を強調。国と市との協議の場で八板市長の問題意識にも応えるとした。

軍事活動を活発化させる中国などを念頭に、「馬毛島の施設整備は一刻も早く進める必要がある」とし、早期の運用開始に向けアセス手続き終了以前でも工事の入札公告など準備を進めるとし、「知事にも政府の取り組みに協力をお願いしたい」と語った。

塩田知事は「西之表市では期待の一方、不安の声も根強く、意見が割れている」と指摘。地元説明前に日米間で馬毛島を「整備地」と確認し合ったことに、「事前に説明が必要だった」と不満を漏らした。入札公告には「本来はアセス結果を見た上で、理解を得ながら進めることが大事では」とした。ただ、これまで公告に対する知事コメントで使ってきた「了承しかねる」「甚だ遺憾」などの言葉を発することはなかった。

岸防衛相は12日、馬毛島を視察後、西之表市、中種子、南種子両町の首長と面会予定だったが、天候不良で中止した。「このタイミングで自らの目で確認したかったが、かなわず非常に残念。近いうちに訪問したい」と述べた。海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿屋市)への米空軍無人偵察機MQ9の一時展開計画に関し「鹿屋市民の懸念に丁寧に答え、市や県には(2月21日にも始まる)現地調査の内容や結果を説明する」とした。


2月12日 MBC NEWS
馬毛島問題 岸防衛相「環境影響評価中でも準備進める」



岸防衛大臣は12日、塩田知事と面会し、鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地の整備について、環境影響評価の途中段階であっても整備に必要な準備を進める考えを伝えました。

基地整備に反対する市民団体が抗議の声を上げる中、岸防衛大臣は12日午後、県庁で塩田知事と馬毛島の自衛隊基地整備について意見交換しました。

(岸防衛相)「種子島1市2町と防衛省が”同じ方向”を向きながら、自衛隊施設整備に関する取り組みを相談していく新たな段階」

岸大臣は塩田知事に対し、馬毛島への自衛隊基地の整備を巡る動きが「新たな段階に入った」との認識を示した上で、環境影響評価の途中でも整備に向けた準備を進める考えを伝えました。

(岸防衛相)「環境アセスメント(環境影響評価)の手続きに影響ない範囲で、手続きの終了以前でも入札公告など必要な準備進めたい」

これに対し、塩田知事は基地整備への賛否は示さず、「環境影響評価の結果を待って進めるべき」と強調しました。

(塩田知事)「本来は環境影響評価の結果を見た上で、住民に判断材料を提供して理解を得ながら進めるのが大事」

(岸防衛相)「我が国の安全保障環境は非常に厳しさ増している。一刻の猶予もない。地元の声をしっかり聞き、今後丁寧に説明をしたい」

(塩田知事)「安全保障環境が切迫しているとはいえ、住民の不安についてしっかり判断材料を提供してほしい」

なお、岸防衛大臣は12日、馬毛島の視察や種子島の3市町長との面会を予定していましたが、馬毛島周辺の天候不良のため中止となりました。


2月12日 MBC NEWS
岸防衛相の馬毛島視察 天候不良で中止に 

防衛省は12日予定していた岸防衛大臣の鹿児島県・馬毛島の視察と、種子島1市2町の市長・町長との面会について、天候不良で自衛隊機の飛行が中止となり、取りやめとなったと発表しました。
午後の県庁での塩田知事との面会は行うということです。

馬毛島と種子島への新たな訪問日時は未定で、防衛省は今後、スケジュールを調整したいとしています。


2月10日 MBC NEWS
馬毛島を防衛相が12日視察へ 首長らと意見交換も



鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地の整備を巡っても動きです。
防衛省は10日、岸防衛大臣が12日に馬毛島を視察すると発表しました。そして、西之表市の八板俊輔市長や中種子町長、南種子町長、塩田知事と意見交換する予定です。


2月9日 南日本新聞
馬毛島買収に「造成費」上乗せか 交渉で元地権者が防衛省に要求 共産党「不当にかさ上げ」と指摘

西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画で、政府が2019年12月に地権者から島の6割を買収した際に約45億8800万円を支払い、このうち約8割の約35億5000万円は「造成費」として上乗せされていた可能性があることが8日、分かった。衆院予算委員会で田村貴昭議員(共産、比例九州)が独自に入手した資料として提示。田村氏は地権者の造成自体に違法性があり「買収費を不当にかさ上げしている」と批判、情報開示を求めた。

政府は19年11月、当初の土地評価額の3.5倍とされる約160億円で売買合意したと発表。積算根拠について「交渉が継続中」として今も明らかにしておらず、内訳が表面化するのは初めて。岸信夫防衛相は8日、資料の出どころが不明だとして「回答は控える」と述べるにとどめた。

田村氏の資料によると、防衛省熊本防衛支局は19年12月、馬毛島の6割にあたる約470ヘクタール(638筆)を地権者のタストン・エアポート(東京)側から約10億3600万円で買収。さらに敷地造成費として約35億5000万円を支出、所有権を移転登記したと記されている。

同月から20年7月までに3回追加で購入し、初めの買収を含め計657.9ヘクタールに約50億円を支出した。資料では造成費は初めの買収分だけに記載されていた。

タストン社側は売買交渉で、独自に造成した滑走路などを加味するよう主張していた。防衛省が要求を受け入れた可能性がある。

田村氏は最新の国有財産台帳を請求したが内容は全て黒塗りだったため、その後の支出は不明という。防衛省は積算根拠などについて「適切な段階で説明する」としている。


.2月7日 MBC NEWS
馬毛島整備で交付金案 290億円に地元で波紋



鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地の整備を巡り、防衛省が地元の一部の関係者に対し、種子島1市2町への再編交付金を来年度から10年間で総額およそ290億円とする案を非公式に伝えていたことが分かりました。突然、浮上した案に、地元では波紋が広がっています。

国は、西之表市の馬毛島に自衛隊基地を整備したうえで、アメリカ軍の訓練を移転させる計画です。

関係者によりますと、在日アメリカ軍の基地や訓練を受け入れた自治体に支払われる再編交付金について、防衛省は去年末、種子島1市2町の一部の関係者に対し、10年間で総額およそ290億円とする案を非公式に伝えていたということです。交付は来年度からで、初年度は10億円規模で検討されています。

先週、訓練移転に賛成を表明した南種子町の小園裕康町長は、「交付金290億円」とする防衛省の案を、報道で初めて知ったといいます。

(南種子町・小園裕康町長)「金額や期間について示されたということは一切ない。ちょっと驚いている」

交付金を巡っては、2011年に250億円程度とも取りざたされましたが、今回は省令を改正し、種子島に整備する自衛隊員の宿舎などを基地の一部とみなすことで、290億円程度まで増額する考えです。

また、西之表市は、基地整備に反対する八板俊輔市長が、今月3日、再編交付金について岸防衛大臣に対し、要望書を提出し、「特段の配慮」を求めていますが、再編交付金を290億円とする案について、市は、八板市長が出張中で確認できないが、「市としては聞いていない」とコメントしています。

隣の中種子町の田渕川寿広町長は、「現時点で正確な情報を入手していないので、コメントできない」としています。

基地整備について賛成・反対、双方の市民団体は今回の交付金について…。
(賛成派団体・杉為昭事務局長)「所得向上などへの活用をしてほしい」

(反対派団体・三宅公人会長)「(再編交付金は)今まではなかったわけだから。無くても何とか必死にやってきた。基地が前提なら受けてはいけない」

また住民からは複雑な声も聞かれました。
(西之表市)「島にお金が入って潤ってくれたらいい」

(中種子町)「子どもがいる世帯や、子どもたちが遊べる場所が少ないという意見も出ている。そこにも役立ててくれるならいい」

(南種子町)「メリットとデメリットが具体的に示されてもらえる場があればいい」

再編交付金を巡って地元に波紋が広がっています。


2月7日 南日本新聞
【馬毛島基地計画 西之表市長の方針転換】「判断材料そろっていない」曖昧な言い回しに市民混乱 「不同意の公約どうなる」

西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画を巡り、八板俊輔市長が岸信夫防衛相と3日に面会した際に手渡した要望書が市ホームページで公開された。その後半部分の内容が、計画不同意から“容認”に転じたと市民に受け取られている。

基地整備に伴う米軍再編交付金や自衛隊員の居住に「特段の配慮」を求める部分。幹部ら数人で推敲(すいこう)を重ね、極秘扱いだった。担当課以外の中堅・若手職員の一部も「突然の方針転換」と受け止めた。

象徴
八板市長が防衛相と面会し、その後記者会見に臨む傍らには、計画推進に向けて地元の調整に動いた森山裕衆院議員(鹿児島4区)の姿があった。新聞やテレビの報道を通じてその様子を目にした市民には、“方針転換の象徴”と捉える向きが少なくない。

「(森山氏に)説得されたとの印象を受けた」と話すのは、容認の立場という40代の自営業の男性。数日前、米軍関係者が乗っているとみられる「沖縄 Yナンバー」の車両を市内で見つけ、写真に収めた。既に米軍も種子島に関心を持っているのかと驚き、「日米間で馬毛島を整備地と確認したことは重い。市長も苦しい立場だろう」とおもんぱかる。

障害者支援に取り組む50代の女性看護師は「圧力に負けた」と残念がる。1年前の市長選挙では、八板市長の反対姿勢に思いを託し1票を投じた。「計画不同意とした公約はどうなる。なぜ市長になったのかを忘れないで」

精神疾患を抱える元入院患者が計画への意見を書いたメモを保管。賛否以前に環境変化、特に音に対する恐怖を訴える言葉が並ぶ。「社会的弱者の声が届かない」と憤る。

火種
市中央部に位置する古田校区の窪田良二区長(54)は「(要望書は)計画への暗黙の了解」と受け止めた。自身は中立の立場を取り、八板市長が今後の方向性の検討材料とするため1月に行った地元51団体へのヒアリングに参加した。「トップとして(計画の是非を)判断する覚悟はあるのか」とただしたが、明確な返答はなかったと明かす。

八板市長は防衛相との面会後「しかるべき時に考えを示す」と明言を避けた。「トップ対トップの場だからこそはっきりと言うべきだ」と窪田区長。「方針転換の経緯を含め空白部分が多く、市民は戸惑う」と苦言を呈す。

八板市長は4日、鹿児島県の塩田康一知事との面会後、報道陣に「市民の安心安全を守るための措置を優先し、国と協議する場の設置を求めた」と要望書の真意を説明。計画に関する自身の考えは変わらないとしながらも、「判断材料がそろっていない段階で市長として賛否や同意の可否は言えない」とした。こうした曖昧な言い回しが市民の混乱に拍車を掛けている。

要望書を巡り、浮き彫りになった市長と市民の認識の違い。今後新たな火種となる可能性をはらんでいる。


2月6日 南日本新聞
【馬毛島基地計画 西之表市長の方針転換】巨額の交付金で揺さぶる防衛省に変化する民意 「前は賛成、今は反対と言いづらい」

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「大きな山が動いた。歴代の幹部も感慨深く受け止めている」。西之表市馬毛島への米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画を巡り、西之表市の八板俊輔市長が事実上の“黙認”に転じた3日以降、防衛省関係者は高揚感を隠さない。FCLPの移転先は1980年代から続いてきた日米間の難題だ。米国大使館関係者も「相当な関心を持っている」と明かす。

地元の調整に動いた森山裕衆院議員(鹿児島4区)は4日、官房長官時代から計画推進に注力してきた菅義偉元首相に“吉報”を届けた。菅氏は「理解が深まり良かった」と安堵(あんど)した様子だったという。森山氏は「日米間の合意は重い。これからは住民を分断させないことが何より重要」と話す。

昨年12月の種子島への関連施設配備案公表と、3000億円超の基地整備関連費を計上した2022年度政府予算案の閣議決定、1月の馬毛島「整備地」決定。防衛省が攻勢をかけるたびに八板市長は不快感をあらわにし「不同意」の姿勢を保ってきた。日米合意という“巨大な壁”に対峙(たいじ)する支えは自身を首長に押し上げた民意にほかならない。だが肝心の足元が揺らいでいた。

交渉材料
10年間で総額290億円超-。防衛省は昨年末、非公式ながら種子島1市2町を対象とする米軍再編交付金の規模を一部関係者に提示する。巨額の基地マネーが動くとのうわさが一人歩きし始めた。「案の定、金で揺さぶりをかけてきた。魅力を感じてしまう人も多いだろうね」。地元の男性は冷ややかだ。

複数の関係者によると、防衛省はかねて八板市長に「反対という言葉を控えてほしい」と求めていた。反対を明言すれば、交付金を支給できなくなると同時に、政府も交渉材料を失ってしまうからだ。ある防衛省幹部は「これだけ自由に使える金はない。基地負担だけを受けることになれば、島は混乱に陥るだろう」

思惑通り、市が1月に行った地元51団体への聞き取りでは、交付金を期待する声が相次いだ。50代男性は「以前は賛成と言いにくかった。この1年で市を取り巻く情勢が変わり、今では反対と言えなくなっている」と声を潜める。

依存
米軍再編計画の進捗(しんちょく)状況などに応じて支払われる交付金制度。極東最大級の航空基地である米軍岩国基地(山口県岩国市)周辺2市2町の支給額は、15年間で約320億円に上る見込みだ。種子島1市2町は、これに匹敵する規模と試算される。防衛省幹部は「馬毛島で恒久的に訓練が続く以上、交付金も続く」との見通しを示す。

ただ「アメとムチ」と呼ばれる制度による恩恵は、基地負担と引き替えとなる。将来的な基地機能拡大の恐れと紙一重でもある。ひとたび基地マネーに依存した先に待っているのは何か。反対する市民団体のメンバーは言う。「後戻りできなくなる。交付金は絶対にもらってはならない」


2月5日 MBC NEWS
馬毛島交付金「10年間で約290億円」防衛省が非公式に提示



鹿児島県西之表市・馬毛島へのアメリカ軍の訓練移転計画を巡って防衛省が地元関係者に対し、種子島の1市2町への再編交付金を来年度から10年間で総額およそ290億円とする案を非公式に伝えていたことが分かりました。

国は西之表市・馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍の訓練を移転させる計画です。

関係者によりますと、在日アメリカ軍の基地や訓練を受け入れた自治体に支払われる再編交付金について、防衛省が去年末、種子島1市2町の地元関係者に対し、10年間で総額およそ290億円とする案を非公式に伝えていたということです。交付は来年度からで、初年度は1自治体あたり10億円規模の交付が見込まれるということです。

2011年に250億円程度になるとの試算もあったということですが、今回は、省令の改正や種子島に整備する自衛隊員の宿舎などを基地の一部とみなすことで、290億円程度まで増額する考えだということです。


2月5日 南日本新聞
「馬毛島基地計画の撤回を」 西之表の市民団体が反対署名2万4000筆を防衛省に提出

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西之表市馬毛島への自衛隊基地整備計画の撤回を求める署名を防衛省職員(左)に提出する市民団体の代表ら=4日、国会

西之表市の市民団体「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」(三宅公人会長)は4日、野党国会議員でつくる沖縄等米軍基地問題議員懇談会が開いた集会で、馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画の撤回を求め戸別訪問やインターネットで集めた署名2万4349筆を防衛省職員に手渡した。2020年11月には30万3523筆を提出している。

集会は国会内であり、防衛、環境両省への聞き取りも行った。市民団体は、防衛省が環境影響評価(アセス)の途中段階で基地本体工事を発注した点を問題視。同省は「島内での作業は環境影響評価書の公告後に着手する」と従来の考えを強調。環境省は、土地の形状変更や工作物の新設などを伴わない入札や契約は「アセス対象とはならない」との認識を示した。

三宅会長は集会後の会見で、岸信夫防衛相との3日の面会で事実上計画“黙認”に転じた西之表市の八板俊輔市長と「直接会って話をしたい」と述べた。米軍再編交付金への配慮を求めた要望書が提出された経緯や真意を確認するとした。


2月5日 南日本新聞
【馬毛島基地計画 西之表市長の方針転換】「配慮」求めた要望書持参 従来の不同意、抗議は封印 

西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画に「同意できない」と反対姿勢を示してきた八板俊輔市長が、賛否や自身の立場を表明することを避け、事実上の“黙認”に転じた。方針転換の背景に何があったのか。計画を急ぐ国の思惑は。地元には不安や戸惑いが広がっている。

防衛省省議室に3日、岸信夫防衛相をはじめ、航空幕僚長ら幹部がずらりと並んだ。要望活動に訪れた八板市長が姿を現すと、頭を下げ丁重に迎えた。

持参した要望書は基地整備を見込んだ内容だった。住民の不安解消のため国と市との協議の場を設け、基地整備に伴う米軍再編交付金や自衛隊員の居住に「特段の配慮」を求めた。

地元首長としてこれまで計画反対の立場を貫いてきた。この日は「不同意」を口にすることなく、環境影響評価(アセス)途中に基地本体工事の入札を公告するといった国の進め方への抗議も封印。岸防衛相は「住民と国との橋渡しをお願いしたい」とし、事業を速やかに進める考えを述べた。

ある同省幹部は「交付金は整備への協力が前提だ。要望に市長の考えが込められている」と推察。整備加速の「お墨付き」を得たとの認識をにじませた。

局面
八板市長が「失うものの方が大きく、同意できない」と計画反対の立場を明らかにしたのは2020年10月。昨年1月の市長選でも公約に「基地経済に頼らない持続可能な社会を」と掲げ、容認派候補を僅差で退けた。それからわずか1年。国の猛烈な攻勢に「不同意」は鳴りを潜めていく。

大きな転換点が種子島内の関連施設配備案の公表だった。計画に協力的な中種子、南種子両町には隊員宿舎のほか管理事務所やヘリポートなどを置き、反対姿勢の西之表市は宿舎だけと、明らかな差を付けた。「国のやり方はえげつない。市民の不満が噴出する」。ある市職員の予想通り、賛成派を中心に市長や市役所への批判が強まった。

畳み掛けるように基地整備関連経費を計上した22年度政府予算案が閣議決定され、1月には日米間の協議で馬毛島を基地の「整備地」と確認。八板市長は「国から決定的な言葉を聞き、局面が変わった。整備を踏まえた対応を検討せざるを得なくなった」と振り返る。

1月中旬から実施した市内51団体への意見聴取では、再編交付金による経済効果を期待する声が多かった。市幹部にとって予想外だったのは、計画に批判的とみられた団体からも同様の声が上がったことだ。「市民の多くが望んでいる」と判断する根拠となった。

本意
防衛省への要望から一夜明けた4日、八板市長は朝1便で東京から鹿児島に戻り、鹿児島県庁で塩田康一知事と面会した。その後の会見では自身の考えや方針転換に関する質問が集中したが、「市民の分断を助長する」と明言しなかった。

同日午後、種子島に向かう高速船のターミナルに八板市長の姿があった。賛否や交付金を受け取る意向ばかりが注目されたことに、疲れた様子で「本意ではない」と漏らした。

要望書を見た賛成、反対両派からは「事実上の容認と読める」との声が上がる。「賛否より市民の安心安全を守ることをまず考えたい。真意が伝わらなかったのは私の責任」。そう釈明するのが精いっぱいだった。


2月5日 南日本新聞
馬毛島基地計画 西之表市長から消えた「不同意」 「同意の可否、市民の分断助長する心配がある」

西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画を巡り、事実上の“黙認”に転じた同市の八板俊輔市長は4日、鹿児島県庁で報道陣の取材に応じ、「計画に同意できない」とする自身の立場について「同意の可否を述べることが市民の分断を助長する心配があるので控えたい」と明言を避けた。

八板市長は3日、岸信夫防衛相と面会。市民の不安解消に向け基地整備に関し国と市が協議する場を設け、米軍再編交付金や自衛隊員の居住について「特段の配慮」を求める要望書を提出した。

報道陣からは計画への賛否や「反対の立場を変えたのか」といった質問が相次いだ。八板市長は「私個人の考えは変わらない」とした上で、「市長として市民全体を考えなければいけない」と強調。「環境影響評価(アセス)結果など材料がそろっていない段階で、賛否や同意の可否を言えない」と説明した。

昨年1月の市長選では、計画に反対する市民団体と「不同意」の立場を当選後も続けるとする政策協定を結んだ。「選挙の前後で私の信念は変わらないことを文書化したもの。今後も心にとどめ、市長として全うしたい」と述べた。

4日は塩田康一県知事と非公開で面会。八板市長は1月に市が実施した地元51団体の意見聴取の結果を伝え、今後も県と緊密に連携していくことを確認した。


2月4日 MBC NEWS
馬毛島問題 西之表・八板市長「分断助長」 立場明確にせず



鹿児島県西之表市・馬毛島でのアメリカ軍の訓練移転計画を巡り、反対の立場の八板俊輔市長は3日、計画容認ともとれる再編交付金に関する要望を防衛大臣に行いました。八板市長は4日の取材に対し、計画に反対の意向は示したものの、「賛否を明言すると市民の分断を助長する」とも述べるなど、立場を明確にしませんでした。

(西之表市 八板市長)「防衛大臣に面会し、馬毛島の存する西之表市との協議の場を設定について要請してきた」

西之表市の八板市長は4日に県庁を訪れ、3日に岸防衛大臣に行った要望内容を塩田知事に説明し、今後も情報共有と連携を図ることを確認しました。

八板市長は、馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転に「反対の立場」としていますが、3日、在日アメリカ軍の基地や訓練を受け入れた自治体に支払われる再編交付金について「特段の配慮を要望する」と記した計画容認ともとれる要望書を岸防衛大臣に提出しました。

アメリカ軍の訓練移転が前提となる交付金について、「特段の配慮」を求めた要望書の真意について、知事との面会後の取材で、あくまで「西之表市民の意見」と述べました。

(西之表市 八板市長)「(Q.特段の配慮を要望しているのは市か市民か)市民がそういう意見を持っていることを強調した」

そして、これまで通り「計画には同意できない」と述べながらも、「賛否を明言すると市民の分断を助長する」とし、計画への賛否については、あいまいな回答を続けました。

(西之表市 八板市長)「不同意という言葉を最初に使ったのはおととしの10月。(考えは)ずっと変わっていない。(Q.市長の計画に対する考えは)この問題の賛否や同意の可否を述べることが市民の分断を助長する。今は言うことを控えなくてはいけない」

八板市長は4日に改めて計画に同意できないとの立場を示したものの、防衛大臣に直接手渡した3日の要望書では一切その立場に触れていません。


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2月4日の沖縄タイムス紙面


2月3日 南日本新聞
馬毛島自衛隊基地計画に中種子・南種子町長が賛意表明 「誘致活動に沿っている」「国の決定は重い」

中種子町の田渕川寿広町長と南種子町の小園裕康町長は2日、西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画への賛意を表明した。西之表市の九州防衛局種子島連絡所をそれぞれ訪れ、岸信夫防衛相宛ての要望書を提出。「これまでの自衛隊誘致活動に沿う」(田渕川町長)、「整備地とした国の決定は重く、協力する」(小園町長)などと述べた。

両町長が計画への賛否を示したのは初めて。これまで「馬毛島は行政区外で是非を言う立場にない」などとして明言を避けていた。

中種子町の要望書は、町議会議長、官民一体でつくる町自衛隊誘致推進協議会長との連名。種子島空港や旧空港、長浜海岸一帯の町有地活用など5項目を求める。田渕川町長は報道陣に「人の動きによって町が活性化するのは魅力。町は駐屯地整備を目標に活動しており、早急に(計画を)進めてほしい」と語った。

南種子町の要望書は、町議会議長、町自衛隊誘致推進協議会長との連名。島間港の利活用や公立種子島病院との連携、町出身隊員の配置など7項目からなる。小園町長は報道陣に「関連施設の配置方針が示され、住民からもしっかり(計画を)進めてほしいとの話があった」と答えた。同行した広浜喜一郎議長も、町議会として計画に賛成する考えを明らかにした。

計画への賛否を巡っては昨年6月、中種子町議会が全会一致で、西之表市議会は1票差で、それぞれ賛意を示す意見書を可決していた。八板俊輔市長は現時点で「同意できない」との姿勢を崩していない。


1月31日 南日本新聞
馬毛島基地計画 「反対」の西之表市長再選から1年 「同意できない」崩さず 国の動き加速、市民に不安渦巻く

西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画の是非が最大の争点だった2021年の市長選挙で、反対を掲げた八板俊輔氏(68)が再選されて31日で1年になる。国が実現に向けた動きを加速させる中、八板市長は「計画に同意できない」との姿勢を崩さない。市民に「西之表の将来はどうなるのか」との不安が渦巻き、難しいかじ取りを迫られている。

防衛省が種子島での施設配置案を示した昨年末、市民に波紋が広がった。馬毛島への通勤港や管理事務所、ヘリポートと主立った施設は中種子、南種子の両町に割り振られ、隊員宿舎も3市町に分散されていた。

「関連施設が少ない所に隊員が多く住むはずはない。市の行政区の島を差し出すのに、経済的なメリットを見込めなければ損ではないか」。計画に賛成するIT関係の40代男性は落胆した様子で語った。

情勢厳しく

ここ2カ月余りで市を取り巻く情勢は厳しさを増すばかりだ。

環境影響評価(アセス)手続き中の防衛省は昨年11月、滑走路建設などに使うコンクリートを作る仮設プラントを発注した。12月には総額3000億円超の整備費を計上した新年度予算案が閣議決定され、馬毛島が「候補地」から「整備地」になった。管制塔や燃料貯蔵施設建設といった基地本体工事の発注も今月26日に始まった。

こうした動きが表面化するたびに、八板市長は「性急だ」「地元理解が必要」と訴えてきたものの、手詰まり感が漂う。防衛省は市長が計画に不同意との立場を逆手に取り、基地整備に伴う米軍再編交付金を「制度上支給できない場合がある」とけん制する。

市長選で八板氏に投票した子育て中の30代女性は「1年前の選挙が計画に反対する最後のチャンスと思った。(今の情勢で)計画が覆ることがあるだろうか」。市職員からも「市がどうこうできる段階ではなくなった」と諦めに似た言葉が漏れる。

重要局面

「私も防衛省にこういう進め方はいけないのではと言った」「西之表が反対してるからこうなるんだ」

市が馬毛島計画に今後どう向き合うかを検討するため、17日から25日まで市内約40団体に行った市長ヒアリング。ある団体とのやり取りで、市長と団体代表者のいら立ったような声が室外まで響く場面があった。

複数の出席者によると、「市民生活の向上のために再編交付金を受け取って」「中立の立場で防衛省と交渉を進めるべきだ」との声が少なくなかった。「市長はそう遠くない時期に何らかの判断をするとのことだった。悩んでいるように見えた」との証言もある。

市は寄せられた意見や要望を「精査中」とする。八板市長もヒアリングが始まってから取材に口を閉ざしたままだ。今後の対応次第では、政治生命が懸かる重要な局面を迎える可能性が出てくる。


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1月27日の沖縄タイムス紙面

1月27日 南日本新聞
馬毛島自衛隊基地計画 防衛省、環境アセス途中で本体工事発注 鹿児島県「理解しかねる」

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西之表市馬毛島への米軍機訓練移転を伴う自衛隊基地整備計画を進める防衛省は26日、航空機の管制塔や燃料貯蔵施設建設など計13件の入札を公告した。基地本体工事の発注は初となる。計画は基地整備の影響を調べる環境影響評価(アセス)の途中段階で、鹿児島県や同市が反発しているものの、公告予定が伝えられてからわずか2日後に実施した。

県は同日、防衛省に「判断材料を示すのが先だと伝えているにもかかわらず同様のことが繰り返され理解しかねる」と、経緯の説明を求めた。塩田康一知事は取材に「県として甚だ遺憾と伝えていることをどう考えているのか聞きたい」と述べた。西之表市馬毛島対策係は「防衛省は性急で丁寧さに欠けるという考え方は変わらない」とした。

九州防衛局ホームページに掲載された公告によると、管制塔は鉄筋コンクリート5階建て、延べ面積2300平方メートル。工期は「契約締結翌日から2024年2月29日」。このほか汚水処理施設や給水管路、敷地造成工事など。13件の開札は3、4月に予定する。業者決定後に施設設計や機材調達などを馬毛島外で進め、島内での着工はアセス手続き後としている。

国土交通省九州地方整備局も26日、基地の滑走路と仮設桟橋の詳細検討に関する技術協力業務の入札5件を公告した。

本体工事の入札を巡っては24日、防衛省が管制塔や駐機場など計27件、想定総額約720億円の工事入札を1月下旬から3月に順次公告すると発表し、県や西之表市に通告した。同省は26日、取材に「安全保障環境を考え、アセス後に速やかに施設整備できるよう準備している。自治体にはしっかり説明する」とした。

九州防衛局熊本防衛支局は滑走路建設などに使うコンクリートを製造する島内施設の工事4件の受注業者と26日、契約を結んだ。


1月26日 MBC NEWS
馬毛島で新たな入札公告 鹿児島県と西之表市「丁寧さに欠ける」



国は、自衛隊基地整備とアメリカ軍訓練移転の「整備地」としている鹿児島県西之表市・馬毛島で、基地本体の工事のための新たな入札公告を26日午前9時に行いました。

入札公告されたのは、管制塔建設や敷地造成など今月24日に新たに発表された27件の工事のうち13件です。

国は去年11月にも島内でのコンクリート製造施設の入札を行っていて、環境影響評価が続く中での相次ぐ入札に、鹿児島県と西之表市は「丁寧さに欠ける」と反発しています。

防衛省は「今回は入札の公平性に影響ない範囲で、できるだけ早く地元に説明するよう調整した。今後も丁寧な説明に最大限努力したい」とコメントしています。


1月24日 MBC NEWS
馬毛島基地整備問題 防衛省が新たな入札公告へ 地元は反発



鹿児島県西之表市・馬毛島での自衛隊基地の整備に向け、国が管制塔や敷地造成のため、新たに入札公告を行うことが分かりました。地元への説明・同意のない新たな入札に、県と西之表市は反発しています。

国は、馬毛島に自衛隊基地を整備した上でアメリカ軍の訓練を移転させる計画です。現在、島内でのコンクリート製造施設の設置に向けて工事業者との契約手続きが行われていますが、環境影響評価中の入札に、西之表市の八板市長は抗議した経緯があります。

そんな中、防衛省は24日、管制塔などの建設工事や敷地の造成工事で、新たに入札公告を行うと発表しました。公告は早いもので今月から行われますが、防衛省は環境影響評価の結果が出るまで着工はしない方針です。

新たな入札公告について、防衛省の職員が24日午後、西之表市役所を訪れ説明したということで、八板俊輔市長は「あまりにも性急で丁寧さに欠ける行為」とコメントを発表しました。
また、塩田知事も「国の説明は丁寧さにかける。国と地元の信頼関係に悪影響を及ぼす」と懸念を示しました。


1月21日 MBC NEWS
馬毛島・西之表市の意見聞き取りほぼ終了



国が鹿児島県西之表市の馬毛島をアメリカ軍の訓練移転と自衛隊基地の「整備地」に決めたことを受け、市は関係団体から意見を聞き取っていましたが、21日、ほぼ終了しました。

21日午後、種子島漁協を訪れた西之表市の八板俊輔市長は、非公開で組合員と意見交換をしました。

国は馬毛島に自衛隊基地を整備してアメリカ軍の訓練を移転させる計画で、これまで馬毛島を「候補地」としていましたが、去年12月に「整備地」に決めました。
これを受けて市は、今月17日から市内の経済団体などおよそ40組から意見の聞き取りを進めてきましたが、当初予定していた日程は21日でほぼ終了しました。

(西之表市 八板俊輔市長)「(Q.自分の意見は表明した?)すみません、ちょっと…」

(種子島漁協 浦添孫三郎・組合長)「防衛省の説明不足もある。環境アセスを組合に説明してもらって判断したい」

市は今後、一部団体の追加聞き取りをしたうえで、結果を後日、公表するとしています。


沖縄県紙の報道。

sin pou2022 01192
1月19日の琉球新報紙面

times2022 01191
1月19日の沖縄タイムス紙面


1月17日 MBC NEWS
馬毛島「整備地」決定受け 西之表市が関係団体へ聞き取り開始



国が鹿児島県西之表市の馬毛島をアメリカ軍の訓練移転と自衛隊基地の「整備地」と決定したことを受けて、西之表市は今後の対応の参考とするため、17日から関係団体に意見の聞き取りを始めました。

国は馬毛島に自衛隊基地を整備し、アメリカ軍の訓練を移転させる計画です。去年12月に政府予算案が閣議決定されたことを受け、これまで「候補地」としていた馬毛島を「整備地」に決め、今月12日に基地整備に反対する西之表市の八板俊輔市長に伝えました。

これを受けて市は、今後の対応の判断材料とするため、17日から経済団体などおよそ40組に意見を聞き取りを始めました。初日の17日は午前に基地整備に賛成の住民団体から、午後に反対の住民団体から非公開で意見を聞き取りました。

(基地整備に賛成 西之表市と馬毛島の未来創造推進協議会・杉為昭事務局長)
「中種子町・南種子町に自衛隊関連施設ができて、西之表市には何もできない、何をやっているんだという声がものすごく多い。西之表市に官舎ができるよう進んでほしいと要望した」

(基地整備に反対 馬毛島への米軍施設に反対する市民団体連絡会・三宅公人会長)
「市長に基地建設に同意しない方向で頑張ってほしいと申し上げた。環境アセスの準備書ができるまで待つのではなく、その都度、防衛省と連絡を取り合って欲しいという提案があった」

聞き取りは今月21日まで行われ、市は聞き取りの結果を後日、公表するとしています。


1月13日 MBC NEWS
馬毛島問題 国が知事に説明 知事「事前の説明が不十分」



防衛省は13日、鹿児島県の塩田知事に、西之表市の馬毛島を国がアメリカ軍の訓練移転と自衛隊基地整備の「整備地」に決めた経緯を説明しました。知事は「事前に十分な説明がなかった」と不満を示しました。

基地整備に反対する住民らが県庁前で反対の声を上げる中、防衛省は12日の西之表市長に続いて、13日は塩田知事と面会しました。

そして知事に、去年12月に馬毛島関連の整備費を盛り込んだ政府予算案が閣議決定され、これまで「候補地」としていた馬毛島を「整備地」に決定したと報告しました。

(塩田知事)「閣議決定がされて(整備地に)位置づけが変わった。何がどう進んでいるのか分からない。今回どうして説明がなかったのか」

(防衛省地方協力局 岡真臣局長)「出来る限り精一杯説明できるように努力すべく対応してきたと考えている。今後も地元のみなさんと緊密に意思疎通を図って一つひとつ説明を積み重ねたい」

面会を終えた塩田知事は、防衛省の対応について「事前の説明が不十分」と話しました。

(塩田知事)「2+2のような日米の合意は外交の話なので、地方自治体として了承するしないということではない。事前に納得がいく十分な説明がほしかったという意味で、丁寧な説明が欠けていると伝えた」

なお、12日に説明を受けた西之表市の八板市長は、今月17日から地元漁協や農協などの意見を聞き取り、今後の対応を検討する方針です。


1月12日 MBC NEWS
馬毛島は「整備地」 防衛省が西之表市長に説明



国がこれまでアメリカ軍の訓練移転と自衛隊基地整備の「候補地」としてきた馬毛島を「整備地」に決定したことについて、防衛省は12日、鹿児島県西之表市の八板市長を訪ね、経緯を説明しました。

防衛省の担当者は午後2時半に西之表市役所を訪れました。八板市長との面会は、基地整備に反対する住民が声を上げる中で始まりました。

(防衛省地方協力局 北川高生・防衛書記官)「自衛隊馬毛島基地の建設場として決定した旨を説明する」

国は、西之表市・馬毛島に自衛隊基地を整備し、アメリカ軍の訓練を移転させる計画です。12日の面会で、防衛省側は八板市長に対し、去年12月の政府予算案で馬毛島関連の整備費が閣議決定されたことをもって、これまで「候補地」としていた馬毛島を「整備地」に決定したと報告しました。
そして、今月7日の外務・防衛の日米閣僚協議「2+2」で、アメリカ政府に馬毛島の「整備地決定」を伝えたことも報告しました。

(西之表市 八板市長)「私自身、きょうはじめて(正式に)聞いた。日米協議が終わってから実は決まっていたという説明受け、唐突な感じ」

(防衛省地方協力局 北川高生・防衛書記官)「地元に対し説明を行い、理解を得る努力をしたい。安全保障は時間との勝負」

これに対し、八板市長は、最初に地元への説明がなかったことや、整備地を決める手順に「納得いかない」と述べました。

(八板市長)「納得がいかない。いつのまにか決まっていたと言われ、市民は混乱している。私もどう受け止めていいか。環境アセスメント(環境影響評価)で作った場合の影響を調べてからでないと。決定はその後という受け止めが市民の大半」

(北川防衛書記官)「環境アセスのプロセスが終わるまでは、馬毛島で工事を始めることはない」

一方で、八板市長は計画に反対の立場ですが、防衛省に対し、自身の考えを伝えませんでした。

(Q.反対の立場伝えなかったのはなぜ?)
(八板市長)「今は少し戸惑っている。地元の市長が知らないうちに決まっていた」

(Q.決定の撤回を求めることは?)
(八板市長)「市民がどう考えるか把握しながら、どうすべきか考えていきたい」

(Q.住民への説明は十分?)
(高生防衛書記官)「精いっぱいできる限りのことはやっている。地元にはあらゆる機会に理解を求めていく」

防衛省は12日、整備に賛成する南種子町の担当者にも整備地決定について説明しました。13日は県庁で塩田知事に説明する予定です。

国の決定について基地整備の賛成・反対両派はどのように受け止めているのか、聞きました。

(基地整備に反対の住民団体 三宅公人会長)「まったく民主的でもないし、地方自治を無視したことで決定が許せない」

(基地整備に賛成の住民団体 杉為昭事務局長)「一歩前進したということで市長も歩み寄り、どうすれば西之表が潤うためにメリットを引き出せるか、動いてもらわないと非常に困る」

西之表市の住民からは国の対応に不満や困惑の声が聞かれました。
(Q.地元に説明なく決定したことについて)
(西之表市民)「よくない。国の説明が必要だと思う」

基地整備を巡り住民の間でも賛否が分かれ、決定のプロセスに困惑の声も聞かれる中、八板市長はどう民意を取りまとめていくのか。難しいかじ取りが求められています。

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1月8日の南日本新聞紙面


1月7日 MBC NEWS
馬毛島 岸防衛相「整備は決定」と明言



日米の外務・防衛の閣僚協議「2プラス2」が7日に開かれ、岸防衛大臣は協議後の会見で、これまでアメリカ軍の訓練移転と自衛隊基地整備の「候補地」としてきた馬毛島について、「整備は決定し、候補地ではなくなった」と明言しました。

(岸防衛相)「整備に必要な経費を計上した令和4年度予算案の閣議決定をもって馬毛島における自衛隊施設の整備を決定しており、候補地ではないものと考えています」

これは、7日の日米の外務・防衛の閣僚協議「2プラス2」を終え、岸防衛大臣が記者団に語ったものです。

国は、アメリカ軍訓練移転候補地の鹿児島県西之表市・馬毛島に自衛隊基地を整備する計画で、防衛大臣が公の場で馬毛島を「整備地として決定した」と表現したのは初めてとみられます。

(岸防衛相)「(Q.地元の理解を得るには?)丁寧な説明に尽きると思います」

また、2プラス2の共同発表では、「来年度予算案で馬毛島基地整備費を計上した日本の決定を歓迎する」というアメリカ側の反応も盛り込まれました。

西之表市によりますと、防衛省は7日の2プラス2の協議内容について、今月12日に八板俊輔市長を訪ね、直接説明するということです。
これに対し、八板市長は「住民の不安や懸念をひとつずつ丁寧に解決するよう国に強く望む。情報収集に努め、適切な対応に努めたい」とコメントしています。


12月30日 南日本新聞
馬毛島基地計画 反対の西之表市長「『地元理解』とは裏腹な進め方。国はフェアじゃない」 再編交付金は「材料示されたら考える」

 防衛省が西之表市馬毛島への米軍機訓練移転を伴う自衛隊基地整備計画を加速させている。24日には政府が基地本体の整備費など3183億円を計上した2022年度予算案を閣議決定した。地元首長として「計画に同意できない」と反対の立場を示し続ける八板俊輔市長に、現状の受け止めと今後の対応を聞いた。

 -これまでの国の進め方をどう見ている。

 「事を急いでいるように見える。『地元理解を得ながら進める』との言葉とは裏腹だ。以前から、一度立ち止まってほしいと伝えている。課題を整理し、疑問に対する答えを出し、進めることが大事ではないか。基地整備を歓迎する人ももっと説明を、と言っている。特に施設整備のデメリットを明らかにしてほしい。見せたい部分だけを見せていくのはフェアじゃない」

 -防衛省は11月、環境影響評価(アセス)の結果を待たずに基地本体整備に直結する仮設プラント工事の入札を公告した。

 「国は馬毛島への施設整備はまだ決定していないとしている。アセス中で、工事をするか決まっていないのに、滑走路などの整備に用いるコンクリートを製造する施設を造るのは問題ではないか。意見は聞くとしながら『自分がルールだ』と言っているように映る」

 -22年度予算案には巨額の整備費も盛り込まれた。

 「あくまで予算確保のための計上だとの説明だった。アセスで整備の影響について調査中で判断材料が示されていない中、性急すぎる。地元理解が得られない限り執行してはならない」

 -今後、どう対応する。

 「一方的で性急な手順を今後も踏むのであれば、指摘し続ける。馬毛島に関連する問題を広く鹿児島県民や国民に知ってもらうことも重要だと思う」

 -国は西之表市、中種子、南種子両町を一括して、基地整備に伴う米軍再編交付金の対象とする方針だ。

 「具体的な額や交付時期について説明を受けていない。材料が示された時点で考える。考え得るタイミングはアセスの評価書が出されたときだが、どんな内容が出てくるか分からない」

 「再編交付金は既存施設への米軍の訓練や部隊移転で生じる影響に対し支払う制度。受け取る自治体に基地を造るかどうかの選択肢はない。馬毛島は真っさらな所に基地を造る計画で、本来なら自治体に選択の余地があるはずだ。現制度をそのまま当てはめるのはおかしい。だから防衛省とのやり取りもかみ合わない。国会で議論すべき問題だ」

 -一連の手続きの中止を訴え続けているが、計画は止まらない。


「国防は国の専管事項だが、地方自治体はより身近なところで住民の生命財産を守り、国と補完し合う関係だ。だから国政に関わることでも、首長として意見を言わないといけない」

 「馬毛島は単なる無人島ではなく地域住民と深く関わる大切な場所だ。その島に米軍の訓練施設を造ることは、日本でも例を見ない、真っさらな土地を外国の軍に提供することにつながる。その重要性を県民、国民全体で考えてほしい」

 -計画への賛否を巡り住民間の溝が深まっている。


12月29日 南日本新聞
馬毛島基地計画 西之表市、葉山港の一部補修 防衛省に許可 反対派は反発「計画推進につながる」
 
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西之表市は28日、同市馬毛島で米軍機訓練移転と自衛隊基地整備の計画を進める防衛省に対し、同島の葉山港の一部補修工事を許可した。物揚げ場取り付け部分の陥没の復旧で、種子島漁協が市を通じて要望していた。

葉山港は市の管理漁港。八板俊輔市長は取材に「危険性、必要性の観点から許可した」と述べる一方、基地整備に反対する市民からは「計画推進につながる」と危惧する声が上がった。

市によると、漁協はほかに、港のしゅんせつや物揚げ場のかさ上げなどを求めていた。市は調査で「これまでの利用形態から、しゅんせつとかさ上げは現時点で不要」とし、今回は許可しなかった。

同港は明治初期にトビウオ漁で種子島の漁師らが整備し、1953(昭和28)年に農林水産省から漁港指定を受けた。


予算閣議決定連絡会抗議声明
予算閣議決定連絡会抗議声明
予算閣議決定反対派西之表市議団抗議文
予算閣議決定西之表市議団抗議文
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12月25日の南日本新聞紙面

12月25日 南日本新聞
馬毛島基地整備に3183億円 本体工事費盛り込む防衛省に地元反発 「まずはアセス完了を」

政府が滑走路など馬毛島基地(仮称)本体の整備費3183億円を初めて盛り込んだ2022年度予算案を閣議決定したことを受け、地元の鹿児島県や西之表市からは「判断材料を示すのが先だ」「性急すぎる」と反発する声が上がった。

鹿児島県の塩田康一知事は取材に「騒音や暮らしへの影響など判断材料が示されるのが先だと考える。環境影響評価(アセス)の状況からしても、時期尚早ではないか」と指摘した。担当部署を通じ、防衛省には「まずはアセス」との県の見解を伝えたという。

整備計画に「同意できない」と反対の立場の八板俊輔西之表市長は「施設整備の影響は調査中で、予算計上は性急すぎる。地元理解が得られない限り執行してはならない」と批判した。進行の在り方に非常に不満があるとし、「あくまで予算確保のためと受け止めており、執行されない可能性もある。国会の論議を注視したい」と述べた。


防衛省2022年度予算馬毛島関係
防衛省2022年度予算馬毛島関係01
防衛省2022年度予算馬毛島関係02

12月25日 南日本新聞
馬毛島基地計画 海域ボーリング調査、1月中旬にも終了 防衛省 大型機材導入で作業が効率化

西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画に伴い防衛省が島東海域で進めるボーリング調査が、早ければ来年1月中旬にも終了する見込みであることが24日、分かった。今後の天候によっては作業が遅れる可能性はある。

同省は来年5月末までに25地点で海底土砂を採取予定。鹿児島県河川課によると、17日現在で18地点が終わった。波の影響を抑え、作業を効率化するため大型機材に変更後、掘削が順調に進んでいるとみられる。 調査は護衛艦などが接岸できる係留施設や仮設桟橋などの整備に向け、昨年12月に始まった。今年5月末までに計37地点で土砂を採取する予定が、悪天候などで完了は12地点にとどまり、期間延長を申請した。

同省は具体的な完了地点や終了の見通しは公表していないとした上で、「できる限り速やかに調査を終えるよう進めている」としている。


12月24日 MBC NEWS
政府予算案 馬毛島整備費に549億円



政府は24日の閣議で、総額が過去最大の107兆円あまりとなる来年度予算案を閣議決定しました。鹿児島県関係では、馬毛島で計画されている自衛隊基地の施設整備費に549億円が計上されました。

国は、馬毛島に自衛隊基地を整備した上でアメリカ軍の訓練を移転させる計画で、来年度予算案で、施設整備費に549億円を計上しました。
内訳は、馬毛島の滑走路、管制塔などの整備に386億円。種子島の1市2町に整備する自衛隊員の宿舎や事務所、整備工場などの関連施設の設計費などに160億円、事務費が2億円となっています。

馬毛島では環境影響評価が続いていますが、計画に反対する西之表市の八板俊輔市長は、24日の閣議決定に不快感を示しました。

(西之表市 八板俊輔市長)「施設整備の影響は現在調査中で、判断材料が示されていない中、今回の予算計上は性急すぎる。進行の在り方は不満」

なお、防衛省は24日、環境影響評価の手続きを来年度中に終える意向を示したということです。

防衛省はこのほか、奄美関連で40億円を計上しました。瀬戸内分屯地の火薬庫整備に25億円、奄美駐屯地のコンテナヤード整備に3億円などとなっています。

環境省関連では、徳之島に計画している「世界自然遺産センター」の設計費などに3000万円を計上しました。

奄美群島振興開発では、奄美空港や徳之島空港の滑走路整備などに、当初と補正合わせて総額215億8000万円が計上されました。


金で釣るつもりか!?
防衛省「交付金・補助金について」なんて資料まで、、、
ページ下部に防衛省資料を掲載しています


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12月24日の東京新聞紙面

12月21日 南日本新聞
馬毛島基地計画 隊員宿舎 種子島3市町に分散配置 ステルス戦闘機F35B訓練施設を追加 常勤隊員は150~200人 防衛省方針

minami2021 1221111
種子島3市町への施設配置案

防衛省は20日、西之表市馬毛島で進める米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画に伴い、同市と中種子、南種子の両町に隊員と家族用の宿舎を分散配置する方針を明らかにした。今回新たな基地配置案も示し、新設する2本の滑走路と別に、航空自衛隊新田原基地(宮崎県新富町)に配備予定の最新鋭ステルス戦闘機F35Bの「模擬艦艇発着艦訓練」と、航空機が未舗装の場所に離着陸する「不整地着陸訓練」用の施設などが加わった。

防衛省地方協力局の信太正志参事官ら5人が3市町を訪れ、各首長と議会に説明。中種子町には、隊員訓練や悪天候で馬毛島に渡れない場合の活動拠点となる施設や管理事務所、物流倉庫を設ける。種子島中央部の浜津脇港を「通勤港」として使い、種子島-馬毛島間の定期便を民間委託予定。南種子町には、通勤車両などの車庫や車両整備工場、人員や物資輸送用の自衛隊ヘリポートを整備する。

馬毛島基地(仮称)に常時勤務する隊員は「150~200人程度」とし、各市町の居住人数は示さなかった。基地整備に伴う米軍再編交付金や補助金の制度も紹介。再編交付金は2022年度に予算計上する方向で検討しているとしたが、具体的な額や交付時期は明言しなかった。

基地配置案では、食堂や浴場など「宿泊等支援施設」、管制塔や通信局舎、補給倉庫など「運用支援施設」も新たに明記した。現況調査で数百頭の生息が確認されたマゲシカは「基地を囲う外周フェンス外側で生息区域を確保する」と説明。島内の遺跡は現状のままにするとした。

市役所前では計画反対派が抗議した。



12月21日 南日本新聞
馬毛島基地計画 防衛省説明 西之表市長「国は性急」、賛成派市議「交付金受ける方向で」と要請 中種子・南種町長は活性化に期待

馬毛島への自衛隊基地整備計画の説明を防衛省から受けた種子島1市2町の首長や議会の反応はさまざまだった。反対の立場の八板俊輔市長は会見で「国の進め方は性急だ」と指摘。関連施設誘致を進めてきた中種子、南種子両町の首長は活性化に期待を寄せた。

賛否が割れる西之表市議会では騒音や米軍機訓練の懸念に加え、米軍再編交付金への質問も相次いだ。「市長が不同意のうちは交付金が出ないのか」との問いに、「制度的に支給できない場合はある」と防衛省側。計画賛成派の市議7人は同省の説明後、八板市長に「交付金を受け取る方向で何とかならないか」と求める場面もあった。

八板市長はその後の会見で「地元の判断材料が示されていない。現時点で反対の立場は変わらない」と強調。一方で「今後どういう風に変わっていくか分からない。その時に判断する」と含みを持たせた。

中種子町の田渕川寿広町長は「ありがたい。人が動くことで活性化が望まれる」と歓迎。南種子町の小園裕康町長も「全島で関わりが持てる配置案。配慮してもらった」と話した。


12月20日 MBC NEWS
馬毛島計画 防衛省が新たな施設整備案など説明



鹿児島県西之表市の馬毛島で計画されている自衛隊基地整備について、防衛省は20日、地元の西之表市役所を訪れ、基地施設の新たな配置案などを説明しました。

国は、馬毛島に自衛隊基地を整備した上でアメリカ軍の訓練を移転させる計画で、20日は防衛省の担当者らが西之表市役所を訪れ、八板市長と市議会に現在の計画について説明しました。

防衛省が示した馬毛島の基地施設の配置案では、島の中央部に2つの滑走路が造られ、周辺には管制塔や駐機場、燃料施設なども建てられます。島の南西部には訓練施設が造られ、垂直着陸ができるF−35Bを使い、艦艇に見立てて離着陸訓練を行うとしています。

そして、150人から200人程度の自衛隊員と家族が暮らす宿舎を種子島の1市2町に整備し、中種子町には種子島の業務に使う管理事務所や、悪天候で馬毛島に渡れない場合の拠点となる訓練施設、物流倉庫、南種子町には自衛隊車両を保管するための車庫とその整備工場、ヘリポートを整備する計画です。

また、中種子町の浜津脇港を通勤用の港として活用し、種子島と馬毛島の間を行き来する定期便を民間業者に委託する予定です。さらに利用状況に応じて、西之表港なども活用する計画です。

計画に反対する八板市長は20日の説明を受けて。
(西之表市 八板俊輔市長)「環境アセスが途中の段階で、判断材料が示されていない段階で少し防衛省は性急な感じがする」

Q.計画に同意できないときょうは伝えたか?
「(きょうは国に)何らかの判断を求められたわけではないので、特にそういうことはしなかった」

説明を聞いた市議は。
(基地整備に反対 宇野裕未議員)「子どもたち孫たちが安心して暮らせるというところの土台を議論してくださいとお願いしているわけで、交付金が出るんですよ、という札を出してくることが今の日本の状況かと思うと、嘆かわしい」

(基地整備に賛成 杉為昭議員)「やっと動き出したというか、安全保障環境を考えると急がなければならない」

20日は中種子町と南種子町でも同様の説明が行われました。


防衛省資料「馬毛島基地の施設配置案、種子島の施設整備、環境保全措置の検討状況について」

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防衛省資料「交付金・補助金について」

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「平和な島に自衛隊・米軍はいらない!」
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奄美・与那国・宮古・石垣への自衛隊の配備に反対します。

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本当にこれでいいのですか?宮古島
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石垣市民連絡会チラシ01
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