防衛省民意を無視し「馬毛島」環境アセス着手強行。馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。⑥
- 2021/05/28
- 21:30
Ryukyuheiwaより:
資料集:2月19日より縦覧始まった、「馬毛島基地」建設事業に係るアセス方法書
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-1019.html
*以下の文書を掲載しています!
(1)環境影響評価方法書
第0章 馬毛島基地(仮称)建設事業に係る環境影響評価方法書(表紙・まえがき・目次)
意見書用紙
(2)環境影響評価方法書のあらまし
![環境影響評価方法書のあらまし0001[1]](https://blog-imgs-142.fc2.com/r/y/u/ryukyuheiwa/202102202305104ec.jpg)
(3)馬毛島基地(仮称)建設事業に係る環境影響評価方法書(要約書)
関連記事:馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。2022年度の着工・24年度末工事完了、25年度には米軍FCLP運用開始⑤
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-984.html
関連記事:馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。2022年度の着工・24年度末工事完了、25年度には米軍FCLP運用開始④ *防衛省「馬毛島における施設整備」掲載しています。
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-975.html
関連記事:馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。2022年度の着工・24年度末工事完了、25年度には米軍FCLP運用開始③
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-938.html
関連記事:馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。2022年度の着工・24年度末工事完了、25年度には米軍FCLP運用開始②
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-865.html
関連記事:馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。2022年度の着工・24年度末工事完了、100名規模の空自「馬毛島基地」配備、25年度には米軍FCLP運用開始①
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-824.html
馬毛島への米軍施設を許さない市民・団体連絡会 HP
http://www.mageshimabeigunshisetsuhantai.com/wp/
DEMO RESE Radio#18
「今、無人島・馬毛島が熱い!!」
part1 https://youtu.be/2-vYJ2boge0
part2 https://youtu.be/DsTgUznQ79o
part3 https://youtu.be/PXWIlRCpgcA
part4 https://youtu.be/I5g3SWx_8vs
5月27日 MBC NEWS
馬毛島ボーリング調査延長 地元漁協が同意
防衛省は、アメリカ軍の訓練移転候補地、西之表市・馬毛島での自衛隊基地整備に向けた海上ボーリング調査を1年延長したい意向です。
27日は地元漁協が対応を協議し、延長に同意することを決めました。
防衛省は、馬毛島に自衛隊基地を整備した上でアメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練を移転させる方針で、去年12月から島の東側で港湾施設建設ための海上ボーリング調査を行っています。
調査は当初、今月末までの計画でしたが悪天候で作業が難航しているため、今年8月13日から来年5月31日まで延長したいと地元の種子島漁協に伝えていました。
防衛省が調査を延長するには、種子島漁協の同意書と西之表市の意見書を添えて県に再び申請する必要があり、漁協は27日、理事会を開いて同意するのかどうか話し合いました。
浦添孫三郎組合長によりますと、防衛省は6月1日からおよそ2か月のトコブシ漁期には作業をしないとしていますが、これに加えてキビナゴ漁などにも影響が出ないことを条件に同意することを、出席した組合長・理事の5人の全会一致で決めたということです。
(種子島漁協浦添孫三郎組合長)「キビナゴ漁のほかに一本釣りや刺し網漁もある、そういう漁に支障がないやり方でやってもらいたいという条件を入れる。防衛省にこれをのんでもらわないといけない」
漁協は、条件について防衛省と調整でき次第、同意書を提出する方針です。
5月26日 南日本新聞
馬毛島騒音デモ飛行「判断材料に」「実態は違う」 鹿児島県知事と西之表市長、異なる所感 防衛省、2回目実施
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備計画を進める防衛省は25日、航空自衛隊新田原基地(宮崎県)所属のF15戦闘機による2回目のデモ飛行を島上空で行い、訓練時の騒音の程度を住民に示した。いずれも視察した鹿児島県の塩田康一知事は「住民の判断材料になった」と強調した一方、同市の八板俊輔市長は「実態とは違う」と指摘し、受け止めが異なった。
平日の11日(予備日12日)に予定した1回目が悪天候でできず、振り替えた。午後3時半~4時40分の日中に6機、午後6~7時すぎの日没前後に2機が飛んだ。日中は8経路を1周ずつ、日没前後は4経路を各2周した。高度は非公表。西之表市の天気は晴れ。日中は西北西の風平均5.4メートル、日没前後は西の風平均5.9メートル。
防衛省によると、滑走路を甲板に見立て着陸後すぐに再加速し離陸するタッチ・アンド・ゴーの音量に近づけるため、島上空を通過時にエンジン出力を上げた。同省職員が西之表市、中種子町の計8地点で騒音を測り、後日結果を公表する。前回測定した南種子、屋久島、南大隅の3町と三島村は今回外した。
鹿児島県は熊毛支庁(同市)屋上で音量を計測。日中の飛行前が47~55デシベルで最大値は60.4デシベル、日没前後は飛行前46~50デシベル、最大値67.0デシベルだった。
1回目を行った日曜の16日に続き、塩田知事は支庁から視察し「住民も平日と休日を比較できたと思う」と意義を語った。米軍機でなく自衛隊機、タッチ・アンド・ゴーもしないデモ飛行に「今できる範囲でやってもらった」と理解を示した。
前回と同様、日中の飛行を市役所から視察した八板市長は「実際の訓練の音や質を想像するには不足している。実施したことに意味があるが、これだけで判断できない」と指摘。市民がFCLPに近い音を実感できる他の方法がないか、同省と協議するとした。
5月25日 MBC NEWS
馬毛島上空に戦闘機 2回目の騒音調査
アメリカ軍の訓練移転候補地・鹿児島県西之表市の馬毛島上空で、騒音を測定するための自衛隊の戦闘機による試験飛行。今月16日に続いて25日に2回目が行われています。
馬毛島上空を飛行する航空自衛隊のF15戦闘機。国は馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPを移転する計画で、その騒音を心配する住民らの要望を受けて、今月16日に続く2回目の試験飛行が25日に行われました。
1回目の試験飛行では種子島、屋久島、南大隅町、三島村の竹島の合わせて14か所で音を測定し、速報値では西之表市街地で最大68デシベル、セミの声と同程度の音を測定。西之表市、中種子町以外では測定されなかったとしています。
この時は日曜日だったため、比較のために2回目は平日の25日に行われ、種子島の8か所で音を測定します。
塩田知事は1回目に続いて、今回も西之表市にある熊毛支庁の屋上から音を確認しました。25日午後3時半から4時40分ごろまで行われた日中の試験飛行では、県の測定では60.4デシベル、走行中の自動車内程度の音が測定されました。
(塩田知事)「前回は休日で生活音が静か。前回に比べると大きくはない結果になっているのではないか」
音を聞いた住民は。
(住民)「波の音のほうが大きくて聞こえない」
(住民)「全然聞こえない」
一方、西之表市の八板市長は。
(八板俊輔市長)「機数も違うし、回数も違いますし。戦闘機の発する音というのは、いわゆる騒音のレベルだけでは測れないものがあるので、そういうことを想像するには不足している」
25日は夜間の音を測定するための試験飛行が、午後6時から午後7時半まで行われ、測定結果は後日公表される予定です。
なお、防衛省は訓練移転に向けた自衛隊基地整備のための海上ボーリング調査が、悪天候で難航していることから、今月末の期限を来年5月末まで最大で1年延長する方針を種子島漁協に伝えていて、漁協は同意するかどうか、27日に理事会を開いて協議する予定です。
5月25日 南日本新聞
馬毛島周辺の海底調査 防衛省、最大1年延長の方針を打診 トコブシ漁の期間は作業中断 種子島漁協、27日協議

西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)を伴う自衛隊基地整備計画に絡み、島周辺で海上ボーリング調査を進める防衛省が、地元の種子島漁協に5月末の調査期限を最大1年延長する方針を伝えていたことが24日、同漁協への取材で分かった。漁協は27日に理事会を開き、同意するかどうかを協議する。
浦添孫三郎組合長らによると、防衛省の担当者が21日、同市の漁協を訪れ、市内21小組合の代表に説明。島周辺のトコブシ漁の漁期に当たる6月1日~8月12日は作業しないとし、予備日を含めて来年5月末までの期限を示した。
調査は基地建設に向けた港湾施設整備のため、昨年12月に始まった。島東海域の最大37カ所で予定するが、しけなどの影響で海底の土砂採取が難航。5月17日時点の終了箇所は11カ所にとどまる。
調査を許可した県によると、期間を延長する場合、地元漁協の同意書と地元自治体の意見書を添え、県に再度申請する必要がある。
浦添組合長は取材に「防衛省の方針を受け入れるかは理事会で話し合うまで分からない」と語った。同市馬毛島対策係は「まだ防衛省から話を聞いていない」としている。

5月25日の沖縄タイムス紙面

5月19日の南日本新聞紙面
2度やっても、結論ありきの、
出力まで落として実態とはかけ離れたデモ飛行、騒音レベルは最大68デシベル「セミの鳴き声」
5月21日 南日本新聞
「想像したほど大きくなかった」馬毛島F15騒音デモ飛行 見学後の感想報告 南種子町議会
南種子町議会は21日、馬毛島移設問題調査特別委員会(浜田一徳委員長、9人)を開き、航空自衛隊F15戦闘機による西之表市馬毛島上空でのデモ飛行を巡り、非公開で意見交換した。終了後、浜田委員長は「想像していたほど大きな音ではなかったとの報告を受けた」と説明した。
町議会は16日のデモ飛行当日、西之表市住吉、中種子町牧川、南種子町島間の3班に分かれて見学した。
浜田委員長によると、「機体がしっかり見えた。遠くで雷が鳴ったような音だった」(西之表市班)「機体が最接近しても会話ができた」(中種子町班)「耳を澄まして音が聞こえる程度」(南種子町班)との報告があった。一方で「(滑走路を甲板に見立て急降下、急上昇する)タッチ・アンド・ゴーがなく、高度もあったため参考にならない」といった意見も出たという。
同特別委は昨年4月に設置され、今回で8回目。馬毛島への米軍機訓練移転に伴う自衛隊基地整備計画について一定の調査ができたとして、6月定例会で活動を終えることを確認した。
5月20日 南日本新聞
平日に再びF15騒音デモ飛行 馬毛島 防衛省、実施日は2日前に公表
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転計画を進める防衛省は20日、悪天候で1回目の平日の11日(予備日12日)を見送った航空自衛隊F15戦闘機によるデモ飛行を再実施すると発表した。天候を見て2日前に実施日を判断、公表する。平日との比較が目的のため土日は除く。
空自新田原基地(宮崎県)所属の戦闘機を日中(午後3時半~4時半)に6機、日没前後(同6~7時)に2機を島上空で飛ばす。時間はずれる可能性がある。音量測定の結果は後日公表する。
デモ飛行はFCLPの騒音の程度を示す狙い。平日と、休日の15日(予備日16日)の計2回を予定したものの天候不良が続き、16日しかできなかった。
5月17日 南日本新聞
馬毛島デモ飛行 音量速報値 西之表で最大68デシベル 防衛省

馬毛島デモ、地図と表
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転計画を進める防衛省は17日、航空自衛隊F15戦闘機による16日のデモ飛行時に周辺6市町村の計14地点で測った音の速報値を発表した。西之表市の種子島合同庁舎の68デシベルが最高で、1回目の飛行の日中(午後3時半~4時半)に出た。騒音の目安で高速道路を走行中の車内やセミの声に例えられるレベル。
訓練音の程度を示すため、日中に5機が目視・計器飛行方式による計8経路を各1周、日没前後(午後6~7時)に2機が計器方式の4経路を各2周した。防衛省職員が種子島1市2町、屋久島町、南大隅町、三島村竹島で計測。瞬間的に確認された最大値を公表した。観測地点の当時の風向きは南南西だった。
走行中の車内やデパート店内レベルとされる60デシベルを日中に超えたのは同庁舎のほか、西之表市の大崎地区(63デシベル)と住吉地区(60デシベル)の計3カ所。日没前後は同庁舎(66デシベル)、大崎地区(60デシベル)。
中種子町の2地点でも、エアコンの室外機レベルに近い40デシベル後半の数値が出た。南種子、屋久島、南大隅の3町と三島村の計6地点は飛行前と比べ、明らかな変化はなかった。
防衛省は速報値の公表を「早期に客観的な情報を提供するため」と説明。手続きが進む環境影響評価(アセスメント)に今回の実測値を反映させない。今後、数値を分析し、詳細な結果を改めて公表する。
5月17日 MBC NEWS
馬毛島上空を戦闘機が試験飛行 騒音は?
アメリカ軍の訓練移転候補地・鹿児島県西之表市の馬毛島上空で、16日、自衛隊の戦闘機による試験飛行が行われました。訓練に伴う音の大きさを調べるためのものでしたが、音の大きさをどう評価するのか?地元の意見は分かれました。
(記者)「私は今、馬毛島から12キロほど離れた西之表市役所にいます。戦闘機は肉眼ではほとんど確認できませんが、ときおりゴーっという低い音が聞こえます」
国は、馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPを移転する計画です。訓練の騒音を心配する住民らの要望などを受けて行われた試験飛行。FCLPで使われる戦闘機と音量が近いとされる航空自衛隊のF15戦闘機が島の上空でエンジン出力を大きくすることでFCLPの音を再現するとして、午後2回行われました。
塩田知事もおよそ12キロ離れた熊毛支庁の屋上でその音を聞きました。県の測定では最大で71.7デシベルと、セミの声と同程度の大きな音が観測されましたが、知事は具体的な評価は避けました。
(塩田知事)「生活をする上でどう感じるか、住民のみなさんそれぞれ。実際に感じたことを判断材料としていただけたら」
訓練移転に反対している西之表市の八板市長は、市役所で音を確かめました。
(八板市長)「実際の(訓練で使用されている)戦闘機の音を聞いたことがあるが、それとは全然違うという印象を持った」
西之表市の住民は・・。
(住民)「気を付ければ聞こえる感じ、普通に生活していたらわからないレベル」
(子ども)「(音はどうだった?)大きかった。(気になる?)うん」
(住民)「普通の飛行機みたい。(生活に支障は)ぜんぜんないです」
(住民)「きょうだけでは判断できない」
(訓練移転に賛成 馬毛島の自衛隊・FCLP訓練を支援する市民の会 杉為昭事務局長)「生活に支障、耳障りというような音ではない。デモフライトにしても相当な金額をかけて市民、島民の期待に応えていただいたのでありがたい」
(訓練移転反対 馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会 三宅公人会長)「あれが夜中に来たら大変、あの程度でも。本当にFCLPをやったら夜も眠れないと思う。FCLPの片りんを予想するには十分な感じはする」
戦闘機とみられる音は、およそ45キロ離れた屋久島でも聞こえました。
防衛省は16日、種子島の1市2町と屋久島町、南大隅町、三島村のあわせて14か所で音を測定。17日夕方、その速報値を発表しました。
14か所のうち音が最も大きかったのが、西之表市街地にある合同庁舎で、日中68デシベル、夜間66デシベル。セミの声と同程度の音量です。また、中種子町では一部で50デシベル近い音も観測されたものの、南種子町、南大隅町、三島村では観測されなかったとしています。防衛省は今後、さらに詳しく分析し、結果を公表する予定です。
音の感じ方については地元の意見が分かれた今回の試験飛行。その結果を踏まえ、今後、訓練移転を巡る議論がどうなっていくのか注目されます
5月16日 MBC NEWS
馬毛島上空で防衛省が試験飛行
アメリカ軍の訓練移転候補地・鹿児島県西之表市の馬毛島上空で、防衛省が16日、飛行に伴う音の大きさを測定するために試験飛行を行いました。
国は馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPを移転させる計画です。試験飛行は飛行の際の音の大きさを測定するためのもので、当初は今月11日と15日に行われる予定でしたが、天候不良のため、16日に実施されました。
午後3時半から午後4時半までの1時間、飛行し、塩田知事も西之表市にある熊毛支庁の屋上から音を確認しました。
試験飛行は午後6時から午後7時半にかけてもおこなわれます。防衛省は種子島、屋久島、南大隅町、三島村で音を測定していて、後日、公表する予定です。なお、防衛省は17日以降の試験飛行は未定としています
5月10日 南日本新聞
馬毛島F15デモ飛行 高まる関心 騒音「実際とほど遠い結果?」指摘も 防衛省 11,15日実施

デモ飛行の事前訓練の様子を見守る住民=西之表市役所
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転計画を進める防衛省は11、15の両日、馬毛島上空で、航空自衛隊F15戦闘機のデモ飛行をする。激しい騒音が懸念されるFCLPの音の程度を住民に体感してもらう狙い。地元では関心が高まっており、計画推進派、反対派ともに「今後の議論を深める機会」と位置付ける。ただ米軍機でなく離着陸もしないため「現実とかけ離れた結果になるのでは」との指摘もある。
4月26日、デモ飛行の経路を確認するための事前訓練があった。西之表市役所では推進派、反対派がそれぞれ集まり、耳を傾けた。
判断材料
同市議で「馬毛島の自衛隊・FCLP訓練を支援する市民の会」の杉為昭事務局長(54)は「事前訓練の音は気にするほどではなかった」とする。「デモ飛行への地元の関心は非常に高い。基地ができると想定して、どんな利点や課題があるのか、反対派も含めて今後の方向性を議論する判断材料にしたい」
医師で「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」の三宅公人会長(68)は「高い場所をゆっくり飛んでいるように見えたが、腹に響く音がした」。11日は会員らが市内など5カ所で音量を測る。「戦闘機を見て、聞いて、記録しようと呼び掛けている。いい加減なごまかしをすれば分かる」と話す。
フル出力
FCLPは、FA18戦闘攻撃機などの米軍空母艦載機が滑走路を甲板に見立て、着地の瞬間にフルパワーで離陸する「タッチ・アンド・ゴー」を日中から深夜にかけて繰り返す。15日まで硫黄島(東京都)で実施しており、デモ飛行では音が比較的近いとされるF15戦闘機を使う。
馬毛島には滑走路や夜間の目印となる誘導灯がないため、離着陸できない。FCLPに近づけるため、島上空を通過時にエンジン出力を大きくする。
防衛省は「デモ飛行は地元からの要望に応えた。訓練施設がなく完全に再現できないが、現在の環境でできる限りの対応」と説明。空自の現役戦闘機パイロットによると、F15はFA18と同じ双発エンジンのため「出力を上げれば、FCLP時と似たような大きな音を出せる」という。
「アリバイ」
市民団体「鹿児島に米軍はいらない県民の会」は4月27日、九州防衛局に「住民への正確な情報提供にならない」と、デモ飛行中止を申し入れた。下馬場学副会長(65)は「米軍は経路も約束通りには飛ばない。ただのアリバイ作りになる」と訴える。
空母艦載機が配備されている米軍岩国基地(山口県岩国市)周辺では硫黄島でのFCLP前後、戦闘機の往来や訓練などで騒音が増大し、自治体に苦情が寄せられている。
FCLPの音を聞いたことがある元岩国市議の田村順玄さん(75)は「デモ飛行では実際の訓練とほど遠い結果になるのではないか。戦闘機の爆音はすさまじく、現実を知るためには硫黄島周辺や岩国で体感すべきだ」と指摘した。
言動を注視しよう!
塩田鹿児島県知事防衛省の「猿芝居」に参加。
5月8日 南日本新聞
馬毛島F15デモ飛行 塩田知事、熊毛支庁屋上から視察 音量測定器を持参、11日現地入り
鹿児島県の塩田康一知事は11日、西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転計画を進める防衛省が行う航空自衛隊F15戦闘機のデモ飛行を視察するため現地入りする。県が7日明らかにした。
県総合政策課によると、11日午後3時半~4時半と同6時~7時半のいずれも、熊毛支庁(同市)屋上から確認する。実際の音量を把握するため測定器1台を持ち込む。
防衛省は住民にFCLPの音の程度を体感してもらう目的で11、15の両日、馬毛島上空でデモ飛行を実施。屋久島、南大隅両町を含む周辺5市町の計14地点で音量を測り、実測値を後日公表する。天候不良時の予備日は12、16日。
5月1日 南日本新聞
自衛隊基地計画の馬毛島 国民からアセスへ意見557通 防衛省、概要を鹿児島県などに送付「関心高く、説明責任果たす」
防衛省九州防衛局熊本防衛支局は30日、西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)を伴う自衛隊基地整備計画の環境影響評価(アセスメント)手続きで、調査の項目や手法を示す「方法書」に寄せられた国民の意見概要を、鹿児島県や西之表市など関係自治体に送付した。これを受け県は90日以内の7月29日までに書面で「知事意見」を述べる準備に入る。
同支局が方法書の縦覧期間を2月19日~3月18日とし、4月1日まで国民から意見を受け付けていた。寄せられた計557通の内容を545項目に要約。県、西之表市、中種子、南種子、屋久島、南大隅町の関係1市4町に「意見概要書」を送付した。
防衛省は当初、概要や意見件数を公表するか未定としていたが、「計画への関心が高く、地元に説明責任を果たす必要がある」と判断。九州防衛局のホームページに掲載した。
概要によると、事業計画に関し「基地建設や訓練の具体的な内容が示されず多くの部分が曖昧」といった指摘のほか、海洋汚染も懸念される外周道路をアセス対象外としたことへの疑問も上がった。
「米軍機が大きく飛行経路を逸脱した場合の想定が必要」との声や騒音評価の手法、マゲシカなど希少生物の保護、漁業、観光業、畜産業への影響、文化財調査に関する内容が目立った。アセス手続き自体の中止を求める意見もあった。
県は5月上旬にも関係自治体の意見を照会。馬毛島と種子島で騒音や大気質、水質調査の地点確認といった現地調査をする。今回の概要も勘案し、知事意見をまとめて同省に送る。意見は公表する。
西之表市の八板俊輔市長は「どんな意見があるのかを広く知ってもらうためにも公表は好ましい」とした上で、「外周道路や港湾施設の整備による影響に触れていないアセスが妥当かという問題は残る」と話した。
塩田康一知事は「関係自治体の意見や現地調査結果、概要を十分勘案する」とコメントした。
公表は前進
沖縄大学の桜井国俊名誉教授(環境学)の話 防衛省が方法書に対する国民の意見を公表したのは前進と言える。方法書は、多額の費用をかけて進められるアセス手続きの設計図であり、ここでしっかり意見を言わないと、このまま走ってしまう。指摘された多くの懸念や課題を鹿児島県がどう扱い、反映させるのか。90日以内に出される知事意見は非常に重い。

4月30日 南日本新聞
馬毛島自衛隊基地計画「反対」52.1% 騒音や事故に不安 「賛成」は39.2% 鹿児島県内世論調査
南日本新聞社が鹿児島県内の約千人に実施した電話世論調査によると、西之表市馬毛島で政府が進める米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転を含む自衛隊基地整備計画に反対と答えたのは52.1%で、賛成とした人の39.2%を12.9ポイント上回った。反対の理由は「騒音や事故が心配」が34.4%で最も多かった。
激しい騒音が懸念されるFCLPや自衛隊機訓練の実施に向け政府が手続きを加速させる中、暮らしへの影響や安全面に根強い不安を抱えている現状が浮き彫りになった。
計画に「賛成」は14.3%、「どちらかといえば賛成」24.9%、「どちらかといえば反対」が28.5%、「反対」23.6%。「分からない・無回答」8.6%だった。
騒音や事故の懸念に次ぐ反対理由は「自然環境を守りたい」33.1%、「戦争につながる恐れがある施設」27.5%だった。
賛成理由は「国防の観点から必要」が最多で65.1%に上った。中国の海洋進出を見据え、南西諸島防衛の強化が最重要課題となっていることが背景にあるとみられる。地域活性化や経済効果への期待も2割を超えた。「島の大部分は国有地化され、国の手続きが進んでいる」は8.6%。
性別で見ると、女性が反対60.8%で、賛成29.0%を大きく上回った。「分からない・無回答」も1割いた。男性は「賛成」51.2%で「反対」42.1%。「分からない・無回答」は6.7%。
調査は4月15~18日に行い、1019人から回答を得た。昨年度の前回調査では、「沖縄の負担を減らし国防の観点から賛成」「地域活性化につながるから賛成」が合わせて48.1%、「戦争につながる施設は反対」「騒音や事故につながるから反対」の計44.3%を上回っていた。
馬毛島での基地整備計画を巡っては、2019年11月に政府が地権者と約160億円で土地買収に合意。防衛省は20年8月に具体的な施設配置案を示し、同12月には港湾施設整備に必要な海上ボーリング調査に入った。
今年1月の西之表市長選では、計画に反対する現職の八板俊輔氏が容認派候補を144票差で破り再選されたものの、防衛省は2月から環境影響評価(アセスメント)手続きに着手。5月には航空自衛隊のF15戦闘機で騒音を測るデモ飛行をする。
過少に見せる「いかさま」に過ぎないが、
防衛局のFLP??デモフライトのお知らせ。


4月20日 MBC NEWS
馬毛島 防衛省が住民の質問に回答 来月試験飛行も
鹿児島県西之表市・馬毛島へのアメリカ軍の訓練移転計画を巡る動きです。防衛省は住民説明会で出された質問への回答を20日、ホームページで公開しました。また、訓練に伴う騒音を測定するため、来月、試験飛行を行うと発表しました。
国は馬毛島に自衛隊基地を整備したうえで、東京の硫黄島で行われているアメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練を移転させる計画です。防衛省はこれまで種子島や屋久島の19か所、およそ1000人を対象に住民説明会を行いましたが、寄せられた質問への回答を20日にホームページで公表しました。
Q.地元が反対なら工事を断念するか?
A.理解と協力を得られるよう努力する
Q.基地ができることで他国から標的にならないか
A.自衛隊施設が整備されることで防衛態勢が強化され安全確保につながる
Q.アメリカ軍がFCLP以外で馬毛島を使うことはないか?
A.常駐するのは自衛隊で現時点で具体的な計画はない
Q.訓練期間中アメリカ軍が種子島に来ることはないか?
A.馬毛島以外を訪問することは基本的にない
また、防衛省は20日、訓練に伴う騒音を測定するため、来月11日と15日に自衛隊の戦闘機による試験飛行を行うことを発表しました。2日とも午後3時半から午後4時半ごろに6機、午後6時から午後7時半ごろに2機が馬毛島とその周辺の上空を飛行する予定です。
合わせて8経路を予定していて、種子島上空を飛ぶことはないとしています。騒音を測定するのは、種子島1市2町と屋久島町、南大隅町で、防衛省は後日結果を公表する方針です。
今月17日に発表された、日米共同声明の中では両国が馬毛島への訓練移転に向けて引き続き取り組むことが明記されましたが、訓練移転に反対している西之表市の八板市長は、「地元の理解が得られない中での計画推進は即刻中断すべき」コメントしています。
国が来月、試験飛行を行うことについて塩田知事は「デモフライトが住民の判断材料の一つとなればと考えている。引き続き丁寧な説明を行うよう国に求めていきたい」とコメントしています。
4月20日 南日本新聞
馬毛島でF15デモ飛行「地元に相談なかった」「住民の要望に応えた」 種子島の1市2町、温度差浮き彫り

報道陣の取材に応じる西之表市の八板俊輔市長(右)=20日、同市役所
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転を含む自衛隊基地整備を計画する防衛省は20日、騒音の程度を住民に体感してもらうために、航空自衛隊のF15戦闘機によるデモ飛行を5月に実施すると発表した。八板俊輔市長は「地元に相談もなく、通告みたいだ」と納得がいかない表情を見せる一方、中種子、南種子の両町長は「(デモ飛行は)住民の要望で情報提供の一つ」と理解を示した。種子島1市2町の温度差が浮き彫りとなった。
八板市長は「(急降下、急上昇する)タッチ・アンド・ゴーをせず、空母艦載機ではない。時間帯も短い」とし、想定される訓練との乖離(かいり)を指摘。「住民の要望に応えず、本当に残念だ」と述べた。公務の都合がつけばデモ飛行を見る考え。市独自の音量測定は「検討する可能性がある」とした。
中種子町は町内への自衛隊施設誘致に取り組む。「住民の要望に応えるのはいいこと。町民も戦闘機の音を肌で感じられる」と田渕川寿広町長。計画への賛否や施設誘致を表明していない南種子町の小園裕康町長は「騒音を懸念する声は多く、デモ飛行の情報を積極的に町民に伝えたい」と語った。両町とも独自に音量を測定する考えはないという。
計画に反対する市民・団体連絡会の三宅公人会長(68)=西之表市=は「基地ができるとどんな日常になるか。住民が自覚できる機会になる」と冷静に受け止める。5市町で音量を測り公表する方針の防衛省に「全数値をしっかりと明らかにして」と念を押した。
計画に賛成する市民団体の折口金吉会長(69)=同=は「デモ飛行を歓迎したい。訓練のイメージが湧き、理解を得る一助になる」と話す。ただ発表の在り方に関し「地元自治体や協力者にもう少し早めに知らせてから進めてもいいのでは」と注文した。

4月20日の琉球新報紙面
4月17日 MBC NEWS
馬毛島で防衛省が試験飛行 騒音測定へ
アメリカ軍の訓練移転候補地・西之表市の馬毛島で、防衛省が訓練に伴う騒音を測定するため、来月、試験飛行を行うことが分かりました。
国は、馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPを移転させる計画です。
関係者によりますと、住民から騒音の測定を求める声が上がっていたことから、FCLPで使用されるFA18戦闘機などと飛行時の音量が近いとされる、航空自衛隊のF15戦闘機を使って来月11日と15日に試験飛行を行う方針だということです。
いずれも午後3時半から午後4時半ごろに6機、午後6時から午後7時半ごろに2機が馬毛島と周辺の上空を飛行する予定です。
馬毛島には誘導灯などが整備されていないため、陸上の滑走路を空母の甲板に見立て戦闘機が離着陸する、いわゆる「タッチアンドゴー」は行わないとしています。
種子島の1市2町と屋久島町、南大隅町で音量を測定し、その結果を後日、公表する方針です。西之表市の八板俊輔市長は試験飛行については「事実確認中」としています。

4月17日の南日本新聞紙面
4月17日 南日本新聞
馬毛島上空でF15をデモ飛行5月11、15日防衛省計画
FCLP想定し騒音測定 数値は後日公表

西之表市馬毛島への米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転を含む自衛隊基地整備計画を進める防衛省が、FCLPに伴う騒音の程度を住民に体感してもらうためのデモ飛行を5月11、15の両日に計画していることが16日、分かった。航空自衛隊のF15戦闘機を日中に6機、日没前後に2機飛行させると同時に、周辺1市4町の計8地点で音量を測定し、実測値を後日公表する。
米軍は現在、硫黄島(東京都)で通常5月にFA18戦闘攻撃機などによるFCLPを実施。音量が比較的近いとされる空自F15戦闘機を同時期に馬毛島上空の想定経路で飛行させ、風向きの影響を受ける騒音の状況を訓練時と近づける狙いがある。
複数の関係者によると、11、15の両日とも午後3時半~4時半ごろに6機、午後6時~7時半ごろに2機が、数珠つなぎに飛ぶ。日中は目視による4経路と計器を基にする4経路の計8経路を1周ずつ、日没前後には計器のみで4経路をそれぞれ2周する。
実際のFCLPは日中から深夜にあるが、馬毛島には誘導灯など訓練施設が未整備のため、住民が帰宅する日没前後を夜間と想定し飛行。安全面も考慮し、参加する戦闘機を減らす。滑走路を甲板に見立て急降下、急上昇する「タッチ・アンド・ゴー」もできず、島上空を通過時にエンジン出力を大きくするなどして対応する。
種子島1市2町の6カ所、屋久島町と南大隅町の各1カ所に測定器を置く。デモ飛行の実測値は、防衛省が手続きを進めている環境影響評価(アセスメント)に反映させない。
空自機の馬毛島までの経路は、空母艦載機が所属する米軍岩国基地(山口県)から向かうルートと近い形で調整している。
4月26日には経路確認のための事前飛行を予定。天候不良の場合の予備日も設ける。
防衛省が昨年10月から西之表市などの計19カ所で開いた住民説明会では、騒音に関する質問が多かった。デモ飛行の要望もあり、実施に向けて準備を進めていた。
4月12日 MBC NEWS
馬毛島問題 西之表・八板市長が防衛省を訪問
鹿児島県西之表市の馬毛島で進む自衛隊基地の整備計画について、計画に反対している西之表市の八板俊輔市長が、再選した市長選挙後初めて防衛省を訪問し、住民の疑問にきちんと応えるよう要請しました。
国は、西之表市の馬毛島に自衛隊基地を整備したうえで、FCLP=アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練を移転させる計画です。今年2月からは航空機の飛行による騒音や、生態系への影響を調べる環境影響評価の手続きを始めました。
西之表市の八板俊輔市長は、今年1月の市長選挙で再選して以降、初めて防衛省を訪れ、大西宏幸政務官と鈴木敦夫地方協力局長と面会しました。面会後の取材で八板市長は、住民の疑問に応えるためにも計画は一度立ち止まるべきだと要請したことを明らかにしました。
(八板市長)「ほとんどの市民が賛否に関わらず、防衛省に対して不満を持っているので、市民に寄り添う形で一度立ち止まってやってほしい」
3月17日 MBC NEWS
馬毛島問題 屋久島町で説明会開催も紛糾
アメリカ軍の訓練移転候補地・鹿児島県西之表市の馬毛島に自衛隊基地整備を計画している防衛省は、環境への影響を調べるための方法書などに関する説明会を、関係自治体で順次、開いてます。16日夜は屋久島で開かれましたが、一時、紛糾する場面もありました。
(住民)「どんな意見が出たのかオープンに出すべきだ、マスコミは出てくれというのはおかしい」
屋久島で開かれた説明会には、住民およそ90人が参加しました。馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPの移転を目指す防衛省は、これまで種子島の1市2町で説明会を開催。
質疑応答などについては「自由な発言ができなくなるおそれがある」として、メディアによる撮影・録音を禁止してきたため、16日もカメラの退出を求めましたが、住民からは反発の声が・・。
(住民)「ここにいないものに対して、あなたたちの意見をどのように伝えるつもりなんですか」
(司会)「撤回してください」
(司会)「方法書についての意見がございましたら4月1日まではご意見を提出することもできます。それを・・・」
(住民)「それは一方的でしょ!」
反発は止まず、結局、カメラがあって困る人がいないことを確認した上で、カメラが入ったまま続けることに。その後の質疑応答では、住民からの懸念が相次ぎました。
(住民)「トビウオは特に水面を何百メートルも飛ぶ魚、音に敏感で上に浮き上がらず底に沈んでしまい漁獲量が減るんじゃないか懸念している」
(防衛省)「専門家の知見を得ながら影響の程度を確認したい」
(住民)「(米軍が)ちゃんとした飛行ルートを守るとは沖縄では全然考えられない」
(防衛省)「基本的には種子島はもとより屋久島の上空は飛ばない」
(住民)「世界自然遺産のそばに軍事基地ができるというのは、相反するものが共存するようなそんなイメージを持っている」
(防衛省)「航空自衛隊と相談してデモフライトやってみようと」「実際に訓練が行われた場合どのような音が聞こえるのか確認したい」
説明会は当初の予定を30分以上オーバーし、午後9時半すぎまで行われました。
説明会は17日夜、南大隅町でも行われます。防衛省は環境影響評価の方法書の縦覧を関係自治体などで18日まで行い、4月1日までは意見書の提出を郵送で受け付けます。
3月17日 南日本新聞
馬毛島FCLP 日米防衛相緊密連携を確認 「地域社会の理解、協力不可欠」
岸信夫防衛相とオースティン米国防長官は16日の日米防衛相会談で、米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)について、西之表市馬毛島への移転計画を進め、日米で緊密に協力していくことで一致した。バイデン政権下でも計画推進の姿勢が鮮明となった。
会談では、在日米軍の安定的な駐留と活動に「地域社会の理解と協力が不可欠」とし、米軍の安全かつ環境に配慮した運用の確保が重要であることも申し合わせた。
岸氏は安全保障協議委員会(2プラス2)後の共同記者会見で米軍再編について、「これまでの進展を歓迎し、現在の取り決めの実行を再確認した」と説明。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設とFCLP施設に触れ、「私の方から事業の進捗を説明した」と述べた。
日本政府によると、米側はこれまで一貫してFCLPの必要性を伝えており、移転計画の進捗への期待を改めて示したという。
計画を巡っては前回2019年4月の共同文書で、米側が馬毛島の買収を評価。恒久的なFCLP施設が米軍の安全な運用や訓練に大いに貢献すると表明し、施設の早期整備へ緊密に取り組むことを確認している。
馬毛島では、防衛省がFCLPを前提にした自衛隊基地整備計画を進め、地元の八板俊輔市長は反対の立場を表明している。
同省は計画に伴う環境影響評価(アセスメント)の方法書を今月18日まで縦覧している。
3月12日 南日本新聞
馬毛島ボーリング調査 許可停止の仮処分却下 鹿児島地裁「漁業被害重大でない」
西之表市馬毛島で防衛省が進める自衛隊基地整備に伴う海上ボーリング調査を塩田康一知事が許可したのは違法として、地元漁業者14人が許可の執行停止を求めた仮処分申請について、鹿児島地裁が申し立てを却下する決定をしたことが11日分かった。
決定は10日付。県によると、却下理由に、現場海域への立ち入り制限や調査期間は限定的で、漁業資源への影響は小さく、被害は重大でないことを挙げた。塩田知事は「主張が認められたものと考えている」とのコメントを出した。
原告側弁護団の菅野庄一弁護士は「決定通知が届いていないが、却下だとすれば、即時抗告を検討する」と話した。
ボーリング調査は港湾施設整備に向けて同省が昨年12月に着手。今年5月末まで島東岸37地点で予定している。原告団は、調査が進んでからは漁業被害の回復は困難として、着手前の昨年12月、執行停止を求めて仮処分を申し立てた。
原告団は仮処分申請と合わせて、ボーリング調査の許可取り消しを求めて県と係争中で、4月に結審する見通し。国に対しても調査差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てており、3月中に判断が示される見込み。
同基地は米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転を前提としている。
3月10日 南日本新聞
馬毛島アセス 防衛省、西之表市で説明会 反対派市民の発言目立つ
九州防衛局熊本防衛支局は9日、西之表市馬毛島への自衛隊基地整備に伴い公告・縦覧している環境影響評価(アセスメント)の方法書に関する説明会を市民会館で開いた。上限200人に対し市民約100人が出席。計画反対の市民からの発言が目立った。
アセス法で義務付けられている説明会は同市のほか、中種子、南種子の種子島2町でも今後開き、法対象ではない屋久島、南大隅両町でも自主的に開く。
昨年末、市内12校区であった住民説明会にも名前を連ねた防衛省本省の職員らが、調査項目や手法を示した方法書の概要について約40分間解説。その後2時間にわたり参加者の質疑を受けた。報道陣には概要説明の部分だけを公開し、質疑は「自由な意見を妨げるため」として、撮影・録音を禁止した。
質疑では、外周道路の整備がアセスの対象にならないことへの質問に対し、同省は「国有財産を管理するためで、基地建設目的ではない」と説明。外周道路はフェンスで囲わないとした。「不確定な表記が多い。先行実施した環境現況調査の内容も公表すべきだ」という意見には「(次のステップの)準備書の段階で盛り込む」と述べた。
基地計画に反対の立場の市民の発言が多い一方、賛成の立場の市民からも「アセスは正々堂々とやってほしい」との要望が出た。
3月10日 MBC NEWS
馬毛島自衛隊基地整備計画 西之表市で環境影響評価説明会
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備計画で、防衛省は9日西之表市で、環境への影響を調べるための方法書に関する説明会を開きました。
国は馬毛島に自衛隊基地を整備した上でアメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPを移転させる計画です。防衛省は環境に与える影響を調査するため、先月から調査の項目や手法を示した方法書の縦覧を西之表市役所などで始めています。
9日夜の説明会には、市民およそ120人が出席し、防衛省の担当者が、騒音や生態系への影響など調査する項目や手法について、説明しました。その後の質疑は報道には非公開で行われましたが、市民からは公開を求める声や調査への疑問の声が聞かれました。
(参加した市民)
「報道の人たちを排除した。報道には入ってもらって何を説明しているのか知らせてもらわないといけない」
「反対の方からも(これまで)多数の質問を出しているのに回答がない状況の中で環境影響評価をするのはいかがなものか」
説明会は11日に中種子町、12日に南種子町、16日に屋久島町、17日に南大隅町でも開かれます。
3月9日 西日本新聞
今月中に仮処分の可否判断 馬毛島海上調査の許可巡り 鹿児島地裁
鹿児島県西之表市の馬毛島に自衛隊基地を整備する計画を巡り、塩田康一県知事が防衛省に周辺海域での海上ボーリング調査を許可したのは違法だとして、地元の漁業者16人が県に許可の執行停止を求めた仮処分で、鹿児島地裁(古谷健二郎裁判長)は3月中に可否を判断する方針を示した。漁業者側の弁護団が9日、明らかにした。
漁業者側は、知事の許可は海上調査による漁業被害や漁業権の侵害を考慮せず、裁量権を逸脱・乱用していると主張。仮処分と併せて許可の取り消しを求める訴訟も起こしている。県側は、漁業者には原告適格がないなどとして、争う姿勢を示している。
防衛省への公開質問書(第2段):


3月1日の琉球新報紙面
反対派市民から出された「市議会議長選出に関わる要望・要請書」


2月17日の南日本新聞紙面
2月24日 MBC NEWS
馬毛島めぐり賛否きっ抗 西之表市議会「反対派」が議長に
馬毛島へのアメリカ軍の訓練移転問題で揺れる鹿児島県西之表市の市議会では、先月の市議選の後、初めて臨時議会が24日開かれ、基地整備に反対する議員が新たな議長に選出されました。
先月、改選されて初めて開かれた西之表市議会の臨時議会には、14人の市議のうち病欠の1人を除く13人が出席して議長の選出を行いました。
先月の市議選では定数14に対し、国の訓練移転計画に「反対」が7人、「賛成・容認」が6人、「どちらともいえない」が1人当選しました。
賛否がきっ抗する中、議長に選ばれた議員は議会での議決権を持たなくなるため、どの議員が議長に選ばれるか注目されていましたが、全会一致で移転に反対する川村孝則議員が議長に選出されました。
これにより議決権を持つ議員13人の内訳は、「反対」と「賛成・容認」が同じ6人ずつ、「どちらともいえない」が1人となりました。
(議長に選出された川村孝則議員)「(馬毛島問題については)市長とも連携を図りながらやっていくことになる。(Q議決権は容認派にいった?)そういうことは考えていない。同数の場合は議長の職権で判断していきたい」
また、馬毛島への対応について話し合う特別委員会の委員長の選出も行われ、「どちらともいえない」としている濱島明人議員が委員長に立候補しました。
委員会での議決権を持つ議員の内訳も「反対」と「賛成・容認」が6人ずつと、こちらも賛否がきっ抗する構図となりました。
(委員長に立候補 濱島明人議員)「誰かが立候補しないと決まらないと思ったので、私が受けたほうが運営もスムーズにいくと思い立候補した」
馬毛島をめぐっては、防衛省が今月18日に基地整備に向けた環境影響評価の手続きに入っていて、八板市長が遺憾の意を表明しています。
賛否が拮抗する中で動き出した市議会で今後、どのような議論が進められていくのか注目されます。
許せない!!
防衛省民意を無視し2月18日「馬毛島」環境アセス着手強行。
2月19日 MBC NEWS
馬毛島・環境影響評価 関係自治体などで方法書縦覧始まる
鹿児島県西之表市・馬毛島への基地整備計画について、防衛省は18日、環境への影響を調べるための手続きに入りました。19日から、関係自治体などで調査の項目などを示した方法書の縦覧が始まっています。
国は馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPを移転させる計画です。自衛隊基地整備など規模の大きな工事を行う場合、自然環境に及ぼす影響を事前に調査することが法律で定められていて、18日、環境影響評価の方法を記した書類が防衛省から県内の関係自治体に届きました。その方法書の縦覧が、19日から県庁や関係自治体の役場などで始まり、西之表市役所でも住民が訪れて内容を確認していました。
方法書には、基地の概要のほか、騒音や生態系などへの影響を調査する項目や手法が示されています。閲覧した住民からは賛否の声が聞かれました。
(馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会 清水捷治幹事)「環境影響評価そのものの調査をするなという立場で、防衛省に抗議している。我々の前提としては、(基地建設は)ダメということを前提に、内容を少し分析する」
(馬毛島の自衛隊・FCLP訓練を支援する市民の会 杉為昭事務局長)「きょうこうして(方法書が)出てきたことは、市民の会として安堵・安心している。着実に現実的も前に進んでいるから(市長には)真摯に向き合っていただいて、考えを変えていただきたい」
また、整備反対を訴える西之表市の八板市長は「環境影響評価着手は遺憾」と反発しました。
(西之表市 八板俊輔市長)「施設整備につながる環境影響評価は、開始すべきではないと考えている。このままでは、地元との溝が深まるばかり。西之表市長として、たいへん遺憾に感じている」
一方、塩田知事は昨夜、環境影響評価は基地建設の賛否とは別として、住民に説明するために必要という考えを示しました。
(塩田知事)「基地の施設についての賛否ということではなくて、環境の影響がどういうことになるかということを調査するものだから、環境影響評価については、どういう方法で行うのかといったことについても、住民の皆さんにも、防衛省からしっかり説明していただきたい」
また、岸防衛大臣は19日、環境影響評価の進展に合わせて地元への説明を行うとしました。
(岸信夫防衛相)「作業の進捗に応じて説明を積み重ねて、地元の皆様のご理解が広がっていくように、最大限の努力をしてまいりたい」
縦覧期間は19日から来月18日までで、九州防衛局のホームページでも閲覧することができます。また防衛省は4月1日まで、意見書の提出を受け付けています
意見書用紙:
![意見書用紙0001[1]](https://blog-imgs-142.fc2.com/r/y/u/ryukyuheiwa/20210220171527e3d.jpg)
縦覧後、防衛省は、住民から寄せられた意見を知事や市長・町長に提出します。その後、調査などを経て、環境影響評価書がまとまるまでは数年かかるものとみられます。

2月20日の琉球新報紙面
2月20日 南日本新聞
馬毛島アセス縦覧開始 騒音、水質、動植物など23項目 九州防衛局

九州防衛局熊本防衛支局は19日、西之表市馬毛島への米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転を含む自衛隊基地整備に向け、環境影響評価(アセスメント)の方法書の縦覧を関係自治体やホームページで始めた。アセス対象事業は飛行場関連施設のほか、艦艇を停泊・補給させる港湾施設、訓練に使う揚陸施設。方法書は約500ページあり、評価する環境要素として、騒音や水質、動植物、景観など23項目を選定。工事や飛行場の運用がどのような影響を与えるか、予測・調査する方法などを示している。
基地で使用を想定する機種は、自衛隊のF35A・F35B戦闘機やV22オスプレイ輸送機、米軍のFA18戦闘機、EA18電子戦機などを示した。これまでの説明同様「現時点で想定する主な機種」との含みも残した。
航空機の騒音は、機種ごとの騒音データ、飛行経路、時間帯、回数を基に、環境周辺整備法が定める算定法で予測する。平時の現状を調べるため、種子島の7地点でも測定する。影響範囲を明らかにするため屋久島、南大隅町にも調査地点を設ける。
防衛省はアセスとは別に、騒音の程度を体感してもらうために航空自衛隊のデモ飛行を検討しているが、その際の実測値は使わない。同省は「アセス法の主旨を踏まえ、定められた算定法で予測する」と説明。
動植物では、これまでの調査で重要な種として。ほ乳類1種▽鳥類8種▽貝類26種▽植物86種-などを確認できたと記した。類似の事例や知見を参考に影響を予測する。目視など現地調査も行う。
防衛省によると、調査項目は、防衛省の指針や省令を基に選定した。工事実施や飛行場の運用に伴う動植物への影響などは、省令などが求める参考項目にはないが、調査・評価する。
岸信夫防衛相は19日の閣議後会見で、環境アセス着手について、日米同盟や南西防衛の強化といった重要性を強調。「騒音対策や環境保全を具体的に明らかにし、説明していく。地元の理解が広がるよう最大限努力する」と改めて述べた。

2月19日の琉球新報紙面

2月19日の沖縄タイムス紙面
2月18日 MBC NEWS
馬毛島・自衛隊基地計画 国が環境影響評価の手続き開始
アメリカ軍の訓練移転候補地、鹿児島県西之表市の馬毛島を巡る問題です。防衛省は県知事と周辺5市町の市長・町長に対して、自衛隊基地整備に向けた環境影響評価方法書を送付し、環境影響評価の手続きを開始しました。
国は、馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、東京の硫黄島で行われているアメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練を移転させる方針です。
自衛隊基地整備など規模の大きな工事の場合、自然環境に及ぼす影響を事前に調査することが法律で定められています。
防衛省は18日までに塩田知事と西之表市、中種子町、南種子町、屋久島町、南大隅町の市長・町長に対して、環境影響評価の方法を記した書類を送付し、環境影響評価の手続きを開始しました。
調査には数年かかるケースもあり、馬毛島の影響評価も年単位でかかると見られます。
防衛省がこれまでに説明した自衛隊基地の配置案では、2本の滑走路を新たに整備し、燃料施設、格納庫のほか、海上には係留施設も設置される方針で、建設工事はおおむね4年の工期を見込んでいます。
また、アメリカ軍の離着陸訓練は年1~2回で、1回当たり10日間程度。日中から深夜にかけて行われ、アメリカ軍は1回の訓練につき1か月間、馬毛島の宿舎で宿泊します。馬毛島では、去年12月から島周辺のボーリング調査を行っていて、環境影響評価では今後、騒音の予測調査などが行われる予定です。
(塩田知事)「住民の皆さんの騒音に対しての関心が非常に高いと思っている。判断材料としての暮らしへの影響などについて、どういう方法で行うのかということについても、住民のみなさんには防衛省の方から、しっかり説明をしていただきたいと思っている
陸・海・空自衛隊の前トップの見識なんてこんなものか、、、

2月17日の南日本新聞紙面
沖縄タイムスの八板西之表市長インタビュー記事です。

2月14日の沖縄タイムス紙面
2月2日 MBC NEWS
再選の西之表市・八板市長が防衛省に要請書 「馬毛島の周辺調査中止を」
1月31日に投票が行われた鹿児島県西之表市長選挙で、再選した八板俊輔市長は2日、防衛省に対し馬毛島周辺でのボーリング調査中止などを要請しました。
国は西之表市の馬毛島の大半を取得していて、島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍の訓練を移転させる計画です。
31日再選した西之表市の八板俊輔市長は2日、岸信夫防衛大臣あてに要請書を送ったことを明らかにしました。
要請書で八板市長は、「再選で改めて民意が示された。地元の理解は得られていない」として、国が先月から馬毛島周辺で行っているボーリング調査の中止などを求めています。
なお、岸防衛大臣は2日の閣議後の会見で、「馬毛島は南西諸島防衛のために重要。施設整備は日米同盟の強化や地域の安定に寄与する」と述べ、改めて整備を進める考えを示しました。
1月31日投開票の西之表市長選・市議選に勝利、
「馬毛島基地建設反対」の民意が示された!

2月2日の東京新聞紙面

2月2日の沖縄タイムス紙面

2月1日の東京新聞紙面
2月1日 MBC NEWS
144票差 馬毛島基地反対の現職・八板氏が再選 鹿児島・西之表市
アメリカ軍の訓練移転候補地・馬毛島への対応を争点に、現職と新人の一騎打ちとなった西之表市長選挙。1月31日投票が行われ、国の計画に反対する現職の八板俊輔さんが僅差で2期目の当選を果たしました。
任期満了に伴う鹿児島県の西之表市長選挙は、馬毛島での基地整備に反対する現職の八板俊輔さんが5103票、容認する立場で自民党県連が推薦する新人の福井清信さんが4959票で、八板さんが144票の僅差で2期目の当選を果たしました。
投票率は80.17%で4年前の再選挙を8.52ポイント上回りました。
(2期目の当選八板俊輔氏)「(市民は)国の計画にNOと言っている。国と話し合いをして問題解決を図っていきたい」
(落選した福井清信氏)「僅差だったので、賛成の人がいると忘れてほしくない」
一方、市議会議員選挙の投票も同時に行われました。選挙前、基地計画の賛否は「反対」が多数を占め10人、「賛成」が6人でした。
今回の選挙で議員定数は16から14に削減されましたが、当選した14人はMBCの取材に対し、7人が「反対」、6人が「賛成・容認」、1人が「どちらともいえない」と回答し、賛否が拮抗する結果となりました。
(賛成派 杉為昭氏)「(賛成が)増えたので、市民の関心が前向きに動いていると受け止めている」
(反対派 長野広美議員)「今の市を取り巻く環境が反映されている。市のためになる判断を慎重にしたい」
(60代 飲食店経営)「反対して計画をなくしてほしい」
(70代 無職)「(自衛隊が来れば)活性化すると思うが、将来的にはどうなのか」
(60代 漁業)「国に協力しないと反対ばかりしていてもいけない。島も発展しないし」
一方、岸信夫防衛大臣は…
(岸信夫防衛大臣)「自衛隊における南西方面の防衛は重要。(米軍の)離着陸訓練も大変必要なこと。地元には丁寧な説明をして理解を求めていきたい」
今後の行動は?再選の西之表市・八板市長に聞く
選挙結果や今後の具体的な行動について、再選した鹿児島県西之表市の八板市長に中継で聞きました。
DEMO-RESE Radio#20
「馬毛島のいま」
https://youtu.be/ceOmV7T5Xt4
DEMO-RESE Radioで特集を組んだ馬毛島問題。
あの動画から、馬毛島では、自衛隊基地を作るためのボーリング調査が行われ始めました。
しかし、ボーリング調査=自衛隊基地建設では決してありません。ただ、これが基地建設の序曲になる、その事実は間違いありません。
さらに、馬毛島の近くにある西之表市では今月24日から市長選、市議選が行われます。一体どうなるのか?
今回のDEMO-RESE Radioは、その辺りをトピックに上げて放送致します。最後までご視聴よろしくお願いします
1月27日 MBC NEWS
馬毛島争点に一騎打ち 鹿児島・西之表市長選挙 今月31日投開票
今月31日に投票が行われる鹿児島県西之表市長選挙は、馬毛島問題への対応を争点に現職・新人の2人が激しい選挙戦を繰り広げています。
立候補しているのは、新人で西之表市商工会長の福井清信さん(71)と、現職で2期目を目指す八板俊輔さん(67)の、いずれも無所属の2人です。

1月25日の東京新聞紙面
1月25日 南日本新聞
「振興に必要」「暮らし壊す」 馬毛島賛否、真っ二つ 西之表市長選告示

西之表市長選のポスター掲示板
24日告示された西之表市長選は、新人で市商工会長の福井清信氏(71)=自民推薦=と2期目を目指す現職の八板俊輔氏(67)の2人が立候補した。馬毛島の米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を含む自衛隊基地建設を巡り、「容認」の新人と「反対」の現職による真っ向勝負となった。「地域振興につながる」「静かな暮らしが壊される」-。市民も基地問題を最大の争点に捉え、接戦予想が広がる。同日告示の市議選候補にも賛否両論あり、勢力図の行方に関心が集まる。
市長選の候補者2人は24日午前、市中心部で第一声を上げた。各応援弁士も馬毛島について触れ、それぞれの主張を展開した。
容認派候補の出陣式に出向いた同市安城の60代女性は「このままだと低迷するばかり。働く場がないので、若者が島から出て行き、活気がない。子や孫が経済的に安心して暮らせるよう、活性化につなげてほしい」と期待した。
同市西之表の建設関連業の30代男性は「反対して基地ができないなら反対するが、もう国に買収された。不安がないわけではないし、やかましいのは嫌。ただ、今となっては国と交渉して交付金などを引き出す方が現実的だ」と話した。
「高校生や移住者の生の声を聞いて、島の静かな暮らしを守る気持ちを行動で示したかった」。計画に反対する同市西之表の80代の無職男性は、初めて選挙の出陣式に駆け付けた。
市内で民宿を営む70代女性も「戦闘機の爆音にさらされるようになれば、観光客はいなくなる」と危機感を持つ。周囲の同業者や商店主には賛成意見が多いが「景気低迷にコロナ禍が加わり、大変なことは分かる。でももっと長い目で島の将来を判断してほしい」と望んだ。
市議選も、賛否両派どちらが大勢を占めるかが焦点となるが、地縁血縁も絡み合い、行方は見通しにくい。同市西之表の60代の農業女性は「若い人に期待して、子どもが世話になっている候補者に託す」と話した。
1月24日 MBC NEWS
西之表市長選告示 現職と新人の一騎打ち
任期満了に伴う鹿児島県の西之表市長選挙が24日に告示され、現職と新人の2人が立候補しました。
西之表市の市長選挙に立候補したのは届け出順に、新人で市商工会長の福井清信さん(71)と、現職で2期目を目指す八板俊輔さん(67)の2人で、いずれも無所属です。
今回の選挙は、アメリカ軍の訓練移転に向け政府が馬毛島で進める自衛隊基地の整備計画が大きな争点となっていて、福井さんは「容認」、八板さんは「反対」の立場です。
また、定数が14の市議会議員選挙も24日に告示され、現職11人、元職1人、新人5人のあわせて17人が立候補しました。西之表市長選挙と市議会議員選挙の投票日は今月31日、日曜日で、即日開票されます。
1月24日 MBC NEWS
西之表市長選告示 現職と新人が立候補
任期満了に伴う鹿児島県の西之表市長選挙が24日に告示され、これまでに現職と新人の2人が立候補しました。
西之表市の市長選挙にこれまでに立候補したのは届け出順に、新人で市商工会長の福井清信さん(71)と、現職で2期目を目指す八板俊輔さん(67)の2人で、いずれも無所属です。ほかに立候補の動きはなく、現職と新人による一騎打ちの公算が大きくなっています。
また、市議会議員選挙も24日に告示され、これまでに現職11人、元職1人、新人5人のあわせて17人が立候補しました。
立候補の届け出は24日午後5時まで、市役所で受け付けられます。西之表市長選挙と市議会議員選挙の投票は、今月31日、日曜日で即日開票されます

1月24日の朝日新聞紙面
1月18日 西日本新聞
環境か経済か「馬毛島基地」争点に一騎打ち 鹿児島・西之表市長選

種子島の西之表港から望む馬毛島。わずか12キロの距離だ=鹿児島県西之表市
鹿児島県西之表市の無人島・馬毛(まげ)島で昨年末、自衛隊基地の整備事業が動きだした。防衛省は基地を訓練施設として日米共同で使用する方針で、米軍は空母艦載機による離着陸訓練を行う計画。地元では基地整備による環境破壊、訓練による騒音への懸念が根強く、今月下旬に実施される市長選でも最大の争点に挙がる。
昨年12月下旬、馬毛島の東12キロの種子島(西之表市)の中心商店街を街宣カーが行き交った。数日前には基地整備に必要な海底地盤のボーリング調査が始まったばかり。基地を「許容」とする候補予定者の後援会は「現実的な対応をしよう」とアピール。「反対」を唱える市民団体は3日後に控えた抗議集会への参加を呼び掛けた。人通りはまばら。ピークの1959年に3万3千人を超えた市の人口は1万5千人を割る。
馬毛島は80年に無人となり、31年後の2011年、日米安全保障協議委員会が陸上空母離着陸訓練(FCLP)の候補地として共同文書に明記し、日本政府が島を買収した。防衛省の整備概要は、十字に交わる2本の滑走路を敷設し、風向きにかかわらず戦闘機の連続離着陸を可能とする内容。深夜にも及ぶFCLPは年最大2回で計20日、自衛隊機の離着陸訓練は年130日-の頻度で行う。日本周辺の東シナ海などで活動を活発化させる中国へのけん制もにらむ。
4年前に基地反対を掲げて初当選した現職の八板俊輔氏(67)は、再選をうかがう今回も反対の立場。住民の平穏な生活が脅かされるとして「馬毛島に造る必然性があるのか」と疑問を呈する。
地元漁協が同意したボーリング調査については一部の漁業者が「漁協全体の同意ではない」として、調査の差し止めなどを求めて提訴。馬毛島の元島民で原告の日高薫さん(72)は「基地整備で豊かな漁場が荒らされる」と訴える。防衛省は昨年12月21日に始めたボーリング調査を今年5月末までに37カ所で行う。
だが、不安や反対ばかりではない。飲食店経営の男性(66)は周囲で基地容認の空気の広がりを感じるといい、男性自身も「反対を続けても地元は潤わない」と考える。むしろ恩恵への期待感が強いという。
防衛省によると、基地運営に関わる自衛隊員150~200人が生活する宿舎は種子島に建設する計画で、一定の経済波及効果が期待される。自治体にとっても、現在は硫黄島(東京)で行われているFCLPの受け入れに伴って支給される米軍再編交付金は魅力だ。岸信夫防衛相は22年度予算に計上する方針を表明しており、防衛省は今後実施予定の環境影響評価(アセスメント)などに基づき、具体的な予算額や計上時期を決めるという。
今月24日告示、31日投開票の市長選には現在、基地に「反対」の現職八板氏と、「許容」を掲げる新人で市商工会長の福井清信氏(71)が立候補の意向を表明している。
調査許可の知事「賛否と無関係」
馬毛島での基地整備には、幾つかの局面で塩田康一・鹿児島県知事の権限が及ぶ。沿岸部を埋め立てる場合の公有水面埋立法に基づく許可などがそれだ。知事はこれまで基地整備への賛否を明らかにしていない。ボーリング調査の許可については「行政手続き上の要件に照らして判断した」としており、賛否とは無関係だと説明する。
住民の不安が大きい騒音について防衛省は、種子島と12キロ離れていることを理由に「限定的」との見解を示す。これに対し県は「地元の声をしっかり国に伝え、必要な説明を求めていく」と述べるにとどめている。
1月11日 MBC NEWS
西之表市長選 濱上氏が出馬断念
今月31日に投票が行われる西之表市長選挙に出馬する予定だった、アメリカ軍の訓練移転に向けた自衛隊基地整備を容認していた新人の濱上幸十さんが、10日出馬を断念すると表明しました。
(濱上 幸十氏)「市民の皆様にご迷惑をかけるという断腸の思いで、市長選挙から降りることを決意した。」
濱上さんは10日、会見を開いて、容認派2人の共倒れを防ぐために、出馬を断念したと発表しました。これで、移転に反対している現職の八板俊輔さん、容認している新人で市商工会長の福井清信さんによる一騎打ちとなる公算が大きくなりました。
西之表市長選挙は、今月24日に告示され、31日に投開票されます。
1月6日 MBC NEWS
米軍機か 低空飛行の目撃情報相次ぐ 今年度は最多更新
鹿児島県伊佐市大口で先月下旬に撮影された画像、4機の航空機が1列に並んで集落や林のすぐ上を飛行しています。機体はアメリカ軍機とみられますが、県内ではこうした低空飛行の目撃情報が相次いでいて、今年度は過去最多となっています。
(記者レポート)「伊佐市大口の田畑が広がる静かな集落です。米軍機とみられる機体が、集落や杉林の上を低空飛行していたのを住民が目撃しました」
集落に暮らす肥後千惠子さんです。先月29日午後3時ごろ、散歩中に低空飛行する機体を目撃しました。
(肥後千惠子さん)「すごい音がして、ゴーっていう音だった。お父さんが米軍だと言って。やっぱり怖いですよね」
低空飛行は付近でたびたび目撃されていて、近くに暮らす親族の肥後結子さんは、目撃情報を記録し、インターネットで発信しています。去年だけで少なくとも9回目撃し、深夜だったり1日中だったりした時もあったといいます。
(肥後結子さん)「旋回してまた飛んで行って、また来たりとか。低空飛行できて爆音で飛んで行ったり。鹿児島でも爆音立てて低空飛行していることを分かってほしい」
低空飛行の目撃情報は奄美でも。瀬戸内町蘇刈の海岸で去年11月に撮影された映像です。飛んでいるのはアメリカ軍の輸送機・オスプレイ3機。機体がはっきりと見えるほどの低さです。
(撮影した長憲之さん)「よく分からない物体がごう音とともにやって来て、思わず伏せる感じだった。会話ができないくらいのごう音だから、近かったんでしょうね。海岸沿いに集落があるから、そばを通って来たのでは。嫌ですね」
県によりますと、アメリカ軍機とみられる低空飛行の目撃情報は増加していて、今年度はこれまでに89件と、記録が残る2006年以降で最多となっています。
市町村別では奄美市が最多の60件で、次いで鹿児島市の10件、薩摩川内市の5件などとなっていて、アメリカ軍が2012年に公表した沖縄から奄美諸島にかけての低空飛行の訓練ルートから外れた地域でも目撃されています。
安全保障論などが専門の琉球大学・山本章子准教授は、海洋進出を進める中国への対応強化が背景にあると指摘します。
(山本章子准教授)「(中国に対する)日米両政府の戦略で、鹿児島から沖縄の一帯で訓練が活発化している現状を反映した動き。米軍機の飛行は目印から目印に向かって飛ぶので、目印の間に市街地があれば突っ切って飛ぶ」
しかし米軍機の飛行は日米地位協定によって日本の航空法の適用除外となっていて、こうした低空飛行は“ルール違反”とは言えないともいいます。
(山本章子准教授)「通常であれば危険な飛行、騒音の大きい飛行も自由にできる。事前に訓練内容や時間を通告する義務もない」
県内では馬毛島へのアメリカ軍空母艦載機の離着陸訓練の移転も計画され、防衛省が自治体に飛行ルートの説明をしていますが、山本准教授は「ルート変更はあり得る」と話します。
(山本章子准教授)「防衛省が種子島の住民に説明している飛行ルートは、過去のデータに基づいた想定。実際に飛んでみないとどんな飛行ルートで飛ぶか分からない。米軍の運用次第で、事前に知らされる保証は全くない。市民・行政が不断の監視を続けるしか、市民の安全を守れない」
目撃が相次ぐ低空飛行。九州防衛局はMBCの取材に対し、「アメリカ軍に対し、影響を最小限にとどめるよう要請しており、不安を払拭すべく、今後も引き続き緊密に連携していく」とコメントしています。
12月26日、西之表港で抗議集会とデモ行進。
12月26日 KTS鹿児島テレビ
馬毛島訓練移転反対のデモ行進 鹿児島・西之表市
西之表市馬毛島へのアメリカ軍の訓練移転に反対する住民らが、抗議のデモ行進を行いました。
抗議集会は、「馬毛島への訓練移転に反対する市民・団体連絡会」が主催したものです。
集会に参加したおよそ150人は、西之表市の市街地およそ1キロを歩きながら、訓練移転反対の声をあげていました。
防衛省は西之表市の馬毛島で自衛隊の基地とあわせた島の整備を計画していて、海底の地質などを調べる海上ボーリング調査を今月21日から本格的に始めています。

防衛省に7団体で質問状提出
本日午後、私たち市民団体連絡会と馬毛島基地に反対する市内の6団体が、防衛省種子島連絡所を訪問し、防衛省に対する公開質問状を提出しました。この間の西之表市内での住民説明会で出された質問と回答を持ち寄り、あらためて私たちが本当に知りたいことをまとめました。来年1月8日(金)まで回答をお願いしています。
担当の職員は、誠実に対応してくれました。年末年始でお忙しいなかですが、防衛省としての責任ある回答をお願いします。
馬毛島基地建設に関する公開質問状
別紙目次(質問項目見出し)
1)、基地建設計画は防衛省としての決定事項か? 3頁
2)、市長選の結果と民意の尊重
3)、基地建設予算
4)、ボーリング調査の漁業への影響と馬毛島好漁場の喪失等
5)、漁業で生計を立てている漁師の死活問題
6)、種子島振興策観光業への影響と島民離島の続出 4頁
7)、環境アセスメンと騒音問題解決との因果関係
8)、環境アセスメントの評価規準及び結果の開示
9)、敵国よりの攻撃標的になる可能性
10)、訓練飛行時の飛行経路の詳細 5頁
11)、戦闘機訓練時の種子島への騒音の到達状況と程度
12)、馬毛島の本格的軍事基地化による種子島島民の生活環境悪化の影響
13)、国会審議の必要性とその時期 6頁
14)、今後の日本の安全保障問題と日米地位協定問題の解決
15)、米軍FCLP訓練基地の硫黄島から馬毛島への移転理由
16)、米軍FCLP訓練基地の硫黄島から馬毛島への移転メリット 7頁
17)、馬毛島漁業者によるボーリング調査差し止め訴訟 8頁
18)、厚木基地におけるFCLP訓練騒音問題の状況確認等
19)、海上ボーリング調査、係留施設建設、基地建設、等の各工程工事関連事項
20)、遺跡、文化財、及び、馬毛島自然の保護・保全
21)、馬毛島周辺海域における漁船等の進入禁止区域設定による漁場喪失/漁業廃業 9頁
22)、ボーリング調査における監視活動の理由
23)、防衛省と地元住民との相互理解を深める方策の構築
24)、当公開質問状最後の総括的所見 10頁
25)、関係者の公明正大で良識と分別ある判断の切望
令和2年12月22日
(宛先)防衛省
品川高浩地方協力企画課長殿;
(共同発信元団体名)
・これからの種子島を考える会(KTK会) 代表 八 板 陽太郎
・馬毛島の漁業を守る会 代表 春 村 寛
・馬毛島を守る女性の会 代表 目 迫 ヱミ子
・よめじょの会 共同代表 鎌 倉 久美子
・森と海を結ぶ会 代表 池 亀 寛 治
・馬毛島通信社 共同代表 山 本 伸 司
共同代表 沖 吉 冨 寛
・馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会 会長 三 宅 公 人
(連絡先) 〒891-3101 西之表市西之表7718-1
馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会
事務局長 山内 光典
電話/FAX 0997-23-3686
(本状の不明点はこちらに問い合わせ下さい。)
(R2/12/22)
馬毛島基地建設に関する公開質問状
今、種子島の西方12Kmに位置する馬毛島に米軍空母艦載機FCLP訓練と自衛隊戦闘機訓練に使用する軍事基地の建設計画が防衛省主導で進められています。これは、東南アジアで最大の本格的軍事基地になると想定され、この基地建設により生じる、騒音問題、漁場消滅、自然破壊、事故・犯罪発生、そして島の基幹産業である農林水産業、特に畜産業や漁業への悪影響、更には、今後取り組もうとしている観光業振興や人口減少対策への負の遺産となると考えられ、これまで、自然に恵まれ、平穏で静かな環境下で安心・安全に過してきた島民の生活を180度転換することになる為、島民の多数がその建設に反対しているものです。国が強調している基地建設に伴う交付金や飲食店・建築業関係者の便益は、これらの犠牲や負の遺産化の代償とはなり得ない異質で一時的なものであり、一部の島民はこれを受け入れていますが、多数の島民は決してこれを欲するものではありません。
11月30日から6回にわたり防衛省により開催された榕城校区市民説明会では多くの疑問・質問が出され防衛省側からそれに対する説明・回答がなされました。しかし、その説明・回答は、ほとんどが市民の疑問に正面から答えられたものではなく、はぐらかしと上滑りの回答が多く、市民のストレスは増すばかりの説明会であったと言わざるを得ません。それは、最終日の質問にもありましたが、防衛省側は基地建設計画は国として決まった事でありそれを市民の民意や懸念・不安を無視して強引に進めようとしており、市民の疑問や心配に真面目に答えようとする姿勢が全く感じられず、防衛大臣以下関係者が表明している「地元の民意と信頼が一番」との方針が、十分守られていないとの印象を強くしました。
そこで、この市民説明会は、今後やり方を改善する必要がありますが、それと並行して折角、双方でこれまでこの説明会にかけてきた貴重な時間と労力を無駄にしないためにも、島民がまだ解消できていない疑問や心配事を、公開質問状として取り纏め、別紙(3頁~10頁)のとおり提出させていた頂くことにしました。当質問状にたいする、誠実・明解で嘘・偽りのないかつ公明正大な回答を書面にて頂きたくお願いいたします。
日本国は、憲法にあるとおり、主権在民の平和的民主主義国家であることは貴官も十分ご承知と思いますのでその想いを共有いただき速やかに真摯なご回答をお願いする次第です。
以上、宜しくお願い申し上げます。以下、別紙:「公開質問状質問事項」を示します。
質問は、全部で25項目(質問数は大小47件)となります。
別紙: 公開質問状質問事項<文中青字記述部分は、防衛省説明会回答の要点>
1)、<基地建設計画は防衛省としての決定事項か?>
①、現時点で馬毛島基地建設計画は、国として国会審議/閣議を経て正式に決定したも
のであるとは認識していないが、それで正しいか。
②、説明会では<防衛省としてもまだ決定事項ではない。今後、諸課題を調整・解決しながら進めている段階である。予算化は、その結果をふまえてR4年度に行う予定である。>と説明されたが、全体的な説明トーンは、<建設は決まっているが、建設開始時期はまだ、決まっていない>と聞こえた。改めて確認したいが、「建設そのものはまだ決まっていない。今は計画策定途上であり、環境アセスメントの結果が、島民の懸念・心配ごとをクリアできなければ、建設中止もあり得る。」と理解してよいか。
③、12月9日から始めると報道されている港湾建設を前提とした「ボーリング調査」は「環境アセスメント」の結果でOKが出てから実施すべきだと思うが何故急ぐのか、その順序が逆ではないか、との疑問がありこの問に回答願いたい。
2)、<市長選の結果と民意の尊重>
①、地元では、近々市長選がある。基地反対候補が市長になった場合は、この計画はどうなるのかの問いに、答えは<引き続き市長と協議しながら本計画を進めて行くことになる。>:だった。民意を尊重するのであれば、基地建設反対の民意が示されたという事で建設計画を撤回すべきと思うが如何か。
3)、<基地建設予算>
①、本基地建設にいくらの予算を見込んでいるのか。「概算でいいから示してほしい。」
との問いに<現時点では、まだ金額は出していない。>:との答え。概算を出してい
ないのならまだ計画は策定中であり決まったものではないと理解するがそれで間違
いないか。ちなみに、政府が纏めつつある来年度(令和3年度)の馬毛島基地関連予
算はいかほどか。
4)、<ボーリング調査の漁業への影響と馬毛島好漁場の喪失等>
①、この問いに<ほとんど影響ないと考えている>:との回答だったが納得できる説明ではない。調査に続いて「1万トンを超える軍艦用の港湾建設」が行われれば素人考えでも現在の好漁場が破壊されるのは明らかである。
5)、<漁業で生計を立てている漁師の死活問題>
①、実際に港を造り、それが1万トン級の軍艦が接岸する港になるとすれば、周辺海域
の現状を大きく変える大工事になるはずであり、現在の好漁場としての馬毛島は消滅
することになる。そこで生計を立てている漁師の死活問題となる。これまで先祖代々
引き継ぎ、これからも子・孫へと引き継いで行こうとしている好漁場を失うことは、
一時しのぎの漁業補償金で済むことではないと考えるが如何か。
6)、<種子島振興策観光業への影響と島民離島の続出>
①、「基地と観光は両立する」との答えの根拠と事例を問う。基地の島に観光客は来ない。又、移住者も、自衛隊、防衛省関係者以外は来なくなる。昔から種子島に住み島を愛する島民からも、これまでの平穏で静かな生活環境を失うことで、島を離れる人が大勢出るのは必定であり、種子島の「基地の島」化となる。これをどう考えるか。その責任を誰が取るのか。
7)、<環境アセスメンと騒音問題解決との因果関係>
①、環境アセスメントは、馬毛島基地建設計画のYES/NOを判断する為に行うものと理
解しているが、基地建設は決まっており、防衛省の環境アセスメントに関する説明は、基地の影響を懸念する民意を一時的に緩和する謂わば形式的に行う言い訳策・気休め策に聞こえる。決してそうではないことを納得できるように説明して欲しい。机上の空論や一般論ではなく事例をきっちり示し、その客観性、正確性、公正性、を担保して、島民の心配・懸念を払拭し、その保証ができる説明を願いたい。
②、いっそのこと、現在の硫黄島でFCLP訓練時の測定をやってもらいその結果を教え
てもらいたい。その方が時間と費用が削減でき賛成反対双方住民の納得性も高くなる
良策ではないか。<既にその要望を受け、実施を前向きに検討している>との事だった
ので、まずは硫黄島でその実測を早急にやって貰いたいが如何か。
8)、<環境アセスメントの評価規準及び結果の開示>
①、環境アセスメントについてその評価基準は、事前に種子島島民にオープンされるか。
<12月1日説明会回答:オープンにする。> 了解した。オープンは包み隠すもの
のないようにお願いする。
9)、<敵国よりの攻撃標的になる可能性>
①、攻撃用の砲弾やミサイルが格納される火薬庫のある馬毛島が(有事の場合)、敵国よりの攻撃の標的になる可能性は絶対ないと言えるか? 逆に敵国に対する攻撃基地になる可能性はどうか?
②、そうならない為の防衛省としての対策・施策をどう考えているか? 地位協定の関
係も考慮の上、公正で偽りのない回答をお願いする。
10)、<訓練飛行時の飛行経路の詳細>
①、FCLP訓練の飛行経路についての問に <種子島上空にはかからない>との答えだ
ったがほんとうにそうか? 自衛隊訓練でもそうか?
②、訓練の為に戦闘機が岩国基地から馬毛島に飛来する場合の飛行経路はどのように考えているか。<12月1日回答:種子島上空は飛ばない>。全部海上ルートという事か? 検討中の案でも構わないので回答願いたい。
③、説明会時出た質問だが、「滑走路2×進入方向2×旋回方向2=8」で全てで
8通りの飛行経路が考えられる。実際行われるのはどれとどれで何通りか。飛行経路
を図示して説明願いたい。
④、計器飛行方式と有視界飛行方式の時間及び回数の訓練割合は何%と何%か。
⑤、訓練時の着艦待機戦闘機の空域は不要との事だが、一機ずつタッチ&ゴー訓練を終了して着艦完了後、次の戦闘機が続いて発艦着艦する形の訓練になるのか。
<12月1日説明会回答:複数機連隊で離艦着艦を繰り返す。> のであればそうではなく上空にいる訓練機の待機空域は必要ではないか?
⑥、安全上の理由以外で、米軍戦闘機が上記飛行経路を外れることはないか。その場合
防衛省として米軍にどう対処するのか。基地使用を断ることもあり得るか。
⑦、通常のFCLP訓練時の、戦闘機が発艦してから着艦するまでの速度と高度の変化 を示して頂きたい。
11)、<戦闘機訓練時の種子島への騒音の到達状況と程度>
①、訓練中の戦闘機が種子島に最接近時、西海岸から何Km先まで騒音が届くのか、
その場合種子島の馬毛島から反対側の東海岸にある民家への騒音の大きさはどの程度になると見込まれるか。又、騒音到達距離は、風向きにより大きく変わると思われ、西風強風の場合はより遠方に届くはずであり、その時は更に何キロメートル先までその騒音が届くことになるか。
②、深夜は、蚊の音でも眠られなくなる島だが、馬毛島に面した西海岸沿いの民家
におけるFCLP訓練戦闘機による騒音の程度は最悪の場合で下記のどれか。
*テレビの声が聞こえなくなる。*室内の会話ができなくなる。*煩くて仕事に集中
できない。*睡眠が妨げられる。*病的ストレスで通常の生活が困難になる。
12)、<馬毛島の本格的軍事基地化による種子島島民の生活環境悪化の影響>
①、今日、防衛省が説明した馬毛島基地計画は、当初(2011年6月)発表の単なる米軍FCLP訓練基地ではなく、本格的な自衛隊基地を新規に造り、それを米軍にも使わせFCLP訓練をさせる基地という事だ。米軍だけでなく、自衛隊の軍用機・戦闘機の訓練もそこで行い、年間150日もの訓練をやる、しかも、昼間だけではなく深夜の3時まで訓練するという事なので、当初,年2回20日間だけ米軍のFCLP訓練時期を我慢すればいいと思っていた島民にとっても、土日や悪天候の日を除けば、ほとんど毎日、しかも昼夜間断なく軍用機・戦闘機の訓練が馬毛島で行われる事になり、種子島の平穏で静かな従来の生活環境がほとんど破壊されることになる。このことに対して防衛省としてどう考えどう対処するつもりか。
13)、<国会審議の必要性とその時期>
①、この馬毛島基地問題は、もはや1馬毛島の問題ではなく、鹿児島県、国、更には国際安全保障問題まで関わる国政上の最重要課題である。よって国会での十分な審議が必須と思われる。防衛省としては何時この馬毛島問題を国会審議に付す予定か。
14)、<今後の日本の安全保障問題と日米地位協定問題の解決>
この馬毛島問題に関する反対意見や疑問が解消できない背景には、根本的な問題として以下の3点が考えられる。これらに対する防衛省としての対応・取り組みを聞きたい。
1. ① 、日米安保条約・日米地位協定の非対象性(不平等性)を解消するための日米政府
間の十分な話し合いができていないのではないか。
1. ② 、この問題を戦後(特に冷戦終結後)日本政府は、与党野党を問わず政治問題化する
事を敬遠し避けてきた。よって問題解決が先送りされ問題が残ったまま推移している。
1. ③ 、日本国民一般も安保を含む政治問題には関心が薄く、結果選挙への投票率も年々
下がっている。
種子島では、今後の島民生活を左右する馬毛島問題の顕在化により、地位協定問題も俄かにクローズアップしており、その解決には国の本問題に対する本腰を入れた取り組みが必要であると認識している。そして馬毛島問題は、島民にとっては現下のコロナ禍に劣らぬ生活と命に関わる大問題であり、同時に種子島島民を超えて、全国の米軍基地や自衛隊基地に隣接する全ての地域住民の問題でもある。よって、国(政府)や自治体(行政)による当問題解決への全力投球を期待するものである。
15)、<米軍FCLP訓練基地の硫黄島から馬毛島への移転理由>
硫黄島の現FCLP訓練基地で従来どおり訓練が何故できないのか大いに疑問である。
防衛省の住民説明会で、現硫黄島の米軍FCLP訓練基地を馬毛島に移転する理由を3点あげている。それは、下記であるが、以下、<それぞれの疑問を<青字>で示す。
1. ① 、艦載機の基地岩国から1400Kmの距離にある硫黄島基地では、岩国から硫黄
島に往復する際、機体にトラブルがあった場合緊急着陸用の飛行場が確保できないので安全性に大きな懸念がある。<近くに空母を配置しておき空母に緊急着陸すればいいのではないのか。>
1. ① 、硫黄島の火山活動が活発化しており火山活動による地面隆起で硫黄島基地内の施
設の維持・補修が困難になる。<そのような基地設備があるとは思えないがどんな
設備なのか。これまでそのような事実があったのか。事例で示して欲しい。>
1. ② 、硫黄島付近が悪天候の場合は、厚木で訓練を行うことになるが、厚木では多数の
住民より騒音苦情が寄せられており住民に多大の迷惑をかけているのでこれを解決したい。< 厚木で迷惑をかけている訓練を、種子島に移すというのは、種子島住民を愚弄しているとしか思えず決して受け入れることは出来ない。馬毛島ならそういうことにはならない事を種子島住民にちゃんと説明できるのか。環境アセスメントで証明できるのか。これまでの騒音に関する防衛省の説明は全く信用できないし納得できない。
本来、訓練をやれる天候かどうかは、現地に気象予報の専門家を置いて事前に確認することが出来るはずであり、悪天候の場合は厚木で訓練をするのではなく、硫黄島での訓練日程の変更をして硫黄島で行ってもいいのではないか。>
16)、<米軍FCLP訓練基地の硫黄島から馬毛島への移転メリット>
馬毛島FCLP訓練基地のメリットを、①:訓練の効率性・安全性の確保、②:火山活動による基地施設整備への支障軽減、③:騒音等の周辺環境に与える影響が限定的、の3点が挙げられている。<これに対しての種子島住民としての疑問を下記する。>
1. ① :毎日何千機もの民間航空機が、数千キロの距離を無着陸でしかも数百名の乗客
を乗せて安全・無事に飛んでいる。せいぜい数十機と想定される戦闘機が何故それをできないのか不思議である。僅か1400Kmの距離である。パイロットの練度の問題があるとしてもそれは、タッチ&ゴー訓練の限定時であるので、硫黄島近辺に念のため空母を置いておくとか、硫黄島基地そのものをそれに対応できるよう整備して置くことで解決する問題だと素人考えでは思うが如何か。馬毛島移転を前提に、取って付けたような理屈で島民を騙さないでもらいたい。子供騙しはやめて欲しい。島民の生活と命そして安心・安全が掛かっている大問題なのである。
1. ② :馬毛島近辺には、硫黄島(イオウジマ)と口之永良部島という二つの活火山島が
ある。しかもこの地域は、昔、「鬼界カルデラ大噴火」が起こり数百キロにわたり動植物が死滅する大災害が起こった場所である。そこを現硫黄島(いおうとう)より安全で施設整備の支障が軽くなるとする根拠を説明して欲しい。それよりも、東シナ海特有の冬の北西季節風(これは台風並みの強風で冬は概ね三日ごとに吹く)とそれによる塩害は、現硫黄島よりよほど施設備品整備上配慮しなければならない支障事項である。このことを馬毛島基地企画担当の自衛隊関係者は十分承知しているのか疑問である。
1. ③ :これは、現在、厚木基地、岩国基地、沖縄基地、その他基地の周辺に住んでいた
人々(基地から10Km以上離れているところに住んでいる人々も含む)の体験談やメディアの関連報道から決して影響が限定的とは言えないと認識している。騒音問題については、わざわざ環境アセスメントの結果を待つまでもなく、現地調査で十分と思う。それにより白黒をできるだけ早期にはっきりさせたい事項である。如何か?
17)、<馬毛島漁業者によるボーリング調査差し止め訴訟>
①、今月12月11日、馬毛島で漁をしている漁業者17名による「ボーリング調査差し止めの訴え」が東京地方裁判所で受理された。ボーリング調査実施に対する漁業組合員の賛否投票は、実際に馬毛島で漁をしている漁師たち40名が投票をボイコットするなど尋常でないやり方であった為、この賛否が果たして組合員総意による公正で民主的な投票での意思決定であったのか疑問が残っている。漁業組合長は、前言を覆して賛成として鹿児島県に申請し、それが県知事のボーリング調査承認の決定につながった経緯がある。防衛省においてもこの事実関係の確認をして頂きたい。漁業組合長は、自衛隊出身者であるという事なので、なおさら確認の必要ありと考える。司法による調査はいずれ行われると思われるが、この所見にたいする防衛省の見解を伺いたい。
18)、<厚木基地におけるFCLP訓練騒音問題の状況確認等>
①、環境アセスメントの結果、防衛省提示の騒音コンターの範囲が種子島にかかった場合、
計画を修正、或いは、撤回するのか。それとも、住宅の防音工事等で対処するだけなのか。
②、2017年の厚木基地における米軍FCLP訓練時に殺到した騒音苦情の発生件数を、厚木基地からの距離別に知りたい。半径10Km範囲内及び同10Km範囲外での件数を教えて欲しい。又、最も遠い距離からの苦情は基地から何Kmの地点であったのか。
③、自衛隊機によるFCLP訓練飛行経路を検討中との事だが、現時点での検討内容を教えて欲しい。
19)、<海上ボーリング調査、係留施設建設、基地建設、等の各工程工事関連事項>
①、各工事につき、・工事海域、・漁業制限海域、・漁業補償、・工事期間、工事後の漁場復
活可否、の5項目について回答願いたい。
②、基地全体が完成した後、馬毛島周辺での漁は可能か。制限されるとすればその範囲
は、いかほどか。
③、基地全体が完成した後、現葉山港の一般使用は可能か。
20)、<遺跡、文化財、及び、馬毛島自然の保護・保全>
①、西之表市が要望している立ち入り調査は受入れ可能か。その時期はいつか。防衛省による遺跡や文化財の保護・保全作業はどこまでやる予定か。
②、西之表市の所有となっている市道や旧小中校跡地や校舎等は、今のままとなるのか。
立ち入り、利用は可能なのか。それともこれらも買収するのか。そのほかの私有地は?
③、馬毛鹿を含む馬毛島に生息している動植物の保護・保全を防衛省でどう考えてい
るか。現時点での馬毛鹿の生息数はいかほどと把握しているか。基地完成後の生息数は、
何頭ほどを予測しているか。
21)、<馬毛島周辺海域における漁船等の進入禁止区域設定による漁場喪失/漁業廃業>
①、馬毛島に常時戦闘機訓練を行う本格的軍事基地が出来れば、その周辺海域は広範囲に進入禁止区域が設けられ漁船が入れなくなる可能性を否定できない。ちなみに、南種子町にある宇宙センターでのロケット打ち上げの際は、センター周辺の3Km以内は、人や車両の進入を禁止される。訓練戦闘機は、ロケットより水平方向に飛び、機数も数十機と多く、しかも人が操縦する機体でありロケット打ち上げ以上の危険性が見込まれ、3Km以上の広範囲の進入禁止区域が必要になると思われる。その広さは半径何Kmになるのか?
②、日常的に深夜まで訓練が行われるという事なので、仮に漁場が復活したとしても、この進入禁止区域が出来れば、種子島の漁師は馬毛島では全く漁業ができなくなる。これは、完全な漁場喪失であり、国がこれらの漁師に馬毛島での漁業を止めろと云っているに等しい。それこそ憲法に保障されている国民の職業選択の自由を侵害することにもなりかねず一種の人権問題ではないか。そうだとすれば、馬毛島軍事基地の建設計画の撤回を求めるのは当然であり、もし強行しようとするのであれば、本件を含めて事前に馬毛島問題の可否を国会で充分審議すべきであると考えるが如何か。
22)、<ボーリング調査における監視活動の理由>
①、12月13日、馬毛島のボーリング調査の現場で、海上保安庁の船や数隻の恐らく防衛省が傭船したと思われる漁船により、現地の様子を見に行った現場の漁業権を持つ漁師と一部の島民が厳しい監視と航行の自由を規制された。この防衛省の監視と航行の規制活動は何のためにやっているのかその理由を問いたい。又、それをやれる法的根拠は何か説明願いたい。
23)、<防衛省と地元住民との相互理解を深める方策の構築>
①、島民/市民の間には、もう国が決めたことだから後戻りはできないというあきらめの意見がある。しかし、防衛省はまだ決まっていないとしており、国会審議も未了どころかまだ始まっていない。地元住民としては、正しい十分な情報に基づき一人一人の市民が島の将来をよく考え、今ある島の宝(歴史・自然・文化)を守り抜き、子々孫々までこれを残して行くという責任感と、島を愛する者なら当然そう考える価値観にもとづき意思決定をしなければならない。島の将来へ負の遺産を残し禍根を残す意思決定を
二度としてはならない。当然だが、防衛省関係者は、基本的にはまだ、種子島のことを
よく知らず、島民のこのような心情をよく理解できていなであろうから、今回の説明会が
本質問状の頭書きに述べた事態になった事は、ある程度やむを得ない部分もある。馬毛島
問題の解決には、両者の十分な相互コミュニケーションが必要であり、その仕組みをどの
ように構築して行くか今後の課題である。それには、この質問状への防衛省側の真摯な
回答がまずその嚆矢になると思慮する。よって、そのように是非お願いしたい。
24)、<当公開質問状最後の総括的所見>
1. ① 、国は現下の特に東南アジア地域安全保障情勢への対応の必要性から、防衛省の判
断でこの計画が進められようとしている。この馬毛島の軍事基地化の現場である種子島の島民にとっては、縷々述べたように多くの深刻な懸念・心配ごとがある。これらが解消されないかぎり受け入れることの出来ない基地建設を、国の方針である、国が決めたことである、との論法・論拠で進めないで頂きたい。その事を理解してもらうため最後に下記駄文を記す。
「好い天気の日に高台に登って馬毛島を眺めると、左には世界自然遺産屋久島の標高2000m級の宮之浦岳、馬毛島の後ろには常に噴煙をあげている活火山硫黄島、その右には薩摩富士と言われる優美な形の開聞岳、そして本土最南端佐多岬に連なる大隅半島、これらを一望できる何とも雄大な180度のパノラマが広がっている。その中央に位置する馬毛島は、種子島のすぐ目の前にあり、基地が出来れば、そこに日常的に戦闘機が飛ぶことになる。これは、鹿児島県で言えば、鹿児島市のすぐ目の前にある桜島に軍事基地を造るに等しく、日本国で言えば、皇室の御用邸もある国内有数の景勝地葉山海岸、そこからはヨットの行きかう相模湾の江の島を望みその背景に日本の名峰富士山を望む、その江の島に軍事基地を造るようなものであり、誰しもこれには賛同できないであろう。この心情は、日本人なら誰でもすぐ理解できるはずだ。馬毛島基地化に関しても、全く同様のことが言えるわけで、これは種子島島民の切実な問題であると同時に全国民共通の問題でもあると考える。」
25)、<関係者の公明正大で良識と分別ある判断の切望>
①、最後に、本件に対する、関係者の公明正大で良識と分別ある判断を切望することを申し上げて今回のこの公開質問状の結びとします。
以上
(ご回答に当たってのお願い)
本公開質問状への回答は、各質問に付したID番号:N)、①、②・・・毎に、番号を付してご回答願います。それからご回答の期限ですが、今後の相互信頼を損なわないためにも新年1月8日(金)までには是非ご回答いただきたく宜しくお願い申し上げます。
12月22日 南日本新聞
〈馬毛島調査〉「警戒船業務外に報道関係者乗せるな」 種子島漁協、組合員に指示 防衛省の専念要請受け

海上保安庁の船舶(手前)が警戒する中ボーリング調査の準備が行われる作業台船=21日午前10時58分、西之表市馬毛島沖
西之表市馬毛島沖の海上ボーリング調査を巡って、警戒船を防衛省に提供する種子島漁協が同省から、「警戒業務のみお願いする」との要請を受けたとして、「海上タクシー」の免許を持つ組合員28人に対し「警戒船の業務外に報道関係者を乗せないように」と指示していたことが21日、分かった。同省は「報道関係者を乗せないなど取材制限をするような指示は一切していない」としている。
同日、同漁協の参事は、九州防衛局種子島連絡所から「警戒業務のみお願いする」との電話連絡を受けて、指示を出したことを認めた。
指示は20日午前中、携帯メールで回された。馬毛島でボーリング調査への抗議活動が21日に予定されており、多くの報道関係者が警戒船業務のない漁船を予約していたが、「報道陣を乗せると、今後防衛省の仕事が請けられなくなる」と予約を断られる事態が相次いだ。
参事によると、馬毛島沖に作業船が向かい海上ボーリング調査の準備が始まった13日、警戒船業務外に報道関係者を乗せた船が、防衛省が定めた警戒線の中に入って作業船に迫る事態があり、同省は神経をとがらせていた。その後も同様のケースが2回続いたことで「警戒業務のみお願いする」との連絡があったという。同省も漁協も警戒線の範囲を公にしていない。
参事は「経緯から、報道関係者の利用を抑制する指示と受け止めた」と話した。
第10管区海上保安本部によると、21日に作業船に近寄った船に注意を呼び掛けたが、それ以外に警戒区域内に入った船は確認していないとしている。
資料集:2月19日より縦覧始まった、「馬毛島基地」建設事業に係るアセス方法書
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-1019.html
*以下の文書を掲載しています!
(1)環境影響評価方法書
第0章 馬毛島基地(仮称)建設事業に係る環境影響評価方法書(表紙・まえがき・目次)
意見書用紙
(2)環境影響評価方法書のあらまし
![環境影響評価方法書のあらまし0001[1]](https://blog-imgs-142.fc2.com/r/y/u/ryukyuheiwa/202102202305104ec.jpg)
(3)馬毛島基地(仮称)建設事業に係る環境影響評価方法書(要約書)
関連記事:馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。2022年度の着工・24年度末工事完了、25年度には米軍FCLP運用開始⑤
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-984.html
関連記事:馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。2022年度の着工・24年度末工事完了、25年度には米軍FCLP運用開始④ *防衛省「馬毛島における施設整備」掲載しています。
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-975.html
関連記事:馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。2022年度の着工・24年度末工事完了、25年度には米軍FCLP運用開始③
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-938.html
関連記事:馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。2022年度の着工・24年度末工事完了、25年度には米軍FCLP運用開始②
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-865.html
関連記事:馬毛島、米軍訓練FCLP移転を名目に種子島と併せ自衛隊の拠点化を図る。2022年度の着工・24年度末工事完了、100名規模の空自「馬毛島基地」配備、25年度には米軍FCLP運用開始①
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-824.html
馬毛島への米軍施設を許さない市民・団体連絡会 HP
http://www.mageshimabeigunshisetsuhantai.com/wp/
DEMO RESE Radio#18
「今、無人島・馬毛島が熱い!!」
part1 https://youtu.be/2-vYJ2boge0
part2 https://youtu.be/DsTgUznQ79o
part3 https://youtu.be/PXWIlRCpgcA
part4 https://youtu.be/I5g3SWx_8vs
5月27日 MBC NEWS
馬毛島ボーリング調査延長 地元漁協が同意
防衛省は、アメリカ軍の訓練移転候補地、西之表市・馬毛島での自衛隊基地整備に向けた海上ボーリング調査を1年延長したい意向です。
27日は地元漁協が対応を協議し、延長に同意することを決めました。
防衛省は、馬毛島に自衛隊基地を整備した上でアメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練を移転させる方針で、去年12月から島の東側で港湾施設建設ための海上ボーリング調査を行っています。
調査は当初、今月末までの計画でしたが悪天候で作業が難航しているため、今年8月13日から来年5月31日まで延長したいと地元の種子島漁協に伝えていました。
防衛省が調査を延長するには、種子島漁協の同意書と西之表市の意見書を添えて県に再び申請する必要があり、漁協は27日、理事会を開いて同意するのかどうか話し合いました。
浦添孫三郎組合長によりますと、防衛省は6月1日からおよそ2か月のトコブシ漁期には作業をしないとしていますが、これに加えてキビナゴ漁などにも影響が出ないことを条件に同意することを、出席した組合長・理事の5人の全会一致で決めたということです。
(種子島漁協浦添孫三郎組合長)「キビナゴ漁のほかに一本釣りや刺し網漁もある、そういう漁に支障がないやり方でやってもらいたいという条件を入れる。防衛省にこれをのんでもらわないといけない」
漁協は、条件について防衛省と調整でき次第、同意書を提出する方針です。
5月26日 南日本新聞
馬毛島騒音デモ飛行「判断材料に」「実態は違う」 鹿児島県知事と西之表市長、異なる所感 防衛省、2回目実施
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備計画を進める防衛省は25日、航空自衛隊新田原基地(宮崎県)所属のF15戦闘機による2回目のデモ飛行を島上空で行い、訓練時の騒音の程度を住民に示した。いずれも視察した鹿児島県の塩田康一知事は「住民の判断材料になった」と強調した一方、同市の八板俊輔市長は「実態とは違う」と指摘し、受け止めが異なった。
平日の11日(予備日12日)に予定した1回目が悪天候でできず、振り替えた。午後3時半~4時40分の日中に6機、午後6~7時すぎの日没前後に2機が飛んだ。日中は8経路を1周ずつ、日没前後は4経路を各2周した。高度は非公表。西之表市の天気は晴れ。日中は西北西の風平均5.4メートル、日没前後は西の風平均5.9メートル。
防衛省によると、滑走路を甲板に見立て着陸後すぐに再加速し離陸するタッチ・アンド・ゴーの音量に近づけるため、島上空を通過時にエンジン出力を上げた。同省職員が西之表市、中種子町の計8地点で騒音を測り、後日結果を公表する。前回測定した南種子、屋久島、南大隅の3町と三島村は今回外した。
鹿児島県は熊毛支庁(同市)屋上で音量を計測。日中の飛行前が47~55デシベルで最大値は60.4デシベル、日没前後は飛行前46~50デシベル、最大値67.0デシベルだった。
1回目を行った日曜の16日に続き、塩田知事は支庁から視察し「住民も平日と休日を比較できたと思う」と意義を語った。米軍機でなく自衛隊機、タッチ・アンド・ゴーもしないデモ飛行に「今できる範囲でやってもらった」と理解を示した。
前回と同様、日中の飛行を市役所から視察した八板市長は「実際の訓練の音や質を想像するには不足している。実施したことに意味があるが、これだけで判断できない」と指摘。市民がFCLPに近い音を実感できる他の方法がないか、同省と協議するとした。
5月25日 MBC NEWS
馬毛島上空に戦闘機 2回目の騒音調査
アメリカ軍の訓練移転候補地・鹿児島県西之表市の馬毛島上空で、騒音を測定するための自衛隊の戦闘機による試験飛行。今月16日に続いて25日に2回目が行われています。
馬毛島上空を飛行する航空自衛隊のF15戦闘機。国は馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPを移転する計画で、その騒音を心配する住民らの要望を受けて、今月16日に続く2回目の試験飛行が25日に行われました。
1回目の試験飛行では種子島、屋久島、南大隅町、三島村の竹島の合わせて14か所で音を測定し、速報値では西之表市街地で最大68デシベル、セミの声と同程度の音を測定。西之表市、中種子町以外では測定されなかったとしています。
この時は日曜日だったため、比較のために2回目は平日の25日に行われ、種子島の8か所で音を測定します。
塩田知事は1回目に続いて、今回も西之表市にある熊毛支庁の屋上から音を確認しました。25日午後3時半から4時40分ごろまで行われた日中の試験飛行では、県の測定では60.4デシベル、走行中の自動車内程度の音が測定されました。
(塩田知事)「前回は休日で生活音が静か。前回に比べると大きくはない結果になっているのではないか」
音を聞いた住民は。
(住民)「波の音のほうが大きくて聞こえない」
(住民)「全然聞こえない」
一方、西之表市の八板市長は。
(八板俊輔市長)「機数も違うし、回数も違いますし。戦闘機の発する音というのは、いわゆる騒音のレベルだけでは測れないものがあるので、そういうことを想像するには不足している」
25日は夜間の音を測定するための試験飛行が、午後6時から午後7時半まで行われ、測定結果は後日公表される予定です。
なお、防衛省は訓練移転に向けた自衛隊基地整備のための海上ボーリング調査が、悪天候で難航していることから、今月末の期限を来年5月末まで最大で1年延長する方針を種子島漁協に伝えていて、漁協は同意するかどうか、27日に理事会を開いて協議する予定です。
5月25日 南日本新聞
馬毛島周辺の海底調査 防衛省、最大1年延長の方針を打診 トコブシ漁の期間は作業中断 種子島漁協、27日協議

西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)を伴う自衛隊基地整備計画に絡み、島周辺で海上ボーリング調査を進める防衛省が、地元の種子島漁協に5月末の調査期限を最大1年延長する方針を伝えていたことが24日、同漁協への取材で分かった。漁協は27日に理事会を開き、同意するかどうかを協議する。
浦添孫三郎組合長らによると、防衛省の担当者が21日、同市の漁協を訪れ、市内21小組合の代表に説明。島周辺のトコブシ漁の漁期に当たる6月1日~8月12日は作業しないとし、予備日を含めて来年5月末までの期限を示した。
調査は基地建設に向けた港湾施設整備のため、昨年12月に始まった。島東海域の最大37カ所で予定するが、しけなどの影響で海底の土砂採取が難航。5月17日時点の終了箇所は11カ所にとどまる。
調査を許可した県によると、期間を延長する場合、地元漁協の同意書と地元自治体の意見書を添え、県に再度申請する必要がある。
浦添組合長は取材に「防衛省の方針を受け入れるかは理事会で話し合うまで分からない」と語った。同市馬毛島対策係は「まだ防衛省から話を聞いていない」としている。

5月25日の沖縄タイムス紙面

5月19日の南日本新聞紙面
2度やっても、結論ありきの、
出力まで落として実態とはかけ離れたデモ飛行、騒音レベルは最大68デシベル「セミの鳴き声」
5月21日 南日本新聞
「想像したほど大きくなかった」馬毛島F15騒音デモ飛行 見学後の感想報告 南種子町議会
南種子町議会は21日、馬毛島移設問題調査特別委員会(浜田一徳委員長、9人)を開き、航空自衛隊F15戦闘機による西之表市馬毛島上空でのデモ飛行を巡り、非公開で意見交換した。終了後、浜田委員長は「想像していたほど大きな音ではなかったとの報告を受けた」と説明した。
町議会は16日のデモ飛行当日、西之表市住吉、中種子町牧川、南種子町島間の3班に分かれて見学した。
浜田委員長によると、「機体がしっかり見えた。遠くで雷が鳴ったような音だった」(西之表市班)「機体が最接近しても会話ができた」(中種子町班)「耳を澄まして音が聞こえる程度」(南種子町班)との報告があった。一方で「(滑走路を甲板に見立て急降下、急上昇する)タッチ・アンド・ゴーがなく、高度もあったため参考にならない」といった意見も出たという。
同特別委は昨年4月に設置され、今回で8回目。馬毛島への米軍機訓練移転に伴う自衛隊基地整備計画について一定の調査ができたとして、6月定例会で活動を終えることを確認した。
5月20日 南日本新聞
平日に再びF15騒音デモ飛行 馬毛島 防衛省、実施日は2日前に公表
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転計画を進める防衛省は20日、悪天候で1回目の平日の11日(予備日12日)を見送った航空自衛隊F15戦闘機によるデモ飛行を再実施すると発表した。天候を見て2日前に実施日を判断、公表する。平日との比較が目的のため土日は除く。
空自新田原基地(宮崎県)所属の戦闘機を日中(午後3時半~4時半)に6機、日没前後(同6~7時)に2機を島上空で飛ばす。時間はずれる可能性がある。音量測定の結果は後日公表する。
デモ飛行はFCLPの騒音の程度を示す狙い。平日と、休日の15日(予備日16日)の計2回を予定したものの天候不良が続き、16日しかできなかった。
5月17日 南日本新聞
馬毛島デモ飛行 音量速報値 西之表で最大68デシベル 防衛省

馬毛島デモ、地図と表
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転計画を進める防衛省は17日、航空自衛隊F15戦闘機による16日のデモ飛行時に周辺6市町村の計14地点で測った音の速報値を発表した。西之表市の種子島合同庁舎の68デシベルが最高で、1回目の飛行の日中(午後3時半~4時半)に出た。騒音の目安で高速道路を走行中の車内やセミの声に例えられるレベル。
訓練音の程度を示すため、日中に5機が目視・計器飛行方式による計8経路を各1周、日没前後(午後6~7時)に2機が計器方式の4経路を各2周した。防衛省職員が種子島1市2町、屋久島町、南大隅町、三島村竹島で計測。瞬間的に確認された最大値を公表した。観測地点の当時の風向きは南南西だった。
走行中の車内やデパート店内レベルとされる60デシベルを日中に超えたのは同庁舎のほか、西之表市の大崎地区(63デシベル)と住吉地区(60デシベル)の計3カ所。日没前後は同庁舎(66デシベル)、大崎地区(60デシベル)。
中種子町の2地点でも、エアコンの室外機レベルに近い40デシベル後半の数値が出た。南種子、屋久島、南大隅の3町と三島村の計6地点は飛行前と比べ、明らかな変化はなかった。
防衛省は速報値の公表を「早期に客観的な情報を提供するため」と説明。手続きが進む環境影響評価(アセスメント)に今回の実測値を反映させない。今後、数値を分析し、詳細な結果を改めて公表する。
5月17日 MBC NEWS
馬毛島上空を戦闘機が試験飛行 騒音は?
アメリカ軍の訓練移転候補地・鹿児島県西之表市の馬毛島上空で、16日、自衛隊の戦闘機による試験飛行が行われました。訓練に伴う音の大きさを調べるためのものでしたが、音の大きさをどう評価するのか?地元の意見は分かれました。
(記者)「私は今、馬毛島から12キロほど離れた西之表市役所にいます。戦闘機は肉眼ではほとんど確認できませんが、ときおりゴーっという低い音が聞こえます」
国は、馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPを移転する計画です。訓練の騒音を心配する住民らの要望などを受けて行われた試験飛行。FCLPで使われる戦闘機と音量が近いとされる航空自衛隊のF15戦闘機が島の上空でエンジン出力を大きくすることでFCLPの音を再現するとして、午後2回行われました。
塩田知事もおよそ12キロ離れた熊毛支庁の屋上でその音を聞きました。県の測定では最大で71.7デシベルと、セミの声と同程度の大きな音が観測されましたが、知事は具体的な評価は避けました。
(塩田知事)「生活をする上でどう感じるか、住民のみなさんそれぞれ。実際に感じたことを判断材料としていただけたら」
訓練移転に反対している西之表市の八板市長は、市役所で音を確かめました。
(八板市長)「実際の(訓練で使用されている)戦闘機の音を聞いたことがあるが、それとは全然違うという印象を持った」
西之表市の住民は・・。
(住民)「気を付ければ聞こえる感じ、普通に生活していたらわからないレベル」
(子ども)「(音はどうだった?)大きかった。(気になる?)うん」
(住民)「普通の飛行機みたい。(生活に支障は)ぜんぜんないです」
(住民)「きょうだけでは判断できない」
(訓練移転に賛成 馬毛島の自衛隊・FCLP訓練を支援する市民の会 杉為昭事務局長)「生活に支障、耳障りというような音ではない。デモフライトにしても相当な金額をかけて市民、島民の期待に応えていただいたのでありがたい」
(訓練移転反対 馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会 三宅公人会長)「あれが夜中に来たら大変、あの程度でも。本当にFCLPをやったら夜も眠れないと思う。FCLPの片りんを予想するには十分な感じはする」
戦闘機とみられる音は、およそ45キロ離れた屋久島でも聞こえました。
防衛省は16日、種子島の1市2町と屋久島町、南大隅町、三島村のあわせて14か所で音を測定。17日夕方、その速報値を発表しました。
14か所のうち音が最も大きかったのが、西之表市街地にある合同庁舎で、日中68デシベル、夜間66デシベル。セミの声と同程度の音量です。また、中種子町では一部で50デシベル近い音も観測されたものの、南種子町、南大隅町、三島村では観測されなかったとしています。防衛省は今後、さらに詳しく分析し、結果を公表する予定です。
音の感じ方については地元の意見が分かれた今回の試験飛行。その結果を踏まえ、今後、訓練移転を巡る議論がどうなっていくのか注目されます
5月16日 MBC NEWS
馬毛島上空で防衛省が試験飛行
アメリカ軍の訓練移転候補地・鹿児島県西之表市の馬毛島上空で、防衛省が16日、飛行に伴う音の大きさを測定するために試験飛行を行いました。
国は馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPを移転させる計画です。試験飛行は飛行の際の音の大きさを測定するためのもので、当初は今月11日と15日に行われる予定でしたが、天候不良のため、16日に実施されました。
午後3時半から午後4時半までの1時間、飛行し、塩田知事も西之表市にある熊毛支庁の屋上から音を確認しました。
試験飛行は午後6時から午後7時半にかけてもおこなわれます。防衛省は種子島、屋久島、南大隅町、三島村で音を測定していて、後日、公表する予定です。なお、防衛省は17日以降の試験飛行は未定としています
5月10日 南日本新聞
馬毛島F15デモ飛行 高まる関心 騒音「実際とほど遠い結果?」指摘も 防衛省 11,15日実施

デモ飛行の事前訓練の様子を見守る住民=西之表市役所
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転計画を進める防衛省は11、15の両日、馬毛島上空で、航空自衛隊F15戦闘機のデモ飛行をする。激しい騒音が懸念されるFCLPの音の程度を住民に体感してもらう狙い。地元では関心が高まっており、計画推進派、反対派ともに「今後の議論を深める機会」と位置付ける。ただ米軍機でなく離着陸もしないため「現実とかけ離れた結果になるのでは」との指摘もある。
4月26日、デモ飛行の経路を確認するための事前訓練があった。西之表市役所では推進派、反対派がそれぞれ集まり、耳を傾けた。
判断材料
同市議で「馬毛島の自衛隊・FCLP訓練を支援する市民の会」の杉為昭事務局長(54)は「事前訓練の音は気にするほどではなかった」とする。「デモ飛行への地元の関心は非常に高い。基地ができると想定して、どんな利点や課題があるのか、反対派も含めて今後の方向性を議論する判断材料にしたい」
医師で「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」の三宅公人会長(68)は「高い場所をゆっくり飛んでいるように見えたが、腹に響く音がした」。11日は会員らが市内など5カ所で音量を測る。「戦闘機を見て、聞いて、記録しようと呼び掛けている。いい加減なごまかしをすれば分かる」と話す。
フル出力
FCLPは、FA18戦闘攻撃機などの米軍空母艦載機が滑走路を甲板に見立て、着地の瞬間にフルパワーで離陸する「タッチ・アンド・ゴー」を日中から深夜にかけて繰り返す。15日まで硫黄島(東京都)で実施しており、デモ飛行では音が比較的近いとされるF15戦闘機を使う。
馬毛島には滑走路や夜間の目印となる誘導灯がないため、離着陸できない。FCLPに近づけるため、島上空を通過時にエンジン出力を大きくする。
防衛省は「デモ飛行は地元からの要望に応えた。訓練施設がなく完全に再現できないが、現在の環境でできる限りの対応」と説明。空自の現役戦闘機パイロットによると、F15はFA18と同じ双発エンジンのため「出力を上げれば、FCLP時と似たような大きな音を出せる」という。
「アリバイ」
市民団体「鹿児島に米軍はいらない県民の会」は4月27日、九州防衛局に「住民への正確な情報提供にならない」と、デモ飛行中止を申し入れた。下馬場学副会長(65)は「米軍は経路も約束通りには飛ばない。ただのアリバイ作りになる」と訴える。
空母艦載機が配備されている米軍岩国基地(山口県岩国市)周辺では硫黄島でのFCLP前後、戦闘機の往来や訓練などで騒音が増大し、自治体に苦情が寄せられている。
FCLPの音を聞いたことがある元岩国市議の田村順玄さん(75)は「デモ飛行では実際の訓練とほど遠い結果になるのではないか。戦闘機の爆音はすさまじく、現実を知るためには硫黄島周辺や岩国で体感すべきだ」と指摘した。
言動を注視しよう!
塩田鹿児島県知事防衛省の「猿芝居」に参加。
5月8日 南日本新聞
馬毛島F15デモ飛行 塩田知事、熊毛支庁屋上から視察 音量測定器を持参、11日現地入り
鹿児島県の塩田康一知事は11日、西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転計画を進める防衛省が行う航空自衛隊F15戦闘機のデモ飛行を視察するため現地入りする。県が7日明らかにした。
県総合政策課によると、11日午後3時半~4時半と同6時~7時半のいずれも、熊毛支庁(同市)屋上から確認する。実際の音量を把握するため測定器1台を持ち込む。
防衛省は住民にFCLPの音の程度を体感してもらう目的で11、15の両日、馬毛島上空でデモ飛行を実施。屋久島、南大隅両町を含む周辺5市町の計14地点で音量を測り、実測値を後日公表する。天候不良時の予備日は12、16日。
5月1日 南日本新聞
自衛隊基地計画の馬毛島 国民からアセスへ意見557通 防衛省、概要を鹿児島県などに送付「関心高く、説明責任果たす」
防衛省九州防衛局熊本防衛支局は30日、西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)を伴う自衛隊基地整備計画の環境影響評価(アセスメント)手続きで、調査の項目や手法を示す「方法書」に寄せられた国民の意見概要を、鹿児島県や西之表市など関係自治体に送付した。これを受け県は90日以内の7月29日までに書面で「知事意見」を述べる準備に入る。
同支局が方法書の縦覧期間を2月19日~3月18日とし、4月1日まで国民から意見を受け付けていた。寄せられた計557通の内容を545項目に要約。県、西之表市、中種子、南種子、屋久島、南大隅町の関係1市4町に「意見概要書」を送付した。
防衛省は当初、概要や意見件数を公表するか未定としていたが、「計画への関心が高く、地元に説明責任を果たす必要がある」と判断。九州防衛局のホームページに掲載した。
概要によると、事業計画に関し「基地建設や訓練の具体的な内容が示されず多くの部分が曖昧」といった指摘のほか、海洋汚染も懸念される外周道路をアセス対象外としたことへの疑問も上がった。
「米軍機が大きく飛行経路を逸脱した場合の想定が必要」との声や騒音評価の手法、マゲシカなど希少生物の保護、漁業、観光業、畜産業への影響、文化財調査に関する内容が目立った。アセス手続き自体の中止を求める意見もあった。
県は5月上旬にも関係自治体の意見を照会。馬毛島と種子島で騒音や大気質、水質調査の地点確認といった現地調査をする。今回の概要も勘案し、知事意見をまとめて同省に送る。意見は公表する。
西之表市の八板俊輔市長は「どんな意見があるのかを広く知ってもらうためにも公表は好ましい」とした上で、「外周道路や港湾施設の整備による影響に触れていないアセスが妥当かという問題は残る」と話した。
塩田康一知事は「関係自治体の意見や現地調査結果、概要を十分勘案する」とコメントした。
公表は前進
沖縄大学の桜井国俊名誉教授(環境学)の話 防衛省が方法書に対する国民の意見を公表したのは前進と言える。方法書は、多額の費用をかけて進められるアセス手続きの設計図であり、ここでしっかり意見を言わないと、このまま走ってしまう。指摘された多くの懸念や課題を鹿児島県がどう扱い、反映させるのか。90日以内に出される知事意見は非常に重い。

4月30日 南日本新聞
馬毛島自衛隊基地計画「反対」52.1% 騒音や事故に不安 「賛成」は39.2% 鹿児島県内世論調査
南日本新聞社が鹿児島県内の約千人に実施した電話世論調査によると、西之表市馬毛島で政府が進める米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転を含む自衛隊基地整備計画に反対と答えたのは52.1%で、賛成とした人の39.2%を12.9ポイント上回った。反対の理由は「騒音や事故が心配」が34.4%で最も多かった。
激しい騒音が懸念されるFCLPや自衛隊機訓練の実施に向け政府が手続きを加速させる中、暮らしへの影響や安全面に根強い不安を抱えている現状が浮き彫りになった。
計画に「賛成」は14.3%、「どちらかといえば賛成」24.9%、「どちらかといえば反対」が28.5%、「反対」23.6%。「分からない・無回答」8.6%だった。
騒音や事故の懸念に次ぐ反対理由は「自然環境を守りたい」33.1%、「戦争につながる恐れがある施設」27.5%だった。
賛成理由は「国防の観点から必要」が最多で65.1%に上った。中国の海洋進出を見据え、南西諸島防衛の強化が最重要課題となっていることが背景にあるとみられる。地域活性化や経済効果への期待も2割を超えた。「島の大部分は国有地化され、国の手続きが進んでいる」は8.6%。
性別で見ると、女性が反対60.8%で、賛成29.0%を大きく上回った。「分からない・無回答」も1割いた。男性は「賛成」51.2%で「反対」42.1%。「分からない・無回答」は6.7%。
調査は4月15~18日に行い、1019人から回答を得た。昨年度の前回調査では、「沖縄の負担を減らし国防の観点から賛成」「地域活性化につながるから賛成」が合わせて48.1%、「戦争につながる施設は反対」「騒音や事故につながるから反対」の計44.3%を上回っていた。
馬毛島での基地整備計画を巡っては、2019年11月に政府が地権者と約160億円で土地買収に合意。防衛省は20年8月に具体的な施設配置案を示し、同12月には港湾施設整備に必要な海上ボーリング調査に入った。
今年1月の西之表市長選では、計画に反対する現職の八板俊輔氏が容認派候補を144票差で破り再選されたものの、防衛省は2月から環境影響評価(アセスメント)手続きに着手。5月には航空自衛隊のF15戦闘機で騒音を測るデモ飛行をする。
過少に見せる「いかさま」に過ぎないが、
防衛局のFLP??デモフライトのお知らせ。


4月20日 MBC NEWS
馬毛島 防衛省が住民の質問に回答 来月試験飛行も
鹿児島県西之表市・馬毛島へのアメリカ軍の訓練移転計画を巡る動きです。防衛省は住民説明会で出された質問への回答を20日、ホームページで公開しました。また、訓練に伴う騒音を測定するため、来月、試験飛行を行うと発表しました。
国は馬毛島に自衛隊基地を整備したうえで、東京の硫黄島で行われているアメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練を移転させる計画です。防衛省はこれまで種子島や屋久島の19か所、およそ1000人を対象に住民説明会を行いましたが、寄せられた質問への回答を20日にホームページで公表しました。
Q.地元が反対なら工事を断念するか?
A.理解と協力を得られるよう努力する
Q.基地ができることで他国から標的にならないか
A.自衛隊施設が整備されることで防衛態勢が強化され安全確保につながる
Q.アメリカ軍がFCLP以外で馬毛島を使うことはないか?
A.常駐するのは自衛隊で現時点で具体的な計画はない
Q.訓練期間中アメリカ軍が種子島に来ることはないか?
A.馬毛島以外を訪問することは基本的にない
また、防衛省は20日、訓練に伴う騒音を測定するため、来月11日と15日に自衛隊の戦闘機による試験飛行を行うことを発表しました。2日とも午後3時半から午後4時半ごろに6機、午後6時から午後7時半ごろに2機が馬毛島とその周辺の上空を飛行する予定です。
合わせて8経路を予定していて、種子島上空を飛ぶことはないとしています。騒音を測定するのは、種子島1市2町と屋久島町、南大隅町で、防衛省は後日結果を公表する方針です。
今月17日に発表された、日米共同声明の中では両国が馬毛島への訓練移転に向けて引き続き取り組むことが明記されましたが、訓練移転に反対している西之表市の八板市長は、「地元の理解が得られない中での計画推進は即刻中断すべき」コメントしています。
国が来月、試験飛行を行うことについて塩田知事は「デモフライトが住民の判断材料の一つとなればと考えている。引き続き丁寧な説明を行うよう国に求めていきたい」とコメントしています。
4月20日 南日本新聞
馬毛島でF15デモ飛行「地元に相談なかった」「住民の要望に応えた」 種子島の1市2町、温度差浮き彫り

報道陣の取材に応じる西之表市の八板俊輔市長(右)=20日、同市役所
西之表市馬毛島への米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転を含む自衛隊基地整備を計画する防衛省は20日、騒音の程度を住民に体感してもらうために、航空自衛隊のF15戦闘機によるデモ飛行を5月に実施すると発表した。八板俊輔市長は「地元に相談もなく、通告みたいだ」と納得がいかない表情を見せる一方、中種子、南種子の両町長は「(デモ飛行は)住民の要望で情報提供の一つ」と理解を示した。種子島1市2町の温度差が浮き彫りとなった。
八板市長は「(急降下、急上昇する)タッチ・アンド・ゴーをせず、空母艦載機ではない。時間帯も短い」とし、想定される訓練との乖離(かいり)を指摘。「住民の要望に応えず、本当に残念だ」と述べた。公務の都合がつけばデモ飛行を見る考え。市独自の音量測定は「検討する可能性がある」とした。
中種子町は町内への自衛隊施設誘致に取り組む。「住民の要望に応えるのはいいこと。町民も戦闘機の音を肌で感じられる」と田渕川寿広町長。計画への賛否や施設誘致を表明していない南種子町の小園裕康町長は「騒音を懸念する声は多く、デモ飛行の情報を積極的に町民に伝えたい」と語った。両町とも独自に音量を測定する考えはないという。
計画に反対する市民・団体連絡会の三宅公人会長(68)=西之表市=は「基地ができるとどんな日常になるか。住民が自覚できる機会になる」と冷静に受け止める。5市町で音量を測り公表する方針の防衛省に「全数値をしっかりと明らかにして」と念を押した。
計画に賛成する市民団体の折口金吉会長(69)=同=は「デモ飛行を歓迎したい。訓練のイメージが湧き、理解を得る一助になる」と話す。ただ発表の在り方に関し「地元自治体や協力者にもう少し早めに知らせてから進めてもいいのでは」と注文した。

4月20日の琉球新報紙面
4月17日 MBC NEWS
馬毛島で防衛省が試験飛行 騒音測定へ
アメリカ軍の訓練移転候補地・西之表市の馬毛島で、防衛省が訓練に伴う騒音を測定するため、来月、試験飛行を行うことが分かりました。
国は、馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPを移転させる計画です。
関係者によりますと、住民から騒音の測定を求める声が上がっていたことから、FCLPで使用されるFA18戦闘機などと飛行時の音量が近いとされる、航空自衛隊のF15戦闘機を使って来月11日と15日に試験飛行を行う方針だということです。
いずれも午後3時半から午後4時半ごろに6機、午後6時から午後7時半ごろに2機が馬毛島と周辺の上空を飛行する予定です。
馬毛島には誘導灯などが整備されていないため、陸上の滑走路を空母の甲板に見立て戦闘機が離着陸する、いわゆる「タッチアンドゴー」は行わないとしています。
種子島の1市2町と屋久島町、南大隅町で音量を測定し、その結果を後日、公表する方針です。西之表市の八板俊輔市長は試験飛行については「事実確認中」としています。

4月17日の南日本新聞紙面
4月17日 南日本新聞
馬毛島上空でF15をデモ飛行5月11、15日防衛省計画
FCLP想定し騒音測定 数値は後日公表

西之表市馬毛島への米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転を含む自衛隊基地整備計画を進める防衛省が、FCLPに伴う騒音の程度を住民に体感してもらうためのデモ飛行を5月11、15の両日に計画していることが16日、分かった。航空自衛隊のF15戦闘機を日中に6機、日没前後に2機飛行させると同時に、周辺1市4町の計8地点で音量を測定し、実測値を後日公表する。
米軍は現在、硫黄島(東京都)で通常5月にFA18戦闘攻撃機などによるFCLPを実施。音量が比較的近いとされる空自F15戦闘機を同時期に馬毛島上空の想定経路で飛行させ、風向きの影響を受ける騒音の状況を訓練時と近づける狙いがある。
複数の関係者によると、11、15の両日とも午後3時半~4時半ごろに6機、午後6時~7時半ごろに2機が、数珠つなぎに飛ぶ。日中は目視による4経路と計器を基にする4経路の計8経路を1周ずつ、日没前後には計器のみで4経路をそれぞれ2周する。
実際のFCLPは日中から深夜にあるが、馬毛島には誘導灯など訓練施設が未整備のため、住民が帰宅する日没前後を夜間と想定し飛行。安全面も考慮し、参加する戦闘機を減らす。滑走路を甲板に見立て急降下、急上昇する「タッチ・アンド・ゴー」もできず、島上空を通過時にエンジン出力を大きくするなどして対応する。
種子島1市2町の6カ所、屋久島町と南大隅町の各1カ所に測定器を置く。デモ飛行の実測値は、防衛省が手続きを進めている環境影響評価(アセスメント)に反映させない。
空自機の馬毛島までの経路は、空母艦載機が所属する米軍岩国基地(山口県)から向かうルートと近い形で調整している。
4月26日には経路確認のための事前飛行を予定。天候不良の場合の予備日も設ける。
防衛省が昨年10月から西之表市などの計19カ所で開いた住民説明会では、騒音に関する質問が多かった。デモ飛行の要望もあり、実施に向けて準備を進めていた。
4月12日 MBC NEWS
馬毛島問題 西之表・八板市長が防衛省を訪問
鹿児島県西之表市の馬毛島で進む自衛隊基地の整備計画について、計画に反対している西之表市の八板俊輔市長が、再選した市長選挙後初めて防衛省を訪問し、住民の疑問にきちんと応えるよう要請しました。
国は、西之表市の馬毛島に自衛隊基地を整備したうえで、FCLP=アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練を移転させる計画です。今年2月からは航空機の飛行による騒音や、生態系への影響を調べる環境影響評価の手続きを始めました。
西之表市の八板俊輔市長は、今年1月の市長選挙で再選して以降、初めて防衛省を訪れ、大西宏幸政務官と鈴木敦夫地方協力局長と面会しました。面会後の取材で八板市長は、住民の疑問に応えるためにも計画は一度立ち止まるべきだと要請したことを明らかにしました。
(八板市長)「ほとんどの市民が賛否に関わらず、防衛省に対して不満を持っているので、市民に寄り添う形で一度立ち止まってやってほしい」
3月17日 MBC NEWS
馬毛島問題 屋久島町で説明会開催も紛糾
アメリカ軍の訓練移転候補地・鹿児島県西之表市の馬毛島に自衛隊基地整備を計画している防衛省は、環境への影響を調べるための方法書などに関する説明会を、関係自治体で順次、開いてます。16日夜は屋久島で開かれましたが、一時、紛糾する場面もありました。
(住民)「どんな意見が出たのかオープンに出すべきだ、マスコミは出てくれというのはおかしい」
屋久島で開かれた説明会には、住民およそ90人が参加しました。馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPの移転を目指す防衛省は、これまで種子島の1市2町で説明会を開催。
質疑応答などについては「自由な発言ができなくなるおそれがある」として、メディアによる撮影・録音を禁止してきたため、16日もカメラの退出を求めましたが、住民からは反発の声が・・。
(住民)「ここにいないものに対して、あなたたちの意見をどのように伝えるつもりなんですか」
(司会)「撤回してください」
(司会)「方法書についての意見がございましたら4月1日まではご意見を提出することもできます。それを・・・」
(住民)「それは一方的でしょ!」
反発は止まず、結局、カメラがあって困る人がいないことを確認した上で、カメラが入ったまま続けることに。その後の質疑応答では、住民からの懸念が相次ぎました。
(住民)「トビウオは特に水面を何百メートルも飛ぶ魚、音に敏感で上に浮き上がらず底に沈んでしまい漁獲量が減るんじゃないか懸念している」
(防衛省)「専門家の知見を得ながら影響の程度を確認したい」
(住民)「(米軍が)ちゃんとした飛行ルートを守るとは沖縄では全然考えられない」
(防衛省)「基本的には種子島はもとより屋久島の上空は飛ばない」
(住民)「世界自然遺産のそばに軍事基地ができるというのは、相反するものが共存するようなそんなイメージを持っている」
(防衛省)「航空自衛隊と相談してデモフライトやってみようと」「実際に訓練が行われた場合どのような音が聞こえるのか確認したい」
説明会は当初の予定を30分以上オーバーし、午後9時半すぎまで行われました。
説明会は17日夜、南大隅町でも行われます。防衛省は環境影響評価の方法書の縦覧を関係自治体などで18日まで行い、4月1日までは意見書の提出を郵送で受け付けます。
3月17日 南日本新聞
馬毛島FCLP 日米防衛相緊密連携を確認 「地域社会の理解、協力不可欠」
岸信夫防衛相とオースティン米国防長官は16日の日米防衛相会談で、米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)について、西之表市馬毛島への移転計画を進め、日米で緊密に協力していくことで一致した。バイデン政権下でも計画推進の姿勢が鮮明となった。
会談では、在日米軍の安定的な駐留と活動に「地域社会の理解と協力が不可欠」とし、米軍の安全かつ環境に配慮した運用の確保が重要であることも申し合わせた。
岸氏は安全保障協議委員会(2プラス2)後の共同記者会見で米軍再編について、「これまでの進展を歓迎し、現在の取り決めの実行を再確認した」と説明。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設とFCLP施設に触れ、「私の方から事業の進捗を説明した」と述べた。
日本政府によると、米側はこれまで一貫してFCLPの必要性を伝えており、移転計画の進捗への期待を改めて示したという。
計画を巡っては前回2019年4月の共同文書で、米側が馬毛島の買収を評価。恒久的なFCLP施設が米軍の安全な運用や訓練に大いに貢献すると表明し、施設の早期整備へ緊密に取り組むことを確認している。
馬毛島では、防衛省がFCLPを前提にした自衛隊基地整備計画を進め、地元の八板俊輔市長は反対の立場を表明している。
同省は計画に伴う環境影響評価(アセスメント)の方法書を今月18日まで縦覧している。
3月12日 南日本新聞
馬毛島ボーリング調査 許可停止の仮処分却下 鹿児島地裁「漁業被害重大でない」
西之表市馬毛島で防衛省が進める自衛隊基地整備に伴う海上ボーリング調査を塩田康一知事が許可したのは違法として、地元漁業者14人が許可の執行停止を求めた仮処分申請について、鹿児島地裁が申し立てを却下する決定をしたことが11日分かった。
決定は10日付。県によると、却下理由に、現場海域への立ち入り制限や調査期間は限定的で、漁業資源への影響は小さく、被害は重大でないことを挙げた。塩田知事は「主張が認められたものと考えている」とのコメントを出した。
原告側弁護団の菅野庄一弁護士は「決定通知が届いていないが、却下だとすれば、即時抗告を検討する」と話した。
ボーリング調査は港湾施設整備に向けて同省が昨年12月に着手。今年5月末まで島東岸37地点で予定している。原告団は、調査が進んでからは漁業被害の回復は困難として、着手前の昨年12月、執行停止を求めて仮処分を申し立てた。
原告団は仮処分申請と合わせて、ボーリング調査の許可取り消しを求めて県と係争中で、4月に結審する見通し。国に対しても調査差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てており、3月中に判断が示される見込み。
同基地は米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転を前提としている。
3月10日 南日本新聞
馬毛島アセス 防衛省、西之表市で説明会 反対派市民の発言目立つ
九州防衛局熊本防衛支局は9日、西之表市馬毛島への自衛隊基地整備に伴い公告・縦覧している環境影響評価(アセスメント)の方法書に関する説明会を市民会館で開いた。上限200人に対し市民約100人が出席。計画反対の市民からの発言が目立った。
アセス法で義務付けられている説明会は同市のほか、中種子、南種子の種子島2町でも今後開き、法対象ではない屋久島、南大隅両町でも自主的に開く。
昨年末、市内12校区であった住民説明会にも名前を連ねた防衛省本省の職員らが、調査項目や手法を示した方法書の概要について約40分間解説。その後2時間にわたり参加者の質疑を受けた。報道陣には概要説明の部分だけを公開し、質疑は「自由な意見を妨げるため」として、撮影・録音を禁止した。
質疑では、外周道路の整備がアセスの対象にならないことへの質問に対し、同省は「国有財産を管理するためで、基地建設目的ではない」と説明。外周道路はフェンスで囲わないとした。「不確定な表記が多い。先行実施した環境現況調査の内容も公表すべきだ」という意見には「(次のステップの)準備書の段階で盛り込む」と述べた。
基地計画に反対の立場の市民の発言が多い一方、賛成の立場の市民からも「アセスは正々堂々とやってほしい」との要望が出た。
3月10日 MBC NEWS
馬毛島自衛隊基地整備計画 西之表市で環境影響評価説明会
鹿児島県西之表市・馬毛島への自衛隊基地整備計画で、防衛省は9日西之表市で、環境への影響を調べるための方法書に関する説明会を開きました。
国は馬毛島に自衛隊基地を整備した上でアメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPを移転させる計画です。防衛省は環境に与える影響を調査するため、先月から調査の項目や手法を示した方法書の縦覧を西之表市役所などで始めています。
9日夜の説明会には、市民およそ120人が出席し、防衛省の担当者が、騒音や生態系への影響など調査する項目や手法について、説明しました。その後の質疑は報道には非公開で行われましたが、市民からは公開を求める声や調査への疑問の声が聞かれました。
(参加した市民)
「報道の人たちを排除した。報道には入ってもらって何を説明しているのか知らせてもらわないといけない」
「反対の方からも(これまで)多数の質問を出しているのに回答がない状況の中で環境影響評価をするのはいかがなものか」
説明会は11日に中種子町、12日に南種子町、16日に屋久島町、17日に南大隅町でも開かれます。
3月9日 西日本新聞
今月中に仮処分の可否判断 馬毛島海上調査の許可巡り 鹿児島地裁
鹿児島県西之表市の馬毛島に自衛隊基地を整備する計画を巡り、塩田康一県知事が防衛省に周辺海域での海上ボーリング調査を許可したのは違法だとして、地元の漁業者16人が県に許可の執行停止を求めた仮処分で、鹿児島地裁(古谷健二郎裁判長)は3月中に可否を判断する方針を示した。漁業者側の弁護団が9日、明らかにした。
漁業者側は、知事の許可は海上調査による漁業被害や漁業権の侵害を考慮せず、裁量権を逸脱・乱用していると主張。仮処分と併せて許可の取り消しを求める訴訟も起こしている。県側は、漁業者には原告適格がないなどとして、争う姿勢を示している。
防衛省への公開質問書(第2段):


3月1日の琉球新報紙面
反対派市民から出された「市議会議長選出に関わる要望・要請書」


2月17日の南日本新聞紙面
2月24日 MBC NEWS
馬毛島めぐり賛否きっ抗 西之表市議会「反対派」が議長に
馬毛島へのアメリカ軍の訓練移転問題で揺れる鹿児島県西之表市の市議会では、先月の市議選の後、初めて臨時議会が24日開かれ、基地整備に反対する議員が新たな議長に選出されました。
先月、改選されて初めて開かれた西之表市議会の臨時議会には、14人の市議のうち病欠の1人を除く13人が出席して議長の選出を行いました。
先月の市議選では定数14に対し、国の訓練移転計画に「反対」が7人、「賛成・容認」が6人、「どちらともいえない」が1人当選しました。
賛否がきっ抗する中、議長に選ばれた議員は議会での議決権を持たなくなるため、どの議員が議長に選ばれるか注目されていましたが、全会一致で移転に反対する川村孝則議員が議長に選出されました。
これにより議決権を持つ議員13人の内訳は、「反対」と「賛成・容認」が同じ6人ずつ、「どちらともいえない」が1人となりました。
(議長に選出された川村孝則議員)「(馬毛島問題については)市長とも連携を図りながらやっていくことになる。(Q議決権は容認派にいった?)そういうことは考えていない。同数の場合は議長の職権で判断していきたい」
また、馬毛島への対応について話し合う特別委員会の委員長の選出も行われ、「どちらともいえない」としている濱島明人議員が委員長に立候補しました。
委員会での議決権を持つ議員の内訳も「反対」と「賛成・容認」が6人ずつと、こちらも賛否がきっ抗する構図となりました。
(委員長に立候補 濱島明人議員)「誰かが立候補しないと決まらないと思ったので、私が受けたほうが運営もスムーズにいくと思い立候補した」
馬毛島をめぐっては、防衛省が今月18日に基地整備に向けた環境影響評価の手続きに入っていて、八板市長が遺憾の意を表明しています。
賛否が拮抗する中で動き出した市議会で今後、どのような議論が進められていくのか注目されます。
許せない!!
防衛省民意を無視し2月18日「馬毛島」環境アセス着手強行。
2月19日 MBC NEWS
馬毛島・環境影響評価 関係自治体などで方法書縦覧始まる
鹿児島県西之表市・馬毛島への基地整備計画について、防衛省は18日、環境への影響を調べるための手続きに入りました。19日から、関係自治体などで調査の項目などを示した方法書の縦覧が始まっています。
国は馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練=FCLPを移転させる計画です。自衛隊基地整備など規模の大きな工事を行う場合、自然環境に及ぼす影響を事前に調査することが法律で定められていて、18日、環境影響評価の方法を記した書類が防衛省から県内の関係自治体に届きました。その方法書の縦覧が、19日から県庁や関係自治体の役場などで始まり、西之表市役所でも住民が訪れて内容を確認していました。
方法書には、基地の概要のほか、騒音や生態系などへの影響を調査する項目や手法が示されています。閲覧した住民からは賛否の声が聞かれました。
(馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会 清水捷治幹事)「環境影響評価そのものの調査をするなという立場で、防衛省に抗議している。我々の前提としては、(基地建設は)ダメということを前提に、内容を少し分析する」
(馬毛島の自衛隊・FCLP訓練を支援する市民の会 杉為昭事務局長)「きょうこうして(方法書が)出てきたことは、市民の会として安堵・安心している。着実に現実的も前に進んでいるから(市長には)真摯に向き合っていただいて、考えを変えていただきたい」
また、整備反対を訴える西之表市の八板市長は「環境影響評価着手は遺憾」と反発しました。
(西之表市 八板俊輔市長)「施設整備につながる環境影響評価は、開始すべきではないと考えている。このままでは、地元との溝が深まるばかり。西之表市長として、たいへん遺憾に感じている」
一方、塩田知事は昨夜、環境影響評価は基地建設の賛否とは別として、住民に説明するために必要という考えを示しました。
(塩田知事)「基地の施設についての賛否ということではなくて、環境の影響がどういうことになるかということを調査するものだから、環境影響評価については、どういう方法で行うのかといったことについても、住民の皆さんにも、防衛省からしっかり説明していただきたい」
また、岸防衛大臣は19日、環境影響評価の進展に合わせて地元への説明を行うとしました。
(岸信夫防衛相)「作業の進捗に応じて説明を積み重ねて、地元の皆様のご理解が広がっていくように、最大限の努力をしてまいりたい」
縦覧期間は19日から来月18日までで、九州防衛局のホームページでも閲覧することができます。また防衛省は4月1日まで、意見書の提出を受け付けています
意見書用紙:
![意見書用紙0001[1]](https://blog-imgs-142.fc2.com/r/y/u/ryukyuheiwa/20210220171527e3d.jpg)
縦覧後、防衛省は、住民から寄せられた意見を知事や市長・町長に提出します。その後、調査などを経て、環境影響評価書がまとまるまでは数年かかるものとみられます。

2月20日の琉球新報紙面
2月20日 南日本新聞
馬毛島アセス縦覧開始 騒音、水質、動植物など23項目 九州防衛局

九州防衛局熊本防衛支局は19日、西之表市馬毛島への米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転を含む自衛隊基地整備に向け、環境影響評価(アセスメント)の方法書の縦覧を関係自治体やホームページで始めた。アセス対象事業は飛行場関連施設のほか、艦艇を停泊・補給させる港湾施設、訓練に使う揚陸施設。方法書は約500ページあり、評価する環境要素として、騒音や水質、動植物、景観など23項目を選定。工事や飛行場の運用がどのような影響を与えるか、予測・調査する方法などを示している。
基地で使用を想定する機種は、自衛隊のF35A・F35B戦闘機やV22オスプレイ輸送機、米軍のFA18戦闘機、EA18電子戦機などを示した。これまでの説明同様「現時点で想定する主な機種」との含みも残した。
航空機の騒音は、機種ごとの騒音データ、飛行経路、時間帯、回数を基に、環境周辺整備法が定める算定法で予測する。平時の現状を調べるため、種子島の7地点でも測定する。影響範囲を明らかにするため屋久島、南大隅町にも調査地点を設ける。
防衛省はアセスとは別に、騒音の程度を体感してもらうために航空自衛隊のデモ飛行を検討しているが、その際の実測値は使わない。同省は「アセス法の主旨を踏まえ、定められた算定法で予測する」と説明。
動植物では、これまでの調査で重要な種として。ほ乳類1種▽鳥類8種▽貝類26種▽植物86種-などを確認できたと記した。類似の事例や知見を参考に影響を予測する。目視など現地調査も行う。
防衛省によると、調査項目は、防衛省の指針や省令を基に選定した。工事実施や飛行場の運用に伴う動植物への影響などは、省令などが求める参考項目にはないが、調査・評価する。
岸信夫防衛相は19日の閣議後会見で、環境アセス着手について、日米同盟や南西防衛の強化といった重要性を強調。「騒音対策や環境保全を具体的に明らかにし、説明していく。地元の理解が広がるよう最大限努力する」と改めて述べた。

2月19日の琉球新報紙面

2月19日の沖縄タイムス紙面
2月18日 MBC NEWS
馬毛島・自衛隊基地計画 国が環境影響評価の手続き開始
アメリカ軍の訓練移転候補地、鹿児島県西之表市の馬毛島を巡る問題です。防衛省は県知事と周辺5市町の市長・町長に対して、自衛隊基地整備に向けた環境影響評価方法書を送付し、環境影響評価の手続きを開始しました。
国は、馬毛島に自衛隊基地を整備した上で、東京の硫黄島で行われているアメリカ軍空母艦載機の陸上離着陸訓練を移転させる方針です。
自衛隊基地整備など規模の大きな工事の場合、自然環境に及ぼす影響を事前に調査することが法律で定められています。
防衛省は18日までに塩田知事と西之表市、中種子町、南種子町、屋久島町、南大隅町の市長・町長に対して、環境影響評価の方法を記した書類を送付し、環境影響評価の手続きを開始しました。
調査には数年かかるケースもあり、馬毛島の影響評価も年単位でかかると見られます。
防衛省がこれまでに説明した自衛隊基地の配置案では、2本の滑走路を新たに整備し、燃料施設、格納庫のほか、海上には係留施設も設置される方針で、建設工事はおおむね4年の工期を見込んでいます。
また、アメリカ軍の離着陸訓練は年1~2回で、1回当たり10日間程度。日中から深夜にかけて行われ、アメリカ軍は1回の訓練につき1か月間、馬毛島の宿舎で宿泊します。馬毛島では、去年12月から島周辺のボーリング調査を行っていて、環境影響評価では今後、騒音の予測調査などが行われる予定です。
(塩田知事)「住民の皆さんの騒音に対しての関心が非常に高いと思っている。判断材料としての暮らしへの影響などについて、どういう方法で行うのかということについても、住民のみなさんには防衛省の方から、しっかり説明をしていただきたいと思っている
陸・海・空自衛隊の前トップの見識なんてこんなものか、、、

2月17日の南日本新聞紙面
沖縄タイムスの八板西之表市長インタビュー記事です。

2月14日の沖縄タイムス紙面
2月2日 MBC NEWS
再選の西之表市・八板市長が防衛省に要請書 「馬毛島の周辺調査中止を」
1月31日に投票が行われた鹿児島県西之表市長選挙で、再選した八板俊輔市長は2日、防衛省に対し馬毛島周辺でのボーリング調査中止などを要請しました。
国は西之表市の馬毛島の大半を取得していて、島に自衛隊基地を整備した上で、アメリカ軍の訓練を移転させる計画です。
31日再選した西之表市の八板俊輔市長は2日、岸信夫防衛大臣あてに要請書を送ったことを明らかにしました。
要請書で八板市長は、「再選で改めて民意が示された。地元の理解は得られていない」として、国が先月から馬毛島周辺で行っているボーリング調査の中止などを求めています。
なお、岸防衛大臣は2日の閣議後の会見で、「馬毛島は南西諸島防衛のために重要。施設整備は日米同盟の強化や地域の安定に寄与する」と述べ、改めて整備を進める考えを示しました。
1月31日投開票の西之表市長選・市議選に勝利、
「馬毛島基地建設反対」の民意が示された!

2月2日の東京新聞紙面

2月2日の沖縄タイムス紙面

2月1日の東京新聞紙面
2月1日 MBC NEWS
144票差 馬毛島基地反対の現職・八板氏が再選 鹿児島・西之表市
アメリカ軍の訓練移転候補地・馬毛島への対応を争点に、現職と新人の一騎打ちとなった西之表市長選挙。1月31日投票が行われ、国の計画に反対する現職の八板俊輔さんが僅差で2期目の当選を果たしました。
任期満了に伴う鹿児島県の西之表市長選挙は、馬毛島での基地整備に反対する現職の八板俊輔さんが5103票、容認する立場で自民党県連が推薦する新人の福井清信さんが4959票で、八板さんが144票の僅差で2期目の当選を果たしました。
投票率は80.17%で4年前の再選挙を8.52ポイント上回りました。
(2期目の当選八板俊輔氏)「(市民は)国の計画にNOと言っている。国と話し合いをして問題解決を図っていきたい」
(落選した福井清信氏)「僅差だったので、賛成の人がいると忘れてほしくない」
一方、市議会議員選挙の投票も同時に行われました。選挙前、基地計画の賛否は「反対」が多数を占め10人、「賛成」が6人でした。
今回の選挙で議員定数は16から14に削減されましたが、当選した14人はMBCの取材に対し、7人が「反対」、6人が「賛成・容認」、1人が「どちらともいえない」と回答し、賛否が拮抗する結果となりました。
(賛成派 杉為昭氏)「(賛成が)増えたので、市民の関心が前向きに動いていると受け止めている」
(反対派 長野広美議員)「今の市を取り巻く環境が反映されている。市のためになる判断を慎重にしたい」
(60代 飲食店経営)「反対して計画をなくしてほしい」
(70代 無職)「(自衛隊が来れば)活性化すると思うが、将来的にはどうなのか」
(60代 漁業)「国に協力しないと反対ばかりしていてもいけない。島も発展しないし」
一方、岸信夫防衛大臣は…
(岸信夫防衛大臣)「自衛隊における南西方面の防衛は重要。(米軍の)離着陸訓練も大変必要なこと。地元には丁寧な説明をして理解を求めていきたい」
今後の行動は?再選の西之表市・八板市長に聞く
選挙結果や今後の具体的な行動について、再選した鹿児島県西之表市の八板市長に中継で聞きました。
DEMO-RESE Radio#20
「馬毛島のいま」
https://youtu.be/ceOmV7T5Xt4
DEMO-RESE Radioで特集を組んだ馬毛島問題。
あの動画から、馬毛島では、自衛隊基地を作るためのボーリング調査が行われ始めました。
しかし、ボーリング調査=自衛隊基地建設では決してありません。ただ、これが基地建設の序曲になる、その事実は間違いありません。
さらに、馬毛島の近くにある西之表市では今月24日から市長選、市議選が行われます。一体どうなるのか?
今回のDEMO-RESE Radioは、その辺りをトピックに上げて放送致します。最後までご視聴よろしくお願いします
1月27日 MBC NEWS
馬毛島争点に一騎打ち 鹿児島・西之表市長選挙 今月31日投開票
今月31日に投票が行われる鹿児島県西之表市長選挙は、馬毛島問題への対応を争点に現職・新人の2人が激しい選挙戦を繰り広げています。
立候補しているのは、新人で西之表市商工会長の福井清信さん(71)と、現職で2期目を目指す八板俊輔さん(67)の、いずれも無所属の2人です。

1月25日の東京新聞紙面
1月25日 南日本新聞
「振興に必要」「暮らし壊す」 馬毛島賛否、真っ二つ 西之表市長選告示

西之表市長選のポスター掲示板
24日告示された西之表市長選は、新人で市商工会長の福井清信氏(71)=自民推薦=と2期目を目指す現職の八板俊輔氏(67)の2人が立候補した。馬毛島の米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を含む自衛隊基地建設を巡り、「容認」の新人と「反対」の現職による真っ向勝負となった。「地域振興につながる」「静かな暮らしが壊される」-。市民も基地問題を最大の争点に捉え、接戦予想が広がる。同日告示の市議選候補にも賛否両論あり、勢力図の行方に関心が集まる。
市長選の候補者2人は24日午前、市中心部で第一声を上げた。各応援弁士も馬毛島について触れ、それぞれの主張を展開した。
容認派候補の出陣式に出向いた同市安城の60代女性は「このままだと低迷するばかり。働く場がないので、若者が島から出て行き、活気がない。子や孫が経済的に安心して暮らせるよう、活性化につなげてほしい」と期待した。
同市西之表の建設関連業の30代男性は「反対して基地ができないなら反対するが、もう国に買収された。不安がないわけではないし、やかましいのは嫌。ただ、今となっては国と交渉して交付金などを引き出す方が現実的だ」と話した。
「高校生や移住者の生の声を聞いて、島の静かな暮らしを守る気持ちを行動で示したかった」。計画に反対する同市西之表の80代の無職男性は、初めて選挙の出陣式に駆け付けた。
市内で民宿を営む70代女性も「戦闘機の爆音にさらされるようになれば、観光客はいなくなる」と危機感を持つ。周囲の同業者や商店主には賛成意見が多いが「景気低迷にコロナ禍が加わり、大変なことは分かる。でももっと長い目で島の将来を判断してほしい」と望んだ。
市議選も、賛否両派どちらが大勢を占めるかが焦点となるが、地縁血縁も絡み合い、行方は見通しにくい。同市西之表の60代の農業女性は「若い人に期待して、子どもが世話になっている候補者に託す」と話した。
1月24日 MBC NEWS
西之表市長選告示 現職と新人の一騎打ち
任期満了に伴う鹿児島県の西之表市長選挙が24日に告示され、現職と新人の2人が立候補しました。
西之表市の市長選挙に立候補したのは届け出順に、新人で市商工会長の福井清信さん(71)と、現職で2期目を目指す八板俊輔さん(67)の2人で、いずれも無所属です。
今回の選挙は、アメリカ軍の訓練移転に向け政府が馬毛島で進める自衛隊基地の整備計画が大きな争点となっていて、福井さんは「容認」、八板さんは「反対」の立場です。
また、定数が14の市議会議員選挙も24日に告示され、現職11人、元職1人、新人5人のあわせて17人が立候補しました。西之表市長選挙と市議会議員選挙の投票日は今月31日、日曜日で、即日開票されます。
1月24日 MBC NEWS
西之表市長選告示 現職と新人が立候補
任期満了に伴う鹿児島県の西之表市長選挙が24日に告示され、これまでに現職と新人の2人が立候補しました。
西之表市の市長選挙にこれまでに立候補したのは届け出順に、新人で市商工会長の福井清信さん(71)と、現職で2期目を目指す八板俊輔さん(67)の2人で、いずれも無所属です。ほかに立候補の動きはなく、現職と新人による一騎打ちの公算が大きくなっています。
また、市議会議員選挙も24日に告示され、これまでに現職11人、元職1人、新人5人のあわせて17人が立候補しました。
立候補の届け出は24日午後5時まで、市役所で受け付けられます。西之表市長選挙と市議会議員選挙の投票は、今月31日、日曜日で即日開票されます

1月24日の朝日新聞紙面
1月18日 西日本新聞
環境か経済か「馬毛島基地」争点に一騎打ち 鹿児島・西之表市長選

種子島の西之表港から望む馬毛島。わずか12キロの距離だ=鹿児島県西之表市
鹿児島県西之表市の無人島・馬毛(まげ)島で昨年末、自衛隊基地の整備事業が動きだした。防衛省は基地を訓練施設として日米共同で使用する方針で、米軍は空母艦載機による離着陸訓練を行う計画。地元では基地整備による環境破壊、訓練による騒音への懸念が根強く、今月下旬に実施される市長選でも最大の争点に挙がる。
昨年12月下旬、馬毛島の東12キロの種子島(西之表市)の中心商店街を街宣カーが行き交った。数日前には基地整備に必要な海底地盤のボーリング調査が始まったばかり。基地を「許容」とする候補予定者の後援会は「現実的な対応をしよう」とアピール。「反対」を唱える市民団体は3日後に控えた抗議集会への参加を呼び掛けた。人通りはまばら。ピークの1959年に3万3千人を超えた市の人口は1万5千人を割る。
馬毛島は80年に無人となり、31年後の2011年、日米安全保障協議委員会が陸上空母離着陸訓練(FCLP)の候補地として共同文書に明記し、日本政府が島を買収した。防衛省の整備概要は、十字に交わる2本の滑走路を敷設し、風向きにかかわらず戦闘機の連続離着陸を可能とする内容。深夜にも及ぶFCLPは年最大2回で計20日、自衛隊機の離着陸訓練は年130日-の頻度で行う。日本周辺の東シナ海などで活動を活発化させる中国へのけん制もにらむ。
4年前に基地反対を掲げて初当選した現職の八板俊輔氏(67)は、再選をうかがう今回も反対の立場。住民の平穏な生活が脅かされるとして「馬毛島に造る必然性があるのか」と疑問を呈する。
地元漁協が同意したボーリング調査については一部の漁業者が「漁協全体の同意ではない」として、調査の差し止めなどを求めて提訴。馬毛島の元島民で原告の日高薫さん(72)は「基地整備で豊かな漁場が荒らされる」と訴える。防衛省は昨年12月21日に始めたボーリング調査を今年5月末までに37カ所で行う。
だが、不安や反対ばかりではない。飲食店経営の男性(66)は周囲で基地容認の空気の広がりを感じるといい、男性自身も「反対を続けても地元は潤わない」と考える。むしろ恩恵への期待感が強いという。
防衛省によると、基地運営に関わる自衛隊員150~200人が生活する宿舎は種子島に建設する計画で、一定の経済波及効果が期待される。自治体にとっても、現在は硫黄島(東京)で行われているFCLPの受け入れに伴って支給される米軍再編交付金は魅力だ。岸信夫防衛相は22年度予算に計上する方針を表明しており、防衛省は今後実施予定の環境影響評価(アセスメント)などに基づき、具体的な予算額や計上時期を決めるという。
今月24日告示、31日投開票の市長選には現在、基地に「反対」の現職八板氏と、「許容」を掲げる新人で市商工会長の福井清信氏(71)が立候補の意向を表明している。
調査許可の知事「賛否と無関係」
馬毛島での基地整備には、幾つかの局面で塩田康一・鹿児島県知事の権限が及ぶ。沿岸部を埋め立てる場合の公有水面埋立法に基づく許可などがそれだ。知事はこれまで基地整備への賛否を明らかにしていない。ボーリング調査の許可については「行政手続き上の要件に照らして判断した」としており、賛否とは無関係だと説明する。
住民の不安が大きい騒音について防衛省は、種子島と12キロ離れていることを理由に「限定的」との見解を示す。これに対し県は「地元の声をしっかり国に伝え、必要な説明を求めていく」と述べるにとどめている。
1月11日 MBC NEWS
西之表市長選 濱上氏が出馬断念
今月31日に投票が行われる西之表市長選挙に出馬する予定だった、アメリカ軍の訓練移転に向けた自衛隊基地整備を容認していた新人の濱上幸十さんが、10日出馬を断念すると表明しました。
(濱上 幸十氏)「市民の皆様にご迷惑をかけるという断腸の思いで、市長選挙から降りることを決意した。」
濱上さんは10日、会見を開いて、容認派2人の共倒れを防ぐために、出馬を断念したと発表しました。これで、移転に反対している現職の八板俊輔さん、容認している新人で市商工会長の福井清信さんによる一騎打ちとなる公算が大きくなりました。
西之表市長選挙は、今月24日に告示され、31日に投開票されます。
1月6日 MBC NEWS
米軍機か 低空飛行の目撃情報相次ぐ 今年度は最多更新
鹿児島県伊佐市大口で先月下旬に撮影された画像、4機の航空機が1列に並んで集落や林のすぐ上を飛行しています。機体はアメリカ軍機とみられますが、県内ではこうした低空飛行の目撃情報が相次いでいて、今年度は過去最多となっています。
(記者レポート)「伊佐市大口の田畑が広がる静かな集落です。米軍機とみられる機体が、集落や杉林の上を低空飛行していたのを住民が目撃しました」
集落に暮らす肥後千惠子さんです。先月29日午後3時ごろ、散歩中に低空飛行する機体を目撃しました。
(肥後千惠子さん)「すごい音がして、ゴーっていう音だった。お父さんが米軍だと言って。やっぱり怖いですよね」
低空飛行は付近でたびたび目撃されていて、近くに暮らす親族の肥後結子さんは、目撃情報を記録し、インターネットで発信しています。去年だけで少なくとも9回目撃し、深夜だったり1日中だったりした時もあったといいます。
(肥後結子さん)「旋回してまた飛んで行って、また来たりとか。低空飛行できて爆音で飛んで行ったり。鹿児島でも爆音立てて低空飛行していることを分かってほしい」
低空飛行の目撃情報は奄美でも。瀬戸内町蘇刈の海岸で去年11月に撮影された映像です。飛んでいるのはアメリカ軍の輸送機・オスプレイ3機。機体がはっきりと見えるほどの低さです。
(撮影した長憲之さん)「よく分からない物体がごう音とともにやって来て、思わず伏せる感じだった。会話ができないくらいのごう音だから、近かったんでしょうね。海岸沿いに集落があるから、そばを通って来たのでは。嫌ですね」
県によりますと、アメリカ軍機とみられる低空飛行の目撃情報は増加していて、今年度はこれまでに89件と、記録が残る2006年以降で最多となっています。
市町村別では奄美市が最多の60件で、次いで鹿児島市の10件、薩摩川内市の5件などとなっていて、アメリカ軍が2012年に公表した沖縄から奄美諸島にかけての低空飛行の訓練ルートから外れた地域でも目撃されています。
安全保障論などが専門の琉球大学・山本章子准教授は、海洋進出を進める中国への対応強化が背景にあると指摘します。
(山本章子准教授)「(中国に対する)日米両政府の戦略で、鹿児島から沖縄の一帯で訓練が活発化している現状を反映した動き。米軍機の飛行は目印から目印に向かって飛ぶので、目印の間に市街地があれば突っ切って飛ぶ」
しかし米軍機の飛行は日米地位協定によって日本の航空法の適用除外となっていて、こうした低空飛行は“ルール違反”とは言えないともいいます。
(山本章子准教授)「通常であれば危険な飛行、騒音の大きい飛行も自由にできる。事前に訓練内容や時間を通告する義務もない」
県内では馬毛島へのアメリカ軍空母艦載機の離着陸訓練の移転も計画され、防衛省が自治体に飛行ルートの説明をしていますが、山本准教授は「ルート変更はあり得る」と話します。
(山本章子准教授)「防衛省が種子島の住民に説明している飛行ルートは、過去のデータに基づいた想定。実際に飛んでみないとどんな飛行ルートで飛ぶか分からない。米軍の運用次第で、事前に知らされる保証は全くない。市民・行政が不断の監視を続けるしか、市民の安全を守れない」
目撃が相次ぐ低空飛行。九州防衛局はMBCの取材に対し、「アメリカ軍に対し、影響を最小限にとどめるよう要請しており、不安を払拭すべく、今後も引き続き緊密に連携していく」とコメントしています。
12月26日、西之表港で抗議集会とデモ行進。
12月26日 KTS鹿児島テレビ
馬毛島訓練移転反対のデモ行進 鹿児島・西之表市
西之表市馬毛島へのアメリカ軍の訓練移転に反対する住民らが、抗議のデモ行進を行いました。
抗議集会は、「馬毛島への訓練移転に反対する市民・団体連絡会」が主催したものです。
集会に参加したおよそ150人は、西之表市の市街地およそ1キロを歩きながら、訓練移転反対の声をあげていました。
防衛省は西之表市の馬毛島で自衛隊の基地とあわせた島の整備を計画していて、海底の地質などを調べる海上ボーリング調査を今月21日から本格的に始めています。

防衛省に7団体で質問状提出
本日午後、私たち市民団体連絡会と馬毛島基地に反対する市内の6団体が、防衛省種子島連絡所を訪問し、防衛省に対する公開質問状を提出しました。この間の西之表市内での住民説明会で出された質問と回答を持ち寄り、あらためて私たちが本当に知りたいことをまとめました。来年1月8日(金)まで回答をお願いしています。
担当の職員は、誠実に対応してくれました。年末年始でお忙しいなかですが、防衛省としての責任ある回答をお願いします。
馬毛島基地建設に関する公開質問状
別紙目次(質問項目見出し)
1)、基地建設計画は防衛省としての決定事項か? 3頁
2)、市長選の結果と民意の尊重
3)、基地建設予算
4)、ボーリング調査の漁業への影響と馬毛島好漁場の喪失等
5)、漁業で生計を立てている漁師の死活問題
6)、種子島振興策観光業への影響と島民離島の続出 4頁
7)、環境アセスメンと騒音問題解決との因果関係
8)、環境アセスメントの評価規準及び結果の開示
9)、敵国よりの攻撃標的になる可能性
10)、訓練飛行時の飛行経路の詳細 5頁
11)、戦闘機訓練時の種子島への騒音の到達状況と程度
12)、馬毛島の本格的軍事基地化による種子島島民の生活環境悪化の影響
13)、国会審議の必要性とその時期 6頁
14)、今後の日本の安全保障問題と日米地位協定問題の解決
15)、米軍FCLP訓練基地の硫黄島から馬毛島への移転理由
16)、米軍FCLP訓練基地の硫黄島から馬毛島への移転メリット 7頁
17)、馬毛島漁業者によるボーリング調査差し止め訴訟 8頁
18)、厚木基地におけるFCLP訓練騒音問題の状況確認等
19)、海上ボーリング調査、係留施設建設、基地建設、等の各工程工事関連事項
20)、遺跡、文化財、及び、馬毛島自然の保護・保全
21)、馬毛島周辺海域における漁船等の進入禁止区域設定による漁場喪失/漁業廃業 9頁
22)、ボーリング調査における監視活動の理由
23)、防衛省と地元住民との相互理解を深める方策の構築
24)、当公開質問状最後の総括的所見 10頁
25)、関係者の公明正大で良識と分別ある判断の切望
令和2年12月22日
(宛先)防衛省
品川高浩地方協力企画課長殿;
(共同発信元団体名)
・これからの種子島を考える会(KTK会) 代表 八 板 陽太郎
・馬毛島の漁業を守る会 代表 春 村 寛
・馬毛島を守る女性の会 代表 目 迫 ヱミ子
・よめじょの会 共同代表 鎌 倉 久美子
・森と海を結ぶ会 代表 池 亀 寛 治
・馬毛島通信社 共同代表 山 本 伸 司
共同代表 沖 吉 冨 寛
・馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会 会長 三 宅 公 人
(連絡先) 〒891-3101 西之表市西之表7718-1
馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会
事務局長 山内 光典
電話/FAX 0997-23-3686
(本状の不明点はこちらに問い合わせ下さい。)
(R2/12/22)
馬毛島基地建設に関する公開質問状
今、種子島の西方12Kmに位置する馬毛島に米軍空母艦載機FCLP訓練と自衛隊戦闘機訓練に使用する軍事基地の建設計画が防衛省主導で進められています。これは、東南アジアで最大の本格的軍事基地になると想定され、この基地建設により生じる、騒音問題、漁場消滅、自然破壊、事故・犯罪発生、そして島の基幹産業である農林水産業、特に畜産業や漁業への悪影響、更には、今後取り組もうとしている観光業振興や人口減少対策への負の遺産となると考えられ、これまで、自然に恵まれ、平穏で静かな環境下で安心・安全に過してきた島民の生活を180度転換することになる為、島民の多数がその建設に反対しているものです。国が強調している基地建設に伴う交付金や飲食店・建築業関係者の便益は、これらの犠牲や負の遺産化の代償とはなり得ない異質で一時的なものであり、一部の島民はこれを受け入れていますが、多数の島民は決してこれを欲するものではありません。
11月30日から6回にわたり防衛省により開催された榕城校区市民説明会では多くの疑問・質問が出され防衛省側からそれに対する説明・回答がなされました。しかし、その説明・回答は、ほとんどが市民の疑問に正面から答えられたものではなく、はぐらかしと上滑りの回答が多く、市民のストレスは増すばかりの説明会であったと言わざるを得ません。それは、最終日の質問にもありましたが、防衛省側は基地建設計画は国として決まった事でありそれを市民の民意や懸念・不安を無視して強引に進めようとしており、市民の疑問や心配に真面目に答えようとする姿勢が全く感じられず、防衛大臣以下関係者が表明している「地元の民意と信頼が一番」との方針が、十分守られていないとの印象を強くしました。
そこで、この市民説明会は、今後やり方を改善する必要がありますが、それと並行して折角、双方でこれまでこの説明会にかけてきた貴重な時間と労力を無駄にしないためにも、島民がまだ解消できていない疑問や心配事を、公開質問状として取り纏め、別紙(3頁~10頁)のとおり提出させていた頂くことにしました。当質問状にたいする、誠実・明解で嘘・偽りのないかつ公明正大な回答を書面にて頂きたくお願いいたします。
日本国は、憲法にあるとおり、主権在民の平和的民主主義国家であることは貴官も十分ご承知と思いますのでその想いを共有いただき速やかに真摯なご回答をお願いする次第です。
以上、宜しくお願い申し上げます。以下、別紙:「公開質問状質問事項」を示します。
質問は、全部で25項目(質問数は大小47件)となります。
別紙: 公開質問状質問事項<文中青字記述部分は、防衛省説明会回答の要点>
1)、<基地建設計画は防衛省としての決定事項か?>
①、現時点で馬毛島基地建設計画は、国として国会審議/閣議を経て正式に決定したも
のであるとは認識していないが、それで正しいか。
②、説明会では<防衛省としてもまだ決定事項ではない。今後、諸課題を調整・解決しながら進めている段階である。予算化は、その結果をふまえてR4年度に行う予定である。>と説明されたが、全体的な説明トーンは、<建設は決まっているが、建設開始時期はまだ、決まっていない>と聞こえた。改めて確認したいが、「建設そのものはまだ決まっていない。今は計画策定途上であり、環境アセスメントの結果が、島民の懸念・心配ごとをクリアできなければ、建設中止もあり得る。」と理解してよいか。
③、12月9日から始めると報道されている港湾建設を前提とした「ボーリング調査」は「環境アセスメント」の結果でOKが出てから実施すべきだと思うが何故急ぐのか、その順序が逆ではないか、との疑問がありこの問に回答願いたい。
2)、<市長選の結果と民意の尊重>
①、地元では、近々市長選がある。基地反対候補が市長になった場合は、この計画はどうなるのかの問いに、答えは<引き続き市長と協議しながら本計画を進めて行くことになる。>:だった。民意を尊重するのであれば、基地建設反対の民意が示されたという事で建設計画を撤回すべきと思うが如何か。
3)、<基地建設予算>
①、本基地建設にいくらの予算を見込んでいるのか。「概算でいいから示してほしい。」
との問いに<現時点では、まだ金額は出していない。>:との答え。概算を出してい
ないのならまだ計画は策定中であり決まったものではないと理解するがそれで間違
いないか。ちなみに、政府が纏めつつある来年度(令和3年度)の馬毛島基地関連予
算はいかほどか。
4)、<ボーリング調査の漁業への影響と馬毛島好漁場の喪失等>
①、この問いに<ほとんど影響ないと考えている>:との回答だったが納得できる説明ではない。調査に続いて「1万トンを超える軍艦用の港湾建設」が行われれば素人考えでも現在の好漁場が破壊されるのは明らかである。
5)、<漁業で生計を立てている漁師の死活問題>
①、実際に港を造り、それが1万トン級の軍艦が接岸する港になるとすれば、周辺海域
の現状を大きく変える大工事になるはずであり、現在の好漁場としての馬毛島は消滅
することになる。そこで生計を立てている漁師の死活問題となる。これまで先祖代々
引き継ぎ、これからも子・孫へと引き継いで行こうとしている好漁場を失うことは、
一時しのぎの漁業補償金で済むことではないと考えるが如何か。
6)、<種子島振興策観光業への影響と島民離島の続出>
①、「基地と観光は両立する」との答えの根拠と事例を問う。基地の島に観光客は来ない。又、移住者も、自衛隊、防衛省関係者以外は来なくなる。昔から種子島に住み島を愛する島民からも、これまでの平穏で静かな生活環境を失うことで、島を離れる人が大勢出るのは必定であり、種子島の「基地の島」化となる。これをどう考えるか。その責任を誰が取るのか。
7)、<環境アセスメンと騒音問題解決との因果関係>
①、環境アセスメントは、馬毛島基地建設計画のYES/NOを判断する為に行うものと理
解しているが、基地建設は決まっており、防衛省の環境アセスメントに関する説明は、基地の影響を懸念する民意を一時的に緩和する謂わば形式的に行う言い訳策・気休め策に聞こえる。決してそうではないことを納得できるように説明して欲しい。机上の空論や一般論ではなく事例をきっちり示し、その客観性、正確性、公正性、を担保して、島民の心配・懸念を払拭し、その保証ができる説明を願いたい。
②、いっそのこと、現在の硫黄島でFCLP訓練時の測定をやってもらいその結果を教え
てもらいたい。その方が時間と費用が削減でき賛成反対双方住民の納得性も高くなる
良策ではないか。<既にその要望を受け、実施を前向きに検討している>との事だった
ので、まずは硫黄島でその実測を早急にやって貰いたいが如何か。
8)、<環境アセスメントの評価規準及び結果の開示>
①、環境アセスメントについてその評価基準は、事前に種子島島民にオープンされるか。
<12月1日説明会回答:オープンにする。> 了解した。オープンは包み隠すもの
のないようにお願いする。
9)、<敵国よりの攻撃標的になる可能性>
①、攻撃用の砲弾やミサイルが格納される火薬庫のある馬毛島が(有事の場合)、敵国よりの攻撃の標的になる可能性は絶対ないと言えるか? 逆に敵国に対する攻撃基地になる可能性はどうか?
②、そうならない為の防衛省としての対策・施策をどう考えているか? 地位協定の関
係も考慮の上、公正で偽りのない回答をお願いする。
10)、<訓練飛行時の飛行経路の詳細>
①、FCLP訓練の飛行経路についての問に <種子島上空にはかからない>との答えだ
ったがほんとうにそうか? 自衛隊訓練でもそうか?
②、訓練の為に戦闘機が岩国基地から馬毛島に飛来する場合の飛行経路はどのように考えているか。<12月1日回答:種子島上空は飛ばない>。全部海上ルートという事か? 検討中の案でも構わないので回答願いたい。
③、説明会時出た質問だが、「滑走路2×進入方向2×旋回方向2=8」で全てで
8通りの飛行経路が考えられる。実際行われるのはどれとどれで何通りか。飛行経路
を図示して説明願いたい。
④、計器飛行方式と有視界飛行方式の時間及び回数の訓練割合は何%と何%か。
⑤、訓練時の着艦待機戦闘機の空域は不要との事だが、一機ずつタッチ&ゴー訓練を終了して着艦完了後、次の戦闘機が続いて発艦着艦する形の訓練になるのか。
<12月1日説明会回答:複数機連隊で離艦着艦を繰り返す。> のであればそうではなく上空にいる訓練機の待機空域は必要ではないか?
⑥、安全上の理由以外で、米軍戦闘機が上記飛行経路を外れることはないか。その場合
防衛省として米軍にどう対処するのか。基地使用を断ることもあり得るか。
⑦、通常のFCLP訓練時の、戦闘機が発艦してから着艦するまでの速度と高度の変化 を示して頂きたい。
11)、<戦闘機訓練時の種子島への騒音の到達状況と程度>
①、訓練中の戦闘機が種子島に最接近時、西海岸から何Km先まで騒音が届くのか、
その場合種子島の馬毛島から反対側の東海岸にある民家への騒音の大きさはどの程度になると見込まれるか。又、騒音到達距離は、風向きにより大きく変わると思われ、西風強風の場合はより遠方に届くはずであり、その時は更に何キロメートル先までその騒音が届くことになるか。
②、深夜は、蚊の音でも眠られなくなる島だが、馬毛島に面した西海岸沿いの民家
におけるFCLP訓練戦闘機による騒音の程度は最悪の場合で下記のどれか。
*テレビの声が聞こえなくなる。*室内の会話ができなくなる。*煩くて仕事に集中
できない。*睡眠が妨げられる。*病的ストレスで通常の生活が困難になる。
12)、<馬毛島の本格的軍事基地化による種子島島民の生活環境悪化の影響>
①、今日、防衛省が説明した馬毛島基地計画は、当初(2011年6月)発表の単なる米軍FCLP訓練基地ではなく、本格的な自衛隊基地を新規に造り、それを米軍にも使わせFCLP訓練をさせる基地という事だ。米軍だけでなく、自衛隊の軍用機・戦闘機の訓練もそこで行い、年間150日もの訓練をやる、しかも、昼間だけではなく深夜の3時まで訓練するという事なので、当初,年2回20日間だけ米軍のFCLP訓練時期を我慢すればいいと思っていた島民にとっても、土日や悪天候の日を除けば、ほとんど毎日、しかも昼夜間断なく軍用機・戦闘機の訓練が馬毛島で行われる事になり、種子島の平穏で静かな従来の生活環境がほとんど破壊されることになる。このことに対して防衛省としてどう考えどう対処するつもりか。
13)、<国会審議の必要性とその時期>
①、この馬毛島基地問題は、もはや1馬毛島の問題ではなく、鹿児島県、国、更には国際安全保障問題まで関わる国政上の最重要課題である。よって国会での十分な審議が必須と思われる。防衛省としては何時この馬毛島問題を国会審議に付す予定か。
14)、<今後の日本の安全保障問題と日米地位協定問題の解決>
この馬毛島問題に関する反対意見や疑問が解消できない背景には、根本的な問題として以下の3点が考えられる。これらに対する防衛省としての対応・取り組みを聞きたい。
1. ① 、日米安保条約・日米地位協定の非対象性(不平等性)を解消するための日米政府
間の十分な話し合いができていないのではないか。
1. ② 、この問題を戦後(特に冷戦終結後)日本政府は、与党野党を問わず政治問題化する
事を敬遠し避けてきた。よって問題解決が先送りされ問題が残ったまま推移している。
1. ③ 、日本国民一般も安保を含む政治問題には関心が薄く、結果選挙への投票率も年々
下がっている。
種子島では、今後の島民生活を左右する馬毛島問題の顕在化により、地位協定問題も俄かにクローズアップしており、その解決には国の本問題に対する本腰を入れた取り組みが必要であると認識している。そして馬毛島問題は、島民にとっては現下のコロナ禍に劣らぬ生活と命に関わる大問題であり、同時に種子島島民を超えて、全国の米軍基地や自衛隊基地に隣接する全ての地域住民の問題でもある。よって、国(政府)や自治体(行政)による当問題解決への全力投球を期待するものである。
15)、<米軍FCLP訓練基地の硫黄島から馬毛島への移転理由>
硫黄島の現FCLP訓練基地で従来どおり訓練が何故できないのか大いに疑問である。
防衛省の住民説明会で、現硫黄島の米軍FCLP訓練基地を馬毛島に移転する理由を3点あげている。それは、下記であるが、以下、<それぞれの疑問を<青字>で示す。
1. ① 、艦載機の基地岩国から1400Kmの距離にある硫黄島基地では、岩国から硫黄
島に往復する際、機体にトラブルがあった場合緊急着陸用の飛行場が確保できないので安全性に大きな懸念がある。<近くに空母を配置しておき空母に緊急着陸すればいいのではないのか。>
1. ① 、硫黄島の火山活動が活発化しており火山活動による地面隆起で硫黄島基地内の施
設の維持・補修が困難になる。<そのような基地設備があるとは思えないがどんな
設備なのか。これまでそのような事実があったのか。事例で示して欲しい。>
1. ② 、硫黄島付近が悪天候の場合は、厚木で訓練を行うことになるが、厚木では多数の
住民より騒音苦情が寄せられており住民に多大の迷惑をかけているのでこれを解決したい。< 厚木で迷惑をかけている訓練を、種子島に移すというのは、種子島住民を愚弄しているとしか思えず決して受け入れることは出来ない。馬毛島ならそういうことにはならない事を種子島住民にちゃんと説明できるのか。環境アセスメントで証明できるのか。これまでの騒音に関する防衛省の説明は全く信用できないし納得できない。
本来、訓練をやれる天候かどうかは、現地に気象予報の専門家を置いて事前に確認することが出来るはずであり、悪天候の場合は厚木で訓練をするのではなく、硫黄島での訓練日程の変更をして硫黄島で行ってもいいのではないか。>
16)、<米軍FCLP訓練基地の硫黄島から馬毛島への移転メリット>
馬毛島FCLP訓練基地のメリットを、①:訓練の効率性・安全性の確保、②:火山活動による基地施設整備への支障軽減、③:騒音等の周辺環境に与える影響が限定的、の3点が挙げられている。<これに対しての種子島住民としての疑問を下記する。>
1. ① :毎日何千機もの民間航空機が、数千キロの距離を無着陸でしかも数百名の乗客
を乗せて安全・無事に飛んでいる。せいぜい数十機と想定される戦闘機が何故それをできないのか不思議である。僅か1400Kmの距離である。パイロットの練度の問題があるとしてもそれは、タッチ&ゴー訓練の限定時であるので、硫黄島近辺に念のため空母を置いておくとか、硫黄島基地そのものをそれに対応できるよう整備して置くことで解決する問題だと素人考えでは思うが如何か。馬毛島移転を前提に、取って付けたような理屈で島民を騙さないでもらいたい。子供騙しはやめて欲しい。島民の生活と命そして安心・安全が掛かっている大問題なのである。
1. ② :馬毛島近辺には、硫黄島(イオウジマ)と口之永良部島という二つの活火山島が
ある。しかもこの地域は、昔、「鬼界カルデラ大噴火」が起こり数百キロにわたり動植物が死滅する大災害が起こった場所である。そこを現硫黄島(いおうとう)より安全で施設整備の支障が軽くなるとする根拠を説明して欲しい。それよりも、東シナ海特有の冬の北西季節風(これは台風並みの強風で冬は概ね三日ごとに吹く)とそれによる塩害は、現硫黄島よりよほど施設備品整備上配慮しなければならない支障事項である。このことを馬毛島基地企画担当の自衛隊関係者は十分承知しているのか疑問である。
1. ③ :これは、現在、厚木基地、岩国基地、沖縄基地、その他基地の周辺に住んでいた
人々(基地から10Km以上離れているところに住んでいる人々も含む)の体験談やメディアの関連報道から決して影響が限定的とは言えないと認識している。騒音問題については、わざわざ環境アセスメントの結果を待つまでもなく、現地調査で十分と思う。それにより白黒をできるだけ早期にはっきりさせたい事項である。如何か?
17)、<馬毛島漁業者によるボーリング調査差し止め訴訟>
①、今月12月11日、馬毛島で漁をしている漁業者17名による「ボーリング調査差し止めの訴え」が東京地方裁判所で受理された。ボーリング調査実施に対する漁業組合員の賛否投票は、実際に馬毛島で漁をしている漁師たち40名が投票をボイコットするなど尋常でないやり方であった為、この賛否が果たして組合員総意による公正で民主的な投票での意思決定であったのか疑問が残っている。漁業組合長は、前言を覆して賛成として鹿児島県に申請し、それが県知事のボーリング調査承認の決定につながった経緯がある。防衛省においてもこの事実関係の確認をして頂きたい。漁業組合長は、自衛隊出身者であるという事なので、なおさら確認の必要ありと考える。司法による調査はいずれ行われると思われるが、この所見にたいする防衛省の見解を伺いたい。
18)、<厚木基地におけるFCLP訓練騒音問題の状況確認等>
①、環境アセスメントの結果、防衛省提示の騒音コンターの範囲が種子島にかかった場合、
計画を修正、或いは、撤回するのか。それとも、住宅の防音工事等で対処するだけなのか。
②、2017年の厚木基地における米軍FCLP訓練時に殺到した騒音苦情の発生件数を、厚木基地からの距離別に知りたい。半径10Km範囲内及び同10Km範囲外での件数を教えて欲しい。又、最も遠い距離からの苦情は基地から何Kmの地点であったのか。
③、自衛隊機によるFCLP訓練飛行経路を検討中との事だが、現時点での検討内容を教えて欲しい。
19)、<海上ボーリング調査、係留施設建設、基地建設、等の各工程工事関連事項>
①、各工事につき、・工事海域、・漁業制限海域、・漁業補償、・工事期間、工事後の漁場復
活可否、の5項目について回答願いたい。
②、基地全体が完成した後、馬毛島周辺での漁は可能か。制限されるとすればその範囲
は、いかほどか。
③、基地全体が完成した後、現葉山港の一般使用は可能か。
20)、<遺跡、文化財、及び、馬毛島自然の保護・保全>
①、西之表市が要望している立ち入り調査は受入れ可能か。その時期はいつか。防衛省による遺跡や文化財の保護・保全作業はどこまでやる予定か。
②、西之表市の所有となっている市道や旧小中校跡地や校舎等は、今のままとなるのか。
立ち入り、利用は可能なのか。それともこれらも買収するのか。そのほかの私有地は?
③、馬毛鹿を含む馬毛島に生息している動植物の保護・保全を防衛省でどう考えてい
るか。現時点での馬毛鹿の生息数はいかほどと把握しているか。基地完成後の生息数は、
何頭ほどを予測しているか。
21)、<馬毛島周辺海域における漁船等の進入禁止区域設定による漁場喪失/漁業廃業>
①、馬毛島に常時戦闘機訓練を行う本格的軍事基地が出来れば、その周辺海域は広範囲に進入禁止区域が設けられ漁船が入れなくなる可能性を否定できない。ちなみに、南種子町にある宇宙センターでのロケット打ち上げの際は、センター周辺の3Km以内は、人や車両の進入を禁止される。訓練戦闘機は、ロケットより水平方向に飛び、機数も数十機と多く、しかも人が操縦する機体でありロケット打ち上げ以上の危険性が見込まれ、3Km以上の広範囲の進入禁止区域が必要になると思われる。その広さは半径何Kmになるのか?
②、日常的に深夜まで訓練が行われるという事なので、仮に漁場が復活したとしても、この進入禁止区域が出来れば、種子島の漁師は馬毛島では全く漁業ができなくなる。これは、完全な漁場喪失であり、国がこれらの漁師に馬毛島での漁業を止めろと云っているに等しい。それこそ憲法に保障されている国民の職業選択の自由を侵害することにもなりかねず一種の人権問題ではないか。そうだとすれば、馬毛島軍事基地の建設計画の撤回を求めるのは当然であり、もし強行しようとするのであれば、本件を含めて事前に馬毛島問題の可否を国会で充分審議すべきであると考えるが如何か。
22)、<ボーリング調査における監視活動の理由>
①、12月13日、馬毛島のボーリング調査の現場で、海上保安庁の船や数隻の恐らく防衛省が傭船したと思われる漁船により、現地の様子を見に行った現場の漁業権を持つ漁師と一部の島民が厳しい監視と航行の自由を規制された。この防衛省の監視と航行の規制活動は何のためにやっているのかその理由を問いたい。又、それをやれる法的根拠は何か説明願いたい。
23)、<防衛省と地元住民との相互理解を深める方策の構築>
①、島民/市民の間には、もう国が決めたことだから後戻りはできないというあきらめの意見がある。しかし、防衛省はまだ決まっていないとしており、国会審議も未了どころかまだ始まっていない。地元住民としては、正しい十分な情報に基づき一人一人の市民が島の将来をよく考え、今ある島の宝(歴史・自然・文化)を守り抜き、子々孫々までこれを残して行くという責任感と、島を愛する者なら当然そう考える価値観にもとづき意思決定をしなければならない。島の将来へ負の遺産を残し禍根を残す意思決定を
二度としてはならない。当然だが、防衛省関係者は、基本的にはまだ、種子島のことを
よく知らず、島民のこのような心情をよく理解できていなであろうから、今回の説明会が
本質問状の頭書きに述べた事態になった事は、ある程度やむを得ない部分もある。馬毛島
問題の解決には、両者の十分な相互コミュニケーションが必要であり、その仕組みをどの
ように構築して行くか今後の課題である。それには、この質問状への防衛省側の真摯な
回答がまずその嚆矢になると思慮する。よって、そのように是非お願いしたい。
24)、<当公開質問状最後の総括的所見>
1. ① 、国は現下の特に東南アジア地域安全保障情勢への対応の必要性から、防衛省の判
断でこの計画が進められようとしている。この馬毛島の軍事基地化の現場である種子島の島民にとっては、縷々述べたように多くの深刻な懸念・心配ごとがある。これらが解消されないかぎり受け入れることの出来ない基地建設を、国の方針である、国が決めたことである、との論法・論拠で進めないで頂きたい。その事を理解してもらうため最後に下記駄文を記す。
「好い天気の日に高台に登って馬毛島を眺めると、左には世界自然遺産屋久島の標高2000m級の宮之浦岳、馬毛島の後ろには常に噴煙をあげている活火山硫黄島、その右には薩摩富士と言われる優美な形の開聞岳、そして本土最南端佐多岬に連なる大隅半島、これらを一望できる何とも雄大な180度のパノラマが広がっている。その中央に位置する馬毛島は、種子島のすぐ目の前にあり、基地が出来れば、そこに日常的に戦闘機が飛ぶことになる。これは、鹿児島県で言えば、鹿児島市のすぐ目の前にある桜島に軍事基地を造るに等しく、日本国で言えば、皇室の御用邸もある国内有数の景勝地葉山海岸、そこからはヨットの行きかう相模湾の江の島を望みその背景に日本の名峰富士山を望む、その江の島に軍事基地を造るようなものであり、誰しもこれには賛同できないであろう。この心情は、日本人なら誰でもすぐ理解できるはずだ。馬毛島基地化に関しても、全く同様のことが言えるわけで、これは種子島島民の切実な問題であると同時に全国民共通の問題でもあると考える。」
25)、<関係者の公明正大で良識と分別ある判断の切望>
①、最後に、本件に対する、関係者の公明正大で良識と分別ある判断を切望することを申し上げて今回のこの公開質問状の結びとします。
以上
(ご回答に当たってのお願い)
本公開質問状への回答は、各質問に付したID番号:N)、①、②・・・毎に、番号を付してご回答願います。それからご回答の期限ですが、今後の相互信頼を損なわないためにも新年1月8日(金)までには是非ご回答いただきたく宜しくお願い申し上げます。
12月22日 南日本新聞
〈馬毛島調査〉「警戒船業務外に報道関係者乗せるな」 種子島漁協、組合員に指示 防衛省の専念要請受け

海上保安庁の船舶(手前)が警戒する中ボーリング調査の準備が行われる作業台船=21日午前10時58分、西之表市馬毛島沖
西之表市馬毛島沖の海上ボーリング調査を巡って、警戒船を防衛省に提供する種子島漁協が同省から、「警戒業務のみお願いする」との要請を受けたとして、「海上タクシー」の免許を持つ組合員28人に対し「警戒船の業務外に報道関係者を乗せないように」と指示していたことが21日、分かった。同省は「報道関係者を乗せないなど取材制限をするような指示は一切していない」としている。
同日、同漁協の参事は、九州防衛局種子島連絡所から「警戒業務のみお願いする」との電話連絡を受けて、指示を出したことを認めた。
指示は20日午前中、携帯メールで回された。馬毛島でボーリング調査への抗議活動が21日に予定されており、多くの報道関係者が警戒船業務のない漁船を予約していたが、「報道陣を乗せると、今後防衛省の仕事が請けられなくなる」と予約を断られる事態が相次いだ。
参事によると、馬毛島沖に作業船が向かい海上ボーリング調査の準備が始まった13日、警戒船業務外に報道関係者を乗せた船が、防衛省が定めた警戒線の中に入って作業船に迫る事態があり、同省は神経をとがらせていた。その後も同様のケースが2回続いたことで「警戒業務のみお願いする」との連絡があったという。同省も漁協も警戒線の範囲を公にしていない。
参事は「経緯から、報道関係者の利用を抑制する指示と受け止めた」と話した。
第10管区海上保安本部によると、21日に作業船に近寄った船に注意を呼び掛けたが、それ以外に警戒区域内に入った船は確認していないとしている。
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