防衛省馬毛島に米軍訓練FCLP移転を名目に自衛隊の拠点化を図る。(12)
- 2023/01/11
- 14:26
Ryukyuheiwaより:
関連記事:防衛省民意を無視し馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。(11)
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-1188.html
関連記事:防衛省民意を無視し「馬毛島」環境アセス着手強行。馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。(10)
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-1146.html
DEMO RESE Radio#18
「今、無人島・馬毛島が熱い!!」
part1 https://youtu.be/2-vYJ2boge0
part2 https://youtu.be/DsTgUznQ79o
part3 https://youtu.be/PXWIlRCpgcA
part4 https://youtu.be/I5g3SWx_8vs
馬毛島への米軍施設を許さない市民・団体連絡会 HP
http://www.mageshimabeigunshisetsuhantai.com/wp/
1月11日 南日本新聞
22億円漁業補償 種子島漁協の組合員「納得」「妥当なのか」
説明会で「工事は漁期を外して」と要望も
西之表市馬毛島への自衛隊基地整備計画を巡り、同市住吉地区で10日あった防衛省の説明会。初めて示された総額22億円の漁業補償に種子島漁協の組合員の評価は「納得」「妥当なのか」と分かれた。
準組合員の浦上幸子さん(71)は「個々の配分はまだ分からないが、思ったより良かった印象だ。もらえるだけでもありがたい」。60代の正組合員は「米軍基地問題がある沖縄はどうなっているのか。比較対象がないから判断しづらい」と話した。
説明会は約1時間。出席者によると、トコブシ漁への影響を懸念する質問が多かった。港湾施設の予定地周辺は好漁場として知られ、種子島漁協に水揚げされるトコブシのうち、馬毛島産が6割強を占める。会終了後、出席者の一人は「工事は漁期の6〜8月を外してほしいと要望した」と明かした。
1月11日 南日本新聞
漁業補償22億円 防衛省が種子島漁協に提示 月内に組合員投票
島周辺は特産トコブシの主要漁場
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画で、防衛省が地元の種子島漁協に、総額22億円の漁業補償を検討していることが10日、関係者への取材で分かった。基地整備に伴い、馬毛島東岸で予定される港湾施設や仮設桟橋の工事に対する補償。浦添孫三郎組合長は、補償を受け入れて工事に同意するかどうかを問う組合員投票を月内に実施する考えを示した。
馬毛島は、種子島特産の貝「トコブシ(ナガラメ)」の主要漁場。防衛省による組合員向け説明会が10日、同市住吉地区で始まり、補償額を初めて提示した。準組合員を含む総組合員は約400人。
工事に4年程度、環境影響などの事後調査に1年程度かかると想定。22億円の算定根拠に(1)港湾施設区域での将来にわたる漁業権の消滅(2)港湾施設区域を除く島東岸での工事・調査期間中の漁業制限(3)工事完了後の環境変化による漁獲減少-を挙げた。
基地運用後に訓練内容によって漁を制限・禁止する場合は別途補償し、藻場の造成などの漁場保全策も検討する。
港湾関連の着工時期は示さなかったが、防衛省は環境影響評価(アセスメント)の最終まとめとなる「評価書」を12日に公告し、島内の基地本体工事については同日着手する方針だ。
説明会は住吉地区の組合員約30人が出席。冒頭以外は非公開で行われた。終了後、浦添組合長は報道陣に「補償金の配分方法は(工事に対して)組合員の同意が得られてから検討する」と述べた。11~13、16日には、残る市内3地区と中種子町向けに説明会がある。
同省は2021年度に漁業補償調査を始め、アセスと並行して、海域の制限によって漁業者が失う利益を調べていた。
一方、防衛省は11日に西之表市と鹿児島県をそれぞれ訪れ、八板俊輔市長、塩田康一知事にアセス「評価書」の概要などを説明する。
1月10日 MBC NEWS
馬毛島基地工事の漁業補償 防衛省が地元漁協に22億円を提示
鹿児島県西之表市・馬毛島への基地計画を巡る動きです。防衛省が地元漁協への漁業補償金として4年間で22億円を提示したことが分かりました。
防衛省は、馬毛島への自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転計画について、12日に環境アセスメントの最終的な評価書を公告=公表し、早ければその日に着工する方針です。
4年間の工事期間中、島の東側を中心に漁ができなくなることから、地元・種子島漁協が防衛省に漁業補償を求めていましたが、防衛省が10日、漁協に22億円の支払いを提示したことが関係者への取材で分かりました。また、防衛省は20億円程度をかけて、漁場の保全を行うと提案したということです。
防衛省は、今月10日から16日まで組合員向けの説明会を開いていて、種子島漁協は組合員の意見などをもとに、防衛省の提案を受け入れるか判断することにしています。
なお、防衛省が11日、環境影響評価=環境アセスメントの最終的な評価書について説明するため、八板俊輔市長と塩田知事にそれぞれ面会すると発表しました。12日の公告と着工の方針を直接伝えるものとみられます。
面会では、基地整備について防衛省や県、種子島1市2町などの情報共有を目的とした、連絡体制づくりについても話し合うということです。

1月7日の琉球新報紙面

1月7日の沖縄タイムス紙面
1月7日 南日本新聞
西之表市長の意思表明ないまま馬毛島基地12日着工へ 八板市長「順序立てて…」
反対派は「アメリカへの手土産か」

市街地に掲げられている計画反対派の看板=6日、西之表市西町
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備計画で、防衛省が12日に環境影響評価(アセスメント)の評価書を公告し、同日着工する方針が5日明らかになった。同省は鹿児島県や西之表市を11日にも訪れ、評価書の概要などを説明するとみられる。FCLP移転案が表面化して約15年。地元では計画反対の声が根強く、不満や不安が渦巻いている。
種子島では1市2町の議会と、中種子、南種子両町長が既に計画への賛意を示している。賛否を明言していない八板俊輔市長は6日、出張先の鹿児島市で取材に応じた。自身の表明がないまま着工される可能性について「地元の理解が整った上で順序立てて進めるのが好ましい。市民の理解は時間をかけて進めないといけない」と述べた。
ただ、西之表市は市有地売却など同省の意向に沿う対応を取ってきた経緯がある。「計画不同意」とする公約を破ったとして、八板市長のリコール(解職請求)を目指した三宅公人さん(70)は「これまでの状況を見れば市長の賛否は関係ない。年明けすぐの着工も予想通り」と冷静に受け止める。
市民団体「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」の山内光典会長(72)は13日に予定される日米首脳会談に着目し、「米側への手土産にしたいのか」といぶかった。
計画賛成派は早期着工を歓迎しつつも、作業員の増加によるごみ処理や駐車場不足、事故の発生など工事による影響に懸念を示す。
政治団体「西之表市と馬毛島の未来創造推進協議会」で活動する浜島明人市議(51)は「人が増えればモノが動くといったメリットはあるが、新たな問題にどう対処するか。市の対応力が試される」。同協議会の前会長で、長年誘致に取り組んだ折口金吉さん(71)も「関係者を円滑に受け入れる態勢は市の協力がなければできない」と話した。

1月7日の琉球新報紙面
1月6日 MBC NEWS
馬毛島基地、今月12日にも着工 防衛省が環境アセス評価書を公告へ
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備などを巡り、防衛省は、今月12日に環境影響評価=環境アセスメントの最終的な評価書を公告=公表し、早ければその日に着工する見通しであることが分かりました。
防衛省は、馬毛島に自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転を計画しています。計画に伴って防衛省は、環境への影響を評価する環境アセスメントの手続きをおととし2月から進めていましたが、最終的なまとめとなる評価書を今月12日に公告=公表する方針を固めたことが関係者への取材で分かりました。
評価書の公告で環境アセスメントの手続きは終了したことになり、防衛省は基地工事を早ければ即日、始める方針だということです。
馬毛島への基地計画を巡っては塩田知事は去年11月に容認の考えを示しています。一方、西之表市の八板市長は賛否を明言しておらず、今後も防衛省との協議を続け、その結果を踏まえて自身の考えを明らかにするとしています。

1月7日の奄美新聞紙面
1月6日 南日本新聞
馬毛島で見つかった旧石器時代の遺跡 防衛省が工事実施を通知
鹿児島県教委「粛々と取り扱い協議」
米軍機訓練移転と自衛隊基地整備が計画される鹿児島県西之表市馬毛島で見つかった旧石器時代の「八重石(やえいし)遺跡」に関し、防衛省は5日、県教育委員会に対して周辺の「周知の埋蔵文化財包蔵地」(包蔵地)で工事を実施すると通知したと明らかにした。両者の協議を経て、発掘調査を行う場合がある。
通知は文化財保護法で定められた手続きの一つ。今後の協議で、遺跡の概要把握のため県教委による予備調査を行うか決める。工事で遺跡を損傷すると判断されれば、県教委は国に発掘調査を実施するよう勧告できる。
包蔵地の範囲は約1万3000平方メートル。周辺では滑走路や駐機場などの整備を予定する。遺跡の規模や重要性など調査の結果次第では、工事に影響が出る可能性もある。
通知は昨年12月21日付。熊本防衛支局から西之表市教委経由で県教委に届いた。防衛省は「法に基づき適切に対応する」、県教委は「粛々と埋蔵文化財の取り扱いを協議する」とそれぞれコメントした。

1月6日の沖縄タイムス紙面

1月6日の琉球新報紙面
1月4日 MBC NEWS
西之表市・八板市長リコール不成立 市民グループ「反対派が動くきっかけに
鹿児島県西之表市の市民グループが、八板市長のリコール=解職を目指して署名を行いましたが、必要な署名数に届かず成立しませんでした。
「市長に辞任を求める西之表市民の会」は、市長選で馬毛島への基地計画反対を掲げ、当選した八板市長は「実質的に基地建設に協力している」として、先月、リコールを目指して署名活動を行いました。
有権者の3分の1にあたる4109人以上の署名が集まれば住民投票が行われ、過半数が賛成すればリコールが成立しましたが、市民グループは4日、集まった署名は678人で、リコール活動を断念すると明らかにしました。
(市長に辞任を求める西之表市民の会 三宅公人代表)「風を起こせなかった。(基地計画)反対派の中で少数派で終わってしまった。今まで沈黙を強いられてきた基地反対派が大きく動くきっかけになってほしい」
八板市長はリコール運動の結果を受けて「市民の期待に応えるよう職責を果たしてまいります」とコメントしています。
1月3日 南日本新聞
馬毛島基地巡る八板市長リコール署名、必要数に届かず 西之表の市民団体
鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地整備計画について「不同意」とする公約を破ったとして、八板俊輔市長のリコール(解職請求)を求めた市民団体の署名活動は1日、1カ月の収集期間を終えた。団体によると、集まった署名は暫定で678筆だった。必要数に届かず、市選挙管理委員会への提出を見送る。4日に記者会見する。
同市の昨年12月1日現在の選挙人名簿登録者数は1万2326人。リコールの賛否を問う住民投票の実施には、3分の1に当たる4109人以上の署名が必要だった。
団体は「市長に辞任を求める西之表市民の会」(三宅公人代表)。「政治的な発言や行動を翻し、市民に納得のいく説明もない」と八板市長の政治姿勢を批判していた。
12月31日 南日本新聞
議長はどちらから…馬毛島基地計画で賛否拮抗の西之表市議会、来年任期折り返し どうなる?次は賛成派からとの「約束」
鹿児島県西之表市の西之表市議会(14人)は来年2月、任期の折り返しを迎える。各委員会の構成を変えるのに合わせ、議長、副議長も選び直すのが通例だ。同市馬毛島の自衛隊基地整備計画について、賛否が7人ずつと拮抗(きっこう)する中、議決権を持たない議長に誰が就くのか。議会として計画との向き合い方が問われる問題でもあり、各議員の動向が注目される。
現議長は反対派の川村孝則氏(63)=7期目。2021年1月の市議選後に開かれた臨時会で、出席13議員の全会一致で決まった。選出に当たっては、事前に「(川村氏の)次は賛成派から議長を出す」との“約束”があったとされる。
以降、本会議採決では賛成派が多数を占めることになり、同年6月の定例会で初めて計画に賛意を示す意見書を1票差で可決。22年9月には、旧馬毛島小中学校跡地の売却や島内3市道の廃止に関する議案も1票差で可決され、この2年間で計画推進に向けた足場が固められた。
反対派にとっては劣勢の状況が続いており、議長交代への期待は高い。だが、関係者によると「約束」に関して正式に文書を交わしたわけではない。先行きは不透明と言え、候補として取り沙汰される賛成派議員も「まだ先のことで何も言えない」と口を濁す。
今年12月の議会運営委員会で、来年2月下旬に臨時会を開くことが決まった。川村氏は慣例に従い、その場で議長の辞職願を提出する構えだ。議会事務局によると、議長を除く13議員で辞職を認めるかどうかを採決し、否決されれば次回本会議まで川村氏が継続することになる。
計画を巡り、防衛省が基地本体工事の早期着手を目指して手続きを進める中、市議会は水面下で駆け引きが続きそうだ。臨時会の行方次第では、議長が本会議ごとに辞職を願い出るような事態に陥りかねない。
12月27日 MBC NEWS
西之表市・八板市長リコール 必要署名数の確保は困難な見通し
「馬毛島の基地計画に実質、賛成している」として、鹿児島県西之表市の市民グループが八板俊輔市長のリコール=解職を目指し行っている署名について、必要な数に達するのが困難な見通しであることが分かりました。
「市長に辞任を求める西之表市民の会」は、市長選で馬毛島への基地計画反対を掲げ、当選した八板市長は「実質的に基地建設に協力している」として、今月1日からリコールの署名活動を続けています。
来年1月1日までに有権者の3分の1にあたる4109人以上の署名が集まれば住民投票が行われ、過半数が賛成すればリコールが成立しますが、現在、署名は1000人に達しておらず、期間内に必要な署名数の確保が困難な見通しとなっています。
(市長に辞任を求める西之表市民の会 三宅公人代表)「厳しい状況だが、1人でも(多くの署名を)積み上げて八板市長への批判の意思を結果で示したい」
市民グループは1月4日の会見で署名結果を公表する予定です。
12月27日 南日本新聞
管制塔など本体施設10棟に確認済証を交付 鹿児島県
西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画で、鹿児島県は26日、防衛省から計画通知を受けていた管制塔や飛行管理棟など本体施設10棟について、同日付で確認済証を交付したと発表した。
建築基準法に基づく計画通知は9月30日付。本体施設に関する申請は初めてだった。用途などを確認した市を通じ、県へ出されていた。県建築課は「関係法令に適合していると確認した」と話した。現時点で他に通知はないという。
防衛省によると、施設は5階建て管制塔(延べ床面積2300平方メートル)、2階建て飛行管理棟(同2200平方メートル)のほか、通信、送信、受信、気象レーダーなどの局舎7棟、浄水ポンプ室1棟。
これまでの入札で管制塔の機械や電気、建築など3件計52.8億円、局舎1棟分20.4億円などを契約しており、管制塔や局舎の一部の工期は2024年2月。今回の申請とは別に、25年3月が工期の滑走路新設工事も契約。米軍機訓練の早期移転に向けた準備が進んでいる。
12月24日 南日本新聞
1680億円を随意契約 国交省「離島で特殊な施工」を理由に港湾、滑走路など6件
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画で、防衛省から支出委任を受けた国土交通省九州地方整備局が10月、港湾や滑走路、仮設桟橋の新設工事6件計約1680億7000万円を随意契約していたことが23日分かった。
先行して整備する滑走路の工期は2025年3月。FCLPは通常5月に行われており、防衛省が示す工程通りに進んだ場合、25年度中に訓練が始まる可能性がある。
国交省は随契の理由について「外洋に面した離島での特殊な施工のため」などとし、いずれも設計や技術提案段階から契約していた共同企業体(JV)6社が請け負う。
最高額は島東部の港湾施設整備の961億5000万円で、五洋建設と東亜建設工業のJVが受注。このほか2本の滑走路新設227億円、213億5000万円で、3本の仮設桟橋を100億円、93億6000万円、84億9000万円。
仮設桟橋は23年11月に完成予定で、既に改修に着手している葉山港とともに資機材搬入の拠点とする。港湾は逆L字型で2.1キロの防波・消波堤などを造り、26年3月の完成を目指す。
防衛省が22年度に契約した関連工事は11月末までに、国交省分も含め約2390億円。22年度予算は補正と合わせ約4624億円を計上しており、今後も大型契約を予定する。
12月23日 MBC NEWS
政府来年度予算案を閣議決定 馬毛島関連3030億円 防衛費過去最大
政府は来年度の予算案を23日閣議決定しました。馬毛島関連では契約ベースでおよそ3030億円を計上しています。
政府の来年度一般会計の歳出総額は、114兆3800億円程度で過去最大となります。防衛費は全体で6兆8000億円程度と、今年度の当初予算より1兆4000億円程度増やし、過去最大となります。
アメリカ軍の空母艦載機の訓練移転と自衛隊基地整備を計画する馬毛島関連では、滑走路や駐機場、管制塔などの施設整備に契約ベースでおよそ3030億円、歳出ベースでおよそ546億円を計上しました。
西之表市の八板市長は「馬毛島関連の予算計上について防衛省から説明があった。馬毛島への施設整備に不安を感じる住民もおり、引き続き防衛省との協議の場などを踏まえ、住民の不安解消に努める」とするコメントを発表しました。
12月21日 南日本新聞
馬毛島基地計画「容認」の塩田知事に抗議
立民鹿児島県連「軍備増強が進む中、非常に不安」と発言撤回求める
西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画で、立憲民主党鹿児島県連(柳誠子代表)は20日、計画を容認する考えを示した塩田康一知事宛てに、発言の撤回などを求める抗議文を提出した。
抗議文では、騒音など米軍基地に関する問題が全国で多発していると指摘。全国知事会が日米地位協定の改定を提言していることに触れ、塩田知事が提言の実効性を強く求めることや、埋蔵文化財包蔵地に登録された遺跡の発掘調査も要請した。
長野広美・西之表市議は「国の説明は不十分。軍備増強を進めようとする中、県が『やむなし』との立場では非常に不安だ」と話した。県総合政策課は「知事に伝える」と応じた。
12月17日 南日本新聞
八板市長の問責決議案、再び否決 米軍再編交付金の基金条例は可決 どちらも1票差
鹿児島県西之表市議会は16日の定例会最終本会議で、同市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画に伴う米軍再編交付金を積み立てる基金の設置条例案を可決した。前回定例会に続き、計画反対派が提出した八板俊輔市長の問責決議案は再び否決した。いずれも1票差。
市は2022年度分の再編交付金7億7680万円を基金に積み立て、23年度から学校給食の完全無償化に充てる方針。基地整備につながる手続きを市議会が追認したことで、防衛省は早期着工に向けて「地元の理解」を得た格好だ。
問責決議案では再編交付金を巡る対応などを挙げ、「市民への説明不足」と指摘。前回、提出者の採決ボタンの押し間違いで否決となった経緯があり、通常の電子採決から起立採決となったが、今回は計画賛成派の賛同を得られなかった。
閉会後、八板市長は報道陣に「基地整備の判断と切り離し、法令に基づいた手続きを認めてもらい安心している。批判は真摯(しんし)に受け止め、職務を全うする」と語った。計画への賛否については「近く公告される環境影響評価(アセスメント)の評価書、防衛省との協議の推移を見ていきたい」と述べ、具体的な判断時期に踏み込まなかった。
12月16日 MBC NEWS
西之表市長 馬毛島計画賛否はさらに先に「アセス公告後の協議を見極めて」
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転計画について、八板俊輔市長は賛否を示す時期を国の環境影響評価の手続き終了が「ひとつの節目」としてきましたが、その後も防衛省と協議を続け、その結果を踏まえて賛否を判断する考えを示しました。
16日開かれた12月議会の最終本会議で、国からの米軍再編交付金を基金として積み立てる条例案が、賛成7人・反対6人で原案通り可決されました。
市には今年度7億7700万円の再編交付金が支給される見込みで、八板市長は来年度から小中学校の給食費を全て無償化する方針を示しています。
八板市長が再編交付金を受け取る手続きを進めていることについては、計画反対の公約に反するとの批判もあり、16日の市議会では計画に反対する市議から問責決議案も出されましたが、反対多数で否決されました。
計画への賛否を明言しないまま12月議会を終えた八板市長。賛否を示す時期については早ければ年内に公告=公表される国の環境影響評価の最終的な「評価書」のタイミングを「ひとつの節目」としてきましたが、16日は発言に変化が。
(八板市長)「それ(環境アセス評価書)も含めて、ほかにもいろいろと協議していることがあるので、タイミングはしっかり見極めたい」
公告後も防衛省との協議を続け、その結果を踏まえて賛否を示すと述べました。
(八板市長)「(Q.着工後に賛否表明の可能性は)防衛省は評価書の公告後に着工したいと言っている。その辺は状況をしっかりみないといけない」
12月6日 MBC NEWS
馬毛島計画「基地計画に理解示したことにならないか?」
八板市長に市議から疑問の声 西之表市議会
西之表市議会では6日の委員会で、馬毛島計画への賛否を示さないまま国からの米軍再編交付金を受け取る意向を示している八板俊輔市長に対し、市議から疑問の声が相次ぎました。
八板市長は、12月議会に今年度の米軍再編交付金7億7700万円を基金として積み立てる条例案を提案していて、来年度から小中学校の給食費を無償化する方針です。
しかし、八板市長は基地計画への賛否について明言していないため、6日の市議会総務文教委員会では市議から、交付金支給の前提となる「米軍再編の円滑かつ確実な実施」に理解を示したことにならないのかと、疑問の声が相次ぎました。
(橋口美幸市議)「『再編の円滑な実施』に理解を示したことにならないか。米軍が施設を使って訓練をすることを認めたと解釈できるが、よいのか」
(八板市長)「法律の名称が『再編の円滑な実施に関する』となっているので全体としてはそうなる。施設そのものの同意不同意と切り離してとしているが、いずれにしても法令にのっとって手続きを進めた」
八板市長は「計画への同意・不同意とは切り離している」と、従来の主張を繰り返しました。
12月6日 南日本新聞
騒音「最大限の対策を」 環境相がアセス意見書提出 生態系への影響軽減策も要求
環境省は5日、西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画に対し、環境相の意見書を防衛相宛てに提出した。防衛省による環境影響評価(アセスメント)の最終まとめとなる「評価書」手続きの一環で、騒音対策やマゲシカなど生態系への影響軽減策の要求が柱。防衛相は指摘を踏まえ、必要な場合は補正し、早ければ年内にも評価書が公告される。
意見書では航空機の飛行が年間2万8000回に上り、FCLPを深夜3時まで行う想定に触れ、「最大限の対策に取り組むことが重要」と強調。騒音の環境基準を満たしているものの、住民の懸念は強いと指摘し、騒音対策の透明性の確保と自治体などとの十分な調整を求めた。
飛行経路などが変わった場合は予測と保全策を改めて示すことを要請。運用開始までに、騒音の環境監視調査の具体的な計画を公表するよう指摘した。
環境省のレッドリストで絶滅の恐れがあると分類されるマゲシカについては、審査助言委員に意見を聴取。えさ場や水飲み場の確保に加え、生息状況の事後調査を求めた。ウミガメや天然記念物のオカヤドカリなどの調査も要望した。
アセスを巡っては、事業者の防衛省九州防衛局熊本防衛支局が11月18日、最終まとめとなる「評価書」を防衛省に送り、防衛相は環境相に意見を求めていた。塩田康一知事は同月29日の県議会で、計画を「県として理解せざるを得ない」と述べ、容認する考えを初めて表明した。
12月3日 南日本新聞
西之表市、馬毛島の学校跡地など2市有地を防衛省に売却 島内の3市道は廃止
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画に絡み、市は2日、いずれも市有地の馬毛島小中学校跡地(8853平方メートル)と、下西校区の隊員宿舎用地(7029平方メートル)を防衛省に売却したと明らかにした。島内3市道の廃止手続きも同日完了した。
市によると、売却契約は11月30日付。売却額は学校跡地3370万円、隊員宿舎2530万円。3市道は1970~71年に認定され、総延長は6178メートル。
基地計画に反対する市民400人超は「説明や議論が不十分なまま決めた」として、差し止めを求める住民監査を請求しており、反発を強めることは必至。市監査事務局によると、現時点で請求を受理するか決まっていない。
市民団体「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」も、監査請求の結果が出るまで手続きを進めないよう八板俊輔市長宛ての文書を提出している。
市有地売却と市道廃止を巡っては、八板市長が計画への賛否を明言しない一方、同省の意向を受け入れる形で市議会9月定例会に関連3議案を追加提出。いずれも1票差で可決された。
開会中の12月定例会の一般質問でも取り上げられ、八板市長は「学校跡地は将来的に基地拡大に供しないことを確認できた」「市道の機能を有しておらず、管理ができる見込みも立たない」などと答弁。「(計画の)同意、不同意にかかわらず、行政手続きで一度決定したものは有効と考えている」と述べていた。
中種子、南種子両町も11月30日付で防衛省と町有地売却契約を結んだ。中種子町は旧種子島空港に隣接する雑種地8136平方メートルを1540万円で売却。同省は錬成訓練施設や物流倉庫を建て、近くの国有地に隊員宿舎を整備する。
南種子町の土地は、役場近くの旧南種子高校グラウンドの一部4465平方メートルで2350万円。同省の車両整備工場と車庫、隊員宿舎の候補地。このほか公立種子島病院に近い町有地にヘリポートの整備が予定されている。
12月2日 MBC NEWS
馬毛島問題 八板市長リコール署名本格化 街頭呼びかけも 市長は一般質問でも賛否明言せず
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転をめぐって、八板俊輔市長のリコール=解職を目指す市民団体が、2日初めて街頭で呼びかけを行うなど、署名活動を本格化させました。
「市長に辞任を求める西之表市民の会」は、リコールの署名活動に必要な証明書を1日夕方受け取り、2日から市役所前などで署名への協力を呼びかけるなど、活動を本格化させました。
八板市長は去年の市長選で馬毛島への基地計画反対を掲げ、当選しましたが、市有地を国へ売却する手続きを進め、再編交付金を受け取る意向を示したことから、市民グループは「実質的に基地建設に協力している」として、解職を求めています。
署名活動の期間は来年1月1日まで。有権者の3分の1にあたる4109人以上の署名が集まれば住民投票が行われ、過半数が賛成すればリコールが成立します。
(市長に辞任を求める西之表市民の会 三宅公人代表)「全く知らない通りがかりの人も署名してくれて驚いている。やはり今の市長のやり方はおかしいと思う人がいると思った」
なお、リコール署名については、これまで計画への反対運動を主導してきた別の市民グループは慎重な姿勢を示しています。
また、西之表市議会で2日まで3日間行われた一般質問では、8人の市議が八板市長に馬毛島関連の質問をし、計画への賛否も問われましたが。
(八板市長)「市長の立場で市民の幸福のため、現実の動きがある都度最善の選択を行っている。その姿勢に変わりはない」
八板市長は賛否を明言しませんでした。
市議会の12月議会は今月16日までです。
12月2日 MBC NEWS
馬毛島の学校を今月中に売却へ
関係者によりますと、西之表市が、市が馬毛島に所有する小中学校跡地は、今月中に国に売却する見通しであることが分かりました。
島の市道については、2日付けで廃止されました。
12月1日 MBC NEWS
八板市長のリコール署名はじまる 馬毛島基地計画めぐり 鹿児島・西之表市
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転をめぐる動きです。八板俊輔市長のリコール=解職を目指す市民団体の署名活動がきょう1日から始まりました。
1日夕方、「市長に辞任を求める西之表市民の会」に、選挙管理委員会からリコールの署名活動に必要な証明書が交付されました。
八板市長は、去年の市長選で馬毛島への基地計画反対を掲げ当選しましたが、市有地を国へ売却する手続きを進め、再編交付金を受け取る意向を示しています。これに対し市民グループは「実質的に基地建設に協力している」として、リコールを目指しています。
(市長に辞任を求める西之表市民の会 三宅公人代表)「少しでも基地建設反対、公約違反の八板市長辞めてくださいという声を、できるだけ西之表市の津々浦々から声を広げていきたい」
署名期間はきょう12月1日から来年1月1日までの1か月間です。市内の有権者数は1万2326人で、3分の1の4109人以上の署名が集まれば住民投票が行われ、過半数が賛成すればリコールが成立します。
リコール運動の開始について、八板市長は…
「(議会などで)リコールについて私から説明することはないと思う。色んな意見があるが動きをしっかり見守っていきたい
12月1日 南日本新聞
知事の馬毛島基地「容認」は防衛省の見立て通り
歓迎する建設業者「元官僚が国とやり合うつもりはなかった」

西之表市馬毛島の葉山港(左)近くで建設が進む作業員宿舎(右)=8月、同島(小型無人機で撮影)
「馬毛島はヤマ場を越えた」。今年2月、鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画を巡り、防衛省内にはこうした受け止めが広がった。
八板俊輔市長が岸信夫防衛相(当時)に米軍再編交付金を受け取る意向を示し、当初の反対姿勢から黙認に転じたからだ。
基地本体工事の入札、3000億円超の整備予算計上、日米両政府で「整備地」と決定…。昨年末から2月までに政府は矢継ぎ早に計画を推し進めた。
ここから11月29日の塩田康一知事の容認表明に至るまで、国側の見立て通りの展開となる。八板市長は従来の抗議を封印。昨年末の基地関連工事の入札で「了承しかねる」と批判した塩田知事も、市長に同調するように黙認姿勢を強めた。
防衛省は4月、基地整備事業の環境影響評価(アセスメント)の準備書の公表に合わせ、2022年度内の着工方針を打ち出した。8月には「国有地管理」を理由に、馬毛島東部の葉山港のしゅんせつと島内道路に着手した。
葉山港工事を許可した塩田知事は「基地工事とは無関係」とする同省の説明を踏襲。相次ぐ入札に対し、「日常的にやり取りする中で、県の意見を取り入れてもらっている部分もある。信頼関係は築けている」との発言もあった。
「12月議会までに方向性を示さないと、県も市も次年度が大変ではないか」。西之表市など種子島3市町に米軍再編交付金が指定された9月、同省関係者は改めて知事や市長の表明は近いと「予言」していた。
塩田知事は容認の根拠として、同省が「アセスの知事意見に沿って対応する」と回答したことを挙げる。ただ、省側が示した知事意見への対応の概要は、FCLPの騒音など従来の説明のほぼ範囲内。知事が求めた種子島上空を飛ばない具体策などは示されなかった。
県アセス委員で熊本大の矢野隆名誉教授は「特殊な基地を民間空港と同じように評価している」と疑問視。アセスに詳しい沖縄大学の桜井国俊名誉教授は「自然相手の影響評価は本来、春夏秋冬を通し、じっくり調査すべきだ。結論と工期ありきの内容でアセスに値しない」と批判する。
敷地造成や管制塔、局舎など工事の業者は既に続々と決まり、建設業者は知事の容認表明を歓迎する。「基地のほかにも国の補助が必要な事業は多い。元官僚の知事が国とやりあうつもりはなかっただろう。年明け早々に着工もあるのでは」
11月30日 MBC NEWS
馬毛島再編交付金で西之表市は学校給食費無償化へ 八板市長「無償化は公約」
鹿児島県の西之表市議会では30日、馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転計画をめぐる議論が行われました。この中で八板市長は、国からの再編交付金を活用して、来年度から市内の小中学校の給食費を全て無償化する方針を明らかにしました。
(八板市長)「学校給食費の完全無償化のための基金事業を計画し、本議会に関連議案を提案した」
八板市長は29日から始まった12月議会に、今年度の米軍再編交付金7億7700万円を基金として積み立てる条例案を提案しています。
30日の議会で、その使いみちを問われた八板市長は、来年度から市内の全ての小中学校の給食費を無償化する方針を明らかにしました。
市内の11の小中学校には887人の子どもたちが通っていて、すでに2人目以降の子どもは無料としていますが、全てを無償化した場合、来年度はおよそ5700万円の費用が見込まれるとしています。
八板市長は去年の市長選で計画反対を掲げ、2期目の当選をした一方で、基地整備を前提とした再編交付金を受け取ることについては「公約違反」の指摘もあります。一方で、八板市長は給食費無償化も自身の「公約」としていて、計画反対と給食費無償化という2つの公約が矛盾しあう形になっています。
(八板市長)「学校給食費の無償化は私の選挙時の公約の一つだった」
Q.公約では再編交付金想定していなかったと思うが、なぜ給食費を優先?
(八板市長)「いろんな案があったが、その中で一番構築しやすいものと考えた」
市議会は来月16日までです。
11月30日 南日本新聞
鹿児島県知事受け入れ容認 西之表市民「なぜ今」「誰の声聞いた」
国と県が調整? 賛成派も「唐突」の声

鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画が大きく動いた。これまで地元意向を重視し、静観姿勢だった塩田康一知事が、29日の県議会で計画を容認する考えを示した。八板俊輔市長が賛否判断を先送りする中での表明に、市内では賛否両派から「なぜ今」「誰の声を聞いて決めたのか」といった声が上がった。
県議会と同じ日に開会した西之表市議会。八板市長の所信表明の真っ最中に知事表明の一報が届いた。計画に反対し、市長のリコール(解職請求)手続きを進めている三宅公人さん(70)は、仲間と情報を共有するため、傍聴席ですぐさまパソコンを開いた。「読み通りです」。メッセージにそう打ち込んだ。
予感はあったという。25日の塩田知事と八板市長の面会で、2人は環境影響評価(アセスメント)を巡る防衛省の対応をそろって「おおむね真摯(しんし)」と評価した。「国を交えて容認方向で調整したのではないか。知事が責任を半分引き受け、市長をバックアップした形だ」といぶかった。
当の八板市長はこの日も「市民の安心安全の確保と不安解消に全力を尽くし、かつ期待の声に最大限の努力を注ぐ」と述べるにとどめ、計画の賛否に踏み込まなかった。
地元では、アセスの最終まとめとなる評価書の公告に合わせて知事、市長ともに賛否表明するとみる向きが多かった。知事は容認の理由に、防衛省がアセスを巡って「知事意見に沿った対応を取る」と回答した点を挙げたが、対応の一端しか明らかになっていない。
それだけに賛成派にも「唐突」との印象が広がった。「ありがたいけど、知事が先に表明することで市長への批判が強まらないか。せめて知事と市民が対話する機会があってよかった」と浜島明人市議は話す。
県が塩田知事の「容認発言」当日に、防衛省に要請書を送付したことも疑念を抱かせる要因の一つだ。杉為昭市議は「県と国が念入りに調整していた、とみられかねない。知事は誰の声を聞いて判断したのだろう」と指摘する。
反対運動を主導する市民団体「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」は、アセスの問題点を指摘する塩田知事宛ての文書を提出していた。山内光典会長(71)は判断の根拠を疑問視する。「市や防衛省がこうだから、というのは状況判断でしかない。地元の声はどこにいった」
一方、市街地では「国の決定は変わらない」と冷静に受け止める市民も少なくなかった。無職日高豊子さん(77)もその1人。ただ「ウクライナ侵攻では基地が攻撃された。馬毛島も狙われてしまうのではないか」と不安を訴える。
地元に先んじた判断は、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿屋市)の米無人機の配備と異なり、これまでの塩田知事には見られなかった。市の中堅職員はこう分析する。「知事が言えば市長も言いやすくなる。そう考えるとつじつまが合う」
11月30日 南日本新聞
馬毛島基地計画 鹿児島県知事受け入れ容認 アセスで防衛省の「知事意見に沿い対応する」点を強調
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画で、塩田康一知事は29日の県議会本会議で「総合的に検討した結果、県として理解せざるを得ない」と述べ、容認する考えを初めて表明した。八板俊輔市長は容認姿勢を強めながらも、同日開会の市議会で賛否の明言を避けた。
防衛省は基地関連工事の環境影響評価(アセスメント)を公告後、早期に着工する方針。
塩田知事は本会議後、容認する根拠として、防衛省がアセスを巡り「知事意見に沿った対応を取る」と回答した点を強調。中国などを念頭にした安全保障環境に加え、市が防衛省に市有地を売却し、米軍再編交付金を受け取る意向であることも挙げた。
八板市長より先に表明した理由については、アセス最終まとめの評価書の公告が「早ければ年内になる」と指摘。「工事が進む際の体制を整えるために早い対応が必要」と説明した。
県議会で議論し、自治体と関係機関で国と協議・連絡する組織を設置する考えも示した。県は同日、防衛省に対し、アセス評価書に記載する環境保全の適切な実施などを求める要請書を出した。
八板市長は知事の表明を受け、今後も連携を密にするとした上で「市民の不安解消や安心安全の担保に至っていない部分もあると考えており、市長としての立場で判断したい」とした。
浜田靖一防衛相は同日の記者会見で「大変ありがたい。地元と緊密に意思疎通を図り、施設整備を進めたい」と述べた。
塩田知事は25日に八板市長と県庁で面会し、「判断材料はそろいつつある」との見解で一致していた。市側には計画容認の意向を事務レベルで28日に伝えたという。

11月29日の東京新聞紙面
11月29日 MBC NEWS
馬毛島基地計画 塩田知事が容認表明 地元・八板市長「知事には知事の立場」
塩田知事は29日の鹿児島県議会の開会本会議で、西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備などについて容認する考えを示しました。一方、西之表市の八板市長は「知事には知事の立場がある」と述べ、現時点で賛否は示さない考えです。
(塩田知事)「国が馬毛島において自衛隊施設を整備することなどは、県としては理解せざるを得ないとの考えに至った」
塩田知事は29日の県議会で、馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転を容認する考えを示しました。理由については「安全保障環境が厳しさを増している状況から総合的に検討した」とし、早ければ年内に公告される環境影響評価を踏まえた判断だと説明しました。
(塩田知事)「環境影響評価(アセスメント)が公告されると工事がスタートする。地元として連絡会や協議会など体制を整える意味でも早い対応が必要と考えた」
一方、地元・西之表市では29日から12月議会が始まり、国から支給される今年度の米軍再編交付金7億7700万円を基金として積み立てる条例案が提案されました。
八板俊輔市長が基地計画への賛否を示すか注目されましたが…。
「民意が分かれる中、一方の考えのみを主張し、一方の考えをないがしろにするのは、市長の立場としてできない」
「民意が分かれている」として、賛否は示しませんでした。
(八板市長)「知事には知事の立場がある。その立場での発言なので、しっかり受け止めたい。市民の不安解消や安心・安全の担保に至っていない部分がある。環境影響評価の公告のタイミングがあるが、もろもろの総合判断をしたい」
しかし、環境影響評価の公告を待てば、基地の工事が始まってしまうのではないか?と問われると…。
「いろいろ考えて(対応を)決めたい」
一方、塩田知事は29日、住民の安心・安全の確保や、事件・事故が起きた場合の速やかな情報提供などを求める要望書を浜田防衛大臣に送付しました。
知事の発言に浜田防衛大臣は…
「自衛隊施設の整備に対するご理解をいただいたことは大変ありがたいことと考えている」
鹿児島県や西之表市などと意思疎通を図りながら、基地整備を進めていく考えを示しました。
11月29日 MBC NEWS
馬毛島計画 知事容認に賛成・反対派市議、街の声は
塩田知事の馬毛島への計画を容認した発言を地元はどう受け止めているのか?西之表市で聞きました。
(賛成派 杉為昭市議)「何をやっているのか西之表市長は、という違和感が湧く。八板市長が先に勇気をもって(賛否を)発言していれば市政、市民としてもストレートに受け止められた」
(反対派 長野広美市議)「まだいくつか深刻な疑問点が残っている。知事の申し入れで具体的に何が変わるのかという部分は大変心配。今後も県民の一人として知事に対応を求めていきたい」
(70代・主婦)「市民の声も賛成・反対あるから、今はいいかもしれないが、先々を見たら不安」
(50代・小学校支援員)「(八板市長は賛否を)早くはっきりと言ったほうがいい」
(80代・無職)「(知事の判断は)やむを得ないのではないか。反対と言える状態ではない。島の土地を国が買い上げているし」
11月29日 MBC NEWS
馬毛島基地計画 塩田知事が容認表明 地元・八板市長「知事には知事の立場」
塩田知事は29日の鹿児島県議会の開会本会議で、西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備などについて容認する考えを示しました。
一方、西之表市の八板市長は「知事には知事の立場がある」と述べ、現時点で賛否は示さない考えです。
(塩田知事)「国が馬毛島において自衛隊施設を整備することなどは、県としては理解せざるを得ないとの考えに至った」
29日午前、県議会で塩田知事はこのように述べ、馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転を容認する考えを示しました。理由については「安全保障環境が厳しさを増している状況から総合的に検討した」とし、早ければ年内に公告される環境影響評価を踏まえた判断だと説明しました。
(塩田知事)
「環境影響評価(環境アセスメント)が公告されると工事がスタートする。地元として連絡会や協議会など体制を整える意味でも、早い対応が必要と考えた」
「(Q.八板市長には伝えた?)八板市長には伝えた。昨日だったと思う」
同じころ、西之表市の八板俊輔市長は29日始まった市議会の本会議で、計画に対する賛否は示しませんせんでした。
(西之表市 八板俊輔市長)「民意が分かれる中、一方の考えのみを主張し、一方の考えをないがしろにするのは、市長の立場としてできない」「今後ますます県との連携が重要と認識。引き続きの連携をお願いした」
八板市長は県議会で知事が表明した計画容認の考えについて29日午後、次のように述べました。
(八板市長)
「知事には知事の立場がある。しっかり受け止めたい」
「(Q.環境アセスの公告を待って賛否表明すると、対応できなくなるのでは?)いろいろ考えて決めたい」
計画への賛否について「地元の市長として自分の考えで判断する」と強調しました。
なお、29日の市議会では、基地計画に伴い国から支給される今年度の米軍再編交付金7億7700万円を基金として積み立てる条例案が提案されました。
11月29日 MBC NEWS
馬毛島基地計画 塩田知事「理解せざるを得ない」 容認の考え示す
鹿児島県の塩田知事は29日の県議会12月議会の開会本会議で、西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備などについて、容認する考えを示しました。
(塩田知事)「国が馬毛島において自衛隊施設を整備することなどは、県としては理解せざるを得ないとの考えに至った」
塩田知事はこのように述べ、馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転について、容認する考えを示しました。理由については、「日本周辺を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している状況を踏まえ、総合的に検討した」としています。
一方、地元・西之表市の八板俊輔市長は、29日に始まった市議会の12月議会で、基地計画に対する「現時点の考えを述べる」意向を示していましたが、賛否には触れませんでした。
(八板市長)「(塩田知事の)発言について、正確なところを把握しないとお答えできない」
11月26日 南日本新聞
馬毛島基地計画「判断材料そろいつつある」 知事と西之表市長、
賛否表明は保留 防衛省の姿勢「おおむね真摯」

鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画で、塩田康一知事と八板俊輔市長は25日、県庁で面会し、防衛省の最近の姿勢が「おおむね真摯(しんし)」との意見で一致した。ともに賛否表明は保留したが「判断材料はそろいつつある」と述べた。
冒頭だけの公開で約40分会談した。面会後、両氏は最大の懸念としていた騒音問題に同省が「地元意見に沿って対応する」とした点を評価した。それぞれ12月定例会で「その時点での考えは示す」とした。
同省は22日、計画に伴う環境影響評価(アセスメント)について、県知事意見への主な対応を県と市に伝えた。地元が求めた種子島上空を米軍機が飛ばないための具体策はなかったが、八板市長は「(アセスとは別に)今後も協議して対策を求める」と述べた。馬毛島で見つかった旧石器時代とみられる遺物には「県教委の調査を注視したい」と語った。
11月25日 MBC NEWS
馬毛島アセス大詰め 塩田知事・八板市長が意見交換「認識共有できた」
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転の計画を巡り、環境影響評価=環境アセスメントの手続きが大詰めを迎える中、塩田知事と西之表市の八板市長が、25日夕方、8月以来となる意見交換をしました。
(西之表市 八板俊輔市長)「市政をあずかる者として、(賛否の)判断の時期が近づいていると考えている。意見交換したい」
25日は午後4時過ぎから県庁で、塩田知事と八板市長が今年8月以来となる意見交換を行いました。
計画を巡っては、防衛省が示した環境アセスメントの「準備書」に対して塩田知事が先月、意見を出し、防衛省は今月22日、県と西之表市に知事の意見を踏まえた対応について説明しています。
関係者によりますと、最終的な「評価書」は年内にも公告=発表される見込みとなっていて、環境アセスを巡る動きは大詰めを迎えています。
1時間近くの意見交換を終えた塩田知事は取材に応じました。
(鹿児島県 塩田康一知事)「(防衛省は)知事意見に沿って対応してもらえている。市長とも認識は共有できた」
そのうえで、自身の計画の賛否についての表明については。
(塩田知事)「中身を見ての判断になるが、馬毛島の基地については何らかの説明は当然必要」
八板市長も、賛否を表明する時期については明言しませんでした。
(八板市長)「いつどういうふうにとは、今の時点でははっきりとしたことは言えない。だんだん近づいている」「まだ市民には不安に思っているところが残っている。点検しながらやっていかないといけない」
11月25日 南日本新聞
馬毛島から「石器」 埋蔵文化財包蔵地か
西之表市教委が調査「出土例多くなく希少」、県教委に報告へ

石器とみられる遺物が見つかった現場=10月11日、西之表市馬毛島(市教育委員会提供)

米軍機訓練移転と自衛隊基地整備が計画される鹿児島県西之表市馬毛島で見つかった3万3000~3万年前(旧石器時代)の石器とみられる遺物について、市教育委員会は24日の会見で、特定の場所に集中していたことから「一帯は(文化財保護法で規定される)埋蔵文化財包蔵地の可能性が高い」との見方を示した。決定権のある県教委に近く調査結果を報告し、判断を委ねる。
市教委によると、島内全域が対象の文化財調査は初めて。昨年から計画しており、国などの地権者から立ち入り許可が出て実現した。10月11日、11月21、22日の計3日間。地質などの専門家も加わった。
石器とみられる遺物は表土に転がっていたほか、一部が露出した状態で見つかった。年代は発見現場の地層から推測した。採集した数や形状などは「警察に遺失物として届けており、明らかにできない」としている。
発見場所が埋蔵文化財包蔵地になり、国の工事が遺跡に影響する場合、県教委は発掘調査の実施を勧告できる。
種子島では旧石器時代の遺構として、国内最古の落とし穴が確認された立切遺跡(中種子町)と、同年代の横峯遺跡(南種子町)が国史跡に指定されている。市教委の沖田純一郎参事は「3万年を超えるものは出土例が多くなく、希少だと考えている」と話した。
11月23日 南日本新聞
馬毛島基地計画 西之表市長のリコール、選管に28日申請 市民団体「納得する説明ない」
西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画に反対する市民が立ち上げた「市長に辞任を求める西之表市民の会」は28日、八板俊輔市長のリコール(解職請求)に向け、署名活動に必要な証明書の交付を市選挙管理委員会に申請する。22日に市民会館で全体会を開き、メンバーの意思を最終確認した。
会には11人が出席。19、20日にあった市主催の市民説明会で八板市長が発言した内容を検討し、計画不同意を掲げた市長選公約に違反するとの認識で一致した。
三宅公人代表は「市民が納得する説明はなく、自ら辞任して信を問うこともない。政治家としての姿勢を追及し、賛同者を広げていきたい」と話した。
11月23日 南日本新聞
馬毛島基地計画 西之表市上空の飛行回避に具体策なし
八板市長「引き続き協議する」 防衛省、アセス知事意見への対応公表

防衛省は22日、鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画に伴う環境影響評価(アセスメント)について、10月に提出された鹿児島県知事意見への対応状況を公表した。市も要望していた市上空飛行を回避する対策は「飛行経路の順守をその都度、米側に申し入れる」にとどまり、具体策は示されなかった。
同省が市と県をそれぞれ訪れ、報告した。騒音への懸念が根強い夜間(午後10時〜午前7時)のFCLPは、訓練を年2回、計20日間程度実施した場合の飛行回数が1日平均約28.2回との見込みを示した。
一方、時間帯別や訓練ごとの騒音予測は、基地全体で評価する従来の手法が適切として、応じていない。
八板俊輔市長は「(市の意見に)対応してもらった部分はあるが、完全ではない。上空飛行などは引き続き協議する」と述べた。塩田康一知事は、夜間の飛行回数や種子島に最も近づく際の騒音予測が示されたとし、「賛否の判断材料になる。対策が十分かは今後精査する」と話した。
39項目の知事意見では、ほかに基地運用後の継続した騒音調査を要求。同省は「関係自治体の意向などを踏まえ検討する」とした。
アセスを巡っては、事業者の同省九州防衛局熊本防衛支局が最終まとめの「評価書」を完成させた。今後、防衛相や環境相の意見を聞く手続きを経て、修正を加えた「補正評価書」が公告される。
11月22日 MBC NEWS
馬毛島計画 知事意見への防衛省の対応に八板市長「それなりに対応」評価も
夜間・上空飛行など対策見えず
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転の計画を巡り、防衛省は22日、西之表市の八板俊輔市長に対し、塩田知事が提出した環境影響評価=環境アセスメントの「準備書」への意見書への対応を説明しました。
(八板市長)「新たに対応すると(説明が)あったので、それなりに防衛省としても対応してもらった」
環境アセスメントは今年4月に「準備書」が公開され、塩田知事が先月、最終的なまとめとなる「評価書」に、航空機が種子島上空を飛行した場合などの騒音予測を盛り込むことなどを求めていました。
防衛省は22日に非公開で開かれた西之表市との協議の場で、塩田知事の意見を踏まえた対応を伝えました。
騒音などの調査は「準備書」では基地の供用開始後3年程度とされていましたが、3年以降も続けることを検討し、騒音の常時監視地点を1か所から複数に増やすことが伝えられたということです。
一方、知事や市が要望した種子島上空を飛行した場合などの騒音予測は追加されず、夜間訓練については「必要」とする従来の方針を変えませんでした。
(防衛省地方協力局 原田道明参事官)「夜間に訓練が行われるのが必要と認識。飛行経路を守って周辺への影響を最小限とするように米側に求めていく」
(八板市長)「対応してもらった部分はあるが、完全ではない。どの部分が(不十分)かはちょっと見てみたい。上空飛行などは引き続き協議していく」
関係者によりますと、防衛省は知事の意見などを反映した「評価書」を、年内にも公告=公表する見込みです。八板市長は「評価書」の公告を賛否を含めた自身の考えを示す「一つの節目」としています。
(八板市長)「今後、知事がどう評価するかや、協議の場で話している部分があるので、総合的にしかるべき時期に話したい」
一方、防衛省は22日に鹿児島県の担当者にも同様の説明をしたということです。
11月21日 MBC NEWS
馬毛島計画 西之表市が住民説明会 八板市長「計画賛否はアセス評価書公告が一つの節目」
馬毛島を巡り、鹿児島県の西之表市は19日と20日に住民説明会を開きました。
今回は、9月の市議会で防衛省に市有地を売却する議案が可決されたほか、先月は米軍再編交付金の支給が通知されるなど、新たに重要な状況が生じたことから開かれました。市民からは質問のほか、八板俊輔市長の姿勢を質す声も相次ぎました。
西之表市民会館で2日間にわたって開かれた住民説明会には、延べ190人が参加しました。
馬毛島を巡っては、島の小中学校跡地などを防衛省に売却する議案が9月の市議会で可決されました。また、先月には、今年度分の米軍再編交付金7億7700万円の支給が国から通知されました。
説明会で市は、今年度分の交付金は基金として積み立てる条例案を12月議会に提案する方針を示しました。そして、八板市長は来年度以降、教育関連で活用したい考えを明らかにしました。
一方、八板市長は去年、計画反対を掲げ、2期目の当選をしましたが、市有地売却などの手続きを進めていることや米軍再編交付金を受け取ることについて、市民からは「公約違反ではないか」と問う声が相次ぎました。
(市民)「(土地の売却)議案は建設と賛否と切り離せない。賛同したことをなぜ認めないのか」
(八板市長)「意見はあると思うが、これは施設整備の判断と切り離して判断した、それにつきる」
(市民)「逃げ口上にしか思えない。市長の信念や理念を疑わざるを得ない」
(八板市長)「選挙の時、そして当選後も、公約を常に意識している。(国の)スケジュールで進められていることに、地元としてはかなり戸惑いつつも対応しなければならない」
八板市長は計画への賛否を未だ明言していませんが、説明会で市長は「環境アセスメントの評価書の公告がひとつの節目」としました。
(八板市長)「いずれにしても、その(賛否を示す)時期は近い。評価書の公告のタイミングは一つの節目になる」
八板市長については、計画に反対する市民の一部が「公約違反」だとして、リコール=解職を求める準備を始めています。そのような動きもある中、市長の説明を聞いた市民は。
(市民)「公約を守ってほしかったが、現実には賛成の方向で進める手続き、残念。(リコールは)心情的にはそうだが、時期的に適当かもう少し考えたい」
(市民)「支持していた人たちも選挙で票を入れたので、その人たちにも責任がある。リコールせずに一緒に頑張っていったほうがいい」
(市民)「市の代表で出ているので(市長には)もっと自分の意見をきちんと発言してほしかった」
将来を見据え、今後、どうすべきか。説明会では市民からの質問が相次ぎました。また、防衛省は22日に西之表市と10回目の協議の場を開き、環境影響評価についてあらためて八板市長に説明する予定です。
西之表市議会の12月議会は今月末に始まります。市は、交付金の具体的な活用案などを説明する見通しです。
11月21日 MBC NEWS
馬毛島基地計画 防衛省が環境アセス「評価書」まとめ 今後修正し年内にも公表か
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備などを巡り、国が、環境への影響を評価した環境アセスメントの「評価書」をまとめたことが分かりました。今後修正を加え年内にも公告=公表される見込みです。
国は、馬毛島に自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転を計画しています。計画に伴う環境アセスメントは、今年4月に「準備書」が公開され、先月、塩田知事は、最終的なまとめとなる「評価書」に、航空機の夜間の飛行や種子島上空を飛行した場合の騒音予測を盛り込むよう求めました。
熊本防衛支局によりますと、塩田知事の意見などを反映した「評価書」をまとめ、今月18日に、東京の防衛省に送付したということです。
今後、防衛省が浜田防衛大臣や西村環境大臣の意見をもとに「評価書」を修正し、公告=公表されます。
関係者によりますと、評価書は年内にも公告される見込みで、防衛省は今年度内の着工を目指しています。
11月21日 南日本新聞
容認へ傾く西之表市長…反対派に失望広がる 賛成派も「住民説明会はガス抜き」

説明会で質問をするために挙手する市民=20日、西之表市の市民会館
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画を巡る市の説明会は、計画賛成派と反対派で明暗が分かれた。八板俊輔市長から米軍再編交付金の受け取り意向と使途の方向性が示された賛成派。計画不同意とした市長選公約との整合性を問う反対派は、「現実の動きに対応した」とかわされる。計画の主導権を防衛省に握られ、歯止めをかけられない市の現状が改めて浮き彫りになった。
焦点の一つは、9月議会に提案した馬毛島小中学校跡地などの市有地売却と、馬毛島3市道廃止の方針に対する釈明だった。八板市長は「計画への賛否判断と切り離した行政手続き」とし、「申請者(防衛省)に瑕疵(かし)がなく、売買条件が妥当であれば止める法的根拠はない」と述べた。
説明会で市側は、政府が馬毛島買収を発表した2019年12月以降の動きや、防衛省の環境影響評価(アセスメント)準備書に記載された航空機騒音予測、再編交付金の概要を解説。その後、約1時間半~2時間にわたり質疑があった。
反対派が立つ場面が多く、昨年の市長選で計画反対を掲げた八板市長の政治姿勢をただした。八板市長の回答は「公約は常に頭にある」「市民の安心安全の確保が第一」と従来通り。辞任要求は「市民の期待に応えるべく職責を果たす」と突っぱねた。
「結局は国に従うしかなく、誰が市長でもこういう状況になっただろう。不満のガス抜きのようだ」と計画に賛成する建設業男性(63)。反対派の自営業男性(50)は「内容に新味はない。説明会をやった、という事実をつくりたいのか」と失望感をにじませた。
八板市長に対して、反対派の一部がリコール(解職請求)手続きを進めている。これまで反対運動を主導してきた市民団体も「本音が全く聞けなかった」とし、辞任を求める文書を提出する構えだ。こうした動きについて、八板市長は報道陣に「いろいろな考え方がある。それぞれの動きを注視したい」と語った。
会の終盤、八板市長や大平和男副市長の同級生という農業男性(68)の悲痛な叫びが響いた。「大事なのはおまえの正義や。反対するなら一生懸命しないとだめやっど。涙を流すぐらい頑張ってくれよ。賛成派にも反対派にもよか格好して八方美人、俺に言わせれば八方ふさがりやろうが」
11月20日 MBC NEWS
馬毛島計画めぐり西之表市が住民説明会 八板市長「交付金は教育関連で検討」
鹿児島県の西之表市・馬毛島への自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転計画をめぐり、市は19日夜、住民説明会を開きました。八板俊輔市長は米軍再編交付金ついて、教育関連で活用する考えを示しました。
住民説明会は、9月の市議会で馬毛島の小中学校跡地などを防衛省に売却する議案が可決されたほか、先月は、今年度分の米軍再編交付金7億7700万円の支給が通知されたことなどを受けて開かれました。
市は今度の市議会で、今年度分の交付金は基金として積み立てる条例案を提案する方針で、八板市長は来年度以降、教育関連で活用する考えを示しました。
(八板市長)「(交付金は)来年度以降、使うことを考えている。教育関連というふうに検討進めているところ」
一方、八板市長は去年、計画反対を掲げ、2期目の当選をしましたが、市有地売却などの手続きを進めていることについて、市民からは「公約違反ではないか」と問う声が相次ぎました。
(八板市長)「選挙の時、そして当選後も、公約を常に意識しております」
住民説明会は、20日も午後6時から西之表市民会館で開かれます。
関連記事:防衛省民意を無視し馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。(11)
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-1188.html
関連記事:防衛省民意を無視し「馬毛島」環境アセス着手強行。馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。(10)
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-1146.html
DEMO RESE Radio#18
「今、無人島・馬毛島が熱い!!」
part1 https://youtu.be/2-vYJ2boge0
part2 https://youtu.be/DsTgUznQ79o
part3 https://youtu.be/PXWIlRCpgcA
part4 https://youtu.be/I5g3SWx_8vs
馬毛島への米軍施設を許さない市民・団体連絡会 HP
http://www.mageshimabeigunshisetsuhantai.com/wp/
1月11日 南日本新聞
22億円漁業補償 種子島漁協の組合員「納得」「妥当なのか」
説明会で「工事は漁期を外して」と要望も
西之表市馬毛島への自衛隊基地整備計画を巡り、同市住吉地区で10日あった防衛省の説明会。初めて示された総額22億円の漁業補償に種子島漁協の組合員の評価は「納得」「妥当なのか」と分かれた。
準組合員の浦上幸子さん(71)は「個々の配分はまだ分からないが、思ったより良かった印象だ。もらえるだけでもありがたい」。60代の正組合員は「米軍基地問題がある沖縄はどうなっているのか。比較対象がないから判断しづらい」と話した。
説明会は約1時間。出席者によると、トコブシ漁への影響を懸念する質問が多かった。港湾施設の予定地周辺は好漁場として知られ、種子島漁協に水揚げされるトコブシのうち、馬毛島産が6割強を占める。会終了後、出席者の一人は「工事は漁期の6〜8月を外してほしいと要望した」と明かした。
1月11日 南日本新聞
漁業補償22億円 防衛省が種子島漁協に提示 月内に組合員投票
島周辺は特産トコブシの主要漁場
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画で、防衛省が地元の種子島漁協に、総額22億円の漁業補償を検討していることが10日、関係者への取材で分かった。基地整備に伴い、馬毛島東岸で予定される港湾施設や仮設桟橋の工事に対する補償。浦添孫三郎組合長は、補償を受け入れて工事に同意するかどうかを問う組合員投票を月内に実施する考えを示した。
馬毛島は、種子島特産の貝「トコブシ(ナガラメ)」の主要漁場。防衛省による組合員向け説明会が10日、同市住吉地区で始まり、補償額を初めて提示した。準組合員を含む総組合員は約400人。
工事に4年程度、環境影響などの事後調査に1年程度かかると想定。22億円の算定根拠に(1)港湾施設区域での将来にわたる漁業権の消滅(2)港湾施設区域を除く島東岸での工事・調査期間中の漁業制限(3)工事完了後の環境変化による漁獲減少-を挙げた。
基地運用後に訓練内容によって漁を制限・禁止する場合は別途補償し、藻場の造成などの漁場保全策も検討する。
港湾関連の着工時期は示さなかったが、防衛省は環境影響評価(アセスメント)の最終まとめとなる「評価書」を12日に公告し、島内の基地本体工事については同日着手する方針だ。
説明会は住吉地区の組合員約30人が出席。冒頭以外は非公開で行われた。終了後、浦添組合長は報道陣に「補償金の配分方法は(工事に対して)組合員の同意が得られてから検討する」と述べた。11~13、16日には、残る市内3地区と中種子町向けに説明会がある。
同省は2021年度に漁業補償調査を始め、アセスと並行して、海域の制限によって漁業者が失う利益を調べていた。
一方、防衛省は11日に西之表市と鹿児島県をそれぞれ訪れ、八板俊輔市長、塩田康一知事にアセス「評価書」の概要などを説明する。
1月10日 MBC NEWS
馬毛島基地工事の漁業補償 防衛省が地元漁協に22億円を提示
鹿児島県西之表市・馬毛島への基地計画を巡る動きです。防衛省が地元漁協への漁業補償金として4年間で22億円を提示したことが分かりました。
防衛省は、馬毛島への自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転計画について、12日に環境アセスメントの最終的な評価書を公告=公表し、早ければその日に着工する方針です。
4年間の工事期間中、島の東側を中心に漁ができなくなることから、地元・種子島漁協が防衛省に漁業補償を求めていましたが、防衛省が10日、漁協に22億円の支払いを提示したことが関係者への取材で分かりました。また、防衛省は20億円程度をかけて、漁場の保全を行うと提案したということです。
防衛省は、今月10日から16日まで組合員向けの説明会を開いていて、種子島漁協は組合員の意見などをもとに、防衛省の提案を受け入れるか判断することにしています。
なお、防衛省が11日、環境影響評価=環境アセスメントの最終的な評価書について説明するため、八板俊輔市長と塩田知事にそれぞれ面会すると発表しました。12日の公告と着工の方針を直接伝えるものとみられます。
面会では、基地整備について防衛省や県、種子島1市2町などの情報共有を目的とした、連絡体制づくりについても話し合うということです。

1月7日の琉球新報紙面

1月7日の沖縄タイムス紙面
1月7日 南日本新聞
西之表市長の意思表明ないまま馬毛島基地12日着工へ 八板市長「順序立てて…」
反対派は「アメリカへの手土産か」

市街地に掲げられている計画反対派の看板=6日、西之表市西町
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備計画で、防衛省が12日に環境影響評価(アセスメント)の評価書を公告し、同日着工する方針が5日明らかになった。同省は鹿児島県や西之表市を11日にも訪れ、評価書の概要などを説明するとみられる。FCLP移転案が表面化して約15年。地元では計画反対の声が根強く、不満や不安が渦巻いている。
種子島では1市2町の議会と、中種子、南種子両町長が既に計画への賛意を示している。賛否を明言していない八板俊輔市長は6日、出張先の鹿児島市で取材に応じた。自身の表明がないまま着工される可能性について「地元の理解が整った上で順序立てて進めるのが好ましい。市民の理解は時間をかけて進めないといけない」と述べた。
ただ、西之表市は市有地売却など同省の意向に沿う対応を取ってきた経緯がある。「計画不同意」とする公約を破ったとして、八板市長のリコール(解職請求)を目指した三宅公人さん(70)は「これまでの状況を見れば市長の賛否は関係ない。年明けすぐの着工も予想通り」と冷静に受け止める。
市民団体「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」の山内光典会長(72)は13日に予定される日米首脳会談に着目し、「米側への手土産にしたいのか」といぶかった。
計画賛成派は早期着工を歓迎しつつも、作業員の増加によるごみ処理や駐車場不足、事故の発生など工事による影響に懸念を示す。
政治団体「西之表市と馬毛島の未来創造推進協議会」で活動する浜島明人市議(51)は「人が増えればモノが動くといったメリットはあるが、新たな問題にどう対処するか。市の対応力が試される」。同協議会の前会長で、長年誘致に取り組んだ折口金吉さん(71)も「関係者を円滑に受け入れる態勢は市の協力がなければできない」と話した。

1月7日の琉球新報紙面
1月6日 MBC NEWS
馬毛島基地、今月12日にも着工 防衛省が環境アセス評価書を公告へ
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備などを巡り、防衛省は、今月12日に環境影響評価=環境アセスメントの最終的な評価書を公告=公表し、早ければその日に着工する見通しであることが分かりました。
防衛省は、馬毛島に自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転を計画しています。計画に伴って防衛省は、環境への影響を評価する環境アセスメントの手続きをおととし2月から進めていましたが、最終的なまとめとなる評価書を今月12日に公告=公表する方針を固めたことが関係者への取材で分かりました。
評価書の公告で環境アセスメントの手続きは終了したことになり、防衛省は基地工事を早ければ即日、始める方針だということです。
馬毛島への基地計画を巡っては塩田知事は去年11月に容認の考えを示しています。一方、西之表市の八板市長は賛否を明言しておらず、今後も防衛省との協議を続け、その結果を踏まえて自身の考えを明らかにするとしています。

1月7日の奄美新聞紙面
1月6日 南日本新聞
馬毛島で見つかった旧石器時代の遺跡 防衛省が工事実施を通知
鹿児島県教委「粛々と取り扱い協議」
米軍機訓練移転と自衛隊基地整備が計画される鹿児島県西之表市馬毛島で見つかった旧石器時代の「八重石(やえいし)遺跡」に関し、防衛省は5日、県教育委員会に対して周辺の「周知の埋蔵文化財包蔵地」(包蔵地)で工事を実施すると通知したと明らかにした。両者の協議を経て、発掘調査を行う場合がある。
通知は文化財保護法で定められた手続きの一つ。今後の協議で、遺跡の概要把握のため県教委による予備調査を行うか決める。工事で遺跡を損傷すると判断されれば、県教委は国に発掘調査を実施するよう勧告できる。
包蔵地の範囲は約1万3000平方メートル。周辺では滑走路や駐機場などの整備を予定する。遺跡の規模や重要性など調査の結果次第では、工事に影響が出る可能性もある。
通知は昨年12月21日付。熊本防衛支局から西之表市教委経由で県教委に届いた。防衛省は「法に基づき適切に対応する」、県教委は「粛々と埋蔵文化財の取り扱いを協議する」とそれぞれコメントした。

1月6日の沖縄タイムス紙面

1月6日の琉球新報紙面
1月4日 MBC NEWS
西之表市・八板市長リコール不成立 市民グループ「反対派が動くきっかけに
鹿児島県西之表市の市民グループが、八板市長のリコール=解職を目指して署名を行いましたが、必要な署名数に届かず成立しませんでした。
「市長に辞任を求める西之表市民の会」は、市長選で馬毛島への基地計画反対を掲げ、当選した八板市長は「実質的に基地建設に協力している」として、先月、リコールを目指して署名活動を行いました。
有権者の3分の1にあたる4109人以上の署名が集まれば住民投票が行われ、過半数が賛成すればリコールが成立しましたが、市民グループは4日、集まった署名は678人で、リコール活動を断念すると明らかにしました。
(市長に辞任を求める西之表市民の会 三宅公人代表)「風を起こせなかった。(基地計画)反対派の中で少数派で終わってしまった。今まで沈黙を強いられてきた基地反対派が大きく動くきっかけになってほしい」
八板市長はリコール運動の結果を受けて「市民の期待に応えるよう職責を果たしてまいります」とコメントしています。
1月3日 南日本新聞
馬毛島基地巡る八板市長リコール署名、必要数に届かず 西之表の市民団体
鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地整備計画について「不同意」とする公約を破ったとして、八板俊輔市長のリコール(解職請求)を求めた市民団体の署名活動は1日、1カ月の収集期間を終えた。団体によると、集まった署名は暫定で678筆だった。必要数に届かず、市選挙管理委員会への提出を見送る。4日に記者会見する。
同市の昨年12月1日現在の選挙人名簿登録者数は1万2326人。リコールの賛否を問う住民投票の実施には、3分の1に当たる4109人以上の署名が必要だった。
団体は「市長に辞任を求める西之表市民の会」(三宅公人代表)。「政治的な発言や行動を翻し、市民に納得のいく説明もない」と八板市長の政治姿勢を批判していた。
12月31日 南日本新聞
議長はどちらから…馬毛島基地計画で賛否拮抗の西之表市議会、来年任期折り返し どうなる?次は賛成派からとの「約束」
鹿児島県西之表市の西之表市議会(14人)は来年2月、任期の折り返しを迎える。各委員会の構成を変えるのに合わせ、議長、副議長も選び直すのが通例だ。同市馬毛島の自衛隊基地整備計画について、賛否が7人ずつと拮抗(きっこう)する中、議決権を持たない議長に誰が就くのか。議会として計画との向き合い方が問われる問題でもあり、各議員の動向が注目される。
現議長は反対派の川村孝則氏(63)=7期目。2021年1月の市議選後に開かれた臨時会で、出席13議員の全会一致で決まった。選出に当たっては、事前に「(川村氏の)次は賛成派から議長を出す」との“約束”があったとされる。
以降、本会議採決では賛成派が多数を占めることになり、同年6月の定例会で初めて計画に賛意を示す意見書を1票差で可決。22年9月には、旧馬毛島小中学校跡地の売却や島内3市道の廃止に関する議案も1票差で可決され、この2年間で計画推進に向けた足場が固められた。
反対派にとっては劣勢の状況が続いており、議長交代への期待は高い。だが、関係者によると「約束」に関して正式に文書を交わしたわけではない。先行きは不透明と言え、候補として取り沙汰される賛成派議員も「まだ先のことで何も言えない」と口を濁す。
今年12月の議会運営委員会で、来年2月下旬に臨時会を開くことが決まった。川村氏は慣例に従い、その場で議長の辞職願を提出する構えだ。議会事務局によると、議長を除く13議員で辞職を認めるかどうかを採決し、否決されれば次回本会議まで川村氏が継続することになる。
計画を巡り、防衛省が基地本体工事の早期着手を目指して手続きを進める中、市議会は水面下で駆け引きが続きそうだ。臨時会の行方次第では、議長が本会議ごとに辞職を願い出るような事態に陥りかねない。
12月27日 MBC NEWS
西之表市・八板市長リコール 必要署名数の確保は困難な見通し
「馬毛島の基地計画に実質、賛成している」として、鹿児島県西之表市の市民グループが八板俊輔市長のリコール=解職を目指し行っている署名について、必要な数に達するのが困難な見通しであることが分かりました。
「市長に辞任を求める西之表市民の会」は、市長選で馬毛島への基地計画反対を掲げ、当選した八板市長は「実質的に基地建設に協力している」として、今月1日からリコールの署名活動を続けています。
来年1月1日までに有権者の3分の1にあたる4109人以上の署名が集まれば住民投票が行われ、過半数が賛成すればリコールが成立しますが、現在、署名は1000人に達しておらず、期間内に必要な署名数の確保が困難な見通しとなっています。
(市長に辞任を求める西之表市民の会 三宅公人代表)「厳しい状況だが、1人でも(多くの署名を)積み上げて八板市長への批判の意思を結果で示したい」
市民グループは1月4日の会見で署名結果を公表する予定です。
12月27日 南日本新聞
管制塔など本体施設10棟に確認済証を交付 鹿児島県
西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画で、鹿児島県は26日、防衛省から計画通知を受けていた管制塔や飛行管理棟など本体施設10棟について、同日付で確認済証を交付したと発表した。
建築基準法に基づく計画通知は9月30日付。本体施設に関する申請は初めてだった。用途などを確認した市を通じ、県へ出されていた。県建築課は「関係法令に適合していると確認した」と話した。現時点で他に通知はないという。
防衛省によると、施設は5階建て管制塔(延べ床面積2300平方メートル)、2階建て飛行管理棟(同2200平方メートル)のほか、通信、送信、受信、気象レーダーなどの局舎7棟、浄水ポンプ室1棟。
これまでの入札で管制塔の機械や電気、建築など3件計52.8億円、局舎1棟分20.4億円などを契約しており、管制塔や局舎の一部の工期は2024年2月。今回の申請とは別に、25年3月が工期の滑走路新設工事も契約。米軍機訓練の早期移転に向けた準備が進んでいる。
12月24日 南日本新聞
1680億円を随意契約 国交省「離島で特殊な施工」を理由に港湾、滑走路など6件
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画で、防衛省から支出委任を受けた国土交通省九州地方整備局が10月、港湾や滑走路、仮設桟橋の新設工事6件計約1680億7000万円を随意契約していたことが23日分かった。
先行して整備する滑走路の工期は2025年3月。FCLPは通常5月に行われており、防衛省が示す工程通りに進んだ場合、25年度中に訓練が始まる可能性がある。
国交省は随契の理由について「外洋に面した離島での特殊な施工のため」などとし、いずれも設計や技術提案段階から契約していた共同企業体(JV)6社が請け負う。
最高額は島東部の港湾施設整備の961億5000万円で、五洋建設と東亜建設工業のJVが受注。このほか2本の滑走路新設227億円、213億5000万円で、3本の仮設桟橋を100億円、93億6000万円、84億9000万円。
仮設桟橋は23年11月に完成予定で、既に改修に着手している葉山港とともに資機材搬入の拠点とする。港湾は逆L字型で2.1キロの防波・消波堤などを造り、26年3月の完成を目指す。
防衛省が22年度に契約した関連工事は11月末までに、国交省分も含め約2390億円。22年度予算は補正と合わせ約4624億円を計上しており、今後も大型契約を予定する。
12月23日 MBC NEWS
政府来年度予算案を閣議決定 馬毛島関連3030億円 防衛費過去最大
政府は来年度の予算案を23日閣議決定しました。馬毛島関連では契約ベースでおよそ3030億円を計上しています。
政府の来年度一般会計の歳出総額は、114兆3800億円程度で過去最大となります。防衛費は全体で6兆8000億円程度と、今年度の当初予算より1兆4000億円程度増やし、過去最大となります。
アメリカ軍の空母艦載機の訓練移転と自衛隊基地整備を計画する馬毛島関連では、滑走路や駐機場、管制塔などの施設整備に契約ベースでおよそ3030億円、歳出ベースでおよそ546億円を計上しました。
西之表市の八板市長は「馬毛島関連の予算計上について防衛省から説明があった。馬毛島への施設整備に不安を感じる住民もおり、引き続き防衛省との協議の場などを踏まえ、住民の不安解消に努める」とするコメントを発表しました。
12月21日 南日本新聞
馬毛島基地計画「容認」の塩田知事に抗議
立民鹿児島県連「軍備増強が進む中、非常に不安」と発言撤回求める
西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画で、立憲民主党鹿児島県連(柳誠子代表)は20日、計画を容認する考えを示した塩田康一知事宛てに、発言の撤回などを求める抗議文を提出した。
抗議文では、騒音など米軍基地に関する問題が全国で多発していると指摘。全国知事会が日米地位協定の改定を提言していることに触れ、塩田知事が提言の実効性を強く求めることや、埋蔵文化財包蔵地に登録された遺跡の発掘調査も要請した。
長野広美・西之表市議は「国の説明は不十分。軍備増強を進めようとする中、県が『やむなし』との立場では非常に不安だ」と話した。県総合政策課は「知事に伝える」と応じた。
12月17日 南日本新聞
八板市長の問責決議案、再び否決 米軍再編交付金の基金条例は可決 どちらも1票差
鹿児島県西之表市議会は16日の定例会最終本会議で、同市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画に伴う米軍再編交付金を積み立てる基金の設置条例案を可決した。前回定例会に続き、計画反対派が提出した八板俊輔市長の問責決議案は再び否決した。いずれも1票差。
市は2022年度分の再編交付金7億7680万円を基金に積み立て、23年度から学校給食の完全無償化に充てる方針。基地整備につながる手続きを市議会が追認したことで、防衛省は早期着工に向けて「地元の理解」を得た格好だ。
問責決議案では再編交付金を巡る対応などを挙げ、「市民への説明不足」と指摘。前回、提出者の採決ボタンの押し間違いで否決となった経緯があり、通常の電子採決から起立採決となったが、今回は計画賛成派の賛同を得られなかった。
閉会後、八板市長は報道陣に「基地整備の判断と切り離し、法令に基づいた手続きを認めてもらい安心している。批判は真摯(しんし)に受け止め、職務を全うする」と語った。計画への賛否については「近く公告される環境影響評価(アセスメント)の評価書、防衛省との協議の推移を見ていきたい」と述べ、具体的な判断時期に踏み込まなかった。
12月16日 MBC NEWS
西之表市長 馬毛島計画賛否はさらに先に「アセス公告後の協議を見極めて」
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転計画について、八板俊輔市長は賛否を示す時期を国の環境影響評価の手続き終了が「ひとつの節目」としてきましたが、その後も防衛省と協議を続け、その結果を踏まえて賛否を判断する考えを示しました。
16日開かれた12月議会の最終本会議で、国からの米軍再編交付金を基金として積み立てる条例案が、賛成7人・反対6人で原案通り可決されました。
市には今年度7億7700万円の再編交付金が支給される見込みで、八板市長は来年度から小中学校の給食費を全て無償化する方針を示しています。
八板市長が再編交付金を受け取る手続きを進めていることについては、計画反対の公約に反するとの批判もあり、16日の市議会では計画に反対する市議から問責決議案も出されましたが、反対多数で否決されました。
計画への賛否を明言しないまま12月議会を終えた八板市長。賛否を示す時期については早ければ年内に公告=公表される国の環境影響評価の最終的な「評価書」のタイミングを「ひとつの節目」としてきましたが、16日は発言に変化が。
(八板市長)「それ(環境アセス評価書)も含めて、ほかにもいろいろと協議していることがあるので、タイミングはしっかり見極めたい」
公告後も防衛省との協議を続け、その結果を踏まえて賛否を示すと述べました。
(八板市長)「(Q.着工後に賛否表明の可能性は)防衛省は評価書の公告後に着工したいと言っている。その辺は状況をしっかりみないといけない」
12月6日 MBC NEWS
馬毛島計画「基地計画に理解示したことにならないか?」
八板市長に市議から疑問の声 西之表市議会
西之表市議会では6日の委員会で、馬毛島計画への賛否を示さないまま国からの米軍再編交付金を受け取る意向を示している八板俊輔市長に対し、市議から疑問の声が相次ぎました。
八板市長は、12月議会に今年度の米軍再編交付金7億7700万円を基金として積み立てる条例案を提案していて、来年度から小中学校の給食費を無償化する方針です。
しかし、八板市長は基地計画への賛否について明言していないため、6日の市議会総務文教委員会では市議から、交付金支給の前提となる「米軍再編の円滑かつ確実な実施」に理解を示したことにならないのかと、疑問の声が相次ぎました。
(橋口美幸市議)「『再編の円滑な実施』に理解を示したことにならないか。米軍が施設を使って訓練をすることを認めたと解釈できるが、よいのか」
(八板市長)「法律の名称が『再編の円滑な実施に関する』となっているので全体としてはそうなる。施設そのものの同意不同意と切り離してとしているが、いずれにしても法令にのっとって手続きを進めた」
八板市長は「計画への同意・不同意とは切り離している」と、従来の主張を繰り返しました。
12月6日 南日本新聞
騒音「最大限の対策を」 環境相がアセス意見書提出 生態系への影響軽減策も要求
環境省は5日、西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画に対し、環境相の意見書を防衛相宛てに提出した。防衛省による環境影響評価(アセスメント)の最終まとめとなる「評価書」手続きの一環で、騒音対策やマゲシカなど生態系への影響軽減策の要求が柱。防衛相は指摘を踏まえ、必要な場合は補正し、早ければ年内にも評価書が公告される。
意見書では航空機の飛行が年間2万8000回に上り、FCLPを深夜3時まで行う想定に触れ、「最大限の対策に取り組むことが重要」と強調。騒音の環境基準を満たしているものの、住民の懸念は強いと指摘し、騒音対策の透明性の確保と自治体などとの十分な調整を求めた。
飛行経路などが変わった場合は予測と保全策を改めて示すことを要請。運用開始までに、騒音の環境監視調査の具体的な計画を公表するよう指摘した。
環境省のレッドリストで絶滅の恐れがあると分類されるマゲシカについては、審査助言委員に意見を聴取。えさ場や水飲み場の確保に加え、生息状況の事後調査を求めた。ウミガメや天然記念物のオカヤドカリなどの調査も要望した。
アセスを巡っては、事業者の防衛省九州防衛局熊本防衛支局が11月18日、最終まとめとなる「評価書」を防衛省に送り、防衛相は環境相に意見を求めていた。塩田康一知事は同月29日の県議会で、計画を「県として理解せざるを得ない」と述べ、容認する考えを初めて表明した。
12月3日 南日本新聞
西之表市、馬毛島の学校跡地など2市有地を防衛省に売却 島内の3市道は廃止
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画に絡み、市は2日、いずれも市有地の馬毛島小中学校跡地(8853平方メートル)と、下西校区の隊員宿舎用地(7029平方メートル)を防衛省に売却したと明らかにした。島内3市道の廃止手続きも同日完了した。
市によると、売却契約は11月30日付。売却額は学校跡地3370万円、隊員宿舎2530万円。3市道は1970~71年に認定され、総延長は6178メートル。
基地計画に反対する市民400人超は「説明や議論が不十分なまま決めた」として、差し止めを求める住民監査を請求しており、反発を強めることは必至。市監査事務局によると、現時点で請求を受理するか決まっていない。
市民団体「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」も、監査請求の結果が出るまで手続きを進めないよう八板俊輔市長宛ての文書を提出している。
市有地売却と市道廃止を巡っては、八板市長が計画への賛否を明言しない一方、同省の意向を受け入れる形で市議会9月定例会に関連3議案を追加提出。いずれも1票差で可決された。
開会中の12月定例会の一般質問でも取り上げられ、八板市長は「学校跡地は将来的に基地拡大に供しないことを確認できた」「市道の機能を有しておらず、管理ができる見込みも立たない」などと答弁。「(計画の)同意、不同意にかかわらず、行政手続きで一度決定したものは有効と考えている」と述べていた。
中種子、南種子両町も11月30日付で防衛省と町有地売却契約を結んだ。中種子町は旧種子島空港に隣接する雑種地8136平方メートルを1540万円で売却。同省は錬成訓練施設や物流倉庫を建て、近くの国有地に隊員宿舎を整備する。
南種子町の土地は、役場近くの旧南種子高校グラウンドの一部4465平方メートルで2350万円。同省の車両整備工場と車庫、隊員宿舎の候補地。このほか公立種子島病院に近い町有地にヘリポートの整備が予定されている。
12月2日 MBC NEWS
馬毛島問題 八板市長リコール署名本格化 街頭呼びかけも 市長は一般質問でも賛否明言せず
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転をめぐって、八板俊輔市長のリコール=解職を目指す市民団体が、2日初めて街頭で呼びかけを行うなど、署名活動を本格化させました。
「市長に辞任を求める西之表市民の会」は、リコールの署名活動に必要な証明書を1日夕方受け取り、2日から市役所前などで署名への協力を呼びかけるなど、活動を本格化させました。
八板市長は去年の市長選で馬毛島への基地計画反対を掲げ、当選しましたが、市有地を国へ売却する手続きを進め、再編交付金を受け取る意向を示したことから、市民グループは「実質的に基地建設に協力している」として、解職を求めています。
署名活動の期間は来年1月1日まで。有権者の3分の1にあたる4109人以上の署名が集まれば住民投票が行われ、過半数が賛成すればリコールが成立します。
(市長に辞任を求める西之表市民の会 三宅公人代表)「全く知らない通りがかりの人も署名してくれて驚いている。やはり今の市長のやり方はおかしいと思う人がいると思った」
なお、リコール署名については、これまで計画への反対運動を主導してきた別の市民グループは慎重な姿勢を示しています。
また、西之表市議会で2日まで3日間行われた一般質問では、8人の市議が八板市長に馬毛島関連の質問をし、計画への賛否も問われましたが。
(八板市長)「市長の立場で市民の幸福のため、現実の動きがある都度最善の選択を行っている。その姿勢に変わりはない」
八板市長は賛否を明言しませんでした。
市議会の12月議会は今月16日までです。
12月2日 MBC NEWS
馬毛島の学校を今月中に売却へ
関係者によりますと、西之表市が、市が馬毛島に所有する小中学校跡地は、今月中に国に売却する見通しであることが分かりました。
島の市道については、2日付けで廃止されました。
12月1日 MBC NEWS
八板市長のリコール署名はじまる 馬毛島基地計画めぐり 鹿児島・西之表市
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転をめぐる動きです。八板俊輔市長のリコール=解職を目指す市民団体の署名活動がきょう1日から始まりました。
1日夕方、「市長に辞任を求める西之表市民の会」に、選挙管理委員会からリコールの署名活動に必要な証明書が交付されました。
八板市長は、去年の市長選で馬毛島への基地計画反対を掲げ当選しましたが、市有地を国へ売却する手続きを進め、再編交付金を受け取る意向を示しています。これに対し市民グループは「実質的に基地建設に協力している」として、リコールを目指しています。
(市長に辞任を求める西之表市民の会 三宅公人代表)「少しでも基地建設反対、公約違反の八板市長辞めてくださいという声を、できるだけ西之表市の津々浦々から声を広げていきたい」
署名期間はきょう12月1日から来年1月1日までの1か月間です。市内の有権者数は1万2326人で、3分の1の4109人以上の署名が集まれば住民投票が行われ、過半数が賛成すればリコールが成立します。
リコール運動の開始について、八板市長は…
「(議会などで)リコールについて私から説明することはないと思う。色んな意見があるが動きをしっかり見守っていきたい
12月1日 南日本新聞
知事の馬毛島基地「容認」は防衛省の見立て通り
歓迎する建設業者「元官僚が国とやり合うつもりはなかった」

西之表市馬毛島の葉山港(左)近くで建設が進む作業員宿舎(右)=8月、同島(小型無人機で撮影)
「馬毛島はヤマ場を越えた」。今年2月、鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画を巡り、防衛省内にはこうした受け止めが広がった。
八板俊輔市長が岸信夫防衛相(当時)に米軍再編交付金を受け取る意向を示し、当初の反対姿勢から黙認に転じたからだ。
基地本体工事の入札、3000億円超の整備予算計上、日米両政府で「整備地」と決定…。昨年末から2月までに政府は矢継ぎ早に計画を推し進めた。
ここから11月29日の塩田康一知事の容認表明に至るまで、国側の見立て通りの展開となる。八板市長は従来の抗議を封印。昨年末の基地関連工事の入札で「了承しかねる」と批判した塩田知事も、市長に同調するように黙認姿勢を強めた。
防衛省は4月、基地整備事業の環境影響評価(アセスメント)の準備書の公表に合わせ、2022年度内の着工方針を打ち出した。8月には「国有地管理」を理由に、馬毛島東部の葉山港のしゅんせつと島内道路に着手した。
葉山港工事を許可した塩田知事は「基地工事とは無関係」とする同省の説明を踏襲。相次ぐ入札に対し、「日常的にやり取りする中で、県の意見を取り入れてもらっている部分もある。信頼関係は築けている」との発言もあった。
「12月議会までに方向性を示さないと、県も市も次年度が大変ではないか」。西之表市など種子島3市町に米軍再編交付金が指定された9月、同省関係者は改めて知事や市長の表明は近いと「予言」していた。
塩田知事は容認の根拠として、同省が「アセスの知事意見に沿って対応する」と回答したことを挙げる。ただ、省側が示した知事意見への対応の概要は、FCLPの騒音など従来の説明のほぼ範囲内。知事が求めた種子島上空を飛ばない具体策などは示されなかった。
県アセス委員で熊本大の矢野隆名誉教授は「特殊な基地を民間空港と同じように評価している」と疑問視。アセスに詳しい沖縄大学の桜井国俊名誉教授は「自然相手の影響評価は本来、春夏秋冬を通し、じっくり調査すべきだ。結論と工期ありきの内容でアセスに値しない」と批判する。
敷地造成や管制塔、局舎など工事の業者は既に続々と決まり、建設業者は知事の容認表明を歓迎する。「基地のほかにも国の補助が必要な事業は多い。元官僚の知事が国とやりあうつもりはなかっただろう。年明け早々に着工もあるのでは」
11月30日 MBC NEWS
馬毛島再編交付金で西之表市は学校給食費無償化へ 八板市長「無償化は公約」
鹿児島県の西之表市議会では30日、馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転計画をめぐる議論が行われました。この中で八板市長は、国からの再編交付金を活用して、来年度から市内の小中学校の給食費を全て無償化する方針を明らかにしました。
(八板市長)「学校給食費の完全無償化のための基金事業を計画し、本議会に関連議案を提案した」
八板市長は29日から始まった12月議会に、今年度の米軍再編交付金7億7700万円を基金として積み立てる条例案を提案しています。
30日の議会で、その使いみちを問われた八板市長は、来年度から市内の全ての小中学校の給食費を無償化する方針を明らかにしました。
市内の11の小中学校には887人の子どもたちが通っていて、すでに2人目以降の子どもは無料としていますが、全てを無償化した場合、来年度はおよそ5700万円の費用が見込まれるとしています。
八板市長は去年の市長選で計画反対を掲げ、2期目の当選をした一方で、基地整備を前提とした再編交付金を受け取ることについては「公約違反」の指摘もあります。一方で、八板市長は給食費無償化も自身の「公約」としていて、計画反対と給食費無償化という2つの公約が矛盾しあう形になっています。
(八板市長)「学校給食費の無償化は私の選挙時の公約の一つだった」
Q.公約では再編交付金想定していなかったと思うが、なぜ給食費を優先?
(八板市長)「いろんな案があったが、その中で一番構築しやすいものと考えた」
市議会は来月16日までです。
11月30日 南日本新聞
鹿児島県知事受け入れ容認 西之表市民「なぜ今」「誰の声聞いた」
国と県が調整? 賛成派も「唐突」の声

鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画が大きく動いた。これまで地元意向を重視し、静観姿勢だった塩田康一知事が、29日の県議会で計画を容認する考えを示した。八板俊輔市長が賛否判断を先送りする中での表明に、市内では賛否両派から「なぜ今」「誰の声を聞いて決めたのか」といった声が上がった。
県議会と同じ日に開会した西之表市議会。八板市長の所信表明の真っ最中に知事表明の一報が届いた。計画に反対し、市長のリコール(解職請求)手続きを進めている三宅公人さん(70)は、仲間と情報を共有するため、傍聴席ですぐさまパソコンを開いた。「読み通りです」。メッセージにそう打ち込んだ。
予感はあったという。25日の塩田知事と八板市長の面会で、2人は環境影響評価(アセスメント)を巡る防衛省の対応をそろって「おおむね真摯(しんし)」と評価した。「国を交えて容認方向で調整したのではないか。知事が責任を半分引き受け、市長をバックアップした形だ」といぶかった。
当の八板市長はこの日も「市民の安心安全の確保と不安解消に全力を尽くし、かつ期待の声に最大限の努力を注ぐ」と述べるにとどめ、計画の賛否に踏み込まなかった。
地元では、アセスの最終まとめとなる評価書の公告に合わせて知事、市長ともに賛否表明するとみる向きが多かった。知事は容認の理由に、防衛省がアセスを巡って「知事意見に沿った対応を取る」と回答した点を挙げたが、対応の一端しか明らかになっていない。
それだけに賛成派にも「唐突」との印象が広がった。「ありがたいけど、知事が先に表明することで市長への批判が強まらないか。せめて知事と市民が対話する機会があってよかった」と浜島明人市議は話す。
県が塩田知事の「容認発言」当日に、防衛省に要請書を送付したことも疑念を抱かせる要因の一つだ。杉為昭市議は「県と国が念入りに調整していた、とみられかねない。知事は誰の声を聞いて判断したのだろう」と指摘する。
反対運動を主導する市民団体「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」は、アセスの問題点を指摘する塩田知事宛ての文書を提出していた。山内光典会長(71)は判断の根拠を疑問視する。「市や防衛省がこうだから、というのは状況判断でしかない。地元の声はどこにいった」
一方、市街地では「国の決定は変わらない」と冷静に受け止める市民も少なくなかった。無職日高豊子さん(77)もその1人。ただ「ウクライナ侵攻では基地が攻撃された。馬毛島も狙われてしまうのではないか」と不安を訴える。
地元に先んじた判断は、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿屋市)の米無人機の配備と異なり、これまでの塩田知事には見られなかった。市の中堅職員はこう分析する。「知事が言えば市長も言いやすくなる。そう考えるとつじつまが合う」
11月30日 南日本新聞
馬毛島基地計画 鹿児島県知事受け入れ容認 アセスで防衛省の「知事意見に沿い対応する」点を強調
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画で、塩田康一知事は29日の県議会本会議で「総合的に検討した結果、県として理解せざるを得ない」と述べ、容認する考えを初めて表明した。八板俊輔市長は容認姿勢を強めながらも、同日開会の市議会で賛否の明言を避けた。
防衛省は基地関連工事の環境影響評価(アセスメント)を公告後、早期に着工する方針。
塩田知事は本会議後、容認する根拠として、防衛省がアセスを巡り「知事意見に沿った対応を取る」と回答した点を強調。中国などを念頭にした安全保障環境に加え、市が防衛省に市有地を売却し、米軍再編交付金を受け取る意向であることも挙げた。
八板市長より先に表明した理由については、アセス最終まとめの評価書の公告が「早ければ年内になる」と指摘。「工事が進む際の体制を整えるために早い対応が必要」と説明した。
県議会で議論し、自治体と関係機関で国と協議・連絡する組織を設置する考えも示した。県は同日、防衛省に対し、アセス評価書に記載する環境保全の適切な実施などを求める要請書を出した。
八板市長は知事の表明を受け、今後も連携を密にするとした上で「市民の不安解消や安心安全の担保に至っていない部分もあると考えており、市長としての立場で判断したい」とした。
浜田靖一防衛相は同日の記者会見で「大変ありがたい。地元と緊密に意思疎通を図り、施設整備を進めたい」と述べた。
塩田知事は25日に八板市長と県庁で面会し、「判断材料はそろいつつある」との見解で一致していた。市側には計画容認の意向を事務レベルで28日に伝えたという。

11月29日の東京新聞紙面
11月29日 MBC NEWS
馬毛島基地計画 塩田知事が容認表明 地元・八板市長「知事には知事の立場」
塩田知事は29日の鹿児島県議会の開会本会議で、西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備などについて容認する考えを示しました。一方、西之表市の八板市長は「知事には知事の立場がある」と述べ、現時点で賛否は示さない考えです。
(塩田知事)「国が馬毛島において自衛隊施設を整備することなどは、県としては理解せざるを得ないとの考えに至った」
塩田知事は29日の県議会で、馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転を容認する考えを示しました。理由については「安全保障環境が厳しさを増している状況から総合的に検討した」とし、早ければ年内に公告される環境影響評価を踏まえた判断だと説明しました。
(塩田知事)「環境影響評価(アセスメント)が公告されると工事がスタートする。地元として連絡会や協議会など体制を整える意味でも早い対応が必要と考えた」
一方、地元・西之表市では29日から12月議会が始まり、国から支給される今年度の米軍再編交付金7億7700万円を基金として積み立てる条例案が提案されました。
八板俊輔市長が基地計画への賛否を示すか注目されましたが…。
「民意が分かれる中、一方の考えのみを主張し、一方の考えをないがしろにするのは、市長の立場としてできない」
「民意が分かれている」として、賛否は示しませんでした。
(八板市長)「知事には知事の立場がある。その立場での発言なので、しっかり受け止めたい。市民の不安解消や安心・安全の担保に至っていない部分がある。環境影響評価の公告のタイミングがあるが、もろもろの総合判断をしたい」
しかし、環境影響評価の公告を待てば、基地の工事が始まってしまうのではないか?と問われると…。
「いろいろ考えて(対応を)決めたい」
一方、塩田知事は29日、住民の安心・安全の確保や、事件・事故が起きた場合の速やかな情報提供などを求める要望書を浜田防衛大臣に送付しました。
知事の発言に浜田防衛大臣は…
「自衛隊施設の整備に対するご理解をいただいたことは大変ありがたいことと考えている」
鹿児島県や西之表市などと意思疎通を図りながら、基地整備を進めていく考えを示しました。
11月29日 MBC NEWS
馬毛島計画 知事容認に賛成・反対派市議、街の声は
塩田知事の馬毛島への計画を容認した発言を地元はどう受け止めているのか?西之表市で聞きました。
(賛成派 杉為昭市議)「何をやっているのか西之表市長は、という違和感が湧く。八板市長が先に勇気をもって(賛否を)発言していれば市政、市民としてもストレートに受け止められた」
(反対派 長野広美市議)「まだいくつか深刻な疑問点が残っている。知事の申し入れで具体的に何が変わるのかという部分は大変心配。今後も県民の一人として知事に対応を求めていきたい」
(70代・主婦)「市民の声も賛成・反対あるから、今はいいかもしれないが、先々を見たら不安」
(50代・小学校支援員)「(八板市長は賛否を)早くはっきりと言ったほうがいい」
(80代・無職)「(知事の判断は)やむを得ないのではないか。反対と言える状態ではない。島の土地を国が買い上げているし」
11月29日 MBC NEWS
馬毛島基地計画 塩田知事が容認表明 地元・八板市長「知事には知事の立場」
塩田知事は29日の鹿児島県議会の開会本会議で、西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備などについて容認する考えを示しました。
一方、西之表市の八板市長は「知事には知事の立場がある」と述べ、現時点で賛否は示さない考えです。
(塩田知事)「国が馬毛島において自衛隊施設を整備することなどは、県としては理解せざるを得ないとの考えに至った」
29日午前、県議会で塩田知事はこのように述べ、馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転を容認する考えを示しました。理由については「安全保障環境が厳しさを増している状況から総合的に検討した」とし、早ければ年内に公告される環境影響評価を踏まえた判断だと説明しました。
(塩田知事)
「環境影響評価(環境アセスメント)が公告されると工事がスタートする。地元として連絡会や協議会など体制を整える意味でも、早い対応が必要と考えた」
「(Q.八板市長には伝えた?)八板市長には伝えた。昨日だったと思う」
同じころ、西之表市の八板俊輔市長は29日始まった市議会の本会議で、計画に対する賛否は示しませんせんでした。
(西之表市 八板俊輔市長)「民意が分かれる中、一方の考えのみを主張し、一方の考えをないがしろにするのは、市長の立場としてできない」「今後ますます県との連携が重要と認識。引き続きの連携をお願いした」
八板市長は県議会で知事が表明した計画容認の考えについて29日午後、次のように述べました。
(八板市長)
「知事には知事の立場がある。しっかり受け止めたい」
「(Q.環境アセスの公告を待って賛否表明すると、対応できなくなるのでは?)いろいろ考えて決めたい」
計画への賛否について「地元の市長として自分の考えで判断する」と強調しました。
なお、29日の市議会では、基地計画に伴い国から支給される今年度の米軍再編交付金7億7700万円を基金として積み立てる条例案が提案されました。
11月29日 MBC NEWS
馬毛島基地計画 塩田知事「理解せざるを得ない」 容認の考え示す
鹿児島県の塩田知事は29日の県議会12月議会の開会本会議で、西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備などについて、容認する考えを示しました。
(塩田知事)「国が馬毛島において自衛隊施設を整備することなどは、県としては理解せざるを得ないとの考えに至った」
塩田知事はこのように述べ、馬毛島への自衛隊基地整備とアメリカ軍の訓練移転について、容認する考えを示しました。理由については、「日本周辺を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している状況を踏まえ、総合的に検討した」としています。
一方、地元・西之表市の八板俊輔市長は、29日に始まった市議会の12月議会で、基地計画に対する「現時点の考えを述べる」意向を示していましたが、賛否には触れませんでした。
(八板市長)「(塩田知事の)発言について、正確なところを把握しないとお答えできない」
11月26日 南日本新聞
馬毛島基地計画「判断材料そろいつつある」 知事と西之表市長、
賛否表明は保留 防衛省の姿勢「おおむね真摯」

鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画で、塩田康一知事と八板俊輔市長は25日、県庁で面会し、防衛省の最近の姿勢が「おおむね真摯(しんし)」との意見で一致した。ともに賛否表明は保留したが「判断材料はそろいつつある」と述べた。
冒頭だけの公開で約40分会談した。面会後、両氏は最大の懸念としていた騒音問題に同省が「地元意見に沿って対応する」とした点を評価した。それぞれ12月定例会で「その時点での考えは示す」とした。
同省は22日、計画に伴う環境影響評価(アセスメント)について、県知事意見への主な対応を県と市に伝えた。地元が求めた種子島上空を米軍機が飛ばないための具体策はなかったが、八板市長は「(アセスとは別に)今後も協議して対策を求める」と述べた。馬毛島で見つかった旧石器時代とみられる遺物には「県教委の調査を注視したい」と語った。
11月25日 MBC NEWS
馬毛島アセス大詰め 塩田知事・八板市長が意見交換「認識共有できた」
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転の計画を巡り、環境影響評価=環境アセスメントの手続きが大詰めを迎える中、塩田知事と西之表市の八板市長が、25日夕方、8月以来となる意見交換をしました。
(西之表市 八板俊輔市長)「市政をあずかる者として、(賛否の)判断の時期が近づいていると考えている。意見交換したい」
25日は午後4時過ぎから県庁で、塩田知事と八板市長が今年8月以来となる意見交換を行いました。
計画を巡っては、防衛省が示した環境アセスメントの「準備書」に対して塩田知事が先月、意見を出し、防衛省は今月22日、県と西之表市に知事の意見を踏まえた対応について説明しています。
関係者によりますと、最終的な「評価書」は年内にも公告=発表される見込みとなっていて、環境アセスを巡る動きは大詰めを迎えています。
1時間近くの意見交換を終えた塩田知事は取材に応じました。
(鹿児島県 塩田康一知事)「(防衛省は)知事意見に沿って対応してもらえている。市長とも認識は共有できた」
そのうえで、自身の計画の賛否についての表明については。
(塩田知事)「中身を見ての判断になるが、馬毛島の基地については何らかの説明は当然必要」
八板市長も、賛否を表明する時期については明言しませんでした。
(八板市長)「いつどういうふうにとは、今の時点でははっきりとしたことは言えない。だんだん近づいている」「まだ市民には不安に思っているところが残っている。点検しながらやっていかないといけない」
11月25日 南日本新聞
馬毛島から「石器」 埋蔵文化財包蔵地か
西之表市教委が調査「出土例多くなく希少」、県教委に報告へ

石器とみられる遺物が見つかった現場=10月11日、西之表市馬毛島(市教育委員会提供)

米軍機訓練移転と自衛隊基地整備が計画される鹿児島県西之表市馬毛島で見つかった3万3000~3万年前(旧石器時代)の石器とみられる遺物について、市教育委員会は24日の会見で、特定の場所に集中していたことから「一帯は(文化財保護法で規定される)埋蔵文化財包蔵地の可能性が高い」との見方を示した。決定権のある県教委に近く調査結果を報告し、判断を委ねる。
市教委によると、島内全域が対象の文化財調査は初めて。昨年から計画しており、国などの地権者から立ち入り許可が出て実現した。10月11日、11月21、22日の計3日間。地質などの専門家も加わった。
石器とみられる遺物は表土に転がっていたほか、一部が露出した状態で見つかった。年代は発見現場の地層から推測した。採集した数や形状などは「警察に遺失物として届けており、明らかにできない」としている。
発見場所が埋蔵文化財包蔵地になり、国の工事が遺跡に影響する場合、県教委は発掘調査の実施を勧告できる。
種子島では旧石器時代の遺構として、国内最古の落とし穴が確認された立切遺跡(中種子町)と、同年代の横峯遺跡(南種子町)が国史跡に指定されている。市教委の沖田純一郎参事は「3万年を超えるものは出土例が多くなく、希少だと考えている」と話した。
11月23日 南日本新聞
馬毛島基地計画 西之表市長のリコール、選管に28日申請 市民団体「納得する説明ない」
西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画に反対する市民が立ち上げた「市長に辞任を求める西之表市民の会」は28日、八板俊輔市長のリコール(解職請求)に向け、署名活動に必要な証明書の交付を市選挙管理委員会に申請する。22日に市民会館で全体会を開き、メンバーの意思を最終確認した。
会には11人が出席。19、20日にあった市主催の市民説明会で八板市長が発言した内容を検討し、計画不同意を掲げた市長選公約に違反するとの認識で一致した。
三宅公人代表は「市民が納得する説明はなく、自ら辞任して信を問うこともない。政治家としての姿勢を追及し、賛同者を広げていきたい」と話した。
11月23日 南日本新聞
馬毛島基地計画 西之表市上空の飛行回避に具体策なし
八板市長「引き続き協議する」 防衛省、アセス知事意見への対応公表

防衛省は22日、鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画に伴う環境影響評価(アセスメント)について、10月に提出された鹿児島県知事意見への対応状況を公表した。市も要望していた市上空飛行を回避する対策は「飛行経路の順守をその都度、米側に申し入れる」にとどまり、具体策は示されなかった。
同省が市と県をそれぞれ訪れ、報告した。騒音への懸念が根強い夜間(午後10時〜午前7時)のFCLPは、訓練を年2回、計20日間程度実施した場合の飛行回数が1日平均約28.2回との見込みを示した。
一方、時間帯別や訓練ごとの騒音予測は、基地全体で評価する従来の手法が適切として、応じていない。
八板俊輔市長は「(市の意見に)対応してもらった部分はあるが、完全ではない。上空飛行などは引き続き協議する」と述べた。塩田康一知事は、夜間の飛行回数や種子島に最も近づく際の騒音予測が示されたとし、「賛否の判断材料になる。対策が十分かは今後精査する」と話した。
39項目の知事意見では、ほかに基地運用後の継続した騒音調査を要求。同省は「関係自治体の意向などを踏まえ検討する」とした。
アセスを巡っては、事業者の同省九州防衛局熊本防衛支局が最終まとめの「評価書」を完成させた。今後、防衛相や環境相の意見を聞く手続きを経て、修正を加えた「補正評価書」が公告される。
11月22日 MBC NEWS
馬毛島計画 知事意見への防衛省の対応に八板市長「それなりに対応」評価も
夜間・上空飛行など対策見えず
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転の計画を巡り、防衛省は22日、西之表市の八板俊輔市長に対し、塩田知事が提出した環境影響評価=環境アセスメントの「準備書」への意見書への対応を説明しました。
(八板市長)「新たに対応すると(説明が)あったので、それなりに防衛省としても対応してもらった」
環境アセスメントは今年4月に「準備書」が公開され、塩田知事が先月、最終的なまとめとなる「評価書」に、航空機が種子島上空を飛行した場合などの騒音予測を盛り込むことなどを求めていました。
防衛省は22日に非公開で開かれた西之表市との協議の場で、塩田知事の意見を踏まえた対応を伝えました。
騒音などの調査は「準備書」では基地の供用開始後3年程度とされていましたが、3年以降も続けることを検討し、騒音の常時監視地点を1か所から複数に増やすことが伝えられたということです。
一方、知事や市が要望した種子島上空を飛行した場合などの騒音予測は追加されず、夜間訓練については「必要」とする従来の方針を変えませんでした。
(防衛省地方協力局 原田道明参事官)「夜間に訓練が行われるのが必要と認識。飛行経路を守って周辺への影響を最小限とするように米側に求めていく」
(八板市長)「対応してもらった部分はあるが、完全ではない。どの部分が(不十分)かはちょっと見てみたい。上空飛行などは引き続き協議していく」
関係者によりますと、防衛省は知事の意見などを反映した「評価書」を、年内にも公告=公表する見込みです。八板市長は「評価書」の公告を賛否を含めた自身の考えを示す「一つの節目」としています。
(八板市長)「今後、知事がどう評価するかや、協議の場で話している部分があるので、総合的にしかるべき時期に話したい」
一方、防衛省は22日に鹿児島県の担当者にも同様の説明をしたということです。
11月21日 MBC NEWS
馬毛島計画 西之表市が住民説明会 八板市長「計画賛否はアセス評価書公告が一つの節目」
馬毛島を巡り、鹿児島県の西之表市は19日と20日に住民説明会を開きました。
今回は、9月の市議会で防衛省に市有地を売却する議案が可決されたほか、先月は米軍再編交付金の支給が通知されるなど、新たに重要な状況が生じたことから開かれました。市民からは質問のほか、八板俊輔市長の姿勢を質す声も相次ぎました。
西之表市民会館で2日間にわたって開かれた住民説明会には、延べ190人が参加しました。
馬毛島を巡っては、島の小中学校跡地などを防衛省に売却する議案が9月の市議会で可決されました。また、先月には、今年度分の米軍再編交付金7億7700万円の支給が国から通知されました。
説明会で市は、今年度分の交付金は基金として積み立てる条例案を12月議会に提案する方針を示しました。そして、八板市長は来年度以降、教育関連で活用したい考えを明らかにしました。
一方、八板市長は去年、計画反対を掲げ、2期目の当選をしましたが、市有地売却などの手続きを進めていることや米軍再編交付金を受け取ることについて、市民からは「公約違反ではないか」と問う声が相次ぎました。
(市民)「(土地の売却)議案は建設と賛否と切り離せない。賛同したことをなぜ認めないのか」
(八板市長)「意見はあると思うが、これは施設整備の判断と切り離して判断した、それにつきる」
(市民)「逃げ口上にしか思えない。市長の信念や理念を疑わざるを得ない」
(八板市長)「選挙の時、そして当選後も、公約を常に意識している。(国の)スケジュールで進められていることに、地元としてはかなり戸惑いつつも対応しなければならない」
八板市長は計画への賛否を未だ明言していませんが、説明会で市長は「環境アセスメントの評価書の公告がひとつの節目」としました。
(八板市長)「いずれにしても、その(賛否を示す)時期は近い。評価書の公告のタイミングは一つの節目になる」
八板市長については、計画に反対する市民の一部が「公約違反」だとして、リコール=解職を求める準備を始めています。そのような動きもある中、市長の説明を聞いた市民は。
(市民)「公約を守ってほしかったが、現実には賛成の方向で進める手続き、残念。(リコールは)心情的にはそうだが、時期的に適当かもう少し考えたい」
(市民)「支持していた人たちも選挙で票を入れたので、その人たちにも責任がある。リコールせずに一緒に頑張っていったほうがいい」
(市民)「市の代表で出ているので(市長には)もっと自分の意見をきちんと発言してほしかった」
将来を見据え、今後、どうすべきか。説明会では市民からの質問が相次ぎました。また、防衛省は22日に西之表市と10回目の協議の場を開き、環境影響評価についてあらためて八板市長に説明する予定です。
西之表市議会の12月議会は今月末に始まります。市は、交付金の具体的な活用案などを説明する見通しです。
11月21日 MBC NEWS
馬毛島基地計画 防衛省が環境アセス「評価書」まとめ 今後修正し年内にも公表か
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備などを巡り、国が、環境への影響を評価した環境アセスメントの「評価書」をまとめたことが分かりました。今後修正を加え年内にも公告=公表される見込みです。
国は、馬毛島に自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転を計画しています。計画に伴う環境アセスメントは、今年4月に「準備書」が公開され、先月、塩田知事は、最終的なまとめとなる「評価書」に、航空機の夜間の飛行や種子島上空を飛行した場合の騒音予測を盛り込むよう求めました。
熊本防衛支局によりますと、塩田知事の意見などを反映した「評価書」をまとめ、今月18日に、東京の防衛省に送付したということです。
今後、防衛省が浜田防衛大臣や西村環境大臣の意見をもとに「評価書」を修正し、公告=公表されます。
関係者によりますと、評価書は年内にも公告される見込みで、防衛省は今年度内の着工を目指しています。
11月21日 南日本新聞
容認へ傾く西之表市長…反対派に失望広がる 賛成派も「住民説明会はガス抜き」

説明会で質問をするために挙手する市民=20日、西之表市の市民会館
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画を巡る市の説明会は、計画賛成派と反対派で明暗が分かれた。八板俊輔市長から米軍再編交付金の受け取り意向と使途の方向性が示された賛成派。計画不同意とした市長選公約との整合性を問う反対派は、「現実の動きに対応した」とかわされる。計画の主導権を防衛省に握られ、歯止めをかけられない市の現状が改めて浮き彫りになった。
焦点の一つは、9月議会に提案した馬毛島小中学校跡地などの市有地売却と、馬毛島3市道廃止の方針に対する釈明だった。八板市長は「計画への賛否判断と切り離した行政手続き」とし、「申請者(防衛省)に瑕疵(かし)がなく、売買条件が妥当であれば止める法的根拠はない」と述べた。
説明会で市側は、政府が馬毛島買収を発表した2019年12月以降の動きや、防衛省の環境影響評価(アセスメント)準備書に記載された航空機騒音予測、再編交付金の概要を解説。その後、約1時間半~2時間にわたり質疑があった。
反対派が立つ場面が多く、昨年の市長選で計画反対を掲げた八板市長の政治姿勢をただした。八板市長の回答は「公約は常に頭にある」「市民の安心安全の確保が第一」と従来通り。辞任要求は「市民の期待に応えるべく職責を果たす」と突っぱねた。
「結局は国に従うしかなく、誰が市長でもこういう状況になっただろう。不満のガス抜きのようだ」と計画に賛成する建設業男性(63)。反対派の自営業男性(50)は「内容に新味はない。説明会をやった、という事実をつくりたいのか」と失望感をにじませた。
八板市長に対して、反対派の一部がリコール(解職請求)手続きを進めている。これまで反対運動を主導してきた市民団体も「本音が全く聞けなかった」とし、辞任を求める文書を提出する構えだ。こうした動きについて、八板市長は報道陣に「いろいろな考え方がある。それぞれの動きを注視したい」と語った。
会の終盤、八板市長や大平和男副市長の同級生という農業男性(68)の悲痛な叫びが響いた。「大事なのはおまえの正義や。反対するなら一生懸命しないとだめやっど。涙を流すぐらい頑張ってくれよ。賛成派にも反対派にもよか格好して八方美人、俺に言わせれば八方ふさがりやろうが」
11月20日 MBC NEWS
馬毛島計画めぐり西之表市が住民説明会 八板市長「交付金は教育関連で検討」
鹿児島県の西之表市・馬毛島への自衛隊基地の整備とアメリカ軍の訓練移転計画をめぐり、市は19日夜、住民説明会を開きました。八板俊輔市長は米軍再編交付金ついて、教育関連で活用する考えを示しました。
住民説明会は、9月の市議会で馬毛島の小中学校跡地などを防衛省に売却する議案が可決されたほか、先月は、今年度分の米軍再編交付金7億7700万円の支給が通知されたことなどを受けて開かれました。
市は今度の市議会で、今年度分の交付金は基金として積み立てる条例案を提案する方針で、八板市長は来年度以降、教育関連で活用する考えを示しました。
(八板市長)「(交付金は)来年度以降、使うことを考えている。教育関連というふうに検討進めているところ」
一方、八板市長は去年、計画反対を掲げ、2期目の当選をしましたが、市有地売却などの手続きを進めていることについて、市民からは「公約違反ではないか」と問う声が相次ぎました。
(八板市長)「選挙の時、そして当選後も、公約を常に意識しております」
住民説明会は、20日も午後6時から西之表市民会館で開かれます。
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