4/30-5/30 石垣島への陸自配備をめぐる地元紙の紙面、公開質問や投書など。
- 2016/05/02
- 21:50
石垣島より:

5月30日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より

5月14日の八重山毎日紙面

5月10日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より

5月9日の八重山毎日紙面

5月2日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より


4月30日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より
4月30日 八重山毎日
社説:「陸自配備」判断を急ぐな 説明会も議論深まらず
釈然としない「空白地域」論
やはり、と言うべきか。「空白地域」論、「抑止力」論には釈然としないものが残った。
防衛省主催による陸上自衛隊の部隊配置に関する住民説明会。荒れる状況になるのを恐れたか、急きょ市職員が動員され会場整理にあたった。
2時間の説明、質疑応答でも計画の詳細は明らかにならず、議論は何ら深まらなかった。23日、中山市長も認めた通りだが、これは説明会の時間不足によるものではない。防衛省側の秘密体質が背景にある。
包み隠さず答えよ
説明会はあらかじめ配布された資料に沿って進められた。「わが国を取り巻く安全保障環境」や「石垣島への部隊配置について」など、おおむね25分。
一方で、東日本大震災の自衛隊災害救助派遣等について、それ以上の時間を費やした。被災者救援の動画も再生され、会場から「宣撫(ぶ)工作だ」「災害救助説明会か」との声も上がった。
さらに、事前受付の質疑15件についておよそ20分間の説明があり、残り40分を会場での質疑応答に使い、13人の質疑に応じた。
説明によれば、鹿児島から与那国までの南西諸島約1100キロのうち、陸自部隊が配置されているのは沖縄本島と与那国のみ。その間の奄美群島と、宮古・石垣島が「空白地域」であり、「島しょ防衛など各種事態において適切に対応できる体制が十分に整備されていない」ことが部隊配備の理由である。
また、「特定国を仮想敵国としない」としながら「周辺は安心できる状況にない。力による現状変更を許容しない抑止力が必要」と強調した。会場から拍手が起こる一方で、「緊張を高め、標的になるだけ」との批判も相次いだ。
戦後71年、石垣も奄美も軍隊が存在せず平和を謳歌(おうか)してきた。いまさら「空白地域」と不安をあおるべきではない。
質疑にも「決定しておりません」「確定しておりません」との回答が相次ぎ、市民の疑問や不安に対して、真正面から答えた説明になっていない。
そもそも、市議会の要請決議は、部隊配備による「騒音、安全性、環境に対する配慮等についての情報開示」であり、地域や市民生活への影響だ。射撃場の構造や安全性を聞いているわけではない。これではアリバイづくりと批判されても仕方ない。
傲岸(ごうがん)不遜にすぎないか
防衛省側が再三強調したことは、「市の協力」がなければ、配備計画の詳細を開示できないこと。市有地譲渡の同意が得られなければ、駐屯地の位置、形状、面積など詳細を決定できない、と言う理屈である。何もかも軍事秘密ではないだろう。偵察衛星からすべて見られている時代である。
問題は、計画の詳細を包み隠したまま市と市民に対して部隊配備受け入れを「お願い」していることだ。言葉は柔らかいが、傲岸(ごうがん)不遜にすぎないか。
事は石垣市の未来に関わる。16日付社説で指摘したとおり、市主催の説明会を開催してより詳細な情報開示を行い、成熟した議論を待つべきだ。市民討論会でもいい。
前提として、市には防衛省に対しより詳細な情報開示がない限り配備は受け入れられないといった、毅然(きぜん)とした態度が必要となる。
市議会は、判断を急いではならない。この説明会を配備賛成の請願採択の理由にはできない。中山市長が会の冒頭で求めた、「市民に対する詳細な情報の提供」はなかったのだから。

4月30日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より
4月30日 八重山毎日
不連続線:「島がつぶれる」。陸上自衛隊沿岸監視隊が
「島がつぶれる」。陸上自衛隊沿岸監視隊が配備された与那国島は今後、どうなるのか。元町長の入仲誠三さん(85)に聞いたところ、即座にそんな答えが返ってきた。
先月27日、祖納集落に入仲さんを訪ねた。73歳のときに咽頭がんで声帯の摘出手術を受けたため、声が出ない。筆談を交えての会話。「私はもう死ぬからいいが、後のことが心配だ」。島の行く末を憂える言葉が続いた。
冒頭の発言の真意は何だったのか。自衛隊問題であれ何であれ、島が二分した状態では、まちづくりは難しいということ。住民同士のいがみ合い、対立…。島社会の人間関係がぎくしゃくすると、一致協力の機運を醸成するのは難しい。。
かつて石垣島でも似たような問題があった。新石垣空港の建設位置をめぐってである。白保で、宮良で。もし、あのとき、白保あるいは宮良で、建設を強行していたらどうなっていただろうか。市民全体で開港を祝うムードは生まれなかったはずである。
現在に目を転じると、国が防衛上必要とする自衛隊配備計画をめぐって二分する状況ができつつある。住民が必要とした新空港建設では、県が決めた場所ではなく、住民自ら選択した場所で合意をみた。
しかし、自衛隊問題は、どんなに議論を尽くしても、折り合いはつかないだろう。そこがやっかいなところだ。

5月30日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より

5月14日の八重山毎日紙面

5月10日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より

5月9日の八重山毎日紙面

5月2日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より


4月30日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より
4月30日 八重山毎日
社説:「陸自配備」判断を急ぐな 説明会も議論深まらず
釈然としない「空白地域」論
やはり、と言うべきか。「空白地域」論、「抑止力」論には釈然としないものが残った。
防衛省主催による陸上自衛隊の部隊配置に関する住民説明会。荒れる状況になるのを恐れたか、急きょ市職員が動員され会場整理にあたった。
2時間の説明、質疑応答でも計画の詳細は明らかにならず、議論は何ら深まらなかった。23日、中山市長も認めた通りだが、これは説明会の時間不足によるものではない。防衛省側の秘密体質が背景にある。
包み隠さず答えよ
説明会はあらかじめ配布された資料に沿って進められた。「わが国を取り巻く安全保障環境」や「石垣島への部隊配置について」など、おおむね25分。
一方で、東日本大震災の自衛隊災害救助派遣等について、それ以上の時間を費やした。被災者救援の動画も再生され、会場から「宣撫(ぶ)工作だ」「災害救助説明会か」との声も上がった。
さらに、事前受付の質疑15件についておよそ20分間の説明があり、残り40分を会場での質疑応答に使い、13人の質疑に応じた。
説明によれば、鹿児島から与那国までの南西諸島約1100キロのうち、陸自部隊が配置されているのは沖縄本島と与那国のみ。その間の奄美群島と、宮古・石垣島が「空白地域」であり、「島しょ防衛など各種事態において適切に対応できる体制が十分に整備されていない」ことが部隊配備の理由である。
また、「特定国を仮想敵国としない」としながら「周辺は安心できる状況にない。力による現状変更を許容しない抑止力が必要」と強調した。会場から拍手が起こる一方で、「緊張を高め、標的になるだけ」との批判も相次いだ。
戦後71年、石垣も奄美も軍隊が存在せず平和を謳歌(おうか)してきた。いまさら「空白地域」と不安をあおるべきではない。
質疑にも「決定しておりません」「確定しておりません」との回答が相次ぎ、市民の疑問や不安に対して、真正面から答えた説明になっていない。
そもそも、市議会の要請決議は、部隊配備による「騒音、安全性、環境に対する配慮等についての情報開示」であり、地域や市民生活への影響だ。射撃場の構造や安全性を聞いているわけではない。これではアリバイづくりと批判されても仕方ない。
傲岸(ごうがん)不遜にすぎないか
防衛省側が再三強調したことは、「市の協力」がなければ、配備計画の詳細を開示できないこと。市有地譲渡の同意が得られなければ、駐屯地の位置、形状、面積など詳細を決定できない、と言う理屈である。何もかも軍事秘密ではないだろう。偵察衛星からすべて見られている時代である。
問題は、計画の詳細を包み隠したまま市と市民に対して部隊配備受け入れを「お願い」していることだ。言葉は柔らかいが、傲岸(ごうがん)不遜にすぎないか。
事は石垣市の未来に関わる。16日付社説で指摘したとおり、市主催の説明会を開催してより詳細な情報開示を行い、成熟した議論を待つべきだ。市民討論会でもいい。
前提として、市には防衛省に対しより詳細な情報開示がない限り配備は受け入れられないといった、毅然(きぜん)とした態度が必要となる。
市議会は、判断を急いではならない。この説明会を配備賛成の請願採択の理由にはできない。中山市長が会の冒頭で求めた、「市民に対する詳細な情報の提供」はなかったのだから。

4月30日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より
4月30日 八重山毎日
不連続線:「島がつぶれる」。陸上自衛隊沿岸監視隊が
「島がつぶれる」。陸上自衛隊沿岸監視隊が配備された与那国島は今後、どうなるのか。元町長の入仲誠三さん(85)に聞いたところ、即座にそんな答えが返ってきた。
先月27日、祖納集落に入仲さんを訪ねた。73歳のときに咽頭がんで声帯の摘出手術を受けたため、声が出ない。筆談を交えての会話。「私はもう死ぬからいいが、後のことが心配だ」。島の行く末を憂える言葉が続いた。
冒頭の発言の真意は何だったのか。自衛隊問題であれ何であれ、島が二分した状態では、まちづくりは難しいということ。住民同士のいがみ合い、対立…。島社会の人間関係がぎくしゃくすると、一致協力の機運を醸成するのは難しい。。
かつて石垣島でも似たような問題があった。新石垣空港の建設位置をめぐってである。白保で、宮良で。もし、あのとき、白保あるいは宮良で、建設を強行していたらどうなっていただろうか。市民全体で開港を祝うムードは生まれなかったはずである。
現在に目を転じると、国が防衛上必要とする自衛隊配備計画をめぐって二分する状況ができつつある。住民が必要とした新空港建設では、県が決めた場所ではなく、住民自ら選択した場所で合意をみた。
しかし、自衛隊問題は、どんなに議論を尽くしても、折り合いはつかないだろう。そこがやっかいなところだ。
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