憲法施行70年の5月3日、東京では憲法集会に55000人、宮古島、石垣島などでも。
- 2017/05/04
- 00:39
Ryuukyuuheiwaより:
憲法70年の日に安倍晋三が、憲法を改正して9条に自衛隊を明記し2020年に施行する目標を掲げました。
これからがほんとうの勝負です! 改憲など絶対させない大きな取り組みを!
東京では:
東京の憲法集会には実に55,000人が集まりました。集会では落合恵子さんや伊藤真さんのトークと山城博治さんらのアピールが

デモ行進に出発する川崎のみなさん

5月4日の東京新聞紙面
20170503 UPLAN
施行70年 いいね!日本国憲法 平和といのちと人権を!5.3憲法集会
https://youtu.be/8pS7VmYpjQM
5月3日 琉球新報
辺野古護岸着工 山城議長「心折れることはない」 東京・憲法集会

辺野古新基地建設阻止に向けた意気込みを語る沖縄平和運動センターの山城博治議長=3日午後、東京、江東区の東京臨海防災公園
憲法施行70年に合わせた「5・3憲法集会」(同実行委主催)が3日、東京・江東区の東京臨海防災公園で開かれ、5万5千人(主催者発表)が憲法を守り、名護市辺野古の新基地建設撤回や「共謀罪」反対などを誓った。集会には新基地建設に抗議する中、傷害罪などで逮捕・起訴された沖縄平和運動センターの山城博治議長も参加し、連帯を呼び掛けた。
山城議長は名護市辺野古で政府が着手した護岸工事について「心折れることはない。埋め立てはできない。(政府が)本気で基地建設をするなら、来年の名護市長選、知事選で打ち勝たないといけない」と強調。国会で審議中の「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案については「県民の闘い、全国の仲間の運動をつぶすために用意されるのだろう。力を合わせて葬ろう」と述べた。
集会には民進、共産、自由、社民の各党幹部が駆け付けた。また、辺野古新基地建設の撤回を求める全国統一署名に関して、既に国会に提出された分も含め140万筆が集まったことなどが報告された。
宮古島では:



「日本国憲法施行70周年にあたって」
みやこ九条の会
日本国憲法は今年、施行70年を迎えました。この70年、この憲法を「改正」しようとする攻撃が絶え間なくおこなわれてきたにもかかわらず、「再び戦争をしない」と決意した私たちは「9条守れ」の運動をねばり強く展開し、これをはねかえしてきました。
しかしいま安倍政権は、アメリカに付き従った軍事同盟を背景に、「国益」、「安全」の口実のもと、集団的自衛権容認の閣議決定をおこなうとともに、秘密保護法制定、武器輸出三原則の撤廃、国家安全保障会議の設置、日米ガイドラインの締結、そして戦争法制定などを強行してきました。さらに通常国会冒頭の施政方針演説では「次なる70年に向かって」憲法「改正」を提案すると明言するなど、歴史逆行の暴走をエスカレートさせています。
いま、アメリカではトランブ政権が誕生し、アジアでも大国主義的行動や軍事的挑発が繰り返され、20世紀以来の世界がめざしてきた戦争違法化の流れに逆行する軽視できない動きが強まっています。
安倍政権の暴走は、こうした世界の逆流に便乗し、軍事力や恫喝が幅をきかす世界の中で、強国の一員としての座を占めたいという野望に基づいています。4月7日のトランブ政権によるシリア攻撃に対しても安倍首相はいち早く「米国政府の決意を支持する」ことを表明しています。こうした安倍政権の政治がアジアの緊張を高め、戦争と武力衝突の危険を拡大するものであることは明白です。
こうした流れに対して、世界でも、武力や恫喝による解決に反対する市民の声が、当のアメリカも含めて噴出しています。9条を掲げる私たちの運動は、平和な世界の構築に向けて、その先頭に立って積極的な役割を果たすべき立場にあります。
同時に、戦争法を廃止すること、南スーダンから自衛隊を即時撤退させること、沖縄辺野古、高江の基地建設を阻むこと、奄美、宮古、石垣、与那国へのミサイル・自衛隊配備を許さない、共謀罪法案の成立を許さないこと、何より明文改憲に「NO」をつきつけることは、日本国民を強権で統治して物言わぬ存在にしてしまおうとする安倍政権の企みを打破し、現状に危惧をもつ世界とりわけアジアの人々、国々に対して、9条をもつ日本の私たちに課せられた責任です。
戦争法廃止の運動のなかでは、立憲主義擁護の一致点にもとづいてかつてない共同が実現しました。南スーダンからの自衛隊施設部隊の撤退決定もその運動の成果です。安倍政権の暴走にストップをかけるのはこの共同をさらに大きく、強固なものにしていく以外にありません。そして安倍政権を退陣においこむことです。
13年前、九条の会の出発に際して発表した「アピール」の言葉を、いま、あらためて掲げます。「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、『改憲』のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めることを訴えます。」
2017年5月3日

5月4日の宮古毎日紙面
5月4日 宮古毎日
九条守る行動確認/みやこ九条の会「憲法と平和を語るつどい」

憲法と平和を語る集いであいさつする仲宗根さん(奥左)=3日、カママ嶺公園
みやこ九条の会(仲宗根將二、下地学、長濱幸男、尾毛佳靖子代表世話人)が主催する「憲法と平和を語るつどい」が3日、カママ嶺公園の憲法九条の碑の前で行われた。同会会員ら約60人が参加し、憲法九条を守り、平和な世界の構築に向け、積極的に行動することなどを確認した。尾毛さんが「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、改憲の企てを阻むためあらゆる努力を今すぐ始めることを訴える」と日本国憲法施行70周年にあたってのアピール文を読み上げた。
仲宗根さんが代表して「1947年5月3日、日本国憲法を施行させた。この憲法は民主主義、国際平和主義、主権在民の3原理を持つ世界に誇る憲法。近年は憲法によって立つ立憲主義をないがしろにし、戦争法(平和安全法制)など、歴史を逆行させるような暴走を始め、アメリカと一緒になって戦争のできる国に突き進もうとしているかのようだ」と憲法改正に強い危機感を示した。
参加者からは「子供たちに平和な宮古島を残すためにも行動しないといけない。知るだけでなく、行動することを子供たちに伝えていく」「毎年、同じことを訴えている気がする。毎年その危なさが増している」「大きな勢力が憲法改正に向けた大きな運動を起こしている。もう戦争はこりごりだとの思いで、今の憲法に賛成して成立したと思う」などの意見が出た。
5月4日 宮古新報
非戦・平和誓い合う、憲法記念日で集会開く

憲法改正反対などをアピールする参加者たち=カママ嶺公園・九条の碑前
みやこ九条の会 (仲宗根將二共同代表ほか) は 「憲法記念日」 の3日、 カママ嶺公園内にある九条の碑前で 「憲法と平和を語る集い」 を開催した。 多くの有志が集まり、 宮古島への自衛隊配備反対などの姿勢を示し、 「戦争法を廃止して憲法9条を守り抜くために、 1人ひとりがあらゆる努力をしていく」 などとアピール文を採択した。
主催者あいさつで仲宗根共同代表は 「私たちのきょうの憲法を語る集いは、 みやこ九条の会独自の開催であると同時に、 全各地の集いに呼応して開かれるもの。 みなさん、 日本国憲法の民主主義、 主権在民の理念にそって宮古島、 沖縄県、 この国を巡る様々な戦争と平和の状況について語り、 これからも日本国憲法を守っていこう」 と訴えた。
日本キリスト教団宮古島教会の毛佳靖子さんは 「13年前、 九条の会の出発に際して発表したアピールの言葉を今、 改めて掲げる。 日本と世界の平和な未来のために、 日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、 改憲の企てを阻むため一人ひとりができる努力を今すぐ始めることを訴える」 と述べた。
集会には、 みやこ九条の会メンバーのほか一般市民も参加した。
5月3日 琉球新報
陸自配備と改憲の阻止誓う 宮古島市、九条の碑前で集い

「憲法9条の碑」の前で開かれた「憲法と平和を語る集い」=3日午前、宮古島市平良のカママ嶺公園
みやこ九条の会は3日午前、宮古島市平良のカママ嶺公園内の「憲法九条の碑」前で「憲法と平和を語る集い」を開催した。市民約50人が参加し、南西諸島への陸上自衛隊配備計画に警戒する声が相次いだほか、改憲を阻止して憲法9条を守ろうとするアピール文が読み上げられた。
集まりでは「奄美、宮古、石垣、与那国への自衛隊配備を許さない。改憲のくわだてを阻むため、一人一人があらゆる努力を始めよう」などとアピール文が読み上げられた。
前県議の奥平一夫さん(67)は「若者と手をつないで憲法を守り、陸自配備を止めないといけない」と強調した。
石垣島では: 「憲法記念日」ピースウオーキング


5月4日の八重山毎日紙面
5月4日 八重山毎日
「テロ等準備罪」に危機感 憲法記念日ピースウオーキング

第5回ピースウオーキングで「憲法を守ろう」と呼び掛ける人たち=3日午後、石垣港離島ターミナル近く
憲法9条の精神アピール
憲法施行から70年目の節目を迎えた憲法記念日の3日、石垣市内でも憲法を守ろうと呼び掛ける第5回ピースウオーキングと集会が行われた。平和憲法を守る八重山連絡協議会(上原均・江川三津恵・平地ますみ共同代表)の主催。今回は「共謀罪が成立すれば、憲法で保障されている人権が無視されることになる」などとして「テロ等準備罪」に危機感をあらわにする発言が相次いだ。石垣島への自衛隊配備計画と辺野古新基地建設の撤回を求めるアピールも行った。
ウオーキングは真栄里公園から新栄公園まで行われ、30人余が参加。新栄公園内の9条の碑前での集会には約60人が集まった。
上原共同代表は「共謀罪が成立すればこのような集会さえできなくなるかもしれない。平和運動、住民運動を計画しただけでしょっ引かれるかもしれない。憲法を守れという運動を広げよう」と呼び掛けた。
「共謀罪」について藤井光男弁護士は「日本はテロ防止に関する13の条約に加わっており、国内法で十分に対処できる。共謀罪が成立すると、国民を監視する社会ができる。沖縄で言えば辺野古新基地、自衛隊配備の反対運動がターゲットになり、反対運動を抑え込むために共謀罪が使われるおそれがある」と指摘した。
参加者も次々とマイクを握り、「70年間、平和に暮らせたのは憲法9条の不戦の誓いがあるから。これを守ることこそ日本人の役割。海外に貢献できる方法だ」「今こそ9条の精神を共有しよう」などと訴えた。
ピースウォークで約2㌔を歩いた石垣正子さん(84)は「尖閣列島戦時遭難事件」の生還者。「兵隊がいたから尖閣の事件もマラリアも起きた。何のために自衛隊を置くのか。ほっといてくれと言いたい」と語気を強めた。
5月4日 八重山毎日
記者席:平和への思い、歩いて伝える
第5回ピースウオーキングに参加した石垣正子さんは、旧日本軍の疎開命令で台湾に向かっていた最後の疎開船が1945年7月3日、米軍機の機銃掃射を受けた尖閣列島戦時遭難事件の生還者。その後、50日近く無人島の魚釣島で餓死寸前にまで追い込まれた。「兵隊がいなかったら、こんなことはなかった」。途中でタクシーを拾おうと思ったが、「若い人にも分かってほしい」と踏ん張って最後まで歩いた。


5月1日の八重山毎日紙面
奄美大島では:
5月4日 南海日日
憲法施行70年で護憲訴え/奄美市

講演や参加者スピーチで現行憲法の堅持を誓った憲法記念日奄美集会=3日、奄美市名瀬
奄美大島の護憲9団体で組織する奄美・憲法九条の会ネットワーク(星村博文代表)は憲法記念日の3日、奄美市の名瀬公民館で「5・3憲法記念日奄美集会」を開いた。星村代表が「教育と憲法」と題し講演したほか、参加者の代表がスピーチ。奄美大島への陸上自衛隊警備部隊・ミサイル部隊配備反対や、不戦と平和を掲げる憲法堅持への取り組みを盛り込んだ集会アピールを採択した。
5月5日 琉球新報
社説:首相改憲表明 現憲法の理念実現が先だ
安倍晋三首相が憲法記念日の3日、改憲を実現し、2020年の施行を目指す方針を表明した。改定内容として、戦争放棄などを定めた憲法9条に自衛隊の存在を明記する文言を追加することや、教育無償化などを挙げた。
「憲法改正は自民党の立党以来の党是だ」と述べる安倍首相にとって、国会での憲法論議は遅々として進んでいないと見えるのだろう。しかし、あと3年で憲法改定まで進むというのは拙速に過ぎる。
9条は条文上、あらゆる武力行使を禁止し、自衛隊の活動に一定の歯止めをかけてきた。しかし集団的自衛権の行使容認という憲法解釈の変更で事実上、自衛隊の任務は国際紛争の場にまで広がった。さらに自衛隊が明文化されれば、武力行使の歯止めは利かなくなるのではないか。
共同通信の全国世論調査でも日本が戦後、海外で武力行使しなかった理由について「9条があったからだ」とする回答は75%に上った。国民に一定評価されている9条改定の機運が熟したとは思えない。
安倍首相が同時に、高等教育の無償化を理由に挙げたことも解せない。教育の無償化は憲法を改定せずともできることだ。現に民主党政権は高校の無償化を実現させた。自公政権になってから所得制限を設けたため、安倍首相が言う「全ての国民に真に開かれた」ものではなくなったのだ。
共同通信調査では、安倍首相の下での改憲に51%が反対し、賛成は45%だった。
本紙の世論調査でも、戦争放棄や戦力不保持を定めた9条を「堅持すべきだ」が44・2%で最も多く、「改正すべきだ」の21・7%を22・5ポイント上回った。県内では9条堅持を望む声が高い。
憲法を変えるよりも先に行うべきことがある。
先月の衆院憲法審査会では4人の参考人全員が、沖縄県に米軍基地負担が集中し、政府と対立する現状を問題視して、それぞれ異なる道筋を示しながら、沖縄の自治権強化を求めた。
地方自治を保障した現憲法下でも、基地が偏在し、沖縄の自治がないがしろにされている。参考人として出席した学識者全員が現状を変えるよう促したのだ。
安倍首相は改憲を唱える前に、現憲法の平和希求や地方自治の理念を実現するよう努力すべきだ。
5月4日 琉球新報
社説:首相 9条改正表明]危機に便乗 野党かく乱
安倍晋三首相は3日、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明した。
戦争放棄などを定めた9条について「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方は国民的な議論に値する」と述べ、9条改正の具体的内容にまで踏み込んだ。
安倍首相は、読売新聞の3日付朝刊1面に掲載された単独インタビューでも、同じことを語っている。
北朝鮮危機やテロの不安など、内外の政治状況を計算し尽くした上で、憲法施行70年という節目の日に合わせ、今後の憲法論議の方向性について自らアジェンダ(議題)を設定し、国民に示した。極めて巧妙なやり方である。
ビデオメッセージで首相は、教育無償化にも前向きな姿勢を示した。これは日本維新の会が強い意欲を示している改正項目だ。公明党の引き込み、維新の会の協力、民進党の分裂、野党の足並みの乱れ-を一挙に誘う。そんな意図がメッセージに込められているのは明らかである。
だが、安倍首相の構想はあまりにも問題が多い。
政府の9条解釈では、自衛隊は憲法9条にうたわれた「戦力」には該当せず、「自衛のための必要最小限度の実力組織」と位置づけている。その解釈はどうなるのか。
戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めた9条1項、2項を変えずに、自衛隊の根拠規定だけを新たに追加することは、まっとうに考える限りほとんど不可能だ。
このような「ヌエ的な9条改正」が実現すれば、いずれ集団的自衛権もなし崩しで拡大されていくに違いない。
日本の安全保障は「9条プラス日米安保」で成り立っている。
沖縄県民は復帰後も、この日本特有の安保体制の負担を強いられてきた。これほど長期にわたって安全保障の負担と犠牲を一地域だけに過剰に強いる例は、ほかにない。
9条改正によって、日米安保条約はどうなるのか。沖縄に常駐する地上兵力の海兵隊は撤去されるのか。
そのような根本的な議論もないまま、「9条は改正するが、安保・地位協定・米軍基地はそのまま」ということになりかねないのである。
そうなれば、沖縄の負担が半永久的に固定化し、米軍・自衛隊が一体となった「不沈空母」と化すのは避けられないだろう。
安倍政権は、国民の根強い反対にもかかわらず、特定秘密保護法や安保関連法を数の力で制定。今また、共謀罪の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の採決に向け、強引な国会運営を続けている。
北朝鮮危機を巧妙に利用している面も見逃せない。
行政権が肥大化した安倍「1強」体制の下で、9条改正や緊急事態条項の導入を図るのは、国が首相個人の政治信条に引きずられる可能性が強く、極めて危険である。
平和国家のブランドと、行政権力の暴走や行き過ぎをチェックする監視機能を失ってはならない。
5月3日 琉球新報
社説:憲法施行70年 普遍的価値を後世に 「平和主義」変えてならぬ
日本国憲法が施行されて70年を迎えた。この間、戦争放棄を定めた9条が改正されずにきたことを誇りたい。
一方で、憲法の危機を強く危惧せざるを得ない。安倍晋三首相が憲法改正に意欲を示し、改憲勢力が国会で改憲発議に必要な3分の2を占めたことが大きい。
だが、北朝鮮情勢が緊迫化する中、恒久平和を希求する憲法の重みは増している。憲法を改正することは新たな「戦前」につながりかねない。私たちには、憲法の普遍的価値を後世に引き継ぐ責任があることを深く認識したい。
外交力強化こそ必要
安倍首相は憲法改正を目指す超党派議連「新憲法制定議員同盟」の大会で「改憲という大きな目標に向かって、この節目の年に必ずや歴史的一歩を踏み出す」と表明した。憲法99条は大臣や国会議員に、憲法を尊重し擁護する義務を課している。改憲に前のめりな安倍首相の姿勢はこれに反する。
衆参両院が開いた憲法施行70周年の記念式典で、安倍首相は「北朝鮮による核・ミサイル開発をはじめ、わが国を取り巻く安全保障環境の悪化」を挙げて「私たちには憲法の基本原則の普遍的価値を心に刻みながら、新しい時代の理想の姿を描いていくことが求められている。それが時代の要請なのではないか」と述べ、憲法改正の必要性を強調した。
憲法の普遍的価値に触れる一方で、軍事力には軍事力で対抗するとの安倍首相の意思が透けて見える。これが「時代の要請」であるはずがない。
憲法に示された「平和主義」とは、国家に対して戦争・武力行使を禁じる一方で、紛争を平和的手段で解決するという積極的平和主義そのものである。
北朝鮮と米国は互いに軍事的挑発を繰り返し、日本は「米艦防護」に乗り出した。この状況を是認することは、憲法の「平和主義」に反するだけでなく、平和国家としての戦後日本の歩みを否定することになる。憲法の理念に従い、軍事衝突回避を粘り強く働き掛ける日本の外交力強化こそが「時代の要請」である。
改憲議論の中で、教育無償化が浮上している。日本維新の会の「幼児期から大学まで無償」を、自民党も憲法改正の具体的項目の一つとして検討している。
だが、改憲せずとも法改正や特別法制定で教育無償化は実現できる。しかもその方が早い。そうしないのは、国民受けする「教育無償化」を改憲の突破口にする狙いがあるということだ。その先に9条改正があるのは間違いない。
沖縄にも完全適用を
沖縄が憲法の下に入って45年になる。だが、憲法の「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の基本原則が沖縄で完全に生かされているとは言い難い。
その要因は国土の0・6%しかない沖縄に在日米軍専用施設の70・6%が集中し、県民が過重な基地負担を押し付けられていることにある。沖縄ではいまだ憲法14条の「すべて国民は法の下に平等」を実感できていないのである。それを放置することが許されるはずがない。
憲法と同じく、地方自治法も施行70年の節目を迎えた。「国民主権」など憲法の理念を住民に身近な地域で実践するための法律である。1999年に成立した地方分権一括法は、戦後一貫して「上下・主従」だった国と地方の関係を「対等・協力」と明確に位置付け直した。
だが、沖縄の米軍基地問題に対する国の姿勢は、憲法の理念を具現化する分権一括法に反し、沖縄をいまだ「国の下」に置く旧態依然とした対応である。翁長雄志知事の辺野古新基地建設阻止の公約は、安倍政権に踏みにじられ、司法がそれを追認している。
今、なすべきことは改憲ではない。憲法を一つ一つ誠実に守ることである。憲法の精神を沖縄に完全適用することを強く求める。
5月3日 八重山毎日
社説:「9条」の効用論じよう 憲法施行70年、日本の「平和」が危機に
戦争国家」に踏み出す
日本国憲法がきょう3日、施行70年を迎えた。72年前の戦争で日本人だけでも310万人余が犠牲になった過酷な歴史の反省から、戦後日本は「二度と侵略戦争はしない」として作られたのが今の憲法であり、その決意を書き込んだのが「9条」だ。
その結果日本は、戦後72年を経た今の今まで「専守防衛」に徹し、世界のどことも戦争することなく、誰一人として殺し殺されることなく、世界に類例のない「平和国家」の道を歩んできた。その9条の「平和主義」が安倍政権の登場で危機にひんしている。
その象徴が日本と密接な関係にある他国への攻撃を日本への攻撃とみなして攻撃する「集団的自衛権」の行使容認であり、憲法学者が「違憲」と断じた自衛隊の海外での交戦も認める「安保関連法案」の強行採決だ。同法の制定を受けて昨年11月、南スーダンPKOの自衛隊に武器使用の駆け付け警護を初めて付与。さらに今回米補給艦にも海自による初の防護を発動した。
抑止力と戸締まり論
このように安倍政権が巨大与党をバックに米軍と一体となって各面から戦争に向かう準備を着々と進め、日本の「平和」が危機にある憲法施行70年の今だからこそ、「9条」が戦後に果たしてきた役割、効用をあらためて高らかに強くアピールする必要がある。
「憲法を守れば日本の平和は大丈夫は欺瞞(ぎまん)」と改憲派は9条批判するが、その「戸締り論と抑止論」に、ある識者はこう反論する。
それは9条があったからこそ、日本への攻撃に最低限反撃できる自衛隊もでき、米軍も日米安保も生まれたのであって、もし9条がなければ自衛隊は日本軍だったはずだし、日米安保も在日米軍との関係も違った形だっただろう。そしてこれまでに起きた朝鮮、ベトナム、湾岸、アフガン、イラクなどの各戦争に日本も違った形で関与し、今までのように誰も殺さず殺されずと全く無事で済まなかっただろう。
戸締り論も、個人が自宅に鍵をかけたり雨戸を閉めたりしても道行く人や隣人に何の脅威も与えないが、国家の戸締りは軍事的武装を指し、それは抑止力として軍備を強大にすればするほど近隣諸国を大いに刺激し、逆に軍拡競争で戦争やテロの脅威を呼び込むことになるというものだ。
武力以外で解決求める9条
確かに9条は「国際紛争」が存在することを前提にしながら、これを外交努力、経済政策、貿易、文化交流などの武力行使以外で解決すべきだと求めたものであり、もし9条が無かったら今ごろこの国はどうなっていたか。
トランプ大統領が強大な軍事力で脅しをかける現在の北朝鮮の緊張状態もそうだが、軍事力で紛争が解決できないのは過去の歴史が示している。
日本はアメリカ一辺倒でなく、中国をはじめどの国とも仲良く友好関係を結び、こういう時にこそ外交努力で国際貢献すべきだ。そうすれば沖縄差別も無く辺野古の新基地も宮古、石垣の自衛隊も要らないはずだ。ところがそれが逆に米軍と一体となって軍備増強を次々進め、北朝鮮や中国の緊張をあおっている。安倍首相は平和外交の「立憲主義」に立ち返るべきだ。
5月3日 八重山毎日
きょう5月3日は、主権在民、戦争の放棄
きょう5月3日は、主権在民、戦争の放棄、基本的人権の保障などの原則を掲げる日本国憲法が施行されてから、70回目の「憲法記念日」である。
憲法は日本の戦後の平和や繁栄に大きく貢献してきた一方で、沖縄では基本的人権が保障されなかった時代があった。戦後の米軍統治下、司法、立法、行政の権限は米国の一高答弁務官に握られていた。
米兵が沖縄の住民を車でひき殺したり、銃や刃物で殺害しても軍事裁判で無罪になることもあった。沖縄戦や米軍支配を知らない世代が多数を占めるようになった時代だけに、憲法を理解することの大切さがよく分かる。
戦争の放棄を定めた憲法9条にみられる平和主義は、二度とあのような戦争を繰り返してはいけないという誓いであった。しかし、安倍政権下では国防軍の創設など改正に向けた動きが積極的になっている。
毎朝、ラジオ体操を楽しむお年寄り、子どもたちが勉強やスポーツに励む姿など、このささやかな日常の安定こそ守り伝えるべきものに見える。それは理想だと反論する向きもあるだろう。米国の現実に合わせてばかりいて理想を遠慮すれば、情けない現実が大きくなるだけではないか。
楽しいゴールデンウイークの一日に水を差すつもりはない。少しでもいい。世界に誇れる憲法の意義を考える日にしたい。
憲法70年の日に安倍晋三が、憲法を改正して9条に自衛隊を明記し2020年に施行する目標を掲げました。
これからがほんとうの勝負です! 改憲など絶対させない大きな取り組みを!
東京では:
東京の憲法集会には実に55,000人が集まりました。集会では落合恵子さんや伊藤真さんのトークと山城博治さんらのアピールが

デモ行進に出発する川崎のみなさん

5月4日の東京新聞紙面
20170503 UPLAN
施行70年 いいね!日本国憲法 平和といのちと人権を!5.3憲法集会
https://youtu.be/8pS7VmYpjQM
5月3日 琉球新報
辺野古護岸着工 山城議長「心折れることはない」 東京・憲法集会

辺野古新基地建設阻止に向けた意気込みを語る沖縄平和運動センターの山城博治議長=3日午後、東京、江東区の東京臨海防災公園
憲法施行70年に合わせた「5・3憲法集会」(同実行委主催)が3日、東京・江東区の東京臨海防災公園で開かれ、5万5千人(主催者発表)が憲法を守り、名護市辺野古の新基地建設撤回や「共謀罪」反対などを誓った。集会には新基地建設に抗議する中、傷害罪などで逮捕・起訴された沖縄平和運動センターの山城博治議長も参加し、連帯を呼び掛けた。
山城議長は名護市辺野古で政府が着手した護岸工事について「心折れることはない。埋め立てはできない。(政府が)本気で基地建設をするなら、来年の名護市長選、知事選で打ち勝たないといけない」と強調。国会で審議中の「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案については「県民の闘い、全国の仲間の運動をつぶすために用意されるのだろう。力を合わせて葬ろう」と述べた。
集会には民進、共産、自由、社民の各党幹部が駆け付けた。また、辺野古新基地建設の撤回を求める全国統一署名に関して、既に国会に提出された分も含め140万筆が集まったことなどが報告された。
宮古島では:



「日本国憲法施行70周年にあたって」
みやこ九条の会
日本国憲法は今年、施行70年を迎えました。この70年、この憲法を「改正」しようとする攻撃が絶え間なくおこなわれてきたにもかかわらず、「再び戦争をしない」と決意した私たちは「9条守れ」の運動をねばり強く展開し、これをはねかえしてきました。
しかしいま安倍政権は、アメリカに付き従った軍事同盟を背景に、「国益」、「安全」の口実のもと、集団的自衛権容認の閣議決定をおこなうとともに、秘密保護法制定、武器輸出三原則の撤廃、国家安全保障会議の設置、日米ガイドラインの締結、そして戦争法制定などを強行してきました。さらに通常国会冒頭の施政方針演説では「次なる70年に向かって」憲法「改正」を提案すると明言するなど、歴史逆行の暴走をエスカレートさせています。
いま、アメリカではトランブ政権が誕生し、アジアでも大国主義的行動や軍事的挑発が繰り返され、20世紀以来の世界がめざしてきた戦争違法化の流れに逆行する軽視できない動きが強まっています。
安倍政権の暴走は、こうした世界の逆流に便乗し、軍事力や恫喝が幅をきかす世界の中で、強国の一員としての座を占めたいという野望に基づいています。4月7日のトランブ政権によるシリア攻撃に対しても安倍首相はいち早く「米国政府の決意を支持する」ことを表明しています。こうした安倍政権の政治がアジアの緊張を高め、戦争と武力衝突の危険を拡大するものであることは明白です。
こうした流れに対して、世界でも、武力や恫喝による解決に反対する市民の声が、当のアメリカも含めて噴出しています。9条を掲げる私たちの運動は、平和な世界の構築に向けて、その先頭に立って積極的な役割を果たすべき立場にあります。
同時に、戦争法を廃止すること、南スーダンから自衛隊を即時撤退させること、沖縄辺野古、高江の基地建設を阻むこと、奄美、宮古、石垣、与那国へのミサイル・自衛隊配備を許さない、共謀罪法案の成立を許さないこと、何より明文改憲に「NO」をつきつけることは、日本国民を強権で統治して物言わぬ存在にしてしまおうとする安倍政権の企みを打破し、現状に危惧をもつ世界とりわけアジアの人々、国々に対して、9条をもつ日本の私たちに課せられた責任です。
戦争法廃止の運動のなかでは、立憲主義擁護の一致点にもとづいてかつてない共同が実現しました。南スーダンからの自衛隊施設部隊の撤退決定もその運動の成果です。安倍政権の暴走にストップをかけるのはこの共同をさらに大きく、強固なものにしていく以外にありません。そして安倍政権を退陣においこむことです。
13年前、九条の会の出発に際して発表した「アピール」の言葉を、いま、あらためて掲げます。「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、『改憲』のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めることを訴えます。」
2017年5月3日

5月4日の宮古毎日紙面
5月4日 宮古毎日
九条守る行動確認/みやこ九条の会「憲法と平和を語るつどい」

憲法と平和を語る集いであいさつする仲宗根さん(奥左)=3日、カママ嶺公園
みやこ九条の会(仲宗根將二、下地学、長濱幸男、尾毛佳靖子代表世話人)が主催する「憲法と平和を語るつどい」が3日、カママ嶺公園の憲法九条の碑の前で行われた。同会会員ら約60人が参加し、憲法九条を守り、平和な世界の構築に向け、積極的に行動することなどを確認した。尾毛さんが「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、改憲の企てを阻むためあらゆる努力を今すぐ始めることを訴える」と日本国憲法施行70周年にあたってのアピール文を読み上げた。
仲宗根さんが代表して「1947年5月3日、日本国憲法を施行させた。この憲法は民主主義、国際平和主義、主権在民の3原理を持つ世界に誇る憲法。近年は憲法によって立つ立憲主義をないがしろにし、戦争法(平和安全法制)など、歴史を逆行させるような暴走を始め、アメリカと一緒になって戦争のできる国に突き進もうとしているかのようだ」と憲法改正に強い危機感を示した。
参加者からは「子供たちに平和な宮古島を残すためにも行動しないといけない。知るだけでなく、行動することを子供たちに伝えていく」「毎年、同じことを訴えている気がする。毎年その危なさが増している」「大きな勢力が憲法改正に向けた大きな運動を起こしている。もう戦争はこりごりだとの思いで、今の憲法に賛成して成立したと思う」などの意見が出た。
5月4日 宮古新報
非戦・平和誓い合う、憲法記念日で集会開く

憲法改正反対などをアピールする参加者たち=カママ嶺公園・九条の碑前
みやこ九条の会 (仲宗根將二共同代表ほか) は 「憲法記念日」 の3日、 カママ嶺公園内にある九条の碑前で 「憲法と平和を語る集い」 を開催した。 多くの有志が集まり、 宮古島への自衛隊配備反対などの姿勢を示し、 「戦争法を廃止して憲法9条を守り抜くために、 1人ひとりがあらゆる努力をしていく」 などとアピール文を採択した。
主催者あいさつで仲宗根共同代表は 「私たちのきょうの憲法を語る集いは、 みやこ九条の会独自の開催であると同時に、 全各地の集いに呼応して開かれるもの。 みなさん、 日本国憲法の民主主義、 主権在民の理念にそって宮古島、 沖縄県、 この国を巡る様々な戦争と平和の状況について語り、 これからも日本国憲法を守っていこう」 と訴えた。
日本キリスト教団宮古島教会の毛佳靖子さんは 「13年前、 九条の会の出発に際して発表したアピールの言葉を今、 改めて掲げる。 日本と世界の平和な未来のために、 日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、 改憲の企てを阻むため一人ひとりができる努力を今すぐ始めることを訴える」 と述べた。
集会には、 みやこ九条の会メンバーのほか一般市民も参加した。
5月3日 琉球新報
陸自配備と改憲の阻止誓う 宮古島市、九条の碑前で集い

「憲法9条の碑」の前で開かれた「憲法と平和を語る集い」=3日午前、宮古島市平良のカママ嶺公園
みやこ九条の会は3日午前、宮古島市平良のカママ嶺公園内の「憲法九条の碑」前で「憲法と平和を語る集い」を開催した。市民約50人が参加し、南西諸島への陸上自衛隊配備計画に警戒する声が相次いだほか、改憲を阻止して憲法9条を守ろうとするアピール文が読み上げられた。
集まりでは「奄美、宮古、石垣、与那国への自衛隊配備を許さない。改憲のくわだてを阻むため、一人一人があらゆる努力を始めよう」などとアピール文が読み上げられた。
前県議の奥平一夫さん(67)は「若者と手をつないで憲法を守り、陸自配備を止めないといけない」と強調した。
石垣島では: 「憲法記念日」ピースウオーキング


5月4日の八重山毎日紙面
5月4日 八重山毎日
「テロ等準備罪」に危機感 憲法記念日ピースウオーキング

第5回ピースウオーキングで「憲法を守ろう」と呼び掛ける人たち=3日午後、石垣港離島ターミナル近く
憲法9条の精神アピール
憲法施行から70年目の節目を迎えた憲法記念日の3日、石垣市内でも憲法を守ろうと呼び掛ける第5回ピースウオーキングと集会が行われた。平和憲法を守る八重山連絡協議会(上原均・江川三津恵・平地ますみ共同代表)の主催。今回は「共謀罪が成立すれば、憲法で保障されている人権が無視されることになる」などとして「テロ等準備罪」に危機感をあらわにする発言が相次いだ。石垣島への自衛隊配備計画と辺野古新基地建設の撤回を求めるアピールも行った。
ウオーキングは真栄里公園から新栄公園まで行われ、30人余が参加。新栄公園内の9条の碑前での集会には約60人が集まった。
上原共同代表は「共謀罪が成立すればこのような集会さえできなくなるかもしれない。平和運動、住民運動を計画しただけでしょっ引かれるかもしれない。憲法を守れという運動を広げよう」と呼び掛けた。
「共謀罪」について藤井光男弁護士は「日本はテロ防止に関する13の条約に加わっており、国内法で十分に対処できる。共謀罪が成立すると、国民を監視する社会ができる。沖縄で言えば辺野古新基地、自衛隊配備の反対運動がターゲットになり、反対運動を抑え込むために共謀罪が使われるおそれがある」と指摘した。
参加者も次々とマイクを握り、「70年間、平和に暮らせたのは憲法9条の不戦の誓いがあるから。これを守ることこそ日本人の役割。海外に貢献できる方法だ」「今こそ9条の精神を共有しよう」などと訴えた。
ピースウォークで約2㌔を歩いた石垣正子さん(84)は「尖閣列島戦時遭難事件」の生還者。「兵隊がいたから尖閣の事件もマラリアも起きた。何のために自衛隊を置くのか。ほっといてくれと言いたい」と語気を強めた。
5月4日 八重山毎日
記者席:平和への思い、歩いて伝える
第5回ピースウオーキングに参加した石垣正子さんは、旧日本軍の疎開命令で台湾に向かっていた最後の疎開船が1945年7月3日、米軍機の機銃掃射を受けた尖閣列島戦時遭難事件の生還者。その後、50日近く無人島の魚釣島で餓死寸前にまで追い込まれた。「兵隊がいなかったら、こんなことはなかった」。途中でタクシーを拾おうと思ったが、「若い人にも分かってほしい」と踏ん張って最後まで歩いた。


5月1日の八重山毎日紙面
奄美大島では:
5月4日 南海日日
憲法施行70年で護憲訴え/奄美市

講演や参加者スピーチで現行憲法の堅持を誓った憲法記念日奄美集会=3日、奄美市名瀬
奄美大島の護憲9団体で組織する奄美・憲法九条の会ネットワーク(星村博文代表)は憲法記念日の3日、奄美市の名瀬公民館で「5・3憲法記念日奄美集会」を開いた。星村代表が「教育と憲法」と題し講演したほか、参加者の代表がスピーチ。奄美大島への陸上自衛隊警備部隊・ミサイル部隊配備反対や、不戦と平和を掲げる憲法堅持への取り組みを盛り込んだ集会アピールを採択した。
5月5日 琉球新報
社説:首相改憲表明 現憲法の理念実現が先だ
安倍晋三首相が憲法記念日の3日、改憲を実現し、2020年の施行を目指す方針を表明した。改定内容として、戦争放棄などを定めた憲法9条に自衛隊の存在を明記する文言を追加することや、教育無償化などを挙げた。
「憲法改正は自民党の立党以来の党是だ」と述べる安倍首相にとって、国会での憲法論議は遅々として進んでいないと見えるのだろう。しかし、あと3年で憲法改定まで進むというのは拙速に過ぎる。
9条は条文上、あらゆる武力行使を禁止し、自衛隊の活動に一定の歯止めをかけてきた。しかし集団的自衛権の行使容認という憲法解釈の変更で事実上、自衛隊の任務は国際紛争の場にまで広がった。さらに自衛隊が明文化されれば、武力行使の歯止めは利かなくなるのではないか。
共同通信の全国世論調査でも日本が戦後、海外で武力行使しなかった理由について「9条があったからだ」とする回答は75%に上った。国民に一定評価されている9条改定の機運が熟したとは思えない。
安倍首相が同時に、高等教育の無償化を理由に挙げたことも解せない。教育の無償化は憲法を改定せずともできることだ。現に民主党政権は高校の無償化を実現させた。自公政権になってから所得制限を設けたため、安倍首相が言う「全ての国民に真に開かれた」ものではなくなったのだ。
共同通信調査では、安倍首相の下での改憲に51%が反対し、賛成は45%だった。
本紙の世論調査でも、戦争放棄や戦力不保持を定めた9条を「堅持すべきだ」が44・2%で最も多く、「改正すべきだ」の21・7%を22・5ポイント上回った。県内では9条堅持を望む声が高い。
憲法を変えるよりも先に行うべきことがある。
先月の衆院憲法審査会では4人の参考人全員が、沖縄県に米軍基地負担が集中し、政府と対立する現状を問題視して、それぞれ異なる道筋を示しながら、沖縄の自治権強化を求めた。
地方自治を保障した現憲法下でも、基地が偏在し、沖縄の自治がないがしろにされている。参考人として出席した学識者全員が現状を変えるよう促したのだ。
安倍首相は改憲を唱える前に、現憲法の平和希求や地方自治の理念を実現するよう努力すべきだ。
5月4日 琉球新報
社説:首相 9条改正表明]危機に便乗 野党かく乱
安倍晋三首相は3日、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明した。
戦争放棄などを定めた9条について「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方は国民的な議論に値する」と述べ、9条改正の具体的内容にまで踏み込んだ。
安倍首相は、読売新聞の3日付朝刊1面に掲載された単独インタビューでも、同じことを語っている。
北朝鮮危機やテロの不安など、内外の政治状況を計算し尽くした上で、憲法施行70年という節目の日に合わせ、今後の憲法論議の方向性について自らアジェンダ(議題)を設定し、国民に示した。極めて巧妙なやり方である。
ビデオメッセージで首相は、教育無償化にも前向きな姿勢を示した。これは日本維新の会が強い意欲を示している改正項目だ。公明党の引き込み、維新の会の協力、民進党の分裂、野党の足並みの乱れ-を一挙に誘う。そんな意図がメッセージに込められているのは明らかである。
だが、安倍首相の構想はあまりにも問題が多い。
政府の9条解釈では、自衛隊は憲法9条にうたわれた「戦力」には該当せず、「自衛のための必要最小限度の実力組織」と位置づけている。その解釈はどうなるのか。
戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めた9条1項、2項を変えずに、自衛隊の根拠規定だけを新たに追加することは、まっとうに考える限りほとんど不可能だ。
このような「ヌエ的な9条改正」が実現すれば、いずれ集団的自衛権もなし崩しで拡大されていくに違いない。
日本の安全保障は「9条プラス日米安保」で成り立っている。
沖縄県民は復帰後も、この日本特有の安保体制の負担を強いられてきた。これほど長期にわたって安全保障の負担と犠牲を一地域だけに過剰に強いる例は、ほかにない。
9条改正によって、日米安保条約はどうなるのか。沖縄に常駐する地上兵力の海兵隊は撤去されるのか。
そのような根本的な議論もないまま、「9条は改正するが、安保・地位協定・米軍基地はそのまま」ということになりかねないのである。
そうなれば、沖縄の負担が半永久的に固定化し、米軍・自衛隊が一体となった「不沈空母」と化すのは避けられないだろう。
安倍政権は、国民の根強い反対にもかかわらず、特定秘密保護法や安保関連法を数の力で制定。今また、共謀罪の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の採決に向け、強引な国会運営を続けている。
北朝鮮危機を巧妙に利用している面も見逃せない。
行政権が肥大化した安倍「1強」体制の下で、9条改正や緊急事態条項の導入を図るのは、国が首相個人の政治信条に引きずられる可能性が強く、極めて危険である。
平和国家のブランドと、行政権力の暴走や行き過ぎをチェックする監視機能を失ってはならない。
5月3日 琉球新報
社説:憲法施行70年 普遍的価値を後世に 「平和主義」変えてならぬ
日本国憲法が施行されて70年を迎えた。この間、戦争放棄を定めた9条が改正されずにきたことを誇りたい。
一方で、憲法の危機を強く危惧せざるを得ない。安倍晋三首相が憲法改正に意欲を示し、改憲勢力が国会で改憲発議に必要な3分の2を占めたことが大きい。
だが、北朝鮮情勢が緊迫化する中、恒久平和を希求する憲法の重みは増している。憲法を改正することは新たな「戦前」につながりかねない。私たちには、憲法の普遍的価値を後世に引き継ぐ責任があることを深く認識したい。
外交力強化こそ必要
安倍首相は憲法改正を目指す超党派議連「新憲法制定議員同盟」の大会で「改憲という大きな目標に向かって、この節目の年に必ずや歴史的一歩を踏み出す」と表明した。憲法99条は大臣や国会議員に、憲法を尊重し擁護する義務を課している。改憲に前のめりな安倍首相の姿勢はこれに反する。
衆参両院が開いた憲法施行70周年の記念式典で、安倍首相は「北朝鮮による核・ミサイル開発をはじめ、わが国を取り巻く安全保障環境の悪化」を挙げて「私たちには憲法の基本原則の普遍的価値を心に刻みながら、新しい時代の理想の姿を描いていくことが求められている。それが時代の要請なのではないか」と述べ、憲法改正の必要性を強調した。
憲法の普遍的価値に触れる一方で、軍事力には軍事力で対抗するとの安倍首相の意思が透けて見える。これが「時代の要請」であるはずがない。
憲法に示された「平和主義」とは、国家に対して戦争・武力行使を禁じる一方で、紛争を平和的手段で解決するという積極的平和主義そのものである。
北朝鮮と米国は互いに軍事的挑発を繰り返し、日本は「米艦防護」に乗り出した。この状況を是認することは、憲法の「平和主義」に反するだけでなく、平和国家としての戦後日本の歩みを否定することになる。憲法の理念に従い、軍事衝突回避を粘り強く働き掛ける日本の外交力強化こそが「時代の要請」である。
改憲議論の中で、教育無償化が浮上している。日本維新の会の「幼児期から大学まで無償」を、自民党も憲法改正の具体的項目の一つとして検討している。
だが、改憲せずとも法改正や特別法制定で教育無償化は実現できる。しかもその方が早い。そうしないのは、国民受けする「教育無償化」を改憲の突破口にする狙いがあるということだ。その先に9条改正があるのは間違いない。
沖縄にも完全適用を
沖縄が憲法の下に入って45年になる。だが、憲法の「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の基本原則が沖縄で完全に生かされているとは言い難い。
その要因は国土の0・6%しかない沖縄に在日米軍専用施設の70・6%が集中し、県民が過重な基地負担を押し付けられていることにある。沖縄ではいまだ憲法14条の「すべて国民は法の下に平等」を実感できていないのである。それを放置することが許されるはずがない。
憲法と同じく、地方自治法も施行70年の節目を迎えた。「国民主権」など憲法の理念を住民に身近な地域で実践するための法律である。1999年に成立した地方分権一括法は、戦後一貫して「上下・主従」だった国と地方の関係を「対等・協力」と明確に位置付け直した。
だが、沖縄の米軍基地問題に対する国の姿勢は、憲法の理念を具現化する分権一括法に反し、沖縄をいまだ「国の下」に置く旧態依然とした対応である。翁長雄志知事の辺野古新基地建設阻止の公約は、安倍政権に踏みにじられ、司法がそれを追認している。
今、なすべきことは改憲ではない。憲法を一つ一つ誠実に守ることである。憲法の精神を沖縄に完全適用することを強く求める。
5月3日 八重山毎日
社説:「9条」の効用論じよう 憲法施行70年、日本の「平和」が危機に
戦争国家」に踏み出す
日本国憲法がきょう3日、施行70年を迎えた。72年前の戦争で日本人だけでも310万人余が犠牲になった過酷な歴史の反省から、戦後日本は「二度と侵略戦争はしない」として作られたのが今の憲法であり、その決意を書き込んだのが「9条」だ。
その結果日本は、戦後72年を経た今の今まで「専守防衛」に徹し、世界のどことも戦争することなく、誰一人として殺し殺されることなく、世界に類例のない「平和国家」の道を歩んできた。その9条の「平和主義」が安倍政権の登場で危機にひんしている。
その象徴が日本と密接な関係にある他国への攻撃を日本への攻撃とみなして攻撃する「集団的自衛権」の行使容認であり、憲法学者が「違憲」と断じた自衛隊の海外での交戦も認める「安保関連法案」の強行採決だ。同法の制定を受けて昨年11月、南スーダンPKOの自衛隊に武器使用の駆け付け警護を初めて付与。さらに今回米補給艦にも海自による初の防護を発動した。
抑止力と戸締まり論
このように安倍政権が巨大与党をバックに米軍と一体となって各面から戦争に向かう準備を着々と進め、日本の「平和」が危機にある憲法施行70年の今だからこそ、「9条」が戦後に果たしてきた役割、効用をあらためて高らかに強くアピールする必要がある。
「憲法を守れば日本の平和は大丈夫は欺瞞(ぎまん)」と改憲派は9条批判するが、その「戸締り論と抑止論」に、ある識者はこう反論する。
それは9条があったからこそ、日本への攻撃に最低限反撃できる自衛隊もでき、米軍も日米安保も生まれたのであって、もし9条がなければ自衛隊は日本軍だったはずだし、日米安保も在日米軍との関係も違った形だっただろう。そしてこれまでに起きた朝鮮、ベトナム、湾岸、アフガン、イラクなどの各戦争に日本も違った形で関与し、今までのように誰も殺さず殺されずと全く無事で済まなかっただろう。
戸締り論も、個人が自宅に鍵をかけたり雨戸を閉めたりしても道行く人や隣人に何の脅威も与えないが、国家の戸締りは軍事的武装を指し、それは抑止力として軍備を強大にすればするほど近隣諸国を大いに刺激し、逆に軍拡競争で戦争やテロの脅威を呼び込むことになるというものだ。
武力以外で解決求める9条
確かに9条は「国際紛争」が存在することを前提にしながら、これを外交努力、経済政策、貿易、文化交流などの武力行使以外で解決すべきだと求めたものであり、もし9条が無かったら今ごろこの国はどうなっていたか。
トランプ大統領が強大な軍事力で脅しをかける現在の北朝鮮の緊張状態もそうだが、軍事力で紛争が解決できないのは過去の歴史が示している。
日本はアメリカ一辺倒でなく、中国をはじめどの国とも仲良く友好関係を結び、こういう時にこそ外交努力で国際貢献すべきだ。そうすれば沖縄差別も無く辺野古の新基地も宮古、石垣の自衛隊も要らないはずだ。ところがそれが逆に米軍と一体となって軍備増強を次々進め、北朝鮮や中国の緊張をあおっている。安倍首相は平和外交の「立憲主義」に立ち返るべきだ。
5月3日 八重山毎日
きょう5月3日は、主権在民、戦争の放棄
きょう5月3日は、主権在民、戦争の放棄、基本的人権の保障などの原則を掲げる日本国憲法が施行されてから、70回目の「憲法記念日」である。
憲法は日本の戦後の平和や繁栄に大きく貢献してきた一方で、沖縄では基本的人権が保障されなかった時代があった。戦後の米軍統治下、司法、立法、行政の権限は米国の一高答弁務官に握られていた。
米兵が沖縄の住民を車でひき殺したり、銃や刃物で殺害しても軍事裁判で無罪になることもあった。沖縄戦や米軍支配を知らない世代が多数を占めるようになった時代だけに、憲法を理解することの大切さがよく分かる。
戦争の放棄を定めた憲法9条にみられる平和主義は、二度とあのような戦争を繰り返してはいけないという誓いであった。しかし、安倍政権下では国防軍の創設など改正に向けた動きが積極的になっている。
毎朝、ラジオ体操を楽しむお年寄り、子どもたちが勉強やスポーツに励む姿など、このささやかな日常の安定こそ守り伝えるべきものに見える。それは理想だと反論する向きもあるだろう。米国の現実に合わせてばかりいて理想を遠慮すれば、情けない現実が大きくなるだけではないか。
楽しいゴールデンウイークの一日に水を差すつもりはない。少しでもいい。世界に誇れる憲法の意義を考える日にしたい。
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