相次ぐ開発計画に危機感「八重山観光の基本の自然景観守れますか?」
- 2017/07/26
- 11:54
石垣島より:
自然環境の破壊を食い止めようと、
「石垣島全域の自然保護団体」の結成に向けた動きが加速か?

7月26日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より
7月26日 八重山毎日
社説 :相次ぐ開発計画に危機感
八重山観光の基本の自然景観守れますか
各地域で反対運動
新石垣空港開港以降の好調な観光と、近い将来の西表島の世界遺産登録を当て込んだ大型ホテルやゴルフ場付きリゾート施設の各種開発計画が相次いでいる。空港へのアクセス道路の整備、自衛隊の”ミサイル基地“の配備手続きも進んでいる。
こうした計画はいずれも島の自然景観や人々の平穏な暮らしを壊し、石垣らしさ、八重山らしさを失わせるものだとして、それぞれの地域では反対運動に発展しており、22日は各地域の代表らが意見交換を行った。
参加団体は、いずれも地域内で大型ホテルが計画される川平、白保、竹富の各公民館関係者、自衛隊のミサイル基地反対市民連絡会、ゴルフ場建設反対のアンパルの自然を守る会などだ。
各団体代表らからは危機感が示されたが、肝心の行政は、開発業者が法令にのっとって手続きをクリアすれば無力である。果たしてそれで八重山観光の基本である八重山らしい自然景観や文化は守れるだろうか、非常に危惧される。
自衛隊予定地に保護種
開発の問題点は、大型ホテルなど観光施設が景勝地に建設されることになる。これが風景や自然を壊し、水問題や排水処理などの新たな問題も引き起こすなど、周辺の人々の暮らしを乱すことにつながる。川平では高層ホテルは集落の原風景の破壊、白保ではサンゴ礁への影響などが懸念されている。
自衛隊配備予定の平得大俣は、市の自然環境保全条例に基づき保全種に指定されているカエルやランなど貴重な動植物の存在が明らかにされた。自衛隊基地建設は、これら自然環境を破壊するだけでなく、農業や風景、暮らしも大きく変えるものだ。
市はゴルフ場建設を後押ししているほか、自衛隊や大型ホテルも容認する方向だ。旧大浜町浄水場跡の文化財指定も、空港へのアクセス道路を優先して否定するなど、開発に前のめりの感がある。住民や地域が猛烈に反対しても、法的手続きをクリアすれば行政も業者に歯止めがかけられないのが現状だ。そこで、住民が、行政や業者の開発にストップをかける仕組みづくりが必要だ。
誰のための経済開発?
自然保護関係者によれば今の開発ラッシュは、10年前の風景条例制定当時を思い起こさせるという。当時も今と同じように観光客や移住者が増えて開発ラッシュになり、そこで八重山らしい自然景観や文化を守るため石垣市の風景条例が制定されたのだ。
しかし当時も今もそうだが、120万人余に増えた観光客も大半が本土の人なら、地元でそれを受け入れるホテルも飲食店も大半が郡外資本の本土の人々というありようには、「一体誰のための経済開発か」と大いに疑問を感じる。いわゆる「ザル経済」にだ。
我喜屋隆市商工会長と高嶺良晴市観光交流協会長も市政70周年インタビューで「観光消費額が島外に流出しており、これをいかに地元に循環させ所得を上げるかだ」と語っていたが、それなら石垣市も経済界もザル経済脱却の取り組みをもっと強化すべきだ。
特に中山市長には、開発反対の声にも耳を傾けてもらいたい。「経済開発優先」は、むしろ八重山の観光と自立経済に逆行するものになりかねない。
7月22日石垣島で、ホテル、ゴルフ場、陸自基地など「急激な大規模開発の現状に関する意見、情報交換会」開かれる。

7月23日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より
7月23日 八重山毎日
自然環境の喪失危惧 大規模開発に警鐘鳴らす

開発により、各地区が抱える問題が話し合われた=22日午後、県立石垣青少年の家
アンパルの自然を守る会
石垣市や竹富島などで計画されているホテルやゴルフ場、温泉、陸自基地建設など大規模開発により自然環境や島独特の景観の喪失が危惧されているのを受け「急激な大規模開発の現状に関する意見、情報交換会」(アンパルの自然を守る会主催)が22日午後、県立石垣青少年の家で地域住民ら30人が参加し開かれた。各地区の住民らが抱える問題が報告され、それぞれの課題へ有効に対応するために情報を共有した。さらに、自然環境の破壊を食い止めようと今後、「石垣島全域の自然保護団体」の結成に向けた動きも加速した。
交流会では、前勢岳ゴルフ場整備に伴いホテルの建設や農薬使用、地形変化で集水域の生態系や名蔵湾海域に影響が及ぶ、との指摘があった。
また、川平地区では、景観計画が見直され高層のホテルが建つと「集落の原風景が維持されない」との意見も上がった。各地区とも建設により、下水道や排水処理設備への不安も募らせている。
参加者の一人は、ホテル建設問題で奮闘する参加者に対し、自然環境や島の文化を維持するため「行政から企業へ建設許可が下りる前に行動を起こす事が大切」とし「県側へ陳情書などで住民の意見を伝え、島の環境を維持しよう」とアドバイスした。

7月21日の八重山毎日紙面
自然環境の破壊を食い止めようと、
「石垣島全域の自然保護団体」の結成に向けた動きが加速か?

7月26日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より
7月26日 八重山毎日
社説 :相次ぐ開発計画に危機感
八重山観光の基本の自然景観守れますか
各地域で反対運動
新石垣空港開港以降の好調な観光と、近い将来の西表島の世界遺産登録を当て込んだ大型ホテルやゴルフ場付きリゾート施設の各種開発計画が相次いでいる。空港へのアクセス道路の整備、自衛隊の”ミサイル基地“の配備手続きも進んでいる。
こうした計画はいずれも島の自然景観や人々の平穏な暮らしを壊し、石垣らしさ、八重山らしさを失わせるものだとして、それぞれの地域では反対運動に発展しており、22日は各地域の代表らが意見交換を行った。
参加団体は、いずれも地域内で大型ホテルが計画される川平、白保、竹富の各公民館関係者、自衛隊のミサイル基地反対市民連絡会、ゴルフ場建設反対のアンパルの自然を守る会などだ。
各団体代表らからは危機感が示されたが、肝心の行政は、開発業者が法令にのっとって手続きをクリアすれば無力である。果たしてそれで八重山観光の基本である八重山らしい自然景観や文化は守れるだろうか、非常に危惧される。
自衛隊予定地に保護種
開発の問題点は、大型ホテルなど観光施設が景勝地に建設されることになる。これが風景や自然を壊し、水問題や排水処理などの新たな問題も引き起こすなど、周辺の人々の暮らしを乱すことにつながる。川平では高層ホテルは集落の原風景の破壊、白保ではサンゴ礁への影響などが懸念されている。
自衛隊配備予定の平得大俣は、市の自然環境保全条例に基づき保全種に指定されているカエルやランなど貴重な動植物の存在が明らかにされた。自衛隊基地建設は、これら自然環境を破壊するだけでなく、農業や風景、暮らしも大きく変えるものだ。
市はゴルフ場建設を後押ししているほか、自衛隊や大型ホテルも容認する方向だ。旧大浜町浄水場跡の文化財指定も、空港へのアクセス道路を優先して否定するなど、開発に前のめりの感がある。住民や地域が猛烈に反対しても、法的手続きをクリアすれば行政も業者に歯止めがかけられないのが現状だ。そこで、住民が、行政や業者の開発にストップをかける仕組みづくりが必要だ。
誰のための経済開発?
自然保護関係者によれば今の開発ラッシュは、10年前の風景条例制定当時を思い起こさせるという。当時も今と同じように観光客や移住者が増えて開発ラッシュになり、そこで八重山らしい自然景観や文化を守るため石垣市の風景条例が制定されたのだ。
しかし当時も今もそうだが、120万人余に増えた観光客も大半が本土の人なら、地元でそれを受け入れるホテルも飲食店も大半が郡外資本の本土の人々というありようには、「一体誰のための経済開発か」と大いに疑問を感じる。いわゆる「ザル経済」にだ。
我喜屋隆市商工会長と高嶺良晴市観光交流協会長も市政70周年インタビューで「観光消費額が島外に流出しており、これをいかに地元に循環させ所得を上げるかだ」と語っていたが、それなら石垣市も経済界もザル経済脱却の取り組みをもっと強化すべきだ。
特に中山市長には、開発反対の声にも耳を傾けてもらいたい。「経済開発優先」は、むしろ八重山の観光と自立経済に逆行するものになりかねない。
7月22日石垣島で、ホテル、ゴルフ場、陸自基地など「急激な大規模開発の現状に関する意見、情報交換会」開かれる。

7月23日の八重山毎日紙面 西表(竹富町)の方より
7月23日 八重山毎日
自然環境の喪失危惧 大規模開発に警鐘鳴らす

開発により、各地区が抱える問題が話し合われた=22日午後、県立石垣青少年の家
アンパルの自然を守る会
石垣市や竹富島などで計画されているホテルやゴルフ場、温泉、陸自基地建設など大規模開発により自然環境や島独特の景観の喪失が危惧されているのを受け「急激な大規模開発の現状に関する意見、情報交換会」(アンパルの自然を守る会主催)が22日午後、県立石垣青少年の家で地域住民ら30人が参加し開かれた。各地区の住民らが抱える問題が報告され、それぞれの課題へ有効に対応するために情報を共有した。さらに、自然環境の破壊を食い止めようと今後、「石垣島全域の自然保護団体」の結成に向けた動きも加速した。
交流会では、前勢岳ゴルフ場整備に伴いホテルの建設や農薬使用、地形変化で集水域の生態系や名蔵湾海域に影響が及ぶ、との指摘があった。
また、川平地区では、景観計画が見直され高層のホテルが建つと「集落の原風景が維持されない」との意見も上がった。各地区とも建設により、下水道や排水処理設備への不安も募らせている。
参加者の一人は、ホテル建設問題で奮闘する参加者に対し、自然環境や島の文化を維持するため「行政から企業へ建設許可が下りる前に行動を起こす事が大切」とし「県側へ陳情書などで住民の意見を伝え、島の環境を維持しよう」とアドバイスした。

7月21日の八重山毎日紙面
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